太宰治のレビュー一覧
-
購入済み
太宰自身書いている通り、転載とはいえそのまま写しているわけではないので、そこに作者自身の創作性が宿るのだと思う。
内容で一番好きな箇所は「てぬぐひかけを、あさがほにとられた。」なんだかコミカルで面白い。 -
Posted by ブクログ
津軽風土記の執筆依頼を受けた太宰が、三週間かけて津軽半島(蟹のはさみの向かって左手)を一周し自身のルーツを辿ってきたという名紀行文です。
生れた町である金木を、特徴もないのに気取った町、底の浅い見栄っ張りの町、と序章でしょっぱなから貶しているのも愛ゆえ。津軽のことなんてほとんど知らないと言っているが、その故郷愛は随所に感ぜられる。
各地で旧友を訪ねてはへべれけになるまで酒をご馳走になっている姿は、まるで彼の書く小説の登場人物がそのまま抜け出してきたようでにやりとしちゃう。太宰は林檎酒でいいんですよなんて一応遠慮したりはしているが、それを見抜いて日本酒やビールを出してくれる友人たちは" -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品は「富士山」を中心に主人公の様々な心情から「富士山」への価値観を述べ、そこから生まれる主人公にとっての考え方、心情の変化から人間としての成長が「富士山」を通して見えてくる作品だと考える。
この物語で主人公は、十五つにも及ぶ「富士山」に対しての心情や価値観を述べている。一つ目、最初の主人公の発言として客観的に「すらと高い山ではない 」これはある意味日本で一番高いとされている山に対しての「侮辱」とも言える言葉である。しかし、二つ目の発言ではこの富士山をあらゆる視点から見た時(十国峠)「高い」「完全のたのもしさ」があると富士山への価値観が一変にして変わったことがわかる。三つ目、東京での「アパ