太宰治のレビュー一覧

  • ろまん燈籠

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    「太宰というのは、死にたいという思いと、やっぱり生きてみようと思わせる出来事との葛藤で作品を作っている人で、この背反する二つの要素の比率によってそれぞれの作風が異なって見えるのである。」という解説になるほどーと思った。

    この本の中の作品では、「死にたい」方に傾いているものとして、「秋風記」が、「生きてみるか」の方に傾いているものとして「新樹の言葉」「愛と美について」「ろまん燈籠」「女の決闘」「古典風」「清貧譚」として分けることができるという。


    「死にたくなった?」
    「うん」
    という会話がさらっと交わされる「秋風記」が好き。

    ぐだぐだと自分を曲げることができない主人公の「清貧譚

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    2013年11月25日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    表題作ほか14作品を収めた新潮文庫です。
    どれも太宰さんが30歳から31歳頃のお話みたいだよ。

    あえて印象深かった作品をあげるとしたら『美少女』かな…。
    皮膚病に効くと言う温泉に行ったら、混浴の湯船のなかにすっごい美少女がいて、これまたナイスバディで「いいものを見た♪」ってゆ~お話。
    味がありました(笑)

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    2013年09月25日
  • 地図―初期作品集―(新潮文庫)

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    ここに収められる作品のほとんどは太宰が中学生・高校生だった頃の作品。10代の頃の作品が、全集ではなく文庫として出版されるとは……太宰がいまだに現代のトップランナーであるか、その人気がわかる。

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    2013年09月02日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    黄村先生シリーズを初めて読んだとき、これ本当に太宰の作品?というほど新鮮な気持ちになった。それでもサービス満天のユーモアが溢れている。「酒の追憶」は太宰が自殺する3ヵ月前に書かれたと知って、最後の最後まで読者に対してユーモアを忘れなかったと思わせる。自分の作家道を貫き通した太宰に感服。

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    2013年09月02日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    「如是我聞」の志賀直哉批判がすごい……ちょっとやり過ぎじゃないと思ってしまう。伝統的なものに対しての反発の意気込みが伝わる。

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    2013年09月02日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    「乞食学生」のラストで大笑いした。夢の中とは言え、酔っ払って何してんの?しかも二人逃げてるし。ユーモアたっぷりの作品。表題作は登場人物の心の底が、まさに太宰という感じで深められている。一人一人、エゴを持っていて、誰が悪人なのか、いや、皆悪いところを持っている。

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    2013年09月02日
  • 惜別(新潮文庫)

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    もう滅ぼうとしているのを自覚しながら、ならば明るく滅んで見せようという実朝は太宰の憧れだろう。最後の最後まで弱音を出してグズグズせず、静に微笑みでも浮かべながら、終わりが来るのを待つ。現代でもこの理想化された実朝に魅せられるのではないか。

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    2013年09月02日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    太宰さんの戦後の短編シリーズを収めた新潮文庫です。
    新潮文庫は文字が大きく、行間が広いので読みやすいのだ。

    太宰さんって実はけっこう優しい人だったのかな…って思えるお話が多かったです。

    太宰さん初心者よりも太宰さん中級者向けの1冊かな。
    らじはもう中級者のつもりだけどね(笑)

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    2013年08月22日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    表題作のほか『古典風』『女の決闘』『乞食学生』『待つ』が収録されている新潮文庫です。
    新潮文庫は文字が大きくて読みやすいので好きなんだ(笑)

    太宰さんの作品では『女の決闘』が高評価って聞いたことがあるから期待して読んだんだけど、らじ好みではなかったよ。
    不倫相手の女学生さんが奥さんに撃ち殺され、奥さんが絶食して自殺するほどの価値が この旦那さんにはないような気がして(二人の女性もそのへんはわかってたんだけど…)パサパサした感じのお話でした。
    表題作は良かったけど、最後がバサっとした感じで終わっちゃって残念。

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    2013年08月08日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    ヤク中と自殺未遂という地獄の時代から這い上がろうと懸命にあがいていたころの作品中。
    なんか、まだ精神病んでるせいか、やっつけな作品が多い気がする;
    『懶惰の歌留多』とか『火の鳥』は、完全に途中放棄してるでしょ。特に後者は完成していたら太宰作品のなかでも結構名作になったと思うのにな~もったいない。

    いくつか印象に残った作品についてメモする・

    『秋風記』 人妻Kと自称・不良少年の主人公が旅館で心中しようとする話。太宰ってこの手の自殺未遂もの多いよね。。自身の体験をもとにしてるんだろうけど憂鬱になってしまう

    『新樹の言葉』 故郷で世話を受けた乳母の子供たちと異郷の地で再会する話。
    「投げ捨てよ

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    2013年05月21日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    おもしろいのはいつもですが、やはり何かとつけて素直じゃない皮肉った見方が何とも言えません。これだけ自分にベクトルを向け、自分好きな作家さんはなかなかいません(苦笑)幸せな現実を自ら壊すみたいな物語が、毎度のことながらほっとけず、ついつい読んでしまうのです。

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    2013年05月14日
  • 惜別(新潮文庫)

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    中編の「右大臣実朝」と「惜別」の二作品を収録。一度読んだことがあるのだけど、その時には難しくてよく分からなかったので、もう一度読んでみた。でもやっぱりこの作品(特に「右大臣実朝」)の良さが分からなかった。爆笑問題の太田光をはじめ、これを太宰最高傑作と言っている人は多いので、おそらく素晴らしい作品なのだろう。私には難しかった。

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    2013年05月10日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    西洋の古典や小説を題材にし、自分の発想で書いた作品。
    今まで読んだ作品とは違う新鮮さや構成の巧さを感じて、とても興味深い作品でした。

    特に、「女の決闘」と「乞食学生」が面白かった。

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    2013年04月05日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    短編を中心としている一冊。一つ一つの話が区切り良く終わっているため、テンポよく読み進めることができた。
    シリーズもので一番面白いと思ったのは、「黄村先生言行録」シリーズの山椒魚の話。語り手のである書生くんのように、黄村先生の行動から何かしらの教訓を得ようとしたわけではないのだが、読んでいるだけで思わずにやりとしてしまう。それだけでも、わたしにとっては価値があるお話である。「相変わらず登場人物のキャラ立てが上手い!」というのが、かなり率直な感想。もっと太宰の短編を読んでみたい。

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    2013年03月20日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    学生時代に太宰の本は一通り読んでいて、この「津軽通信」も読んだはずだけど、暇つぶしに再読。

    表題作の「津軽通信」は故郷の津軽にちなんだ5つの掌編を集めた作品。特に「雀」は戦地での経験を経て、自らの中の加虐性にふと気づいてしまう様子を一文の無駄もなく描き切る。やはり太宰は戦中~戦後の作家であるという事実を改めて感じた。

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    2013年02月25日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    太宰中期の短編集。
    表題作はキャラ立ちまくりの5人兄妹が、暇つぶしにリレー小説を書く話。
    ラプンツェルときいて読んでみたけれど名前だけで特にラプンツェルではなかった。
    才能はないけれど参加したい末弟が一番手を買って出たもののなにも思いつかず剽窃した、と書かれた部分は本当に「雪の女王」まんまで吹いた。いいのかこれ。
    しょうもなさが面白い。

    戦中の作はやはり戦中っぽい。
    後書きに戦中だということを考慮して読んでねとある。
    でもやっぱりどう読んでいいかわからない。
    どこまで本気かわからない。

    たとえば玉砕した青年からの「大いなる文学のために/死んで下さい。/自分も死にます、/この戦争のために。」

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    2015年02月15日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    実家に疎開中に書かれた「津軽通信」(庭、やんぬる哉、親という二字、嘘、雀)、「未帰還の友に」「チャンス」を読む.肩身が狭く鬱々としているといいながら、「津軽通信」の諸作品に暗い影はあまりない.「やんぬる哉」は少し後の「親友交歓」を思わせるおもしろさがあるし、「雀」もオチがいい.「未帰還の友に」は戦後に生きること辛さを感じさせる.

    他に黄村先生三部作「黄村先生言行録」「花吹雪」「不審庵」を読む.おもしろくないわけではないが、ちょっと作り過ぎでないか。


    それにしても太宰のように自分の人生と小説の距離が近いのは辛いだろうな.

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    2012年06月30日
  • 女生徒

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    ネタバレ

    情緒に訴えかける作品が多かった。

    太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
    表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。

    「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。

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    2012年06月23日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰が精神病院を退院し再起をはかろうとしていた頃の作品集。
    今は太宰を読む時期ではなかったのか、あまり心に響かなかった。
    1つ1つの短編のタイトルを見ても中身を思い出せない。
    兄弟愛を描いた作品が多かった。

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    2012年05月03日
  • 走れメロス 太宰治 名作選

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    「走れメロス」の「文庫」で予約したら
    この本が来てしまい
    驚愕そして爆笑。

    いかにも少女向けなイラストの表紙で受け取るのが少々恥ずかしかったですが
    内容は勿論素晴らしい。
    短編集ですが
    やはり作品は長さではないなと。
    ほんの十数ページの作品でも
    内容が薄いのに何故か出回っている数多の作品一冊より遥かに価値があるかと。

    こういう作品を読むと
    今は面白くはあっても読んで得られるもののない作品も多いなあと思う。
    読後 考える、考えさせられる、その上で自分の内面に何か残せるような作品だからこそ名作、なのかと。

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    2012年03月02日