太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「太宰というのは、死にたいという思いと、やっぱり生きてみようと思わせる出来事との葛藤で作品を作っている人で、この背反する二つの要素の比率によってそれぞれの作風が異なって見えるのである。」という解説になるほどーと思った。
この本の中の作品では、「死にたい」方に傾いているものとして、「秋風記」が、「生きてみるか」の方に傾いているものとして「新樹の言葉」「愛と美について」「ろまん燈籠」「女の決闘」「古典風」「清貧譚」として分けることができるという。
「死にたくなった?」
「うん」
という会話がさらっと交わされる「秋風記」が好き。
ぐだぐだと自分を曲げることができない主人公の「清貧譚 -
Posted by ブクログ
ヤク中と自殺未遂という地獄の時代から這い上がろうと懸命にあがいていたころの作品中。
なんか、まだ精神病んでるせいか、やっつけな作品が多い気がする;
『懶惰の歌留多』とか『火の鳥』は、完全に途中放棄してるでしょ。特に後者は完成していたら太宰作品のなかでも結構名作になったと思うのにな~もったいない。
いくつか印象に残った作品についてメモする・
『秋風記』 人妻Kと自称・不良少年の主人公が旅館で心中しようとする話。太宰ってこの手の自殺未遂もの多いよね。。自身の体験をもとにしてるんだろうけど憂鬱になってしまう
『新樹の言葉』 故郷で世話を受けた乳母の子供たちと異郷の地で再会する話。
「投げ捨てよ -
Posted by ブクログ
太宰中期の短編集。
表題作はキャラ立ちまくりの5人兄妹が、暇つぶしにリレー小説を書く話。
ラプンツェルときいて読んでみたけれど名前だけで特にラプンツェルではなかった。
才能はないけれど参加したい末弟が一番手を買って出たもののなにも思いつかず剽窃した、と書かれた部分は本当に「雪の女王」まんまで吹いた。いいのかこれ。
しょうもなさが面白い。
戦中の作はやはり戦中っぽい。
後書きに戦中だということを考慮して読んでねとある。
でもやっぱりどう読んでいいかわからない。
どこまで本気かわからない。
たとえば玉砕した青年からの「大いなる文学のために/死んで下さい。/自分も死にます、/この戦争のために。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ情緒に訴えかける作品が多かった。
太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。
「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。