太宰治のレビュー一覧
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昭和13年の初秋、御坂峠の天下茶屋に赴き、以降、冬の訪れまでの2ヶ月間逗留する。その間宿の娘さんとの交流、太宰のファンと名乗る青年との会話、先輩作家 井伏鱒二との登山に、お見合いなど、いろんなシーンで富士山と関わり、その都度富士山は姿・表情を変える。遊女の一行を見かけた太宰は哀惜の情を抱く。その時の富士は敢然と見守ってくれる大親分のようだと例える。
僕が最もグッときた一節は次である。
十国峠から見た富士だけは、高かった。あれは、よかった。はじめ、雲のために、いただきが見えず、私は、その裾の勾配から判断して、たぶん、あそこあたりが、いただきであろうと、雲の一点にしるしをつけて、その -
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作品集「晩年」の発表前後
麻薬中毒で錯乱していた時の、支離滅裂な作文ばかり集めたもの
「狂言の神」
友人の笠井くんが自殺してしまった
そこで追悼のために、彼のことを書き始めるのだが
じつはその正体が作者自身であることは、すぐに割れてしまう
(執筆前年に単独自殺を試みている)
貧乏に負けたと思われるのが嫌で、ポケットにお金を残しておくのだが
結局死ぬのもやめて、こんな小説を書いている
「虚構の春」
レター教室なんてとても言えない
どれもこれも独りよがり、そうでなきゃ白々しく取り澄まして
読むに耐えない猿面冠者の妄想以下だ
もっとこう、女生徒の日記みたいな色気のあるものを送ってほしい
そんな願 -
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高校生くらいの頃に何を思ってか古本屋で買ったやつ。確か。
太宰治はメロスと人間失格が苦手であまり読んでなくて、その他は『御伽草子』とか「桜桃」くらいしか読んでないきがするんだけども、積んどくのももったいないし読みました。
普通に面白かったわ。「魚服記」なんかは、つげ義春とか萩尾望都らへんが漫画にしてても違和感なさそうなし、「ロマネスク」は強烈に面白かったよ。太宰治は本人の性格もあるんやろうけど、へたれな男性主人公を描いたのが面白いわ。
しかし「女生徒」はだめやった。あれだけで何日読むのにかかったか。無性に不快になってしょうがなかった。文体がだめ。中身もむり。まじむり。思春期の女の子の心の機微 -
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頑強なのかひ弱なのか、
出鱈目なのか几帳面なのか、
チャラいんだか地に足が付いているんだか、
同時代に生きていないせいもあって、
そこのところはよくわからない作家・太宰治の短編集。
太宰の熱烈なファンがいたり、毛嫌いする人もいたり。
いまでいえば、タイプは違うけれども、
村上春樹さんの立場(それも流行作家としての)なのかな?
本書はやはり太宰らしくよみやすく、
そしてうまい文章ながらもどこか甘ったるさがあって、
そこらへんに好き嫌いがわかれるのだろうなあと思いました。
表題作の「ろまん燈籠」はなんと、あのラプンツェルの話。
どこまで太宰の創作で、どこまでが原作のままなのかはわかりません、 -
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ネタバレ私が男だったなら、身悶えするほどに赤裸々な中二的、と思ったのかも。
若干引いて、生温い目線で読んでしまいましたが。
かといって、登場する女性陣の目線に共感するわけでもないんですけどね。
こんな希望に満ちた本を書いていても、自殺を繰り返して最終的に成功しちゃったっていうのがなんともなー。
太宰作品は今までメロスを教科書で読んだくらいだったんだけど、今頃ちょっと手を出してみようかと思ったのですよ。
同じく教科書に出てた夏目漱石は概ね揃えて読破するぐらいにはまったので、こちらはほんと遅蒔きながらです。
まぁぼちぼち読んでみましょう。
ちなみに女の私が読んで身悶えしたのは「ひなのころ (中公文庫)