太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
頑強なのかひ弱なのか、
出鱈目なのか几帳面なのか、
チャラいんだか地に足が付いているんだか、
同時代に生きていないせいもあって、
そこのところはよくわからない作家・太宰治の短編集。
太宰の熱烈なファンがいたり、毛嫌いする人もいたり。
いまでいえば、タイプは違うけれども、
村上春樹さんの立場(それも流行作家としての)なのかな?
本書はやはり太宰らしくよみやすく、
そしてうまい文章ながらもどこか甘ったるさがあって、
そこらへんに好き嫌いがわかれるのだろうなあと思いました。
表題作の「ろまん燈籠」はなんと、あのラプンツェルの話。
どこまで太宰の創作で、どこまでが原作のままなのかはわかりません、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私が男だったなら、身悶えするほどに赤裸々な中二的、と思ったのかも。
若干引いて、生温い目線で読んでしまいましたが。
かといって、登場する女性陣の目線に共感するわけでもないんですけどね。
こんな希望に満ちた本を書いていても、自殺を繰り返して最終的に成功しちゃったっていうのがなんともなー。
太宰作品は今までメロスを教科書で読んだくらいだったんだけど、今頃ちょっと手を出してみようかと思ったのですよ。
同じく教科書に出てた夏目漱石は概ね揃えて読破するぐらいにはまったので、こちらはほんと遅蒔きながらです。
まぁぼちぼち読んでみましょう。
ちなみに女の私が読んで身悶えしたのは「ひなのころ (中公文庫) -
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日記の断片ですか?
恥ずかしいことを、恥ずかしがりもせず、書いているという感じ。自分を戯画化することで、自意識を紛らそうとして、多分、益々辛くなるのだろう。
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購入済み
太宰らしい、ただそれだけ
自意識でがんじがらめで身動きできない、という状況がひたすら綴られている。自分一人では耐えられない重み。だが、他人がいたら尚更堪え難いというジレンマ。
が、「作品」と言えるレベルでない気がする。 -
購入済み
権威に敏感な太宰
人間は得てして、得意分野でこそ、馬脚をあらわすということがある。思い入れが強いために、却って自分を客観視できず、暴走してしまうようだ。私はこの文章をそう読んだ。
太宰は熱狂的なキリストファンだから、他人がキリストを語ることに厳しい。あたかもゲームの「名人様」が、他人のプレイに辛辣であるように。私は太宰の小説を読むにつけ、もうちょっと思慮深い人という印象があったので、この文章での彼は少しく意外であった。
キリスト研究の「世界的」権威を否定する一方で、日本人の「世界的」思想家の名声を讃える……真珠湾前夜で、太宰も愛国心に燃えていたのであろうか?
この「世界的」人物が誰なのかは分からないが、一時の権