太宰治のレビュー一覧

  • 津軽通信(新潮文庫)

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    短編集。黄村先生言行録。戦時中で規制のある中風刺の効いた作品。もっと続けて欲しかった。2016.1.24

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    2016年01月24日
  • ろまん燈籠

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    頑強なのかひ弱なのか、
    出鱈目なのか几帳面なのか、
    チャラいんだか地に足が付いているんだか、
    同時代に生きていないせいもあって、
    そこのところはよくわからない作家・太宰治の短編集。

    太宰の熱烈なファンがいたり、毛嫌いする人もいたり。
    いまでいえば、タイプは違うけれども、
    村上春樹さんの立場(それも流行作家としての)なのかな?

    本書はやはり太宰らしくよみやすく、
    そしてうまい文章ながらもどこか甘ったるさがあって、
    そこらへんに好き嫌いがわかれるのだろうなあと思いました。

    表題作の「ろまん燈籠」はなんと、あのラプンツェルの話。
    どこまで太宰の創作で、どこまでが原作のままなのかはわかりません、

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    2015年11月18日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    天才作家がジャンキーになると、こんなブッ飛んだ文学が創生されるという見本のような作品集。よくもこんなに様々な言葉が湧いてくるものだと感心するが、線ではなく完全な点の文学である。後の代表作「人間失格」のプロトタイプみたいな「HUMAN LOST」で、内妻の悪口を書いた部分が逆に太宰の人間らしさを感じる。

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    2015年10月15日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    音楽アルバムに例えれば、アウトトラック&リミックス集のようなセレクション。大戦に入る時期の作品が中心で、太宰夫人が主人公の「十二月八日」、「令嬢アユ」「恥」といった女性視点からの作品に、反戦のメッセージが込められた「散華」が心に残った。

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    2015年08月30日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    太宰が薬物中毒に苦しんでいた時期のセレクションのせいか、話がどうにもまとまらない作風が多い。その中でもやはり味わい深いオチの「葉桜と魔笛」は見事な傑作。時が経ち変わってしまった思い出の地の出来事を描いた「老ハイデルベルヒ」もいい。

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    2015年08月26日
  • パンドラの匣

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    ネタバレ

    私が男だったなら、身悶えするほどに赤裸々な中二的、と思ったのかも。
    若干引いて、生温い目線で読んでしまいましたが。
    かといって、登場する女性陣の目線に共感するわけでもないんですけどね。
    こんな希望に満ちた本を書いていても、自殺を繰り返して最終的に成功しちゃったっていうのがなんともなー。

    太宰作品は今までメロスを教科書で読んだくらいだったんだけど、今頃ちょっと手を出してみようかと思ったのですよ。
    同じく教科書に出てた夏目漱石は概ね揃えて読破するぐらいにはまったので、こちらはほんと遅蒔きながらです。
    まぁぼちぼち読んでみましょう。

    ちなみに女の私が読んで身悶えしたのは「ひなのころ (中公文庫)

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    2025年05月28日
  • 女生徒

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    ネタバレ

    【引用メモ】

    ・いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。

    ・ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。

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    2015年08月04日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    国語の教科書に一部のっとった走れメロスしか、今の今まで読んだことなかった太宰治の作品。
    それ以前に太宰治がまさか戦後まで生きとった人やったってのも知らんかった。
    (無知ですみません。)
    この小説にのっとったすべての作品、読み終わった今でもイメージがすぐ浮かんでくるいうことは、きっと面白く読めたんやと思う。
    でもそれ以上に太宰治の人生にびっくりさせられっぱなしで(最後の東京八景にて)、それどころでなくなってもうた。

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    2015年07月24日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    「男性作家が選ぶ太宰治」は、どの話も小説の王道のごとく、
    シンプルにストレートに面白かった。
    対してこちらは、エッセイ風だったり、入れ子構造になっていたりと、
    やたらと技巧に凝っているのが目立つ。
    他人と同じものを選びたくないという女性心理だろうか?
    私の頭が単純なのか男性寄りなのか、「男性作家」の方が断然良かった。

    本書でいちばん気に入ったのは、角田光代さん選の「恥」
    「自分を暴かれる傷みが、読む快楽になることを知った」というコメントに膝を打つ。

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    2015年06月05日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    私の読解力が足りないので理解できないのかと思ったが、解説を読む限り最初から難解な文章らしい。
    でも、自殺にちょうどいい木を見つけて「善は急げ、というユウモラスな言葉が浮かんで」というような一文など、手記のような小説などは、ついクスリと来てしまう部分もある。

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    2015年04月21日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    改めて読み返し、未読なもの、既読なものまちまちだなと思った。
    わたしも江國さんと同じで太宰作品ですきだとはじめに感じたのは女生徒です。
    そして角田さんの言うように太宰作品は読み手が、私自身が書かれていると思い込むなにかがあること。
    もっと広い世代に読んでもらいたいですね。

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    2015年03月12日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    読みながら、うあーどうしたらいいんだろう、何を感じればいいんだろう、わかんないってなった。
    太宰でそうなったのは初めてだったからどうしたらいいかわからなかった。
    でも不思議なことに、もう一回読みたくなる。

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    2015年02月17日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    入江家の人々の描かれ方が新鮮で面白かったです。
    五人の兄妹が順々と書き続けていく物語にそれぞれの個性が表れていました。
    ちょっと残念なんだけど妙ないとおしさを感じて、彼らの生活をもう少し覗いてみたいなと思いました。

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    2015年02月16日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    太宰の全集は大学時代に読み終わったのに、記録しないと抜けてしまうね。読み直し中。


    春風記、新樹の言葉、愛と美について、ろまん燈籠、女の決闘、古典風、清貧譚の七編。

    句読点の多さ、リズム感、なんともナルシズムでたまらん。数篇は古典作品を元にしているけれど、すごい太宰節。

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    2014年12月30日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    初めて読んだ太宰治の本。今まで何となく(人間失格というタイトルや、太宰治の顔の雰囲気から)他人を寄せ付けず、他からどう思われていても平気そうな人と勝手に思っていたが、作品を読んでそのイメージが一変した。
    こんなに他人の目におびえ、苦悩を抱えた人だったんだな。

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    2014年11月14日
  • 容貌

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    日記の断片ですか?

    恥ずかしいことを、恥ずかしがりもせず、書いているという感じ。自分を戯画化することで、自意識を紛らそうとして、多分、益々辛くなるのだろう。

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    2014年10月04日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    こういう太宰治の作品もあるのかと、新しい発見になった本です。
    面白くて、あたたかい感じがします。いくつか太宰治の作品を読んだ後に読むと、もっと楽しく読めると思う。

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    2014年09月11日
  • 走れメロス 太宰治 名作選

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    メロスはともかく、畜犬談に太宰らしさが滲み出ていて、思わず苦笑してしまった。
    この人のひねくれ具合、どうにも憎めない。

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    2014年09月10日
  • 待つ

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    太宰らしい、ただそれだけ

    自意識でがんじがらめで身動きできない、という状況がひたすら綴られている。自分一人では耐えられない重み。だが、他人がいたら尚更堪え難いというジレンマ。
    が、「作品」と言えるレベルでない気がする。

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    2014年09月04日
  • 世界的

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    権威に敏感な太宰

    人間は得てして、得意分野でこそ、馬脚をあらわすということがある。思い入れが強いために、却って自分を客観視できず、暴走してしまうようだ。私はこの文章をそう読んだ。
    太宰は熱狂的なキリストファンだから、他人がキリストを語ることに厳しい。あたかもゲームの「名人様」が、他人のプレイに辛辣であるように。私は太宰の小説を読むにつけ、もうちょっと思慮深い人という印象があったので、この文章での彼は少しく意外であった。
    キリスト研究の「世界的」権威を否定する一方で、日本人の「世界的」思想家の名声を讃える……真珠湾前夜で、太宰も愛国心に燃えていたのであろうか?
    この「世界的」人物が誰なのかは分からないが、一時の権

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    2014年09月02日