太宰治のレビュー一覧

  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「私」は常に「あの人」への羨望と嫌悪、愛憎を拗らせていた。物語の終盤「あの人」の唐突な振る舞いに対して、「私」は「あの人」は寂しさを抱えているのだと慮り、背信を取りやめようとする。その瞬間だけは「私」にとって「あの人」は神ではなく、2個上の自分と同列の人間であり、引け目を感じることなく愛せる対象になったのではないか。「私」にとって「あの人」は手が届かないからこそ惹かれ、手が届かないからこそ口惜しい存在だったように思う。

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    2023年08月09日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ♪
    太宰治さんと今井キラさんのコラボ作品。

    自分でも分からない何かを待っている少女。
    分かるような、分からないような不思議な感じのする作品だったけど好きでした♡
    純文学、奥が深い〜。
    その独特な世界観と、今井キラさんの儚げでふわっとしたイラストがとてもマッチしてました♪

    普段、難しい気がしてなかなか手に取らない純文学の作品だけど、このシリーズだとスルッと世界に入り込めてしまう。
    aoiさんとチーニャさんに教えていただいたシリーズ♪
    まだまだ追いかけたいな〜\♡︎/

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    2023年08月08日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、太宰治さんとねこ助さんのコラボ作品「魚服記」です。ねこ助さんの繊細でどこかさみしさを感じさせるイラストが印象的な作品です。

     炭焼きの父とその娘のスワ…父が炭焼きの仕事をしているときは、スワは茶屋の店番をしていた…。また、父がふもとの町に下りるときには、ひとり炭焼き小屋で過ごすのだった…。スワは15歳、少女から女性に成長する時期…「おめえ、なにしに生きてるば」「くたばった方あ、いいんだに」なんとも切ない会話…。季節は秋から冬に向かう頃、いつものようにひとり父を待ちながら過ごすスワ…外を見ると初雪、酒臭い父から逃れるかのように小屋を出ていき…。

     スワは父に、自分のことをもっとわかってほしかったんじゃないかな…それとも父から解放されたかったのか…。でも私的には、父に愛してほしかったんじゃないかと感じました。なんとも切ない最期は、しんみりと心に広がって静寂な余韻を残してくれました…。

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    2023年07月23日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    地図にのっていないような山のふもとの寒村で、炭焼きの娘 スワは父親と二人で暮らしていた。

    少し不思議な物語だった。
    野性的に生きていたスワがある時から理知的になり、そして……。

    暗い。

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    2023年07月14日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    ハムレットも太宰治もまったく読んだことがなかったので、舞台観劇前に世界観を知ろうと読んだ。
    予習的要素が大きかったので、物語そのものを楽しもうと言うよりは、役者さんがどんなふうに演技するんだろうな……を想像しながら読んだ。
    普段馴染みのない文体だったから読みにくいところもあったけれど、総合的には面白い部類かな。
    予習のおかげで舞台も思いっきり楽しめた。

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    2023年06月24日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ポローニヤスが魅力的なキャラクターだった。何か条も続く留学の心得は面白い。愛情深いお父さんで、ポローニヤス家は健全で幸せそうに見える。
    一方ハムレット家に愛情がないわけでもなく、ただハムレットに伝わっておらず、それで本人は苦しんでいる。
    愛が言葉なのかどうか、という議論は興味深い。
    ハムレットは愛を言葉で伝えてほしいと切望している(自分自身は伝えようとしていないが)。少なくとも、ハムレットのように愛が言葉であると思っている人に対しては、言葉を尽くさなければ愛は伝わらないのだろう。
    しかし仮に、ハムレットに対し言葉を尽くしてみたところで、ハムレットは本当にそれを心からの愛の言葉だと信じられるのだろうか?
    オフィリヤがガーツルードに言ったとおり、人間が正直な心を言葉で言い表そうとするほど、嘘っぽく変になってしまうものであり、うまく伝わらないものだと思う。
    人間は必ずしも思ったとおり言葉にする生き物ではない、というだけでなく、さらに、思ったとおり上手く言葉にする行為それ自体が相当難しい、という二重の問題がある。
    この作品の登場人物もみな多弁だが、そのセリフは、真実を話しているのか、あるいは心からの言葉なのか、いまいち信じきれないものが多い。
    人の心を理解しようとすること自体が苦しみを生むようにも思える。人と人とは本当に難しい…。

    クローヂヤスも哀愁がある。
    結局本当に兄を殺しているのかいないのかわからず、読み返してしまった。
    最後の告白が本当であるとすれば、殺すことを決意し、着手しかけたところをポローニヤスに目撃されたが、すんでのところで踏みとどまった、といったところだろうか?
    だがクローヂヤスが心から国や新しい家族のためを思っている男であることもまた事実であり、かわいそうにも感じた。

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    2023年06月14日
  • あさましきもの

    匿名

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    あさましきもの。刺櫛すりてみがくほどに・・・。枕草子のこの篇をふまえつつ、自身を投影した作品であるだろう。

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    2023年06月06日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    妙に面白い。似た雰囲気の短編なのに何故か飽きさせない。良いところに研がれた文章がおいてある。読み手の心理を心得ている。

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    2023年05月19日
  • 晩年(新潮文庫)

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    人間らしい太宰治の事が色々書かれてあったり。

    よくわからない話もあったり(自分の読解力が足しないのかも?)

    またいつか読み返したらもっと何か分かるのかもしれない。

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    2023年04月24日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    20代前半の希望感と絶望感が入り混じった気持ちは、いつの時代も一緒なんだと感じました。

    そして、とにかく絵が綺麗で素晴らしい。

    全体のページは短いですが、ゆっくり読んだ方がいい本だと思います。

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    2023年04月21日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    資産家に生まれたことの原罪意識があるのか、いかにも的なものへの拒否が下流文士として、地の底を舐めるような作品を産む。

    美しいものを美しいという不自然さに顔をしかめる反面、穢れや裏切りに対する潔癖。
    芸術は私だと言わせるのはそれだけ謙虚な証しでもある。

    強いてあげるなら、「魚服記」「満願」「富嶽百景」「駆け込み訴え」「きりぎりす」「東京八景」

    中でも「東京八景」は私には渾身の一作に思える。

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    2023年04月19日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    東京に暮らす一人の少女。
    彼女のある1日の心の動きを描く。

    繊細なようで図太い。
    猫のように気まぐれで子リスのように臆病、万華鏡のように気分が移ろう少女。
    これぞ思春期って感じがした。

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    2023年04月13日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    何度か読んだことがある太宰の『葉桜と魔笛』。
    病床に臥している虚弱な妹のために、姉が文通相手のふりをして手紙を書いてあげる、しかしその文通相手がそもそも妹のつくりあげた架空の人物、という胸がギュッとなるような切なさを超えて、姉妹愛が麗しい。お庭の葉桜の奥からきこえてくる軍艦マアチの口笛は、どのような音色だったんだろう。新緑に目を細めたくなるような、眩くてやさしい短編です。

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    2023年04月27日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    よく、こんな話思いつくものだ。ぼんやり電車を待つ事は、あるが。山で最終列車に乗り遅れ、駅で一晩過ごした事がある。こんな内向的な気持ちには、なれないが、ストーリーとしては、面白し。

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    2023年04月06日
  • 惜別(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読書会のため。課題は『惜別』なんだけど、ついでだから『右大臣実朝』も読んだ。太宰って、憑依が得意だな。

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    2023年03月27日
  • 晩年(新潮文庫)

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    ネタバレ

    昭和十一年刊行の太宰治の処女作品集。

    以前、別のアンソロジーで「富嶽百景」を読んだとき、自分がどう見られているのかをすごく気にする人だと感じたが、それは本書収録の作品にも直截的に書かれている。また、(意識的か苦しまげれかはさておき)小説の筋をいったん止めて作者自身が説明や言い訳をしたり、とりとめのない文句をコラージュ的に並べて雰囲気を演出したり、または箴言めいたことを書いてみたり、気取っていて自意識が非常に強い。解説には二十三、四歳のころに書かれたとされているので、そうなるのも当然ではあるのだろうけれど、いま一歩作品に入り込めない。思春期に読んでいれば、また印象は違ったのだろうとは思う。
    どの作品にも作者自身が反映された登場人物が出てくる。


    以下は印象的だった作品

    ・「猿ヶ島」
    猿の流れ着いた島が、実は動物園だったと判明する。
    先着の猿が語るさまざまな職業についての皮肉が面白い。

    ・「猿面冠者」
    人生の岐路に立たされたとき、見知らぬ人から手紙が送られてくる、「風の便り」という小説を書く過程を作者の思考を交えながら描く。小説のなかで小説を書くという入れ子構造になっている。
    同じ手法をとっている「道化の華」(本書収録)では、読者に見られることを意識したうえで悩み、卑下している感がある。

    ・「彼は昔の彼ならず」
    親の遺産を譲り受けた青年は、木下青扇という男に家を貸したが、いっこうに家賃を払う気配がない。取り立てに行っても、いつもうまい具合にごまかされてしまう。働くようにすすめるも、女房が変わるたびに手をつける仕事も変わり、稼げている様子はない。なかば放っておいているところに、青扇の最初の女房が青年のもとを訪れる。

    ・「ロマネスク(仙術太郎 / 喧嘩二郎兵衛 / 噓の三郎)」
    蔵にこもって仙術を会得した太郎。喧嘩の腕を磨こうと鍛錬を積む二郎兵衛。幼いころから嘘をつき続けてきた三郎。思うよういかない三人を、おとぎ話のような形で滑稽に描く。

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    2023年03月20日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    人付き合い・人間関係の息苦しさ、開戦後の閉塞感とぼんやりとした焦燥と不安。
    待っているのは人か、平和か、とにかく自分や社会を含む周囲を現状打破してくれるなにかか。
    いつの時代も共通の人との関係から回避したい気持ちに、今はウクライナ情勢やコロナ後の変化していく社会への漠然とした不安が、なんとなく重なって、おそらくこの作品執筆時とは違う共感?があった。
    今井キラさんの繊細で、作品の物憂げな世界観にあったイラストが素敵。

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    2023年03月15日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    太宰治が女子中学生の目線で書いたという事、若手女優南沙良さんの愛読書だという事を同時期に知って読んでみたくなった「女生徒」。時代もあるのでしょうが、身体も意識も大人になりかけの女子特有(?)の〝大人はきたない、いやらしい、恥ずかしい“という気持ちがよく描かれていて、そう感じてるんだなぁ、と納得する反面、本当にそんなもんなのか?とも思ってしまった。

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    2023年03月01日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    読んでる間は酒飲みの登場人物や風刺的な内容に辟易するし読後感も良くはないけど、読み終わってみると面白かったと思う
    文章がうまくて読みやすい
    たずねびと、冬の花火、春の枯葉、メリイクリスマス、フォスフォレッセンス、饗応夫人、美男子と煙草が好き

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    2023年01月17日
  • 太宰治 電子全集1

    匿名

    購入済み

    有名どころを集めた、代表巻と言える。この中では、走れメロスはもっとも太宰らしくないが、名作として人口に膾炙してしまっているので仕方ない。

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    2023年01月14日