太宰治のレビュー一覧

  • 富嶽百景・女生徒 他六篇

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    ネタバレ

    女生徒は太宰が女性となって本人の語り口で話を進めていく。もっと何かのイベントがあっても良かったようにおもうのだから。

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    2025年06月18日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    乙女の本棚シリーズ。
    少し厚めだなと思ったら、かなりの文字量でした。思春期の女の子の繊細で、揺れ動く心情がとにかくツラツラと書かれています。作者がオジサンだとは、とても信じられません。

    自分はこんな思春期を過ごしていないけど、当時の心情を文章にしたら、これぐらい揺れ動いていたのかな?昔を懐かしく、この感性をどこか眩しく感じるような作品でした。

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    2025年06月16日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    シリーズ最初期のものだけあって、乙女の本棚のコンセプトがはっきり打ち出されているような気がする。こういうのを作りたいんだという思いが、きちんと形になっていると思う。
    まあ、確かにこの絵は乙女だねえ。

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    2025年06月15日
  • 人間失格

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    今さら初めての人間失格。難解でめんどくさそう…のイメージから避けていましたが、考えていたよりずっと読みやすくてよかった。なんていうか意外と…今風…?な人間感。太宰治めちゃくちゃ俗っぽいじゃん。
    とにかくあの有名な人間失格を今世で読む機会があって満足。

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    2025年06月15日
  • 津軽

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    太宰がこれ書いた年齢に
    自分が追いついてしまった衝撃

    34,35歳。
    自分の原点探したくなる気持ち、
    今ならわかる(浅い感想)

    「ね、なぜ旅に出るの?」
    「苦しいからさ」

    ぐらついてくるんだよね、自分が。
    だからなのかな。
    最後の言葉がぐっときたのは。
    「元気で行こう。絶望するな。では、失敬」

    おめーに言われたくねーよ。と同じ歳になった今だから真っ直ぐ受け止められた。

    あと5,6年で不惑と言われる歳。
    無理だね。
    きっと人生終わるときまで迷いまくりだし、
    苦しくなるだろうけど。

    そのときは、
    大切な人たちに会いに、大切な思い出に会いに
    旅に出てみようかな。


    歳を重ねてまた読ん

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    2025年06月13日
  • パンドラの匣

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    以前に読んだ、古賀史健さんの本のなかで『正義と微笑』が紹介されており、とても気になったので読みました。

    思ったよりとても読みやすかったです。太宰治の文章って、こんなにスムーズに頭に入ってきやすかったっけ?と思うほど。書簡体小説だからでしょうか?

    主人公の芹川進くん。無事に志望する劇団に入れて良かったです。試験後のやりきった感じは読んでいるこちらにも清々しさがひしひしと伝わってきました。
    初任給で、お兄さんに万年筆をプレゼントしたのかな?

    最初のほうに出てきた黒田先生のセリフは名言でした。
    カルチべート。この言葉をしっかり胸に刻みました。
    なんで勉強なんかしなくちゃいけないんだ?と悩んでい

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    2025年06月11日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    二度の自殺未遂の後、24歳で書かれた『魚服記』。太宰治の作品です。ねこ助さんのイラストが、物語の雰囲気をうまく伝えてくれているように思いました。

    東北の人里離れた村で父親と暮らすスワ。日中過ごす滝のそばで、ある青年の不慮の死を目撃します。その後もこの場所で父親の帰りを待つ毎日。そして成長し···。という感じでした。

    物語は、全体的に重苦しさを感じました。スワが父親に放った言葉が、この物語ではとても印象的でした。

    最後に、生まれ変わって自由と解放を手に入れたスワが、滝壺に吸い込まれていったことで、なんともいえない気持ちになりました。

    ねこ助さんのイラストのスワの眼に、思いが込められている

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    2025年06月02日
  • 晩年(新潮文庫)

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    著者の物語と著者自身の関わりについて、よく言われていることがあるけれども、ここでは、そのことについては触れない。あえて僕が、それを語る必要がないと思うからだ。皆で同じことを言うなんて、言い方は悪いかもしれないけれど、馬鹿げていると思う。いまさらなのですよ。悪しからず。
    人というのは、どうしようもなくて、それは誰しも心当たりがあると思う。浮かぶも沈むも、本人次第、と言ってしまったら身も蓋もないけれど、その心当たりが人一倍強く思いあたる僕としてはなおさらだ。堕ちるときは堕ちる。言い訳だってするし、他人のせいにもするかもしれない。妥協だって肯定するし、いつだって逃げ道を用意する。ここまで思い当たるこ

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    2025年09月15日
  • ヴィヨンの妻

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    BSテレ東の「あの本、読みました?」の太宰治特集の回で、芥川賞作家の綿矢りささんがイチ推ししていた本作と「畜犬談」の2作を早速朗読音源で楽しみました。

    太宰体験は「人間失格」と「走れメロス」くらいしかなかった自分にとっては、度重なる心中事件も相まって、太宰作品には暗く陰鬱なイメージしかなかったのですが、本作は綿矢さんの後押しもあってスンナリと入ってきました。同番組を見ていなかったら手に取ることはなかっただろうなとも思います。

    綿矢さん曰く「人間の汚さと気品とが同居する文章が太宰作品の魅力だ」と。そういうまなざしで読むと、確かに「ヴィヨンの妻」の妻は、ろくでなしの夫に苦しめられながらもどこか

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    2025年05月31日
  • ヴィヨンの妻

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    だ、ダメンズすぎる…(−_−;)
    『文豪ナビ』を読んで、一番おもしろそうだった
    『トカトントン』の収録されてるやつを選んでみましたが。
    なんかこれ、晩年の短編集ですねんな。
    とりあえず奥さんの苦労を思って涙が出まする(T_T)

    肝心の『トカトントン』は
    すごい短いけどおもしろかったです。
    何かに熱中しようと気分が盛り上がった時にかぎって
    ひとつのきっかけで何もかも嫌になってポシャっちゃう。
    そういうことって
    現代の我々でも無きにしもあらずですよね。
    それを「決まってどこからか音が聞こえる」と
    表現したのは、おもしろいよな〜と思います。

    しかし、表題作以下…
    えーと、これキャラとして書いてる

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    2025年05月25日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    昔、晩年の短編集を読んだけど
    これは中期の短編集ですね。
    文章の相性としては読みやすく感じたけど
    内容のほうは、え〜ちょっとそれ
    どうなん〜みたいなところ。

    中では『葉桜と魔笛』に少しホロリ。
    『新樹の言葉』も旧知の人の
    子供にあたる兄妹との小さな酒宴が温かい。
    『春の盗賊』も妙な展開だけど
    なんだか可笑しみがあって好きでした。

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    2025年05月25日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    はい44オネェはおさむちゃんです

    TheSECOND見るの忘れちゃったんだよなー誰かマジでスケジュール管理してほしいwってそっちのお、お、お、おさむちゃんじゃなーい

    どうなの?

    なんか最後に最果タヒさんが、違うんだけど共感するみたいなこと書いてましたけど

    いや、そんなこと言ったら東京タワーにいるインチキ占い師と一緒でこんだけ色々言ったら何かしら当てはまるわ!って言う

    特に『女生徒』なんか、すぐ「あ〜それわたし〜」とか言いそうじゃない(ド偏見)

    かの太宰治をインチキ占い師呼ばわりです

    でも、なんか分かる
    このあっちこっちに揺れて、ぐるぐるしながら膨れ上がる、なんか醜い気持ち
    乙女や

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    2025年05月25日
  • 人間失格

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    結局、令和も昭和も
    人間は何を信じて生きていけばいいかわからないものなんだね。
    誰も信じなくても、誰でもを信じても結局酷い目に遭うなら、
    好きに生きるしかないね。
    27年、濃い人生だ。
    まともな人間とはなんだろ。
    狂った主人公の周りにいたまともな人間は、果たして人間だったのか。あくまで、人間ぽかっただけでは?

    あと、カフェーは風俗店の意味だったんだね。
    カフェ酒池肉林はネーミングセンス草

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    2025年05月12日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    太宰治といえば『人間失格』「走れメロス」のイメージが強い。しかし、この本を読めば、太宰治に対するハードルがだいぶ下がるのではないだろうか。

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    2025年05月06日
  • 晩年

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    “「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば。」”(p.11『葉』)

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    2025年05月05日
  • 斜陽

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    かず子は共感出来ないし正直苦手な人間ではあるのだが、何となく羨ましいと思う気持ちもある。

    太宰が本来どんな意味で題名を付けたのかは分からないが、四者四様に傾いてく様は正に斜陽。

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    2025年05月04日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    ネタバレ

    浦島太郎とカチカチ山がとにかく面白い。作者の批評精神が全開で、この人はずっとこう言う世間と人間に対する不満というか醒めた見方を何処かで持ち続けて居たのだなと思う。斜陽等の長編にも通底して、この世の中に対する虚無めいた見方が流れているように感じる。
    反面、この文庫に収録の他の作品はあまり面白いと感じられなかった。特に新釈諸国話は正直、読むのがつらい。いかに作者のエッセンスで翻案したとは言え、余りに元の西鶴のストーリーと合っていないと感じ、読んでも何ひとつ感じるものがない。
    お伽草紙は良かったのだが、他が上記なので、個人的には文庫全体としての評価は低めとなってしまった。残念。

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    2025年05月02日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

     耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。

    「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
    "美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ

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    2025年04月25日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    乞食学生は良かった。その他は刺さらず。新ハムレットは原作の記憶がすでに曖昧なためもあって、そこまで⋯。

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    2025年04月22日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    なかなか手を出すのを躊躇ってしまう、私にとってはハードルが高いと思ってしまう文豪たち。
    こういったテーマに沿ったアンソロジーは、手を出しやすく助かります。
    江戸川乱歩の「芋虫」と、太宰治の「駆込み訴え」が好きでした。

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    2025年04月15日