太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
太宰がこれ書いた年齢に
自分が追いついてしまった衝撃
34,35歳。
自分の原点探したくなる気持ち、
今ならわかる(浅い感想)
「ね、なぜ旅に出るの?」
「苦しいからさ」
ぐらついてくるんだよね、自分が。
だからなのかな。
最後の言葉がぐっときたのは。
「元気で行こう。絶望するな。では、失敬」
おめーに言われたくねーよ。と同じ歳になった今だから真っ直ぐ受け止められた。
あと5,6年で不惑と言われる歳。
無理だね。
きっと人生終わるときまで迷いまくりだし、
苦しくなるだろうけど。
そのときは、
大切な人たちに会いに、大切な思い出に会いに
旅に出てみようかな。
歳を重ねてまた読ん -
Posted by ブクログ
以前に読んだ、古賀史健さんの本のなかで『正義と微笑』が紹介されており、とても気になったので読みました。
思ったよりとても読みやすかったです。太宰治の文章って、こんなにスムーズに頭に入ってきやすかったっけ?と思うほど。書簡体小説だからでしょうか?
主人公の芹川進くん。無事に志望する劇団に入れて良かったです。試験後のやりきった感じは読んでいるこちらにも清々しさがひしひしと伝わってきました。
初任給で、お兄さんに万年筆をプレゼントしたのかな?
最初のほうに出てきた黒田先生のセリフは名言でした。
カルチべート。この言葉をしっかり胸に刻みました。
なんで勉強なんかしなくちゃいけないんだ?と悩んでい -
Posted by ブクログ
二度の自殺未遂の後、24歳で書かれた『魚服記』。太宰治の作品です。ねこ助さんのイラストが、物語の雰囲気をうまく伝えてくれているように思いました。
東北の人里離れた村で父親と暮らすスワ。日中過ごす滝のそばで、ある青年の不慮の死を目撃します。その後もこの場所で父親の帰りを待つ毎日。そして成長し···。という感じでした。
物語は、全体的に重苦しさを感じました。スワが父親に放った言葉が、この物語ではとても印象的でした。
最後に、生まれ変わって自由と解放を手に入れたスワが、滝壺に吸い込まれていったことで、なんともいえない気持ちになりました。
ねこ助さんのイラストのスワの眼に、思いが込められている -
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著者の物語と著者自身の関わりについて、よく言われていることがあるけれども、ここでは、そのことについては触れない。あえて僕が、それを語る必要がないと思うからだ。皆で同じことを言うなんて、言い方は悪いかもしれないけれど、馬鹿げていると思う。いまさらなのですよ。悪しからず。
人というのは、どうしようもなくて、それは誰しも心当たりがあると思う。浮かぶも沈むも、本人次第、と言ってしまったら身も蓋もないけれど、その心当たりが人一倍強く思いあたる僕としてはなおさらだ。堕ちるときは堕ちる。言い訳だってするし、他人のせいにもするかもしれない。妥協だって肯定するし、いつだって逃げ道を用意する。ここまで思い当たるこ -
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BSテレ東の「あの本、読みました?」の太宰治特集の回で、芥川賞作家の綿矢りささんがイチ推ししていた本作と「畜犬談」の2作を早速朗読音源で楽しみました。
太宰体験は「人間失格」と「走れメロス」くらいしかなかった自分にとっては、度重なる心中事件も相まって、太宰作品には暗く陰鬱なイメージしかなかったのですが、本作は綿矢さんの後押しもあってスンナリと入ってきました。同番組を見ていなかったら手に取ることはなかっただろうなとも思います。
綿矢さん曰く「人間の汚さと気品とが同居する文章が太宰作品の魅力だ」と。そういうまなざしで読むと、確かに「ヴィヨンの妻」の妻は、ろくでなしの夫に苦しめられながらもどこか -
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だ、ダメンズすぎる…(−_−;)
『文豪ナビ』を読んで、一番おもしろそうだった
『トカトントン』の収録されてるやつを選んでみましたが。
なんかこれ、晩年の短編集ですねんな。
とりあえず奥さんの苦労を思って涙が出まする(T_T)
肝心の『トカトントン』は
すごい短いけどおもしろかったです。
何かに熱中しようと気分が盛り上がった時にかぎって
ひとつのきっかけで何もかも嫌になってポシャっちゃう。
そういうことって
現代の我々でも無きにしもあらずですよね。
それを「決まってどこからか音が聞こえる」と
表現したのは、おもしろいよな〜と思います。
しかし、表題作以下…
えーと、これキャラとして書いてる -
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はい44オネェはおさむちゃんです
TheSECOND見るの忘れちゃったんだよなー誰かマジでスケジュール管理してほしいwってそっちのお、お、お、おさむちゃんじゃなーい
どうなの?
なんか最後に最果タヒさんが、違うんだけど共感するみたいなこと書いてましたけど
いや、そんなこと言ったら東京タワーにいるインチキ占い師と一緒でこんだけ色々言ったら何かしら当てはまるわ!って言う
特に『女生徒』なんか、すぐ「あ〜それわたし〜」とか言いそうじゃない(ド偏見)
かの太宰治をインチキ占い師呼ばわりです
でも、なんか分かる
このあっちこっちに揺れて、ぐるぐるしながら膨れ上がる、なんか醜い気持ち
乙女や -
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ネタバレ浦島太郎とカチカチ山がとにかく面白い。作者の批評精神が全開で、この人はずっとこう言う世間と人間に対する不満というか醒めた見方を何処かで持ち続けて居たのだなと思う。斜陽等の長編にも通底して、この世の中に対する虚無めいた見方が流れているように感じる。
反面、この文庫に収録の他の作品はあまり面白いと感じられなかった。特に新釈諸国話は正直、読むのがつらい。いかに作者のエッセンスで翻案したとは言え、余りに元の西鶴のストーリーと合っていないと感じ、読んでも何ひとつ感じるものがない。
お伽草紙は良かったのだが、他が上記なので、個人的には文庫全体としての評価は低めとなってしまった。残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。
「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
"美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ -