太宰治のレビュー一覧

  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    暗いし死の影も見える一方で、ダメな自分を女性視点で描く冷静さもあるのが面白い。それでも罪の意識やうまく生きていけない自分への苛立ちが全体に滲み出ていて、本当に生きづらかったんだろうなと思った。共感できる部分もあって、晩年の作品は好みのものが多いと思った。ヴィヨンの妻、おさん、家庭の幸福、桜桃、と続く後半の流れが好きだった。

    トカトントンは分かりすぎた。夢中になっていたはずなのにふとした瞬間に急に冷めてしまう。そんなことばかり。できないことがあった時に勇気を出せず逃げているだけだったのか。

    そして斜陽然り、おさん然り、太宰の描く女性が捉える革命がかっこいい。太宰が捉えている破壊や死に繋がるよ

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    2025年09月09日
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)

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    「乙女の本棚作品集」としての三冊目。
    『赤とんぼ』『山月記』『魚服記』『鼠』『ルルとミミ』の五篇に加えて、書き下ろしイラストの『ビルディング』(夢野久作)も収録されている。

    ねこ助さんの幻想的な淡いタッチの絵は、読者を物語世界によりいっそい深く深く誘っていくようでとても好き。
    児童向けや童話風のお話とぴったりなのだけど、私は山月記がとりわけ好き。見開きで描かれる、あの威風堂々としながらも繊細そうな虎は忘れられない。

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    2025年09月08日
  • 女生徒

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    男の著者が若い女性の心情をうまく表現したな、と思いました。しかも太宰治が、このような切り口の小説を描かれた事が意外性あり良かった。

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    2025年09月04日
  • 斜陽

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    弟は貴族出身ということに実はプライドがあって、それを捨て切ることも、それに相応しくなることもできず、苦しかったんだと思う。私も捨てられないプライドに苦しむときがあるから共感した。
    ネット上の解説を読むと、姉と弟の対比構造を理解できて面白かった。

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    2025年09月01日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    短いが難しい。
    調べてみると津軽地方の伝説をもじって作ったものらしい。

    男子学生が滝壺に落ちた意味はあるのかが疑問。
    「そんなことで自殺するん?」って思っていたが、実は近親相姦にあっていた説があるとか。
    どちらにせよ不思議な物語。
    最後は大蛇でなく鮒になったという皮肉。

    スワの飛び込み自殺=太宰の自殺(しかも入水)との関係性は絶対にあるに違いない、、。

    と思いながらも、今回は高校生以来の再読ですが、なかなか読みとることが難しかったです。

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    2025年08月22日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    新紀元社の文豪アンソロジー第三弾。『文豪誕生』、『文豪死す』に続いての今回は『微妙な関係』。
    ということで、切り口は
    (1)芥川と谷崎の「文芸的な、余りに文芸的な」論争
    (2)無頼派三人衆(座談会エピソードなど)
    (3)中原中也と周囲の友人達
    となっています。

    人物相関図や年表、代表作の紹介(あらすじに加えて、その作品の解説付き)なので、文豪に興味ある人の入門としてはとても良い本だと思います。

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    2025年08月20日
  • 人間失格

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    とにかく先が気になり止まれなくなります。全体的に退廃的で、時に胸糞悪い暗い話もあり、主人公に同情も嫌悪感も感じながらも、この作品の世界に引きずり込まれてしまいます。
    良くも悪くもこれが太宰治という作家の持つ文章のエネルギーなのか、とにかくこの作品が作家の心血を注いだものである事は間違いなく、それを嫌でも感じ取らされてしまいました。
    なので、読後感はちょっと胃もたれみたいな感じで、あまり軽々しく人にオススメするような好意的な感じは無いので、評価はちょっと辛めです。

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    2025年08月20日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    栄枯盛衰。
    美しく滅んでいく者。
    苦しみ退廃し滅んでいく者。
    退廃の最中にいる者。
    退廃、滅びを纏い自分に革命をおこし生きていく者。

    ふーぅ。

    そうでもしないと生きていけないよね。貴族だった人の中にはさ。
    かず子は長生きしそうね。。

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    2025年08月18日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    「あの人は酷い、酷い。はい。厭な人です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。」

    ある男が自分の主を殺して欲しいと願い出ており、憎しみ哀しみ恨み…愛情。さまざまな感情が混乱した独白に目が離せなくなる。イラストも世界観と合っていて良し!
    乙女の本棚シリーズの太宰チョイスは面白いなあ!

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    2025年08月14日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    太宰治作の、初めて読む作品でした。ある人物が、自分の主人についての不満を訴える所から始まります。読んでいくうちに、あれ、なんだか聞いたことあるような?と思い始めましたが、まさかキリストのあの有名なエピソードを基にしたお話しだとは知らす、ビックリしました。
    愛故なのか、その告白もウソなのか、本当に狂っているのか。ホノジロトヲジさんのイラストが、妖しさ満点で、不穏な空気感を見事に演出しているなと思いました。

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    2025年08月13日
  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    家庭のしがらみは疎ましいが、その温もりは愛おしい――そんな気持ちがこめられた作品であるように感じました。

    小さいこどもがいるにも関わらず、何日も家を空けて飲み歩く夫――家に帰って妻である主人公を抱き寄せて泣くシーンもあることから、妻への気持ちはあるのでしょうが、愛情よりも依存というワードの方がしっくり来てしまいました。

    同時に、ここでへこたれず、夫の通う店で働くことで、歪ながらも家族関係を再構築した主人公(さっちゃん)の胆力がすごいと感じました。

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    2025年08月11日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    『しくじった。惚れちゃった。』のフレーズに惹かれて読んだが、自分には難しい内容だった。
    しかしこのフレーズが読む前と後では強くイメージが変化し、そこが面白かった。
    直治の遺書やMCの意味の変化が印象深い。

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    2025年08月09日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    大人になってから太宰治を読むのは初めてかもしれない。
    最後の黄昏と夜明けの対比がいい。

    かず子の火の不始末でボヤが起こった翌日、お母様の言葉でかず子が救われた場面が印象的。聖書からの孫引きにはなるが、「機にかないて語る言は銀の彫刻物に金の林檎を嵌めたるが如し」が、「言いたかったけど今じゃなかった」がよくある自分に響きすぎてしまった。

    かず子の手紙に記された恋でも愛でもない虹の表現が凄すぎて何度も読み返した。自分の想いをこんな風にお洒落に喩えて手紙に書いてみたいと思って、そんな自分に少し驚いた。

    自身をモデルにしているというところに気持ち悪さもあるが、自分にはかず子みたいなところも上原みた

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    2025年08月03日
  • 人間失格

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    葉ちゃんには自分の本当の姿を人に見せたく無いというところがある。素の自分を晒すのが恥ずかしいのか?実は元来おどけた人なのか?自分でもよくわからなくて色々考えすぎてしまうのでは無いのか。そして、本人としては男より扱いやすい女性に依存してしまうのか。そして、自分と深く関わった女性を不幸にし、その事をまた考えすぎてしまうのか。実は軽薄であまり考えていないのか。最後は死にたいというよりとにかく逃げたくなるんだなあ。自分が存在する世界から消えたくなるんだな、きっと。

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    2025年08月01日
  • 人間失格

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    初めて太宰治の本を読んだ。
    かなり難しかった。大きくなってからもう1回絶対に読み返す。"大きくなってから"

    この本は太宰治自身が、自分を理解出来ないが、理解しようと、分かろうと思って書いたのではないかと思った。

    この物語は自分に、父性、性加害、愛、人間を教えてくれる作品となった。

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    2025年07月28日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    これは乙女の本棚としてはけっこうな問題作ではないのかな。
    ある場面をどう読むかということなんだけど、ネットでの考察を読んでも、そう読む人が多いようだから、やっぱりそういうことなんだろうな。
    なんでこういう作品を書いたのか、太宰に聞いてみたい。

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    2025年07月23日
  • 人間失格

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    初の太宰治でした。
    太宰治の末期の話でしょうか、
    ほとんど手記の感じですね。
    ダメになっていくさまを
    ありありと語っていくさまは、
    情景が浮かびました。

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    2025年07月20日
  • ヴィヨンの妻

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    オーディブルにて。津軽に向かう道中にて。
    途中から、椿屋の夫婦と、奥さんも何かあるのではと思いはじめたが、ここに落ち着くとは…。女は怖い。

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    2025年07月19日
  • ヴィヨンの妻

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    私小説風の晩年の作品群で、それぞれに「妻」が登場する。太宰には自覚がある。世の中のことが手につかず放蕩する詩人たちが、妻に強いる労苦を知っている。単なる「ひどい夫」なら、そうした認識も関心も、悪気もないだろう。その上で、彼女らは家庭にとって無益な夫のムーブを爽快に叩き斬る。キレキレぶりに溜飲を下げた。
    詩人が「本質」をめぐって煩悶する間、幼子を抱える妻たちが手段を選ばず(選べず)に生き抜く姿こそ、「本質」以外の何物でもない。

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    2025年07月12日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    有名作なのだが、実は読むのは初めて。
    太宰の告白体の作品に外れはないよね。
    途中まで読んで、ああこれはあの人が語り手なのねとわかって、さらに面白さが増したように思う。
    ただ、乙女でない身には、どうもこの絵が馴染めない。作品と合っているのかな?
    乙女はこれで納得するのかな?

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    2025年07月12日