太宰治のレビュー一覧

  • 人間失格

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    この本ははしがきのぶっ飛ばし方からして凄まじい。
    久々に読んで改めて思った。人間が見せる人間らしくない造られた一面が子供の頃から出ており、それがゆくゆくの失格のルーツになっている。
    淫売婦の軽い好意がとても心地よかったり、世間がどう思うかという説教は実は世間というより貴方の意見では?という問いだったり、誰かしらが金の工面を何とかしてくれたり。
    この辺りは、当時読んだ時も印象には残っていたが、今は少し共感できる部分がある。ここまで薬つけになることはダメだし、彼の崩壊と一緒にしてはいけないが、どこか他人事ではない。
    主人公を「人間失格」の対象として見ていたのが、自身にも少し重なってきたような気が

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    2026年04月19日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    欠けたものに対して抱かれる倒錯的な美を描き出す作品だと思う。一般に、完全ではないものに美を見出すこと自体は決して不自然ではない。しかし本作においては、その美意識がどこか倒錯的であり、居心地の悪さを覚えさせる。

    作中の人物は、自らが幸福になることをどこかで拒みながらも、他者からの肯定を強く求めている。この自己矛盾的な在り方は、人間の本質的な弱さや屈折を示しているように感じた。主人公であるかず子の恋も大きく屈折している。かず子の恋に限って言えば、自己を消耗させることで意味を見出そうとするようだったし、他の物語の登場人物も徹底してどこかが破滅的だ。

    一方で、そうした屈折の理由を彼らの内面性だけに

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    2026年04月17日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    太宰治は学生時代、といっても、まだ、男女の酸いも甘いもわからぬ少年(少女)時代に名を知れたものを読んで以来ぶり…女と心中したために、未完の絶筆となった作品というのに惹かれて読んでみた。こんなに軽快で明るく伸びやかでコケティッシュに書かれたものとは!どうしようもなく女にだらしない情けない男が、そのたくさんの愛人と別れるために、卑しくも美しい女を淑女のようにしたてて連れ歩き、愛人たちと別れることを試みるという…なのに、この女性に翻弄されて、堕としたいのに堕とせなくて手を焼いて…無様さまでもが魅力的で。。。いつの世も人のやる事は変わらないなぁと笑えてくる。爽快な逸品。最後まで読みたい気持ちと、いや、

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    2026年04月15日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    「猿塚」「義理」「赤い太鼓」「遊興戒」「竹青」は個人的に好きな物語だった。
    太宰さんの作品はまだ数冊しか読んだことないが、そのなかで一番面白かった!

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    2026年04月05日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    元々身分のいい生い立ちのかずこが、戦後の時代に生きることの苦しみを実感する話。
    病気の母と戦争帰りの弟と貧しい生活をする中での葛藤や恋に縋ってしまう様子が描かれ、生死感や人間そのもののなまなましさを感じる物語だった。

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    2026年04月04日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    このなんとも言えない、みんなが抱えてる感情の言語化がとてつもなく上手いのが、太宰治なんだな〜とおもった

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    2026年04月03日
  • 人間失格

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    恥の多い生涯を送って来ました。

    その前段があるのを、恥ずかしながら知らなくて。

    名作。太宰治の行く末を知ってるから、より本人と重ねながら読んでしまうけれど、当時のリアルタイムの読者はそりゃ作者を心配したろう。

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    2026年04月02日
  • 斜陽

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    お母様のスウプシーンからアンニュイな世界へ一気に持っていくのは才能過ぎる。
    あれ?これ、オジサンが書いてるよね?と目をゴシゴシw

    斜陽から入ると、他の作品がキマってるときだったり、廃人になってるときだったりで、あまりの方向のバラバラ具合に困惑する。

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    2026年04月02日
  • 晩年(新潮文庫)

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    なかなかこれまでにない読書体験。作者の今を感じる。きっとまた手に取る日が来るだろうけど、その時に何をこの小説に求めるだろうって思いながら読んでた。

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    2026年04月02日
  • 人間失格

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    危うげで儚く耽美な作品というイメージ。
    世界の営みから逸脱した主人公に対して現代社会で疲弊した自分はどこか共感してしまう。

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    2026年03月29日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    一言で言えば、命短し恋せよ乙女…
    戦争の気配が目の前まで迫ってきている1939年に書かれただけあって、生の喜びをめいいっぱい楽しむべきであるという太宰の思いが感じられるような気がした。本人は死にたがりだが、それと反するように「生きる」ことへの執着もあったのかもしれない。姉と妹、父、三者三様の互いを思っての嘘もお互いバレバレで、でもそれでもって互いの愛を知る。太宰作品の、女性が主人公のものはどうもお上品過ぎてハマらなくて、これもそうなんだけど、こんな可愛らしくてピュアな物語を、川端康成に「刺す」なんてネチネチした暴言を書いた太宰が書けるということが面白い。彼の二面性を大いに表している作品。

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    2026年03月28日
  • 斜陽

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    本格的に始めて純文学を読んで見たんですが、感想を書こうにも難しいといったところでした。特に、最後のシーン(直治が、ある女の人に産んでもらった赤ん坊を奥様に抱いて欲しい)といった箇所が良く分からなかったのですが、ネットで調べたりしてなんとなく腑に落ちました。また、直治の遺書に書いてあった「人は、みな、同じだ」についてです。庶民になろうとしたができなかったという内容を現代で例えるならば、陰気な人が陽気になろうとそういう人たちとつるむようにしたが、ボロが出てしまって、結局は陰気のままなんだということなんですかね?

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    2026年03月27日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    学生時代に一度読みましたが今回再読。 内容を思い出したかったのと、表紙の小畑さんのイラスト目当て。 葉蔵のイメージとは違う腹黒そうなイケメンですが、かっこいい! 2枚目の写真イメージかと思ったけど違うみたい?そこはちょっと残念かな。 内容ですが、とことん暗くならないので読みやすいです。 マジメに考えすぎるあまりに、酒と女に溺れていく葉蔵が不憫であり怖くもあります。 精一杯周りの人間に笑顔を振りまき、人から好かれた男の末路があれでは悲しすぎる。 葉蔵は純粋であり過ぎたのか。

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    2026年03月26日
  • 人間失格

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    この物語は、生まれながらに聡明でありながら、どこか世の中を達観している主人公が、社会に適応しようともがきつつも、自身の怠惰な性格や周囲からの悪影響によって堕落していく半生を、手記という形で綴った作品である。

    主人公の心理描写は非常に緻密であり、誤った方向へ進んでしまう思考についても、その過程には思わず納得してしまうような論理性が感じられた。

    また、人間の弱さが色濃く描かれており、自分にも当てはまる部分に自己嫌悪を覚える一方で、主人公の生活がうまくいった際には安堵感を覚えた。こうした感情の揺れを通して、いつのまにか主人公を応援したい気持ちになり、不思議と作品に引き込まれていった。

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    2026年03月25日
  • ヴィヨンの妻

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    重い
    重すぎる
    面白いけどやっぱり暗いし、短編だから1作1作が重くて読み終わる頃には頭が痛くなる
    おすすめはできないかも

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    2026年03月17日
  • 人間失格

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    主人公の語りが9割。会話はほとんどない。結構重大な出来事が起こっていそうだが、詳細はなく大枠のみで語られる。普通の小説で登場人物の心情を読み解くのに慣れた人には読みにくいかもしれない。一文がとても長い。主人公が自分はこういう人間で、こう生きてきてこう思った、と語る半生の話。関わってきた人間の心情などはほとんど語られない。いかに主人公が他者の気持ちがわからなかったかがよくわかる。自分の人生を生きる?見つめる?だけでいっぱいいっぱいだった。

    人の心や常識がわからなくて怖いから、笑わせて敵ではないと思わせることで他者から自分を守っていた。そうでしか生きられない自分を歪な生き物と認識していて、なぜか

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    2026年03月15日
  • 晩年(新潮文庫)

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    気になっていた『葉』と『道化の華』を読みました。

    『葉』は断片的な文章も多いのが特徴でした。詩みたいで、読んでいて面白かったです。僕の今の気持ちを代弁してくれるような言葉があって抜き書きしました。

    『道化の華』は、書いてある内容はおおまかには理解できます。
    ただ、いまいちドップリと世界に浸かれなかったです。
    どうしてか考えてみると、心中のお話は以前に『人間失格』を読んで、既におなかいっぱいになっていたからだと思います。

    これからも、少しずつ太宰ワールドに触れていきたいと思います。

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    2026年03月12日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    名だたる文豪の耽美小説集なので、好きな人には気が狂うほどのめり込む作品群です。
    ただし読むのになかなかの精神的カロリーを要するので、ちょっと疲れている時に読むと目が滑ってしまいます。もともと好きな作品も何作か入っているのに、いまは読むのにとても時間がかかってしまった自分が悲しい。
    心に余裕のある時にどうぞ!

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    2026年03月10日
  • 人間失格

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     『人間失格』を読むのは、おそらく5回目になります。10年ごとに手に取っているような気がします(たぶん)...
     太宰治の代表作として高く評価されている作品ですが、これまで読んできて正直なところ、なぜこれほど名作とされているのかがよく分かりませんでした。自分の感受性や文学的理解に何か欠けているのではないかと考え、「年齢を重ねれば分かるのかもしれない」と思って読み返してきました。
     62歳になった今、以前よりも主人公の内面は咀嚼しながら読むことができました。孤独や不安、他者への恐れは理解できます。しかし、それでも尚、この作品が広く支持され続けている理由は、私には掴みきれないままでした。
     『人間

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    2026年02月22日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    『御伽草子』は戦争末期の昭和20年3月、連日の空襲警報の最中に書き始め、敗戦直前の7月に完成したという。
    防空壕でむずかる5歳の娘に絵本を読んでいる太宰は『人間失格』のイメージとかなり離れていた。

    ムカシ ムカシノオ話ヨ
    昔ばなしをベースに太宰の脚色が始まる。言論統制が厳しくなるなか、古典を題材にこんな物語を書いていたとは。
    他に井原西鶴の『諸国噺』もたっぷり味付けされて収録されていた。手を変え品を変え、厳しい時代に書き続けていたことがよく分かった。

    時々太宰自身の言葉が顔を出す。
    これもイメージ作りの脚色なのかな?と思いながらも身近に感じられたりして、その部分はまるでブログを読むようで面

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    2026年02月15日