太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生きづらさを感じることへの共感、理解というものが、現代とは異なる時代での孤独(道化を演じる辛さ)は計り知れないが、葉蔵が自分の容姿が良いことなどを利用して女性にお願いを頼む時に「キスしてあげようか」と言っていたのはとても気持ち悪いなと感じた。そしてそれに魅入られお願いを聞いてしまう女性たちにも同様に気持ち悪さを感じた。
「恥の多い生涯を送ってきました。」
から始まり
「いまは自分には、幸福も不幸もありません。
ただ、一さいは過ぎて行きます。」
ただ、一さいは過ぎて行きます。
自分の過去、今が幸せなのかしんどいのかに関わらず、時間や日々は過ぎていくのだという言葉は生きていく上で大事にしたいと -
Posted by ブクログ
この感想に論理も何もない、ほんとに感想を書きました。
第一の感想として、大学一年生の今の私にはまだ早かった。
ページはスルスル捲れる、面白いと思える、読みやすい文章、でも何かが分からない。すごく抽象的な感想に、言語化できていないなーって悔しさがある。
直治は孤立が嫌なため、酔った状態であっても人と付き合いたかったんだなーって、でも周りからはどうしようもない不条理から受け入れられなかったんだなーって。
ズレているかもだけれど、ドストエフスキーの『罪と罰』を思い出した。
直治もラスコーリニコフみたいに寄り添い続けてくれる人がいたら、自分自身の生きる自由を持てたのかな。
お母さんはともかくカッ -
Posted by ブクログ
初太宰。
予想よりも明るく、ホームドラマのような二編だった。
少年が10代に持つ理想と周りの同級生や大人と言う現実への葛藤とそれでも希望に満ちたエンド。
あれ太宰の小説って実はこんな傾向なの?と思ったら、解説によるとこの二編は戦前〜終戦直後に書かれ戦争という暗い時代を脱したあとの世界を皆で変えていくぞと言う希望に満ちた感じで描かれたものの、その後は日本の変わらなさ?に失望してゆきその後に書かれた小説は暗くなって行く…とみたいなことが書いてあった。
ただこの二編は太宰が若者の時に書いた小説ではなく30代にはいってから書かれたとのことで(昔書いたものの焼き直し小説だったり、元ネタとなる友人の日 -
Posted by ブクログ
この本ははしがきのぶっ飛ばし方からして凄まじい。
久々に読んで改めて思った。人間が見せる人間らしくない造られた一面が子供の頃から出ており、それがゆくゆくの失格のルーツになっている。
淫売婦の軽い好意がとても心地よかったり、世間がどう思うかという説教は実は世間というより貴方の意見では?という問いだったり、誰かしらが金の工面を何とかしてくれたり。
この辺りは、当時読んだ時も印象には残っていたが、今は少し共感できる部分がある。ここまで薬つけになることはダメだし、彼の崩壊と一緒にしてはいけないが、どこか他人事ではない。
主人公を「人間失格」の対象として見ていたのが、自身にも少し重なってきたような気が -
Posted by ブクログ
ネタバレ欠けたものに対して抱かれる倒錯的な美を描き出す作品だと思う。一般に、完全ではないものに美を見出すこと自体は決して不自然ではない。しかし本作においては、その美意識がどこか倒錯的であり、居心地の悪さを覚えさせる。
作中の人物は、自らが幸福になることをどこかで拒みながらも、他者からの肯定を強く求めている。この自己矛盾的な在り方は、人間の本質的な弱さや屈折を示しているように感じた。主人公であるかず子の恋も大きく屈折している。かず子の恋に限って言えば、自己を消耗させることで意味を見出そうとするようだったし、他の物語の登場人物も徹底してどこかが破滅的だ。
一方で、そうした屈折の理由を彼らの内面性だけに