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Posted by ブクログ
太宰治全集の最終巻で、太宰治の名前で発表されたあらゆる随想が収録されている。
年代順に並べられているため、一人の作家がいかにして生きてきたかがとてもよくわかる。
太宰治は、自分の生きづらさ、格好悪さ、ダサさと向き合い、ひたすら見つめ続けた作家だと思う。そして、そうすることで生を肯定しようとしたのではないか。太宰を読んでいて時々居た堪れない気持ちになるのは、あまりにも率直に彼自身の弱さが描かれているからだ。
随筆の中でたびたび「実直」という言葉が出てくる。弱さに対して正直であり続けること。その先に真実があると信じていたのではないかと思う。
このような彼の信念は、戦前から戦時中に確立されていったように思う。戦後の文章になると偏屈な印象が強くなるのは、自分の弱さに鈍感なまま上手く立ち回る人々が目につくようになったからではないか。
私は作家でも芸術家でもない普通の人間なので、「上手く立ち回って」生きていかざるをえない。でもそれが上手くいかなかったとき、太宰治のことを思い出せるというのは、幸福なことだと思う。
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