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「生きて行く力――いやになってしまった活動写真を、おしまいまで、見ている勇気。」昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」にいたる一切のエッセイ、アフォリズムを収録する。もの思う葦 碧眼托鉢 古典 竜頭蛇尾 悶悶日記 走ラヌ名馬 思案の敗北 創作余談 一日の労苦 当選の日 正直ノオト 困惑の弁 心の王者 酒ぎらい 作家の像 弱者の糧 金銭の話 芸術ぎらい 織田君の死 わが半生を語る かくめい 如是我聞 その他
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Posted by ブクログ
太宰治全集の最終巻で、太宰治の名前で発表されたあらゆる随想が収録されている。
年代順に並べられているため、一人の作家がいかにして生きてきたかがとてもよくわかる。
太宰治は、自分の生きづらさ、格好悪さ、ダサさと向き合い、ひたすら見つめ続けた作家だと思う。そして、そうすることで生を肯定しようとしたのではないか。太宰を読んでいて時々居た堪れない気持ちになるのは、あまりにも率直に彼自身の弱さが描かれているからだ。
随筆の中でたびたび「実直」という言葉が出てくる。弱さに対して正直であり続けること。その先に真実があると信じていたのではないかと思う。
このような彼の信念は、戦前から戦時中に確立されていったように思う。戦後の文章になると偏屈な印象が強くなるのは、自分の弱さに鈍感なまま上手く立ち回る人々が目につくようになったからではないか。
私は作家でも芸術家でもない普通の人間なので、「上手く立ち回って」生きていかざるをえない。でもそれが上手くいかなかったとき、太宰治のことを思い出せるというのは、幸福なことだと思う。
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