太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ情緒に訴えかける作品が多かった。
太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。
「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。 -
Posted by ブクログ
新潮文庫から出ている太宰中期の短編集『きりぎりす』を読みました。
まず最初の、女性の独白体小説「燈籠」、特に結び方が素晴らしいので、
ぐぐっと読む者の気持ちがつかまれます。
それで、だだーっと読んでいくと、
どうもこの時期の(?)太宰はまるで自分を卑下するように、物語の主人公を卑下して、
卑屈とさえ思わせられるくらい徹底的に、自らを人間の屑だと自認するんです。
それを読んでいても決して、僕なんかにしてみたら太宰は屑になんか思えないわけです。
自分を屑とする太宰以下なのが、それを読んでいる自分だなということに、
個人的に気付かされるので、しょんぼりして寝付くという事態に陥ります。
しかし、し -
Posted by ブクログ
滅亡の予感の中で超然と雅に耽溺する実朝。饒舌な絶望を突き抜けた果ての、静謐の明るさ。暗さの中には自意識の饒舌がある。それを突き抜ける白痴の如き無風の明るさは可能か。キリスト教と仏教に通じる境地か(「右大臣実朝」)。「・・・誰も知らない事実だって、この世の中にあるのです。しかも、そのような、誰にも目撃せられていない人生の片隅に於いて行われている事実にこそ、高貴な宝玉が光っている場合が多いのです。それを天賦の不思議な触覚で探し出すのが文芸です。文芸の創造は、だから、世の中に表彰せられている事実よりも、さらに真実に近いのです。文芸が無ければ、この世の中は、すきまだらけです。文芸は、その不公平な空洞を