太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
滅亡の予感の中で超然と雅に耽溺する実朝。饒舌な絶望を突き抜けた果ての、静謐の明るさ。暗さの中には自意識の饒舌がある。それを突き抜ける白痴の如き無風の明るさは可能か。キリスト教と仏教に通じる境地か(「右大臣実朝」)。「・・・誰も知らない事実だって、この世の中にあるのです。しかも、そのような、誰にも目撃せられていない人生の片隅に於いて行われている事実にこそ、高貴な宝玉が光っている場合が多いのです。それを天賦の不思議な触覚で探し出すのが文芸です。文芸の創造は、だから、世の中に表彰せられている事実よりも、さらに真実に近いのです。文芸が無ければ、この世の中は、すきまだらけです。文芸は、その不公平な空洞を
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Posted by ブクログ
評価は3なんだけど
3.5くらいぶっちゃけ。
そこそこ面白いんだけど
なんだろう?
パンドラの匣が好みでなくて
っていうか
なんか苦手でー
他は短いし
内容も面白くてさくっと
読めたんだけどなー。
パンドラが・・・
なので3.5。
一番好きというか
共感してしまったのはトカトントン。
なんかあの気持ちっていうか
状態はわたし今経験してるわみたいなwwwww
なんか自分もほんと
無意識にトカトントンって音聞いてて
だからやる気でないのかもとか
色々思ったし
ほんと私あんな状態すぎて
うーん。
でもやっぱし太宰治は
興味深いなって思った!
独特の文章なんだけど
太宰治らしい文章 -
Posted by ブクログ
最初はなかなか進まなくて、少し読んではしばらくほっぽらかし・・・、
を繰り返していたのに、落ち込んでいた時に再び手にとってみたら、
あっという間に読み終えてしまった不思議な短編集。
自分にとって太宰の作品は、
心身ともに疲れた時、弱っている時に読んで、
励ましてもらうものなのかもしれない。
こちらに収録されている「葉桜と魔笛」って作品だけは昔から好きで、
それだけは何度も繰り返し愛読してきたが、
他の作品は、自分としてはどれも今ひとつぴんとこなくて、
本作よりずっとも好きな短編集は何冊もあるのだが、
ただ、そのような中にも心に触れる言葉はいくつか存在している。
「純粋を追うて、窒息するよ -
Posted by ブクログ
久々の太宰作品です。 太宰治の作品は多感だった(だろうと思われる)高校時代に結構はまって、片っ端から手を出して読んだことがありました。 で、その頃はある種の妙な感性の一致を見出したことにより、彼の世界観をすっかりわかったつもりになってしまい、それ以降、再びページを開いてみようと思わなかった作家の代表の1人でもあります。 ま、そんなわけですから、今回実に○0年ぶりぐらいに、岩波少年文庫版の太宰作品を読み返してみることになり、正直、ちょっとした期待で胸が弾むのと同時に、不安もありました。 高校時代の KiKi を魅了した作家ということは、今の KiKi にとってはあんまり感銘を受けない作家