太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ教科書にも載ってあるとても有名な作品をまだ
読んでないことに気付き、急いで買いました。
「走れメロス」をまだ読んでいなかったとは、かなり自分でも意外でした。冒頭の有名なフレーズが「メロスは激怒した。」から始まるのですが、妹の結婚式のために、3日間のあいだ、竹馬の友であるセリヌンティウスを人質にささげ、ひたすら
走り続けるメロス、その疾走感と、セリヌンティウスとメロスの友情にも注目してほしい。
今回一番私の中で、心に響いた作品が、「富嶽百景」で、太宰治が、山梨県にある御坂峠の茶屋にて、執筆活動中の出来事を描いているのですが、その茶屋で出会う人々との交流がとても微笑ましくて、闇の太宰治がここで払拭 -
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空気を読み、愛想笑いをし、役割を演じる。世間の人々は人間関係の調整をしながら”普通”に生きている。一方、葉蔵にとって演技は人間関係の表面的な調整ではなく、存在全体の偽装と感じる。素の自分を出した瞬間、存在を否定されると恐怖する。葉蔵を否定するのは世間ではなく葉蔵自身。自分で自分を否定しているため、幸福が来ると「自分には資格がない」と感じる。葉蔵は自分を隠すため、命懸けの演技を続けているうち、何が自分の本音か、どこまでが役なのかわからなくなる。演技しているのではなく、演技しかなくなる。仮面を外した奥が空洞になり、”人間である”という感覚から脱落していく。太宰治『人間失格』1948★4
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乙女の本棚シリーズから、太宰治さんと紗久楽さわさんのコラボ作品の「葉桜と魔笛」です。鮮やかな表紙で、少女漫画から抜け出してきたような姉妹が描かれていますね♪って、いうか…お姉さんなのって、彼かと思っちゃった(^-^;)
桜が散って、このように
葉桜のころになれば、
私は、きっと思い出します。
で、はじまるストーリー。なんともきれいで切ないはじまり…老夫人が語りだしたのは、今は亡き妹と父のことでした。35年前、妹は腎臓結核の診断にて余命いくばくもない状態…ある日妹がしまい込んでいた、恋人と思われる男性からの手紙を発見する…。妹を元気づけるために、姉は恋人になりすまし手紙を書いて妹の -
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物語の世界に没頭したい質の私はあまり短編集は好んで読む方ではない。しかし、本書は素晴らしかった。
太宰治の執筆活動による中期に書かれた作品集なので、晩年のとことん破滅的、反逆者的な側面は少々なりを潜めており、所々普通に笑かしてくる。
特に「風の便り」ではお笑いコントのような軽快さで偏屈な貧乏作家と毒舌なベテラン老作家の手紙のやり取りがなされていく。突然の「馬鹿野郎」は声に出して笑った。
だからといって、やはり太宰治なので一貫して厭世的でありネガティブである。
太宰治は「人間失格」で完成されてしまっているので、作品順に読んでいくのもまた一興。
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Posted by ブクログ
『私の小説を、読んだところで、あなたの生活が、ちっとも楽になりません。ちっとも偉くなりません。だから、私は、あまり、おすすめできません。
こんど、ひとつ、ただ、わけもなく面白い長編小説を書いてあげましょうね。いまの小説、みな、面白くないでしょう。
みんな、面白くないからねえ。面白がらせようと努めて、いっこう面白くもなんともない小説は、あれは、あなた、なんだか死にたくなりますね。』
短編小説かと思って買ったらエッセイだった。
面白い方ですねえ。現代を生きてたらひねくれたブログとかやたら書いてそう。
太宰治は女生徒が特に好きで、「なんで男なのに女の子の細かな心情がわかるのかしら」と思っていた -
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匿名
購入済み良くも悪くも丁寧に繊細に人間が描かれていると感じました。太宰治の小説は初めて読みましたが、明るい話ではないのに、文章が美しくて何だか不思議な魅力を感じました。
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Posted by ブクログ
中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。
太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました。
個人的に良かったのは富嶽百景の一場面で、天下茶屋の2階に寄宿している主人公が店の人間とも親しくなってきた頃、店の若い女性店員が1人で客の相手をしている時に、わざわざ1階に降りて隅でお茶を飲みながら遠巻きに見守ってあげているところです。
そんなにあからさまな優しさを出す感じの主人公じゃないんで