太宰治のレビュー一覧

  • きりぎりす(新潮文庫)

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    ネタバレ

    些細な日常を皮肉やユーモアを感じさせる言葉選びで表現しており、クスっと笑ってしまう。
    佐渡と畜犬談が好き。

    どの話も割と好きに言いたい放題でコンプラ等存在せず自由で良い。

    畜犬談の犬に対して、
    「日に十里を楽々と走破し得る健脚を有し、獅子をも斃す白光鋭利の牙を持ちながら、懶惰無頼の腐り果てたいやしい根性をはばからず発揮し、一片の矜持無く、てもなく人間界に屈服し、隷属し、同族互いに敵視して、顔つき合わせると吠え合い、嚙み合い、もって人間のご機嫌を取り結ぼうと努めている。」
    と表現しており、今まで犬に対して、憎らしい思いをストレートに緻密に書く人間はいただろうか。

    愛犬の話の起承転結もわかり

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    2024年10月26日
  • 津軽

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    久しぶりに訪れた故郷津軽の旅日記。親戚や旧友はみんな太宰を歓迎し、もてなしてくれる。酒三昧の気ままな旅。人の温かさが身に沁みる。思い出の地を巡りながら、その土地やゆかりの人々を紹介していく紀行文。厳しい東北の土地柄、人柄を褒めたりけなしたりする中で、太宰のちょっぴり性悪な心の内も時々垣間見られて、笑いを誘う。
    何よりも故郷を愛する太宰の気持ちがひしひしと伝わってくる。
    最後のたけとのエピソードに心を動かされた。何も語らなくとも2人の思いが伝わってきて、泣けてくる。この章だけは星五つをあげたい。胸のつかえが降りたそんな気分で読み終えた。
    この4年後に彼はこの世を去る。
    どんな思いで津軽を巡ってい

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    2024年10月26日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    この短編は初めて読んだ。やはり太宰府の描く少女は好きだな。いじらしいし、いやなことはいやだと言うし。
    少女に共感しつつ読んだ。

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    2024年10月24日
  • 惜別(新潮文庫)

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    右大臣実朝、惜別の2篇。右大臣実朝はあまりハマらず。鎌倉幕府3代将軍源実朝が公暁に殺されるまでの話を実朝に心酔する第三者目線で語る。惜別は良かった。学生時代の魯迅。文学に転身するまで。日露戦争頃のシナ人に対する意識、露人の葛藤など。時代の雰囲気を感じられる。

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    2024年10月12日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最初はよくわかりませんでしたが、「疼痛…」の一文の解釈を知りぞっとしました。
    二度の自殺、美しく、残酷な世界でした。

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    2024年10月11日
  • 晩年

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    1番印象に残ってるのは、道化の華。
    まさか、小説の途中途中で、太宰自身の考えが入ってくるなんて夢にも思わなかった。
    今まで小説を読んできた中で初めてのことだった。

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    2024年10月06日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    太宰治作品、思いのほかクスッとなるもの、登場する人々が生き生きしているものが多い。今までは「登場人物がやたら項垂れて溜息ついてる」みたいなイメージを持っていたのだけど……。
    この「ろまん燈篭」も家族間のやり取りが面白かった。最後もよいなあ。


    「決して興奮の舞踏の連続ではありません。白々しく興覚めの宿命の中に寝起きしているばかりでおります。」

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    2024年10月03日
  • グッド・バイ

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    残念な未完成

    シューベルトは未完成でもしっかりした味わいの作品を残したが、太宰治の場合は残念なばかりの未完成である。ユーモアをたたえたこの作品をどのように仕上げようとしたのか、想像することはできるが 読むことはできない。このユーモアも太宰治特有の照れ隠し 恥じらいの表現なのか いずれにしても惜しまれる。

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    2024年10月01日
  • 葉桜と魔笛

    購入済み

    はにかむような文体

    太宰治特有のはにかむような文体が特徴の作品である。口笛をクライマックスの道具として使うのなら もう少し強調しても良かったような気がする。
    結核が不治の「死病」として怖れられていた時代はそれほど遠い昔ではないということを改めて認識させられた。石川啄木や梶井基次郎のように結核が名作を生んだ ということも。

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    2024年10月01日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    『きりぎりす』の最後のところで床下で鳴くこおろぎが、彼女の心のなかでなぜタイトルのきりぎりすに変わるのか、その意味について考えている。

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    2024年09月22日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    「女生徒」よりも様々な角度の物語が含まれている短編集。人々の不変的な心情をここまで描けるのはさすがとしか言いようがない。何度読んでも新しい発見がある。

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    2024年09月22日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    同じ作者とは思えないほど、様々なバリエーションの話があって面白かった。
    じっくり何度も味わいたい作品が多い。長編や純文学が苦手な人にも一度読んでもらいたい。

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    2024年09月16日
  • 文豪死す

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    文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
    表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
    登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
    それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
    特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。

    文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良

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    2024年08月15日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    もっと絵があればいいのに。が最後まで読んだ感想。
    何故か冒頭からすごく早口で話している感覚で途中ついていくのに必死だったが文字を追う目がどんどん先をいき、途中文字から目を離さないとどんどんエスカレートしていく。文字をこんな早く、急かされるように読む感覚は初めてでびっくり。そして、誰が話しているのだろうと思っていたらあんなに忠誠心を示して自分がいかに想っているか語り尽くしていたのに最後に裏切り者だと知る。どんでん返し。

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    2024年08月15日
  • 津軽

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    こんな笑かす内容とは思ってなかった。
    ヘノモチンから察してはいたけど、真面目を通すのが照れ臭くてふざけ倒すスタイルだよな。そんな自分を自覚もしてて、道化とかいうんだろうけど、嫌いじゃないな。自覚のない自己顕示欲ほど扱いに困るものはないけど、こんなエンタメに昇華させちゃえるんだから、やっぱり文豪だよなあ。。
    この夏、太宰治『津軽』のルートを辿ってみる予定。全ては回れないけど結構(私的には)攻める旅程を立てた。ChatGPTにも聞いてみて無理ないペースか確認。
    初日は、夏泊半島を奥からぐるりと回って浅虫温泉に行く予定。
    青森市〜松前街道沿いに竜飛岬まで出て、鯵ヶ沢・十三湖からまた蟹田に戻って太宰さ

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    2024年08月08日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    自由か安定か
    今の現代にも通ずるところがあると思った。
    私がもしこの猿だったら、週3回くらいは動物園にいて、それ以外は脱走したいかな。
    安定と自由両方バランスをとって生活していたいかも。今の自分の願いでもある。
    そのためには、まずは断捨離なのかな。

    それにしても、日本文学は最後に答え合わせがあって2度読んでしまうことが多い気がする。
    人の解釈を読むのも楽しい。

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    2024年08月03日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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     最悪だった。
    だってこの続きは一生読めないのだから。

     『グッド・バイ』は、晩年の作品らしく、のびのびしてユーモアに溢れた作風で、続きが読めないのが本当に悲しい。
     手を出そうとした女に殴られて、「ゆるしてくれぇ。どろぼう!」と叫ぶ主人公が哀れすぎて滑稽すぎてたまらない。

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    2024年07月28日
  • 人間失格

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    太宰の実体験かと思っていたが、創作物との事。
    しかし、筆者の人生観等が反映されている作品。
    生きづらさを感じながら道化を演じ心中を隠す、器用に見えて不器用な、苦しい人生を描いたような物語。
    読みやすさと読み応えがありました。

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    2024年07月23日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    相変わらずこのシリーズは絵が綺麗で、想像力がかきたてられます。

    お話は個人的にはちょっと怖い。
    闇に引きずられそうな感じ。
    人の考察を見て、知るものもあり。

    モチーフになったと思われる作品があるのも、面白いですね。他の作品へと渡り歩けるところが考察系の好きなところです。

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    2024年07月23日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    全体的に暗く感じた。ただ、独特な世界観があり気付けば、読み終わっていた。
    斜陽とは西に傾いた太陽を意味しており、かつての貴族が没落する姿を斜陽として表していた。それを知った時は、ハッとした気持ちになった。
    また、数年後に読み返したい。

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    2024年07月20日