太宰治のレビュー一覧

  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。

    島の岩山を登る私。
    登った木の枝を折ると一匹の猿が話しかけてきた。

    猿が語る人間評が皮肉が効いていた。

    最後まで読むとおおっと唸ってしまった。

    すり餌さんのイラストがとても素敵だった。

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    2024年05月14日
  • 畜犬談

    購入済み

    レビュー幾つもあるね

    畜生ならぬ畜犬について談ずる太宰治
    犬好きに与えたとしたらイジワルだな~
    犬に噛まれても犬好きは犬好き

    #笑える #ドキドキハラハラ #共感する

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    2024年04月12日
  • 猿ヶ島

    ネタバレ 購入済み

    擬人化もの

    読み進めると分かるように
    人間ではなく日本猿2匹の話
    ロンドンの動物園から逃げ出した猿2匹に案を取ったらしい

    #ドキドキハラハラ

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    2024年04月12日
  • 太宰治全集(1)

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    ネタバレ

    印象に残った言葉たち

    死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きようと思った。(葉 p.11)

    安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、ひしがれたくらしをしているときは、生のよろこびを書きつづる。(葉 p.28)

    私は、すべてに就いて満足し切れなかったから、いつも空虚なあがきをしていた。私には十重二十重の仮面がへばりついていたので、どれがどんなに悲しいのか、見極めをつけることができなかったのである。そしてとうとう私は或るわびしいはけ口を見つけ

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    2024年03月04日
  • 津軽(新潮文庫)

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    学生時代、桜桃忌に青森を目指す友人がいた。
    彼の影響もあって太宰治さんの本を手に取るようになった。金木の斜陽館も訪ねた。
    ネガティブで女々しくて、、と揶揄されても私は好きだった。
    大学を卒業する頃、彼と、か細い声で壊れそうな音楽を聴いた。彼女の歌の世界には太宰が息づいていた。そんな彼女の歌が、テレビから流れてくるなんて夢にも思わなかった。
    森田童子さん。もう鬼籍に入ってしまったけれど。

    津軽にはそんなイメージとはかけ離れた骨太でユーモラスな太宰がいる。自虐の癖は相変わらずだけど、紀行文みたいな小説だ。
    金木の辺りから眺める岩木山を想像する。金木を語る太宰の体温は熱い。
    でも、なんと言っても3

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    2024年02月28日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    駆け込み訴えの話や東京八景など、状況による人の感情の揺れが激しく描かれていた。どうしようもなく追い詰められていく中での逃げる弱さ、その弱さにも立ち向かえないやるせなさ、誰もが大なり小なり持ったことのある情動が描かれていて、不快な部分もありつつ共感もできる不思議な感覚だった。

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    2024年02月24日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    今井キラさんの装画が見事にマッチ。
    ペールトーンの柔らかな色合いが、すごく好みだった。
    誰かを待つ、待ち人が誰だか分からないけど待つ。
    そんなことも遠い昔にあったかも、と思いながら読んだ。

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    2024年02月12日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    ネタバレ

    「あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。…お悧巧すぎた。…あたしの手が、指先が、髪が、可哀そう。死ぬなんて、いやだ。いやだ。」
    病気で死ぬ間際にある妹のこの言葉が胸に刺さった。若い時分に死ぬということは、したいことが叶えられぬうちに死ぬということ。人はいつ死ぬかわからない。だからこそ、お悧巧でいすぎるよりも、自分の望みを叶える行動をとっていかないと、死の淵が見えたときに後悔してしまう。そう思う前に、やりたいことをやれるうちにしっかりしたいと思った。
    太宰治は、本当に人の心の奥底にある本音をえぐり出すのがうまい。死にたくない、とい

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    2024年02月01日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「旦那様…」との書き出しに、主人公は女性と思いきや、まさかの、かの有名なユダ!ユダがこんなにもイエスを慕い、愛し、敬い、トクベツの情と行動を捧げてきたのに、それに期待するほど応えてくれないのは、あまりにも悲しい。片思いの辛さというべきだろうか。
    この人だけには分かってもらえたと思うときがあっても、本当のところはそうでもなくて、ユダの寂しさ、辛さが伝わってきた。太宰治は、心の機微を描くのがとてもうまいと思う。この寂しさ、私も分かるところがあり、とても共感できた。

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    2024年01月31日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    燈篭
    スピードが速い。量ではなく思いの。女性目線のモノローグという太宰らしさ。

    姥捨
    心中物。絶望した描写がよい。どれほど愛し、どう裏切られたかが書かれてないので、そこに至る曲折は想像。結果生きてしまうことによって、いろいろな後始末が面倒

    黄金風景
    目をかけるというのは多義?感謝される振る舞いの記憶は抜け落ちたのか、奉公していた家への義理が強く、水に流していたところも「負けた」と言わしめたのか

    畜犬談
    ユーモア小説。Twitterで漫画化されてそう

    おしゃれ童子
    これもユーモア。意にそぐわなくてやけくそになるファッションも思春期

    皮膚と心
    待合室で妄想膨らむあたりで色が随分変わった。

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    2024年02月16日
  • パンドラの匣

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    人生のテーマとなる言葉を掲げたり、知らないうちに隠してしまってた感情に向き合わなければならなくなることで、「大人になる」移行期が描かれている。

    微笑もて正義をなせ!というフレーズは、嫌味がなく素敵だなと思った。
    リアリストになったいま、尊敬していた兄を見る目が変わってしまったこと。死に依って人間が完成すると思い至ること。二篇を通して自分が10〜20代で感じたことが書かれてたように思う。

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    2023年12月31日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    初めて読んだ作品です。
    太宰治作品はあまり縁がないが縁ある作品が女性主人公多し。太宰治って女性の視点が上手いのか?情緒のある物語でした。
    妹の、薄命が故の望みをこんな形で手紙に認める気持ち、そこにある恥じらいや欲望。姉の妹の不憫さを思いやる気持ちと姉としてのプライドや羨望。いろんなものが滲み出ている作品で、それを漂わせるイラストも良かったです!

    2023.12.30
    205

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    2023年12月30日
  • 津軽(新潮文庫)

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    太宰の人間臭さを愛おしく感じられるエッセイ。旅行記として面白いがやはりそもそも文章が上手い…。ラストのたけとのシーンは特に良かった。

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    2023年12月27日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    太宰治27〜28歳(1936〜37年)の頃の作品集。
    かなりヘヴィーな時期に書かれた文章のはずなのに、どれもなぜかチャーミングに響いてくる。

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    2023年12月14日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    太宰治の絶筆であるグッド・バイを読みたくて購入、その後2年間積読してた
    ユーモアに富んだ作品で、登場人物のキャラも立っているから、ラノベみたいな作品だなぁと思った
    未完なのが残念、この先も読みたかった

    善をなす場合には、いつも詫びながらしなければいけない。善ほど他人を傷つけるものはないのだから

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    2023年12月09日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    主人公、「女達者」で「卑猥で不名誉な雰囲気」を漂わせているので、出会う女全てモノにしていくのだが、後半はもう女と出逢ったら過程とかすっ飛ばしてページめくったら同棲してるの面白すぎる

    読者を死に誘うような魔力は感じられなかった

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    2023年12月03日
  • 晩年(新潮文庫)

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    どの本をと読んでも太宰治らしさがみえていい。津軽の表現が、多くて風情あった。
    でも、全てを理解するのはまだまだだと思ったのであと3年後にもう一回読みたい。

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    2023年12月02日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    書き出しの部分が ずっと耳に残っていて 気になっていた 知ってるようで 未読のままになっていた作品

    なるほど こういうお話だったのね...

    カリスマは 遠くから憧れているにはいいけれど
    側にいると 自分の心のバランスを保てなくなるものなのだろう

    ユダの心の揺れが 激しく痛々しい

    人の心の揺れは 時代も国も越えるんだなぁ

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    2023年12月02日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。
    彼女は誰を、何を待っているのだろうか。
    ある日偶々その駅で出会って、忘れることのできない人か、それとも戦争も、何の不安もない穏やかな日常か。
    想像が膨らみます。
    一人ひとりそれぞれに忘れられない記憶、あと一度でいいから会いたい人、そんな存在があると思います。
    だからこそ、心に染みる作品なのかなぁと思いました。

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    2023年12月01日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「いいお仕事をなさって、そうして、だれにも知られず、貧乏で、つつましく暮らして行く事ほど、楽しいものはありません。私は、お金も何もほしくありません。心の中で、遠い大きいプライドを持って、こっそり生きていたいと思います。」
    この文章にはとても勇気付けられる。

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    2023年11月26日