太宰治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
太宰治はフェミニストなんだなと思わせる作品でした。
夫の大谷の不祥事にも妻として粘りよく対処して、逆境をプラスに転じる所は、この作品が書かれた時代からすると、女性はしたたかで、もともと強いものだと言う宣言をしているようでした。
太宰治の作品のダメな男は、太宰治本人だといわれてるみたいですが、そうであるところもあるでしょうが、そうでないところもある。
太宰治にとっての太宰的と言われる人物は、作品のコメディ性を高める為のデフォルメであるような気がする。
冗談で他人を貶めて笑いをとる事は、劣って簡単なテクニックですが、自分を貶めるテクニックは簡単なようで難しい。
かれは、そらを連発して使う -
Posted by ブクログ
太宰治の津軽紀行文。彼にとっては故郷であるので、多分に自分探し的な意味合いも含まれ、風土の解説だけではなく、追憶と述懐と何かに対する言い訳とがずっとついて回る。
序編では、金木、五所川原、青森、弘前、浅虫、大鰐の六つの町についての思いが語られる。これらの町は太宰治が幼少の頃実際に住んだり訪れたりした縁の深い町なので、思い入れが強い。そのため、序で思いの丈を述べたきり、本編の紀行文ではこれらの町は取り上げない、との宣言でこの章は終わる。司馬遼太郎の『北のまほろば』で得た弘前に関する歴史知識のことも思い出しつつ、弘前城があるのに県庁所在地の座を青森市に奪われたことへの悔しいような情けないような -
Posted by ブクログ
文は素晴らしい。こういったタイプの絵は私にはわからない。ので、絵をシャットアウトして読んだ。読み終わって、じっくり絵を見た。
1人の人間に執着した人間の愛憎、師など、高い位についた人間の振る舞いなどが、勢いある文章で描かれていた。まさかユダが主人公とは…。最初の方は気づかなかった。ただキリストと使徒の話をなぞらえて書いているだけだと思っていた。
ここに描かれているユダの愛憎は、ある世界的ピアニストを慕い、ピッタリとくっついている、ある日本のピアニストを連想させた。彼女も似た様な心境なのだろうかと重ね合わせて読んだ。
無駄のない力強い文章。素晴らしかった。
この文に絵はいらないかな。 -
Posted by ブクログ
新年の一冊目は、太宰治の後期作品集。
太宰はひさしぶりに読んだけど、あらためて好きだなぁと思わせてくれるような文体や世界観で、収録作のほとんどが掌編(随想?)ながら満足度が高かった。
そして、彼が死の間際まで連載のために執筆していたという未完の遺作が「グッド・バイ」。
太宰はこれを書きながら、自分ももうグッド・バイでいいと思ったのかもしれないね。
主人公である色男が数多の愛人と縁を切るため、絶世の美女(だけどひどい鴉声で大喰らいで金遣いが荒くて部屋は汚い。実写にするなら橋本環奈一択)に助けを乞い、クセの強い彼女を手懐けながら二人三脚で別離行脚にでるというような、明るくてユウモアと可能性に満ちた -
Posted by ブクログ
青森県五所川原市 エルムの街 くまざわ書店にて購入。
太宰治の故郷、青森へ旅に出ると本が買いたくなる。今年は きりぎりすにした。
好きな物語がたくさん入っている。
「燈籠」のどんでん返しは痛快。
この女の子の目線から見ると、自分を正当化し凄まじく善人として描いているが、男の子側から見ると、迷惑な勘違い女にしか思えない。
このギャップがとても愉快だ!
姥捨は、太宰の自殺衝動へのプロセスかと思えてしまう。
「黄金風景」はもう圧巻。
嫌がらせをした相手から優しさで仕返しされる。
親切さで報復されるのが一番堪えるのだ!!
女中お慶がキラキラ輝く、その様はまさに黄金風景!!
まーぶしーいっ!
「皮 -
Posted by ブクログ
ダス・ゲマイネ
馬場と私の話。海賊という雑誌を出そうと持ちかけられる。「太宰治とかいう若い作家」という人物が出てくる。馬場と言い争いになり、雑誌はやめる。
主人公は電車に轢かれて死ぬ。
あいつ、うまく災難にかかりやがった。僕なんか、首でもつらなければおさまりがつきそうにないのに。
君、太宰ってのは、おそろしくいやな奴だぞ。
君は自分の手塩にかけた作品を市場に晒した後の突き刺されるような悲しみを知らないようだ。
富嶽百景
けれども、苦悩だけは、その青年たちに、先生、と言われて、黙ってそれを受けていいくらいの、苦悩は、へてきた。
苦しむものは苦しめ。落ちるものは落ちよ。私に関係したことではない。 -
-