太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
太宰治の生前残した最後の完結作品であるこの作品は、彼の遺書とも受け取れる。
死による解放、もしくは死による自らの存在証明を切望したことのある者は、
主人公の美しく破滅していくさまに、太宰治の姿を、もしくは自分の姿を投影して、
彼に憧れのようなものを抱きさえするのではないかと思った。
個人的には、胸の内を見破られたような冷たさよりも、人間に期待し、裏切られながら苦しみ生きる者たちに対する温かみさえ感じる作品だった。
(それは、作者が自分自身に向ける無意識の、そして最後の慈愛だったのかもしれない、と思うが、 慈愛という言葉は相応しくないかも。生きていく本能というべきか、もしくは諦めか、、)
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Posted by ブクログ
ネタバレありです。
貴族の終焉を母親の死として描き、新しい時代に適応しようと足掻いたが、対応できなかったことを、弟、直治の自殺として描く。
新しい時代も、上原に描かれるようにロクなものでもなく、バラ色とは言えないが、かず子は、上原の子を身籠り、この子と一緒に生きていく覚悟を持つ。
途中、なんでロクでもない上原の子を持つことに執着するのか、分からなかったが、ラストの力強い決意と、革命という言葉で、小説的に、なるほどと納得できました。
最後の、ある女の人に産ませた子供のところは、分かったような、いまひとつのような気がしますが、時間をおいて、もう一度読んでみようと思う。
決して長文ではないけど、展開 -
Posted by ブクログ
今更ながら太宰治の文章って綺麗で読みやすいなと…一つ一つの描写をどうしてこんなに豊かに描くことができるんだろう。「貴婦人らしさ」の表現が巧みで印象的。スープを食べている場面とか。
貴族の滅亡。物語に登場する貴婦人(母)は、かぼそく今にも崩れ落ちそうな存在である一方、斜陽のような明るさだ。どことなく芯に強いものが感じられるのは、彼女が滅びることが避けがたいものとして受け入れているから。
以下は書評にあった文章抜粋。まさにこれだよね、という感じにまとめてくれていて分かりやすかった。
太宰治の生と文学は下降指向のそれと言ってよい。悪しき秩序、権力とたたかうためには、まず自分の中にあるそれらとた