太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつか読もうと思っていて、きちんと読んだことはなかった気がする。35歳にして初めてちゃんと向き合った。
口調や書きぶりが魅力的でどんどん読んでしまった。
さすが太宰治。
冒頭のほうで、性的虐待への言及が1文だけあり、そこから先一切出てこないけれど、今の時代この部分はかなり根本的な要素なのではないかと思った。
そのわりに、人間失格について論じるときに出てこない気がする。
性的虐待による心的外傷がゆえに病んでしまった物語とも取れるのではないか。。太宰治自身はどうだったのだろう。
色々とyoutubeなどで評論を見ていたら、やはり海外からはそういう評価もあるらしいが、日本の文壇ではあまり論 -
Posted by ブクログ
葉蔵の孤独や生きづらさは、本当に特殊なものなのだろうか?
自分は「世間」とは何かがどうも異なる。決して理解し合ったり心を許すことができない。だけど道化で「世間」に紛れ込む。
誰かの書評を見て、自分と主人公は重なる部分があるのではないかと思ったことがこの本を読んだきっかけだった。
葉蔵は容姿に恵まれ、面白いことも言える。これは、人間社会で生きていく上で大変な武器だと思う。たとえ自分と世間との隔たりを感じても、葉蔵は社会に受け入れてもらえているではないか。だから葉蔵はなんて贅沢なんだろうと思った。
でも、容姿が良かったことがかえって葉蔵を甘やかし、不幸になってしまったのではないかと思う。女 -
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男性の存在意義はなんなのだろうか。
自分にも家庭にも臆病で、自信がなくて。後ろめたいことがあると、真っ向から向き合うことに怯えて短略的に怒鳴ることしか出来ない。仕事をしてお金を家に入れることだけが役割だったのだとしたら、今は女性もお金を稼ぐ。夫にも気を遣え、子供も育てられ、配給の情報を取り生きるために食べ物や衣服を揃えることもできる万能な女性。
男性に出来ることってなんなのでしょう。
などと、男性の家庭での必要性について考えさせられるお話でした。
ふと時間を置いてみると、この作品は男性を頼りなく魅せるために、女性の忍耐美のようなものを際立たせている気もする。私が悶々と考えた、男性の家庭での -
Posted by ブクログ
意外と読みやすく、ユーモアがある文章に驚いた。
構成が面白い。
はしがきで登場する男に対し、語り手は嫌悪を剝き出しにしている。
その理由が、手記として描かれた男の人生を読み進めるうちに腑に落ちていく。
太宰治はどれほど自分を信じ、好きだったんだろう。
自己嫌悪は自己愛の裏返しだ。
太宰が友人だったら、何やってんの、ってこづきたい。
だけど、もう知らん、と言いながら、なんだかんだまた一緒に居酒屋でくだをまいたりしそうな気がする。
太宰はダメで、しょうもない。
しょうもなくて、情けなくて、まるで自分みたい。
どこか憎めなくて、みんな太宰を好きになるんだろう。