太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021.5.12
★4.0
葉蔵は、幼いころから人との関わり方が分からず、「本当の自分」を隠して生きてきた。周囲に合わせるために道化のように振る舞い、笑いを取ることで人間関係を保とうとしてきた。成長するにつれて、酒や女性、薬物に依存するようになり、心も生活も次第に崩れていき、最終的には精神的に追い詰められ、「自分はもう人間ではない」と感じるほどに破滅していく物語。
言葉が悪いけど胸糞悪かった。けど、それ以上にいい作品だった。だんだんと落ちぶれていく様子が苦しくて、自分はもう人間では無いっていってたけど、人間の弱さと孤独を最大限に極限まで詰め込んだ人生だったと思う。大人になって、人間に対 -
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら太宰治はすごく昔の人だと思っていたのですが、あれ?自分の祖父と同年代かも?と気がついて、急にものすごく親近感が湧いて読んでみることにしました。
意外と読みやすくてびっくり。
主人公の心情もわかりやすい。
だけど、私はあまり共感はできませんでした。
人間が怖いというところはなんとなくわかるのですが、
人間が怖いから道化を演じるって、ものすごく器用じゃない?いやいや人間関係しっかりやってくスキルあるよーっと思ってしまいました。笑
人の心の中をここまで詳細に知ることはなかなか無いから、そうか、ふだんふざけてるあの人も実はみんな演じているだけなのかも?など、身近な人をもう少し深く観察し -
Posted by ブクログ
私はこの本を読むのに三度挑戦した。
一度目は序章で止まり、二度目は幼少期の部分で読むのをやめてしまった。そして三度目で、ようやく最後まで読み終えることができた。だから今回読み終えたこと自体に、ある種の達成感と意味を感じている。
人間失格を読み終えてまず感じたのは、これは単なる文学作品ではなく、まるで自分のために書かれた本のようだということだった。それほどまでに主人公・葉蔵の姿は、自分の内面と重なる部分が多かった。
特に強く共感したのは、葉蔵の幼少期である。
彼は人の顔色をうかがいながら生き、道化を演じることで周囲の人間関係の中に自分の居場所を作ろうとする。
それは単なる性格ではなく、むしろ人間 -
Posted by ブクログ
人は本当の自分を見せずに生きることもできるし、周囲に合わせて関係を成立させることもできる。しかしその一方で、自分と他人の間には常に見えない距離があり、完全に理解し合うことは難しいのではないかという感覚も感じた。
葉蔵の幼少期の心理には、自分の経験と重なる部分があった。人の顔色を読み、相手が望む行動を先回りして取る感覚は理解できる。そのため物語の前半では強い共感が生まれた。
しかし物語が進むにつれて、葉蔵が同じ逃避を繰り返し、自分を変えようとしない姿を見て、共感は徐々に距離のあるものになった。苦しさは理解できるが、そこから抜け出そうとしない姿には疑問も感じた。そのため、葉蔵の生き方を「理解できる