太宰治のレビュー一覧

  • ヴィヨンの妻

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    映画化もされたこちらの作品。
    人間失格より暗めで重め、、やはり終戦後の日本の庶民の暮らしを何となくに反映してる感じと主人公に太宰自身を反映してるなと思いました。

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    2024年11月18日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    青森県五所川原市 エルムの街 くまざわ書店にて購入。
    太宰治の故郷、青森へ旅に出ると本が買いたくなる。今年は きりぎりすにした。

    好きな物語がたくさん入っている。
    「燈籠」のどんでん返しは痛快。
    この女の子の目線から見ると、自分を正当化し凄まじく善人として描いているが、男の子側から見ると、迷惑な勘違い女にしか思えない。
    このギャップがとても愉快だ!

    姥捨は、太宰の自殺衝動へのプロセスかと思えてしまう。
    「黄金風景」はもう圧巻。
    嫌がらせをした相手から優しさで仕返しされる。
    親切さで報復されるのが一番堪えるのだ!!
    女中お慶がキラキラ輝く、その様はまさに黄金風景!!
    まーぶしーいっ!

    「皮

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    2024年11月06日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    ダス・ゲマイネ
    馬場と私の話。海賊という雑誌を出そうと持ちかけられる。「太宰治とかいう若い作家」という人物が出てくる。馬場と言い争いになり、雑誌はやめる。
    主人公は電車に轢かれて死ぬ。
    あいつ、うまく災難にかかりやがった。僕なんか、首でもつらなければおさまりがつきそうにないのに。
    君、太宰ってのは、おそろしくいやな奴だぞ。
    君は自分の手塩にかけた作品を市場に晒した後の突き刺されるような悲しみを知らないようだ。

    富嶽百景
    けれども、苦悩だけは、その青年たちに、先生、と言われて、黙ってそれを受けていいくらいの、苦悩は、へてきた。
    苦しむものは苦しめ。落ちるものは落ちよ。私に関係したことではない。

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    2024年11月10日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    ネタバレ

    些細な日常を皮肉やユーモアを感じさせる言葉選びで表現しており、クスっと笑ってしまう。
    佐渡と畜犬談が好き。

    どの話も割と好きに言いたい放題でコンプラ等存在せず自由で良い。

    畜犬談の犬に対して、
    「日に十里を楽々と走破し得る健脚を有し、獅子をも斃す白光鋭利の牙を持ちながら、懶惰無頼の腐り果てたいやしい根性をはばからず発揮し、一片の矜持無く、てもなく人間界に屈服し、隷属し、同族互いに敵視して、顔つき合わせると吠え合い、嚙み合い、もって人間のご機嫌を取り結ぼうと努めている。」
    と表現しており、今まで犬に対して、憎らしい思いをストレートに緻密に書く人間はいただろうか。

    愛犬の話の起承転結もわかり

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    2024年10月26日
  • 津軽

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    久しぶりに訪れた故郷津軽の旅日記。親戚や旧友はみんな太宰を歓迎し、もてなしてくれる。酒三昧の気ままな旅。人の温かさが身に沁みる。思い出の地を巡りながら、その土地やゆかりの人々を紹介していく紀行文。厳しい東北の土地柄、人柄を褒めたりけなしたりする中で、太宰のちょっぴり性悪な心の内も時々垣間見られて、笑いを誘う。
    何よりも故郷を愛する太宰の気持ちがひしひしと伝わってくる。
    最後のたけとのエピソードに心を動かされた。何も語らなくとも2人の思いが伝わってきて、泣けてくる。この章だけは星五つをあげたい。胸のつかえが降りたそんな気分で読み終えた。
    この4年後に彼はこの世を去る。
    どんな思いで津軽を巡ってい

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    2024年10月26日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    この短編は初めて読んだ。やはり太宰府の描く少女は好きだな。いじらしいし、いやなことはいやだと言うし。
    少女に共感しつつ読んだ。

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    2024年10月24日
  • ヴィヨンの妻

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    赤裸々な文章で、太宰治の胸に抱えているものがつまった作品です。暗く、重い内容だけど、、どれも太宰治が社会や家族に訴えているようで、その文章に惹き込まれます。当時、女性にモテていたことがわかるなあなんて、思いました。

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    2024年10月20日
  • 惜別(新潮文庫)

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    右大臣実朝、惜別の2篇。右大臣実朝はあまりハマらず。鎌倉幕府3代将軍源実朝が公暁に殺されるまでの話を実朝に心酔する第三者目線で語る。惜別は良かった。学生時代の魯迅。文学に転身するまで。日露戦争頃のシナ人に対する意識、露人の葛藤など。時代の雰囲気を感じられる。

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    2024年10月12日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最初はよくわかりませんでしたが、「疼痛…」の一文の解釈を知りぞっとしました。
    二度の自殺、美しく、残酷な世界でした。

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    2024年10月11日
  • 晩年

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    1番印象に残ってるのは、道化の華。
    まさか、小説の途中途中で、太宰自身の考えが入ってくるなんて夢にも思わなかった。
    今まで小説を読んできた中で初めてのことだった。

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    2024年10月06日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    太宰治作品、思いのほかクスッとなるもの、登場する人々が生き生きしているものが多い。今までは「登場人物がやたら項垂れて溜息ついてる」みたいなイメージを持っていたのだけど……。
    この「ろまん燈篭」も家族間のやり取りが面白かった。最後もよいなあ。


    「決して興奮の舞踏の連続ではありません。白々しく興覚めの宿命の中に寝起きしているばかりでおります。」

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    2024年10月03日
  • グッド・バイ

    購入済み

    残念な未完成

    シューベルトは未完成でもしっかりした味わいの作品を残したが、太宰治の場合は残念なばかりの未完成である。ユーモアをたたえたこの作品をどのように仕上げようとしたのか、想像することはできるが 読むことはできない。このユーモアも太宰治特有の照れ隠し 恥じらいの表現なのか いずれにしても惜しまれる。

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    2024年10月01日
  • 葉桜と魔笛

    購入済み

    はにかむような文体

    太宰治特有のはにかむような文体が特徴の作品である。口笛をクライマックスの道具として使うのなら もう少し強調しても良かったような気がする。
    結核が不治の「死病」として怖れられていた時代はそれほど遠い昔ではないということを改めて認識させられた。石川啄木や梶井基次郎のように結核が名作を生んだ ということも。

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    2024年10月01日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    『きりぎりす』の最後のところで床下で鳴くこおろぎが、彼女の心のなかでなぜタイトルのきりぎりすに変わるのか、その意味について考えている。

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    2024年09月22日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    「女生徒」よりも様々な角度の物語が含まれている短編集。人々の不変的な心情をここまで描けるのはさすがとしか言いようがない。何度読んでも新しい発見がある。

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    2024年09月22日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    同じ作者とは思えないほど、様々なバリエーションの話があって面白かった。
    じっくり何度も味わいたい作品が多い。長編や純文学が苦手な人にも一度読んでもらいたい。

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    2024年09月16日
  • ヴィヨンの妻

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    「トカトントン」と「おさん」は読んだことがあった。
    自分が親になった時に読み返したいと思ったし、父に「父」を読んでほしいとも思った。
    新潮文庫のは「晩年」と「人間失格」を持っているけど、そのどちらとも違う暗さ、悩みが伝わって、太宰の抱えていたものが明確になった気がする。

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    2024年08月27日
  • 文豪死す

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    文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
    表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
    登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
    それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
    特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。

    文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良

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    2024年08月15日