太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽

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    ネタバレ

    人間の心の脆く、醜い部分がありのままに描かれていて、苦ぁ〜い気持ちになる。独りになって、惨めになって、それでもそれを隠して、自分は幸福だって思えたら幸せに生きられるんかな。
    ────恋、と書いたら、あと、書けなくなった。

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    2025年08月15日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても豪華な1冊。
    求めていた文豪の短編がビッシリ詰まっていて、不気味!耽美!最高!
    夏目漱石、夢野久作、江戸川乱歩、太宰治が入っていてとても嬉しい。
    どれも面白くて良い。

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    2025年08月14日
  • 人間失格

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    別に大して読みたかったわけでもない。
    なんでこの本を買ったかというと、デスノートを買おうと本屋に寄ると、たまたま夏休みキャンペーンだかなんだか知らないが、小畑健が表紙の絵を描いていたのである。
    買っちゃったよね。
    そんでたまたま、カラマーゾフの兄弟を読んでいる時期でした。宗教に深く関連づけられたテーマ、教育の重要性を常々考えている性質から、最近は日本の文化についてよく考えていたため、昭和初期くらいを生きた、それも危ない感じで生きた人の言葉に触れてみたかったってのも、まぁ、後からつけた理由だ。
    太宰治が何回も自殺を試みたうえ失敗し、最後に自殺したってことは有名な話だもんね。
    しかも妻だけじゃなく

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    2025年08月15日
  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    新潮社の太宰治の『ヴィヨンの妻』。最晩年の作品群です。太宰治の作品はいろんな出版社から出されているのですが、落ち着きのある体裁の新潮社を選んでみました。

    「親友交歓」
    昭和21年9月初め、疎開先の津軽で静かに過ごしていた「私」のもとへ、突然、小学校時代の同級生・平田と名乗る男が訪れてきます。顔にかすかな記憶はあったものの、ほとんど面識のない相手でした。 平田は小学校の「クラス会」開催の相談と称して、酒や金を要求します。最初は好意的に迎え入れた「私」ですが、平田の傍若無人な振る舞い、軽薄な自慢話、不愉快な態度に徐々に苛立ちを覚えていきます。 何時間も酒を飲み、妻にも無遠慮にちょっかいをかけ

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    2025年08月13日
  • 人間失格

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    人間でありながら、人間の感情や生活が上手く飲み込めない男・大庭葉蔵。彼の半生を、彼の残した手記をもとに辿っていく。道化を演じて人間の営みの中に溶け込もうとした少年期。東京に出て、酒と女で自身の空白を埋めようとした青年期。まともに生きようともがきつつも、それがかえって酒毒と薬に蝕まれる要因となっていく青年後期。

    生まれながらにして他人とどこかズレている。そんな葉蔵にとって、世間とは夜の海に等しかった。見通しがきかず、何が出てくるのか見当もつかない暗い海。そのただ中にある彼にとって、唯一の防衛手段が道化を演じることだった。笑わせれば、少なくとも危害は加えられない。だが、世間が分からず、結果として

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    2025年08月12日
  • 斜陽

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    「しくじった。惚れちゃった。」
    を観測したくて読んでみた作品だけど、想像とは全然違う場面で出てきた。
    全ての瞬間が刹那的な作品。

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    2025年07月29日
  • 津軽

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    ・「大人とは、裏切られた青年の姿である。」
    ・「一生だめかもしれない。ひびのはいった茶碗は、どう仕様もない。どうしたって、もとのとおりにはならない。津軽人は特に、心のひびを忘れない種族である。」
    ・「人からおだてられて得た自信なんてなんにもならない。知らん振りして、信じて、しばらく努力を続けて行こうではないか。」

    ・正直いうと、津軽の土地だったり、歴史が書かれている部分は退屈だった。次回は読み込みたい
    ・特に「三 外ヶ浜」「四 津軽平野」「五 西海岸」が面白い。外ヶ浜は友人と太宰がまるで学生のような言動をしているので笑ってしまった。津軽平野と西海岸は感動した。いままでは友人との楽しい旅だった

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    2025年07月19日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    周囲の反対を押し切ってまで結ばれた、うだつのあがらない絵描きとの貧しくも幸福な結婚生活から一転、妻から夫への三下り半。
    あなたは絵が売れてお金を手にしてすっかり変わってしまったわね、と。思いがけない好転と裕福さは、彼女を怯えさせた。(寄り添うようにずっとそばにいてくれる黒猫ちゃんがめちゃ可愛い。)
    別人のようになった夫の一挙手一投足にそら恐ろしさを覚える日々にいよいよ限界がきた様子で、そのときの心情が淡々と綴られていく。

    「あなたは、気違いです。」はちょっと辛辣すぎて笑ったけど、でもとても心の綺麗な奥さん。夫よ、これは失ってから気づかせるタイプの大切さだぞ……。
    読み終え、「おわかれ致します

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    2025年07月16日
  • 斜陽

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    平等や旧来の道徳、それらをめぐる同調圧力の存在を、没落華族の視点を借りることで、より痛切に、アイロニカルに浮かび上がらせる筆致。すさまじい。まるで今の世の中にいる自分の身の周りについて指摘されているかのようで、胸がざわざわする。

    生まれながらに手にしていたステータスを剥奪され生身の人間として再出発するのには、裸を晒すかのような抵抗感を伴っただろう。
    かず子2.0。
    だからこそ、生き抜くことが革命だ。

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    2025年07月11日
  • 惜別(新潮文庫)

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    両作品とも読み切るのきつかった。これは時間に余裕のある時でなければ読めない。
    右大臣実朝の物語が頭になかなか入ってこなかったのは登場人物の数が多いのと登場人物の呼称が一貫してないためだった。wikiであらすじ、登場人物表見ながら読んだ。ここで古典の苦手意識が再起されるとは。ただたまにはこういう文章も読みたくなる。
    惜別も解説で言われていたが文章に勢いがなく読むのがキツかった。ただ一文一文は面白い。魯迅著の藤野先生、故郷を読みたい

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    2025年07月10日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    戦前戦中の価値観が、敗戦という日本人にとって大きな出来事の影響で、とてつもなく大きく変化した時代。
    これはもう、想像するしかないのだが、その時代に身をおいた人々の混乱はいかばかりか。

    太宰治のイメージは、女々しくてグダグダ考えすぎ…な部分もある、なんて若い頃は思ったけれども、歳を重ねた今読むと、また違った印象になるのかもしれない。

    上原のあのセリフはちょっとドキッとする。

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    2025年07月09日
  • 晩年

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    初めての太宰治、岩波文庫でした。
    正直な感想は言葉遣いや言葉そのものも難しく、ひとまず読み切ることを目標にしておりました。
    注釈も多くついているので、じっくり1章を読むことが必要だと感じました。
    ただ、昨今のスラーっと読める本も素晴らしいですが、後世に残っている本や語り継がれる本はこういった文学なのだと感じました。

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    2025年07月09日
  • ヴィヨンの妻

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    詩人としてそこそこ活躍しているが、酒場でツケを踏み倒して暴れる夫。そんな芸術家肌の夫に振り回される献身的な妻が主人公。献身的とはいっても自我は案外冷めていてかつ大胆だ。この掴みどころがない妻の性格が妙に魅力的に思え、太宰治の書く女性の語り口も『女生徒』同様達者だなぁと感じ入る。戦後直後の混沌としたムードも作品の世界観に存分に貢献しており、そのなかでもたくましく生きるというメッセージ性も(たぶん)ある。最後の妻のセリフ「人非人でもいいじゃない。生きていさえすればいいのよ」にすべてが込められていると思った。

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    2025年07月07日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    人間が好きでたまらない自分と
    人間が怖くてたまらない。何も信じられない葉蔵
    人と話すことが好きで、人は話せば分かり合えると心の奥で思っている自分との違いに驚く。
    ぐるぐるぐるぐる考え続け悩み続け深く潜っていく様が、自分の浅さを突きつけてくるように感じた。

    人生を深く味わいたいと思っている中で、この本を読めたことは、意味があると思う。

    噛んで噛んで深く味わえるものかもしれない。本棚に置いておくことにする。

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    2025年08月14日
  • 人間失格

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    一人の人生を読んだ。正直、重いし薄いし楽しくはないけれど、案外そんなものなのか、と思う。
    どこか安堵。

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    2025年07月02日
  • 斜陽

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    とりあえず『斜陽』という題名の素晴らしさに感じ入った。斜陽という美しくも悲しい響きと、生活能力のない元貴族が落ちぶれていく様がリンクしていた。貴族なんて縁のない私でも、要所要所で共感しましたよ。親を失う恐怖、些細なきっかけでズブズブはまる恋、生きていたって何になる、という投げやりな気持ち。心の機微が文章に乗っていてふと、泣きそうにすらなってしまった。『人間失格』ほどではないが暗い気持ちになったので次はユーモアのある太宰治の本を選びたい。

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    2025年06月30日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    はい、というわけで47オネェは治ちゃんの『きりぎりす』ですよ

    これで『乙女の本棚』は既刊全部読んで追いついちゃったのかな?
    作品集はあるけど、それはまぁ読む(見る?)気は今のところありません

    はいはい、治ちゃんね

    これはね〜
    なんか非常にすっとした
    清貧のこころよね
    ひと言で言うと

    成功してなんか卑しくなっちゃった夫に、こんなはずじゃあとがっかりした妻が別れの決意表明!というお話です

    俗に言う「がっかりこん」ですな(初耳!)

    いやでも、うんうん治ちゃん分かるわ〜となりました

    『乙女の本棚』なので、絵にも触れたい
    絵のタッチとしては非常に好み!なんだけど、切り取り方がね
    うーん、そ

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    2025年06月29日
  • 晩年 アニメカバー版

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    初期の太宰治作品で、その多くが太宰自身の実体験に基づいて書かれた小説。作中に、小説を書いた際の心情や苦悩などが詰まっており、太宰がどんな思いで綴ったのかを文章から想像できる。

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    2025年06月28日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    戯曲もおもしろかった

    現代でもおもしろい、表現や着地がすごい

    グッド•バイも完結してほしかった

    あの時代で書くことへの執念がすごい

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    2025年06月21日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    太宰治文学忌、桜桃忌
    1935年 昭和10年の作品

    1896年ロンドン
    はるばると海を超えてこの島に着いた私
    不安の中島を巡り歩く
    島は孤島ではなく動物園らしき内側
    孤独〜不安〜島での安寧を知るも
    好奇の目はある、自由はない
    太宰治、まさかの叙述トリック

    すり餌さんの和風の色合いデザインが素敵
    まさかの描出トリック?
    太宰治と一緒に騙してくれます
    さて、束縛の安寧か
    不穏な自由か

    ロンドン博物館附属動物園で2匹の猿の逃走から
    の着想

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    2025年06月19日