太宰治のレビュー一覧

  • 待つ(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ただただ何かを待っている話。しかし何を待っているのか、語り手にもわからない。けれど、来る日も来る日も待っている。そしてそれはやって来ない。おそらくこの先もずっと。なぜなら彼女を待ちぼうけにさせているのは、社会との隔たりを自覚するがゆえの虚しさだからだ。その虚しさを若い女性の待ちぼうけに託けた太宰の、陰鬱で美しい旋律の作品です。

    0
    2026年06月10日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    Premium Cover 2015

    人の心みたいなものを感じられず、食欲もなく、ただひたすら周囲に合わせお道化を演じて生きてきた、というのは流石に人間離れし過ぎていて共感しようがなかったけれど。それでもだんだんと見え隠れし始める人間らしさやクズっぷりがタイトル通り最高に人間失格で面白い。
    解説がとても良かった。太宰の生涯と本作の成り立ちが物語のように整理され、本作ももう一度読みたくなったし、他作にも触れてみたくなった。

    0
    2026年06月10日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    太宰治の生前残した最後の完結作品であるこの作品は、彼の遺書とも受け取れる。
    死による解放、もしくは死による自らの存在証明を切望したことのある者は、
    主人公の美しく破滅していくさまに、太宰治の姿を、もしくは自分の姿を投影して、
    彼に憧れのようなものを抱きさえするのではないかと思った。

    個人的には、胸の内を見破られたような冷たさよりも、人間に期待し、裏切られながら苦しみ生きる者たちに対する温かみさえ感じる作品だった。
    (それは、作者が自分自身に向ける無意識の、そして最後の慈愛だったのかもしれない、と思うが、 慈愛という言葉は相応しくないかも。生きていく本能というべきか、もしくは諦めか、、)

    0
    2026年06月08日
  • 斜陽 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    ネタバレありです。
    貴族の終焉を母親の死として描き、新しい時代に適応しようと足掻いたが、対応できなかったことを、弟、直治の自殺として描く。
    新しい時代も、上原に描かれるようにロクなものでもなく、バラ色とは言えないが、かず子は、上原の子を身籠り、この子と一緒に生きていく覚悟を持つ。
    途中、なんでロクでもない上原の子を持つことに執着するのか、分からなかったが、ラストの力強い決意と、革命という言葉で、小説的に、なるほどと納得できました。
    最後の、ある女の人に産ませた子供のところは、分かったような、いまひとつのような気がしますが、時間をおいて、もう一度読んでみようと思う。
    決して長文ではないけど、展開

    0
    2026年06月07日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    読後も色んな解釈を調べながら改めて考えさせられた、余韻の残る作品。
    人間を恐れながらも人間になろうともがき続ける主人公には苛立たしいところもあったけど、最後にはただただ哀れでならなかった。

    0
    2026年06月07日
  • 斜陽

    Posted by ブクログ

    何十年も前の作品なのにスラスラと読めるところに彼の言葉の新鮮味を感じた
    上原は一体どんな人だったんだろうなと想像してみたり。

    0
    2026年06月03日
  • 斜陽

    Posted by ブクログ

    今更ながら太宰治の文章って綺麗で読みやすいなと…一つ一つの描写をどうしてこんなに豊かに描くことができるんだろう。「貴婦人らしさ」の表現が巧みで印象的。スープを食べている場面とか。

    貴族の滅亡。物語に登場する貴婦人(母)は、かぼそく今にも崩れ落ちそうな存在である一方、斜陽のような明るさだ。どことなく芯に強いものが感じられるのは、彼女が滅びることが避けがたいものとして受け入れているから。


    以下は書評にあった文章抜粋。まさにこれだよね、という感じにまとめてくれていて分かりやすかった。
    太宰治の生と文学は下降指向のそれと言ってよい。悪しき秩序、権力とたたかうためには、まず自分の中にあるそれらとた

    0
    2026年06月01日
  • 斜陽

    Posted by ブクログ

    「しくじった。惚れちゃった。」という言葉を見たいがために読みました。思っていたより読みやすく、理解しやすく、良いなと思う言葉がいくつかありました。
    でもたまに、読み飛ばしたくなる言葉の羅列があります。

    0
    2026年05月31日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    なんとなく共感したような気がするけど全然分からないかも。

    人間が矛盾していて誰しも少なからず道化を演じている節はあるよね、というところは分かりつつ、どうしてその感覚を理解できないのか、なぜそれがそんなに恐ろしいのかは分からない。そういうものじゃないかと思ってしまう。これはむしろ私が社会の価値観に毒されているんだろうなと思うけど。

    この話は太宰治の自伝だという話を聞いて、なんか相当苦しんでいたようだけど最後の言葉良かったね、と温かさを感じた。

    0
    2026年05月30日
  • お伽草紙(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昔話太宰アレンジ短編集。各話を語る前のメタ発言が面白い。特にお伽草紙の桃太郎に対する持論に(・∀・)ニヤニヤした。自虐がすぎる。

    0
    2026年05月26日
  • 津軽(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今まで読んできた太宰の小説の中で最も主人公がワクワクしているような気がする。概ね健康な印象を受けた。

    太宰の人柄……常に他者の目線を意識しており、自分に自信がない。でもキザ。不器用な人間。まあモテるだろうな、と思う。

    少年時代の描写について:
    たかが、十里(約40km)、されど十里。少年時代の小旅行は、別の惑星に行くようなものだったんだろう。私も田舎者なのでわかる。
    作中に出てくる太宰のファッションが、おそらくダサい。おのぼりさんルックという感じで愛おしい。慣れない場所に出たとき、ちょっとでもいい服を着て背伸びがしたくなるのは当然のことだ。

    大人になってからの描写について:
    太平洋戦争真

    0
    2026年05月29日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    読むのは4回目。読む年齢によって感じ方が異なる不思議な本。
    暗いな。自分よりも生きづらそうなのでなんか安心してしまう。

    0
    2026年05月21日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    みんなどこか自分は特別で、一つ上の視点から見れてると思ってるんだろうな、と感じました、もちろん僕もその1人。

    0
    2026年05月19日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ごつごつの文章。リズムはまずまずなので最後まで読める。

     内容は身を持ち崩した男の物語。この本はタイトルの妙と当時としては衝撃的なダークな人生の内容でつづった小説、ということか。

     このあと、同様な本は山ほど出ていて、表現や構成が「人間失格」よりずっと良いものもある、ということか。

     この本が書かれたのは戦後の1948年。読んでみた感想として明治期の本かと思っていた。

    0
    2026年05月13日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    「人間失格」は、昭和時代にはマスト・リードの文学だった。高校生・大学生の頃、太宰治はハマった作家の一人だった。確か本棚には、新潮文庫の黒い背表紙が何冊も並んでいたと思う。なかでも、「人間失格」は、自意識過剰だった若い頃の私には、自分を代弁してくれていると感じていたように思う。

    だからこそ、年齢を重ねて、自意識過剰が減ってしまったあと、あの頃のようにはハマれないだろうと読むことを避けていた。あの頃の感動を、「なーんだ」と上書きしたくないから。

    しかし、この度知った英語での読書会。英語で本の話をするのはハードルが高いが、AI英会話アプリ「Speak」を相手に管を巻くことで抽象度の高いことも話せ

    0
    2026年05月12日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あまりにも有名な作品だが初読。周りの人間に共感できないことを自覚しながら、少年のときに道化を覚え、それからは自分以外の人間に対するえもいわれぬ恐怖と戦いながら、女性たちから寄せられる謎の好意に翻弄されつつ生きていく主人公の様子が、この作品を最後に自殺した太宰治のその後を知っているだけに、痛切に感じられた。文体は古いものの、内容には古さを感じさせないものがあり、時代を超えて読み継がれてきたことに納得し、これからも読み継がれていくと感じた。

    0
    2026年05月11日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    ずっと読んでみたかった作品。演技をしている自分他人の前でおどけてみせる自分をすごく冷静に見てたり女性と同じテンションではない自分を分かってるんだけどどっか自分に甘くて女関係も薬も沼っていく感じがすごく共感してしまった。葉蔵はほぼ太宰自身のことらしいけどどうなんだろう。ちょっと昔の文体?だしずっと心の中の独白と堕ちていく事しかないのにスルッと読めた。

    0
    2026年05月11日
  • 待つ(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    学生時代、『待つ』を読んだ時に、この短い文章でこれだけ不安定な心情を表現できる文豪の才に衝撃を受けた記憶があったのと、乙女の本棚シリーズの本が欲しいなと思っていた頃にたまたま書店で見かけたので購入。

    最初の数ページは、百年前の太宰の語りと、現代調のイラストに隔たりを感じたが、しだいに、じわじわと、この作品で語られている心許なさとイラストの虚無な眼をした少女が重なってきて、何度も読み返してしまう。眺めれば眺めるほど、小説世界を深掘りしていく耽美で病みを抱えたイラスト。

    関係ないけど、ゲスの極み乙女の「id1」という曲に「ぼくらは少しだけ明日を待ちすぎてる気がする」という歌詞があるのを思い出し

    0
    2026年05月09日
  • ヴィヨンの妻

    Posted by ブクログ

    ダメな夫を支える妻の話

    ダメな夫なんだけど憎めない。妻も妻で仕方ないなーという感じで生きている。どうにか生きていく、怒っても仕方ないもの〜という雰囲気がちらほら見えていてでもそれは物分かりのいい妻ではなくて、妻は妻で夜の世界を知り、時には客と関係を持ったりしている。生きるためには強くいなくてはとその当時の生き様みたいなものが見えた。

    0
    2026年05月07日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    最後の畳み掛けは圧巻でした。

    太宰治の文章にはストーリー性があって、やや難解な語を使っている所もスラスラと頭に入ってきました。多分意識されてるのかな?

    肝心の内容はここでは話しませんが、読んでいる内に感情が奥へ奥へと引き込まれていく感じで、思わず見とれてしまいました。締めは、太宰治の矜恃とも言える、圧巻の締めでした。

    読んでみてこの感覚を味わってみてください。基本的に読みやすいので、若者の方にもおすすめできます。

    0
    2026年05月06日