太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽

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    ネタバレ

    太宰治作品初読です。全体的に決して明るくはないが、良い意味で淡々としていて、それでいて穏やかさの中にどことなく不安感を感じる、不思議な文章だなぁと思いました。雰囲気がとても好き。

    同じ家族といえど、母は最後の本物の貴族として、弟は崩壊した社会に馴染めなかった元貴族として、自身は貴族としての傲慢さは捨てずに変わっていく社会に挑んでいく元貴族の革命家として三者三様に描かれていて、この対比構造が綺麗でした。

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    2026年06月29日
  • 斜陽

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    かず子と直治の対照的な結末が印象的。

    かず子の上原への一直線なアプローチ。
    狂気すら感じる一方で、その逞しさにも惹きつけられました。

    時間を置いて読み返すと、また違った感想が出てきそうです。

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    2026年06月28日
  • 人間失格

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    言わずと知れた日本文學界不朽の名作。読み終えて思うのは、やはり自分も「恥の多い生涯」を送ってきたのではということです。
    幼少時代を振り返ると、両親や周囲の大人たちの期待や怒り、感情に応えようとする余り、自分の本心を隠しながら日々やり過ごしていたように思います。自分からこれがしたい!という気持ちで選択肢を選び取ったことって何回あったっけ、、
    それから月日は流れ、思春期•青年期へ。これまでに染み付いた判断の物差しを外部に求める思考は中々棄てきれず、本音が言えなかったり、自分の殻を破れなかったりすることもしばしば。周囲に合わせるということは、自分で考えることから逃るということでもあるのです。
    勿論、

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    2026年06月27日
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。夢野久作のビルディングが収載された、ねこ助さんの作品集です。

    ビルディングは、とっても短いストーリーですが夢野久作らしさが全開。ねこ助さんのイラストが、より一層作品にパワーを与えていました。最後のシーンの可愛らしさと不気味さの混じった様子が印象的でした。

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    2026年06月25日
  • ヴィヨンの妻

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    おさん、ヴィヨンの妻、家庭の幸福、桜桃と篇を追うごとに作品が暗さを増していく。
    特に家庭の幸福で書いてあった役人への不満は圧巻だった。
    東大という、国内で一番役人や政治家、経済に明るい人たちを輩出する学校に通っていた人間が、ここまで税金や政府の発言を忌み嫌う言葉を紡ぐ様子はさすが太宰治だと思った。

    生きることへの絶望、自殺への執着心がありありと感じられる作品だった。
    だいぶ病んでいるけど、アフォリズムが散りばめられているので現代人にも共鳴できる部分がある。

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    2026年06月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    面白かった。文章綺麗だね。教養がないと難しいなぁ。ゲーテとかさなんかこの辺の時代背景関連なんも知らんし

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    2026年06月22日
  • 人間失格

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    幼い頃から人間という存在を恐れ、道化でごまかしてきた主人公。人間である以上逃れない「人間の条件」から逃げ続けた末に、やがて破滅へと至る過程がとてもドライに描かれている。

    自分にとって苦手なことや、時には恐ろしいと感じることは、人生の中でいつかは決着をつけなければならない。そんなことは誰にもいくつかはあるはずだし、だからこそ誰もが何らかの歪みを内に秘めているのだと思う。主人公の惨めな生き方に腹が立つと同時に、心情的に妙に共感できる部分があるのも多分それが理由だろう。

    読み終えたとき、とても暗い気分になり、このストーリーをどう受け止めれば良いのか混乱したが、自分の内面を映す鏡として機能している

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    2026年06月22日
  • 晩年 アニメカバー版

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    「思い出」が一番好き。
    太宰治はよく、「この感情に共感できるのは私だけなのでは…」と多くの思春期自意識バリバリの少年少女を勘違いさせてくれるが、それを全て煮詰めて短編にしてくれた感じ。
    本当に上手いなぁ…

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    2026年06月22日
  • 人間失格

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    恥の多い生涯を送ってきました。
    どんな人にも言える言葉ではないだろうか。

    他人を信用出来ず道化に徹する葉蔵。
    誰もが社会で生きていくにあたりその時々の仮面をつけている。職場、友人、家族……環境によって自分を演じ分けるのは皆そうではないだろうか。

    特に刺さったのは堀木と母親の場面。
    堀木は世渡り上手で人間的な人物として描かれていると思った。葉蔵がやや軽蔑していた堀木が、家ではしっかりしていてお母さんを敬い別人のよう。自分と同類、あるいは下に見ていた人間が実は内と外の顔を持っていて、世界にずっと適応していた、自分とは真逆の存在だったと突き落とされる。
    この子はこちら側だと思っていたのに、と勝手

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    2026年06月19日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    姉妹(もしかしたら父親も)の愛情のある絆が感じられるお話。
    イラストも可愛らしく、マッチしている。
    9頁目のイラストがきれい。

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    2026年06月19日
  • 斜陽

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    皆の堕ちていく様を描いているのに終始美しい。
    最初のスウプのシーンがこの作品のトーンを設定していて秀逸。その場面からすでに3人の人となりが見えてくる。誰にも共感できないのに、なぜか気持ちがわかってしまうから嫌いになれない。3人に限らず、すべての登場人物の言動やエピソードが細かく、本当にそういう人がいた、こういうことがあったかのように思えてくる。物語の没入感はどれだけ読者を信じ込ませられるかにかかっているので、これはさすがとしか言いようがない。
    太宰治の人間への解像度の高さに気付かされる作品。

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    2026年06月18日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最近たまたま短編集で読んだばかりの短編だが、表紙の人妻のエロさに惹かれて読んだ。乙女の本棚の中では、過剰なところのない画風がよかった。表情は描かず、色は淡くて、射す光がさわやか。
    「おわかれ致します。」という書き出しもやはりいい。

    貧乏な方が工夫ができて楽しくて、浮気は気にならなくて、自分じゃなきゃダメだという男に嫁ぎたい。
    う~む。太宰の理想の女性だろうか。

    芸術家だと思っていたら、成功して俗物になった夫に幻滅する妻。
    う~む。私からしたら、太宰も成功者だけど、どういう気持ちでこの話を書いたのかな?

    仰向けに寝転がって、背中の下で鳴くきりぎりすの声を背中にしまって生きようとする女。それ

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    2026年06月17日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    当たり前のように家事手伝いをこなす女生徒(゜o゜)思春期の悩み、心の葛藤、誰もが通る道…(*´ー`*)私も…いや、そんな道通ったか?(・_・;)何となく、太宰に乙女度が負けている気がする(⁠+⁠_⁠+⁠)

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    2026年06月17日
  • 人間失格

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    再読です。
    「人間失格」というタイトルは、何度見ても本当に魅力を感じます。
    作者の遺書のような作品だということも知ってはいたのですが、あえて主人公に重ねないように意識して読みました。
    前回よりも物語の解像度が上がったからか、主人公の恐怖や不安などの感情がこちら側にゆらり、もたれかかってくるような感覚でどこか儚く、目の前に居たらダメだとわかっていても思わず追いかけたくなっていたでしょう。
    ふらりと終わりの近くを歩いている姿を羨ましく思ってしまうのは、生に喜びを感じている今の私だからこそ得られるものかもしれません。
    次にこの作品を読むときに感じる感覚がどういったものになるのか、とても楽しみです。

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    2026年06月16日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    ただただ何かを待っている話。しかし何を待っているのか、語り手にもわからない。けれど、来る日も来る日も待っている。そしてそれはやって来ない。おそらくこの先もずっと。なぜなら彼女を待ちぼうけにさせているのは、社会との隔たりを自覚するがゆえの虚しさだからだ。その虚しさを若い女性の待ちぼうけに託けた太宰の、陰鬱で美しい旋律の作品です。

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    2026年06月10日
  • 人間失格

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    Premium Cover 2015

    人の心みたいなものを感じられず、食欲もなく、ただひたすら周囲に合わせお道化を演じて生きてきた、というのは流石に人間離れし過ぎていて共感しようがなかったけれど。それでもだんだんと見え隠れし始める人間らしさやクズっぷりがタイトル通り最高に人間失格で面白い。
    解説がとても良かった。太宰の生涯と本作の成り立ちが物語のように整理され、本作ももう一度読みたくなったし、他作にも触れてみたくなった。

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    2026年06月10日
  • 人間失格

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    太宰治の生前残した最後の完結作品であるこの作品は、彼の遺書とも受け取れる。
    死による解放、もしくは死による自らの存在証明を切望したことのある者は、
    主人公の美しく破滅していくさまに、太宰治の姿を、もしくは自分の姿を投影して、
    彼に憧れのようなものを抱きさえするのではないかと思った。

    個人的には、胸の内を見破られたような冷たさよりも、人間に期待し、裏切られながら苦しみ生きる者たちに対する温かみさえ感じる作品だった。
    (それは、作者が自分自身に向ける無意識の、そして最後の慈愛だったのかもしれない、と思うが、 慈愛という言葉は相応しくないかも。生きていく本能というべきか、もしくは諦めか、、)

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    2026年06月08日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレありです。
    貴族の終焉を母親の死として描き、新しい時代に適応しようと足掻いたが、対応できなかったことを、弟、直治の自殺として描く。
    新しい時代も、上原に描かれるようにロクなものでもなく、バラ色とは言えないが、かず子は、上原の子を身籠り、この子と一緒に生きていく覚悟を持つ。
    途中、なんでロクでもない上原の子を持つことに執着するのか、分からなかったが、ラストの力強い決意と、革命という言葉で、小説的に、なるほどと納得できました。
    最後の、ある女の人に産ませた子供のところは、分かったような、いまひとつのような気がしますが、時間をおいて、もう一度読んでみようと思う。
    決して長文ではないけど、展開

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    2026年06月07日
  • 人間失格

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    読後も色んな解釈を調べながら改めて考えさせられた、余韻の残る作品。
    人間を恐れながらも人間になろうともがき続ける主人公には苛立たしいところもあったけど、最後にはただただ哀れでならなかった。

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    2026年06月07日
  • 斜陽

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    何十年も前の作品なのにスラスラと読めるところに彼の言葉の新鮮味を感じた
    上原は一体どんな人だったんだろうなと想像してみたり。

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    2026年06月03日