太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
葉蔵の孤独や生きづらさは、本当に特殊なものなのだろうか?
自分は「世間」とは何かがどうも異なる。決して理解し合ったり心を許すことができない。だけど道化で「世間」に紛れ込む。
誰かの書評を見て、自分と主人公は重なる部分があるのではないかと思ったことがこの本を読んだきっかけだった。
葉蔵は容姿に恵まれ、面白いことも言える。これは、人間社会で生きていく上で大変な武器だと思う。たとえ自分と世間との隔たりを感じても、葉蔵は社会に受け入れてもらえているではないか。だから葉蔵はなんて贅沢なんだろうと思った。
でも、容姿が良かったことがかえって葉蔵を甘やかし、不幸になってしまったのではないかと思う。女 -
Posted by ブクログ
男性の存在意義はなんなのだろうか。
自分にも家庭にも臆病で、自信がなくて。後ろめたいことがあると、真っ向から向き合うことに怯えて短略的に怒鳴ることしか出来ない。仕事をしてお金を家に入れることだけが役割だったのだとしたら、今は女性もお金を稼ぐ。夫にも気を遣え、子供も育てられ、配給の情報を取り生きるために食べ物や衣服を揃えることもできる万能な女性。
男性に出来ることってなんなのでしょう。
などと、男性の家庭での必要性について考えさせられるお話でした。
ふと時間を置いてみると、この作品は男性を頼りなく魅せるために、女性の忍耐美のようなものを際立たせている気もする。私が悶々と考えた、男性の家庭での -
Posted by ブクログ
一ヶ月かけて読み切った。
太宰が27歳で出した、処女作品集『晩年』。執筆したのは23, 24歳の頃だというから、二十代半ばである私は、ただ凄いなァと思って、共感するところも多かった。
『晩年』というタイトルからも、これが自殺を前提に書かれた遺書的な作品であることがわかる。
解説には、自分の人生を懸けて『晩年』を書いたが、それが文壇に評価されて、太宰自身も「もっと書くものがある」と、書くことで生きることを続けられた、そんなような経緯が書かれていた。
本作品集は、色んな手法が試されていて、自叙的な作品もあれば、視点がひっくり返る寓話的な作品もあったり、滑稽な諧謔のある傑作もあったりと、太宰の魅力 -
Posted by ブクログ
ネタバレ太宰治の作品をちゃんと読んだのは、これがはじめてかもしれない。
ほぼ「走れメロス」を小学生の時に読んだきりだった。
中高6年間教わった国語の先生は、あまり太宰がお好きでなかったため、太宰に対してはネガティブな印象を持っていた。
しかし、今回、青森への旅を機に読んでみて、その印象は好ましいものへと変わった。
津軽への帰郷の旅行記という体裁をとる本書は、戦時中にもかかわらず、道中始終酒を飲み、
世の中に、酒というものさえなかったら、私は或いは聖人にでもなれたのではなかろうか
などと述懐するあたりの人間臭さがよかった。
最後に太宰が、自分の育ての親とも言うべき女性と再会する場面