太宰治のレビュー一覧

  • 晩年

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    ネタバレ

    魚服記、雀こ、道化の華、彼は昔の彼ならず、ロマネスクが好きだった。
    魚服記は晩年の中で一番好きだった。考察の余地を与えてくれる文章でありながら無駄な部分が一切ない。日本神話のような幻想的で格調高い雰囲気は完成されきっており、色々な考察をしなくても作中の雰囲気を感じるだけで好ましく思える小説。父とスワの関係性やスワの行末などは本当に微かに匂わせるだけの表現になっていて、物語の幻想性を高めている。そこの塩梅がとても良かった。
    道化の華の始まりは何ともない文章で普通に読んでいたのだが、途中で登場人物達が険悪な雰囲気になり、読むのに少し嫌気がさしてきた時に筆者の『僕』が出てきてつらつらと散々言い訳を並

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    2025年03月17日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    大庭葉蔵という男が人間失格に至るまでの過程を、彼自身の視点から手記にまとめたお話。手記は三葉に分かれており、幼年期・青年期・成人期の出来事と彼の心情が記されている。

    このお話を初めて読んだ時は、葉蔵が抱える苦しみに同情し、彼の身に起こる出来事を不運に思っていた。

    しかし、改めて読んでみて、どこか遠回しに相手を馬鹿にするような葉蔵のクズさに、不快感を持った。彼がヒラメから学業復帰の話を持ちかけられた時、ヒラメに助けを求めず家出してしまう。
    この一人で何とかしようとして、結局他人に迷惑をかけてしまうようなことが、お話の中で多々あり、葉蔵の幼さを感じた。

    お話の中で印象的だったのは、物語終盤で

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    2025年03月14日
  • 津軽通信(新潮文庫)

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    執筆された時期が30歳過ぎとはいえ(自殺する数年前だったりわずか数か月前だったり)、やはりデカダン抗議・故郷津軽を描写させた太宰治はどうにもこうにも素晴らしい。嘘はじめに、あと戦中戦後の酒がのめない環境で酒ほしさにいろいろする行動もいかにも太宰。寄せ集めながら私は短編集もけっこう好きなので実は嬉しい。頑固で間の抜けた老人、黄村先生シリーズなんか私はとても気に入ったキャラなのでもっと創作してほしかった。雀は遊女との関係はかくあるべしという理想論なのか実話なのかあえて曖昧な所も太宰。ミステリー調の犯人と女神、新境地なのかもしれないが、太宰よりもほかの作家のほうが強いジャンルなので、この路線は太宰に

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    2025年02月27日
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック

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    第2弾。本家の内容はすっかり忘れてしまったけれど、それでも江戸川乱歩と太宰治のお話は良かったと。

    で、今回あらためて江戸川乱歩の面白さを認識した。
    太宰治はそこそこ読んでいるけれど、ミステリー好きなのに、乱歩はほとんど読んでない。

    これからのんびりと読んでみようと。
    春になったら、古本屋さん巡りに出かけよう。

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    2025年02月26日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    太宰治はユーモアさを備えているのかと思い知らさらました。
    それくらいこの一冊はおもしろくアレンジが効いていて、楽しくて、時にダークな面にドキッとさせられる。

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    2025年02月26日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰治はフェミニストなんだなと思わせる作品でした。
    夫の大谷の不祥事にも妻として粘りよく対処して、逆境をプラスに転じる所は、この作品が書かれた時代からすると、女性はしたたかで、もともと強いものだと言う宣言をしているようでした。

    太宰治の作品のダメな男は、太宰治本人だといわれてるみたいですが、そうであるところもあるでしょうが、そうでないところもある。

    太宰治にとっての太宰的と言われる人物は、作品のコメディ性を高める為のデフォルメであるような気がする。

    冗談で他人を貶めて笑いをとる事は、劣って簡単なテクニックですが、自分を貶めるテクニックは簡単なようで難しい。

    かれは、そらを連発して使う

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    2025年02月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰の文学は、一読したときに何とも言えない感情が残る…。エグ…と声が出てしまった。
    自身をマリアに見立て、革命と恋を謳うかず子。貴族という立場である彼女らが、すべてを失い、世間と戦い…。

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    2025年02月23日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    葉ちゃんは道化を演じており本当の自分を見せない。自分は彼に共感はしなかったが、偽ることでしか生きられない人間もいるのだと悟った。今でこそ多様性という言葉で許されるような言動、思えば彼は何かしら精神疾患を抱えているのかと察するほどの社会不適合感があった。現代社会でも彼のように偽りの皮を被って苦しむ人が大勢いるのかも知れないと感じた。

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    2025年02月19日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    病気で外に出られない妹と姉
    悲しく暖かくときが経つ
    太宰治の作品を読んでみよう
    #乙女の本棚シリーズ
    #太宰治
    #葉桜と魔笛

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    2025年02月16日
  • 津軽

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     太宰治の津軽紀行文。彼にとっては故郷であるので、多分に自分探し的な意味合いも含まれ、風土の解説だけではなく、追憶と述懐と何かに対する言い訳とがずっとついて回る。
     序編では、金木、五所川原、青森、弘前、浅虫、大鰐の六つの町についての思いが語られる。これらの町は太宰治が幼少の頃実際に住んだり訪れたりした縁の深い町なので、思い入れが強い。そのため、序で思いの丈を述べたきり、本編の紀行文ではこれらの町は取り上げない、との宣言でこの章は終わる。司馬遼太郎の『北のまほろば』で得た弘前に関する歴史知識のことも思い出しつつ、弘前城があるのに県庁所在地の座を青森市に奪われたことへの悔しいような情けないような

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    2025年02月10日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    文は素晴らしい。こういったタイプの絵は私にはわからない。ので、絵をシャットアウトして読んだ。読み終わって、じっくり絵を見た。

    1人の人間に執着した人間の愛憎、師など、高い位についた人間の振る舞いなどが、勢いある文章で描かれていた。まさかユダが主人公とは…。最初の方は気づかなかった。ただキリストと使徒の話をなぞらえて書いているだけだと思っていた。

    ここに描かれているユダの愛憎は、ある世界的ピアニストを慕い、ピッタリとくっついている、ある日本のピアニストを連想させた。彼女も似た様な心境なのだろうかと重ね合わせて読んだ。

    無駄のない力強い文章。素晴らしかった。
    この文に絵はいらないかな。

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    2025年02月09日
  • 人間失格

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     人のことが好きなのに、人と生きることができない。誰といても、苦しみも悲しみも自分のなかでしか発生しなくて、ずっと1人で生きている感じがした。
     でも、どんな時間を過ごそうと、時間は勝手に過ぎていって、すぐに過去になるんだ。

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    2025年02月07日
  • 斜陽 アニメカバー版

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     目指したいものと、捨てきれないもの。それらに挟まれ結果、中途半端な存在となってしまった自分。
     目に見えて懸命に生きないことがそんなにもいけないことなのか、懸命に生きているから苦しんでいるというのに。生きることに前向きでなく、死を焦がれることがそんなにも非難されるべきことなのか。
     直治の思考に親近感を抱いた。

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    2025年02月02日
  • ヴィヨンの妻

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    おさんが好きでした。
    どうしようもない男とそれを受容する女の組み合わせの描写がなぜこんなにうまいのか、、
    いっそ発狂しちゃったら気が楽だ
    ってすごくこの一言が刺さった

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    2025年02月02日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰治を感じずにはいられない。
    どうしようもない生活から抜け出せない妻子。半ば諦めムード。
    夫が盗みを働いた事で状況が一変。そのお店で働き、妻は生きがいを見出す。そして夫にも内緒な情事まであるがめげずに強く生きる決心をする。夫は妻に助けられる形に。どんな形でも籍を入れていなくてもお互いに切り離せない関係。
    最終的に夫婦共々この店に寄生する
    神を怖がる夫と神を恐れず逞しく生きる妻。
    最後の一文、
    「人非人でもいいじゃない。私たちは生きてさえいれば良いのよ」
    太宰治が自殺する1年前に書かれた小説だと知って読むと、グッとくるものがある

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    2025年02月03日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    とてつもなく難しかったけど、なぜかどんどん読み進められた。また、僕が成長した、何十年後かに読んだら、もっとまた違った面白さがあるんだろうなと思った。

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    2025年01月25日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    『駆込み訴え』が衝撃的すぎて、読み終わってすぐに友人に読んでくれ!とLINEしました。太宰治ってすごい。高校の教科書で読んだ『富嶽百景』も好きです。精神が安定?していた頃の作品に惹かれるみたい。

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    2025年01月21日
  • パンドラの匣

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    正義と微笑の勉強の話。
    何故かずっと心のどこかに引っかかっている。

    久松達央さんとお会いしたとき、耕す、カルチベイトということと、考える、ということが繋がった気がした。

    本を読むことで、心のどこかに種が蒔かれ、永い時間の中で、急に芽吹くこともあるんだな、と改めて思った。
    しかし40年近く経って、ということがこれからあるかといわれると、歳だし、それはもう期待しづらいのかな。

    パンドラの筺。
    少し、新しい古い、ということに拘りすぎていて、そこがイマイチ飲み込めなかった。
    単に表層的な表現の問題に過ぎないのかもしれないけど。

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    2025年01月18日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    新年の一冊目は、太宰治の後期作品集。
    太宰はひさしぶりに読んだけど、あらためて好きだなぁと思わせてくれるような文体や世界観で、収録作のほとんどが掌編(随想?)ながら満足度が高かった。
    そして、彼が死の間際まで連載のために執筆していたという未完の遺作が「グッド・バイ」。
    太宰はこれを書きながら、自分ももうグッド・バイでいいと思ったのかもしれないね。
    主人公である色男が数多の愛人と縁を切るため、絶世の美女(だけどひどい鴉声で大喰らいで金遣いが荒くて部屋は汚い。実写にするなら橋本環奈一択)に助けを乞い、クセの強い彼女を手懐けながら二人三脚で別離行脚にでるというような、明るくてユウモアと可能性に満ちた

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    2025年01月19日
  • 富嶽百景・女生徒 他六篇

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    友達から「女生徒」をすすめられたので読んでみた。太宰治さんってこんな話を書く人だったんだ。「畜犬談」とか「皮膚と心」とか、かわいい話でびっくりしてしまった。他の話も読みたくなりました!

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    2025年01月02日