太宰治のレビュー一覧

  • 饗応夫人

    ネタバレ 購入済み

    マリリンに似た夫人

    TUTAYAディスカスで知ったこの本。どこを探しても見つからなかったが、ここで読むことが出来ると教えてもらい登録。早速、読んでみました。
    マリリン・モンローがこの夫人に似ていると映画レビューにはありました。どんな夫人なのかとても興味があり、読みましたが、自分を犠牲にしてまでも他人に尽くす、尽くしすぎる夫人に呆れながらも、なんとなくマリリン・モンローに似ていると思いました。そして夫人に感化されたお手伝いさんも寛大な心になり…とありますが、私は夫人の健康が心配だし、図々し過ぎる人達を許す気にはなれないと思った。短いお話ですが、多くの事を考えさせられる印象深い作品だと思います。

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    2013年10月02日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    生きようとする意思に満ち充ちた文章。太宰に暗いイメージしか持たない人に是非読んでほしい。書くことと生きることに懸命に向き合った、殊勝で不器用な姿に心打たれる。

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    2013年09月10日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    新潮文庫の太宰さん随筆厳選集です。
    かなり面白かったよ!
    破綻した生活をしていた部分もあるけれど、やっぱりこの人は頭が良いんだな~って思いました。

    上から目線じゃないし、変に気取ってないし、人生(カピ生)の為になりそうな言葉がたくさんあって、とてもお勉強になりました。
    最後に収録されていた志賀直哉さんに対する反論は、事情がわからないからちょっとビビったけどね(苦笑)
    らじはやっぱり太宰さんの文章って好きだなぁ…♪

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    2013年08月16日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    ろまん燈籠。兄妹連作のラプンツェル童話、愛される力を失っても愛する力は永遠に失われず、そこに人が生きる誇りがあるという次男の指摘に感銘。最後を飾る長兄の「ぶちこわしになったような気もする。」に笑う。

    みみずく通信。大真面目の発言を高校生に笑われる、外界と精神との乖離。

    服装に就いて。町田康が重なって仕方ない。

    誰。怖い。自分が悪魔かどうかに就いて、やっぱり主観と客観が乖離して怖い。

    恥。凄い!自意識の氾濫!

    作家の手帖。煙草の火を貸してあげて、御礼を言われることに対して言い知れぬ恐怖を感じるセンス。

    佳日。人間性の勘所。どんなにムカついても「これだから愛おしい」という感じは、よくわ

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    2013年08月22日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    久しぶりに読みました。太宰のエッセイや書簡のようなものを集めた作品集。49編も入ってるとあって、1~2ページの短いモノが多いです。
    太宰の小説の言葉と文体が好きな私は、大変満足して読むことができました。なんでこう、琴線に触れるんだろう。心地よく、愛しいです。

    大学時代に読んだ太宰の全集に印象に残る話が載っていましたた。
    海で難破した男が助けを呼ぼうと崖にすがりついた刹那、団らんする家族の様子が目に入り、あの団らんを壊してはならないのではないかと思って、助けを呼ぶことができず、そのまま波にさらわれてしまったという話。

    この本に載っていたので、数年ぶりに読めて、よかったです。

    だいたい、この

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    2013年07月07日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    太宰の作品の中で一番好き。
    実は太宰はユーモアたっぷりで優しすぎるくらいの人だってわかる。
    兄弟で小説を回し書きするんだけど、兄弟によって文章も内容も性格に合わせて変わってきて・・。なんかとってもほっこりしちゃいます、でも、なんかじーんとするんです。太宰らしい作品だと思う。

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    2013年06月29日
  • 走れメロス

    購入済み

    ひさびさに読んだ

    やぱおもしろい!無料ってのがいいね!

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    2013年06月20日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    太宰治の文学論、と言うと何となくピッタリ来ないけど、自分の気持ちと外の世界との乖離を嘆く気持ちがストレートに表現されてて面白い。
    「如是我聞」の最後の方で、「文学に於いて最も大事なものは『心づくし』である。宿酔いを求めるのは不健康である。」と言っているのが特に印象的。

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    2013年06月02日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    明るい太宰、と言うと語弊があるかもしれないし、太宰らしい作品を好まれる方も多いかもしれないけれど、一度は読んで欲しい太宰の一面がこの作品集にはある。読んでいて思わず吹き出してしまうものや、頬が緩んでしまうものがここにはあって、彼の「道化」の真骨頂を感じずにはいられない。

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    2013年05月14日
  • 晩年(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰のデビュー短篇集。
    太宰治を知る上でのエッセンスが詰まってると個人的には思います。

    「葉」と「猿面冠者」が好き。

    「葉」は小説ではなく、アフォリズムっていうのかな?デビュー前の作品やボツになった作品の印象的な断片を集めて散りばめた作品。
    いかにも太宰って感じの警句が揃ってる。

    「猿面冠者」は『どんな小説を読ませても、はじめの二三行をはしり読みしたばかりで、もうその小説の楽屋裏を見抜いてしまったかのように、鼻で笑って巻を閉じる傲岸不遜の男がいた。』
    こんな書き出しで始まる、ある駆け出し作家の話。
    本気で読むとラストで肩透かし食らっちゃうかも。
    作中作をちゃんと一本描き上げてくれていたら

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    2023年04月09日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰治の「葉桜と魔笛」は
    生きること、死ぬことに対する悲しみが
    とても分かりやすく表現されている。
    読みやすい。つまり、伝わりやすい。

    そして優しい。痛々しいほど、優しい。
    優しさとは何か。
    優しさとは、こういう家族のことだ。
    姉も妹も父も、それぞれに優しい。


    家族愛の美しさは
    「新樹の言葉」にも溢れている。

    血のつながりではなく
    乳のつながりが描かれている。
    主人公が大人になってから
    乳母の子供らと出会う。
    この関係性がいい。

    そして「偉くなりたい」というストレートな前向きさがいい。

    作品全体に危うさがあるからこそ
    明るい気持ちが、いっそう輝きを増す。
    それから、この兄妹のために

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    2012年10月17日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    没落していく旧家が描かれ、無常感漂う作品であった。貴族として生きていくことはしたくない、だが貧乏人の中で戯れていても、自分の貴族的な面が際立つ。自分はどこにも所属できない。という弟君の苦しみは、運良くインテリ集団に入ってしまったが、彼らの考えになじめず、だからといって田舎でチャラチャラしていてるかつての友人と付き合える気もせず、どこにも所属意識を持てない自分と重なった。
    主人公が『経済学入門』を読み、以下のように述べていることが印象的であった。
    人間というものは、ケチなもので、そうして、永遠にケチなものだという前提が無いと全く成り立たない学問で、ケチでない人にとっては、分配の問題でも何でも、ま

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    2012年08月16日
  • 人間失格 1巻

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    基本的に、舞台を現代社会に変えると原作の持つ雰囲気が台無しになるケースがよく見られると思う。しかし、この作品に関しては、その原則が全く当てはならない。
    舞台を変えるために様々な設定は変わっているが、その変えられた箇所にすら、原作と同じ匂いを感じた。原作のファンとしては、嬉しいのを通り越して、感動した。原作と並んで、すばらしい作品だと思う。

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    2012年07月15日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    この本は本当に難しかった。途中でやめたくもなったけど、無事読み終えられてよかった。この主人公は吃りとか意味不明で考えてることも何か文学的で、全く理解できなかった。おかげで時間はかかったが、文学の読解力はついたと思う。

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    2012年05月12日
  • 女生徒

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    太宰治で持っているのはこれだけなのだけれど、おもっている太宰作品イメージとは違う。他のを読まないのは、きっと太宰作品でこれが一番好きだろうと予感するから。せっかくなので他の作品も読んでみた方がいいだろうか…
    ちなみに1997年は改版の発行年で持っているものも改版だけれども、初版は1954年発行。1939年に書かれた「皮膚と心」には”私だって、二十八のおばあちゃんですし”との記述がある。八十二の間違いでもおばちゃんの間違いでもないあたりが時代を感じる。

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    2012年05月02日
  • ヴィヨンの妻

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    本当に好きだからこそ、その思いをこっそりと仕舞い込んだりするのでしょう。
    宝箱に仕舞いこむようにそっと、誰にも知られないようにひっそりと。だけどその思いを押し込み過ぎたとき、その好きという感情はどうにも溢れ出てしまうのだと思う。それはあまりにも、儚くて切なくて美しい。

    この一冊を通して、それを学んだ。

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    2012年04月30日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    ※こちらに収録された『待つ』のみの感想です


    人が一番不安を覚える行為。それは待つ、ことかもしれない。

    次に起きること・遭遇するものを充分に想像できてしまっているのに、
    その予想を裏切られ、考えてもいなかったことと向き合うことになる。
    そんな気持ちに駆られることが「待つ」の持つ一面だ。

    しかし、そうなる可能性を背負うことは放棄できない。

    主人公の娘は、誰もが逃げたくなるその事実に
    まっすぐぶつかり、壊れそうになるまで考え、悩む。

    彼女は、きっと、きっと幸せになれる、と私は確信している。


    たった4ページの掌編小説が、もう何年も脳裏に焼きついている。

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    2012年05月07日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

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    さちよってどんな女性なんだろう・・?
    太宰治の作品はついていけないところがよくあるけど、個人的に好きな作家です。

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    2012年04月12日
  • 斜陽

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    初、太宰作品でした。
    文章がすごく丁寧で、するするっと読めて、出てくる人物を想像するのが楽しかったです。
    心の描写もすごく丁寧で、さすがだなと思いました。
    また繰り返し読んで、理解を深めていきたいと思うような本です。

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    2012年03月11日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    女生徒を読むと今も昔も一定の変わらぬ価値観が思春期の少女達には存在しているのではないかと思わされる
    盛り上がりがあるわけではないがそれでも何度も読み返したくなる作品

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    2012年01月24日