太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    やっぱり「人間失格」は凄まじい。
    太宰作品をそんなに読んだわけではないけど、これだけは別格だ。葉蔵の心理描写が恐ろしいほど真に迫っており、自分の心理とシンクロし、ドキドキする。

    自分と葉蔵は似ているわけではない。だが「お前も同じ穴のムジナじゃないのか?」と問われれば…葉蔵が竹一に見透かされた時のように血の気が引いて顔面蒼白になるだろう。

    僕は外面は常識的な好人物を演じている。職場では仕事がデキるやつ、部下に慕われる面倒見の良い上司ヅラするのも自然と板についているし、大方の評価も良い。

    しかし、本当は問題は避けたい、サボりたい、休みたい、楽したい、逃げ出したい。生活と対面維持のためだけに仕

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    2022年01月29日
  • 津軽

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    言わずと知れた名紀行文。

    高校生の時授業でダイジェストを読み、夏休みに通しで読んだ上で感想文を書かされた。

    多分、その時は全文を読まず、適当に書いた。

    自分を含むあらゆることを呪っていた高校生で極度のひねくれ者だったが、高校3年間で現国の教科書で習った『城の崎にて』『檸檬』『こころ』、そしてこの太宰の文章はいずれも心に残った。

    後々、本を読むのが大好きになって今に至るのは、これらの作品のおかげかもしれない。

    解説で町田康が、最後の場面での、乳母たけの言葉に「ここにいたって心が動かぬものがあったとしたらその人は人非人である」と書いている。そこまで言うか。

    と言いつつ、僕はおばあちゃん

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    2022年01月16日
  • 富嶽百景

    Mmm

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    富嶽百景

    とても面白い。恋愛ものの作品かと思ったがそこまで恋愛ものではなくどちらかと言うと人間について深く考えさせられる本でした。

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    2022年01月10日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    太宰治の随想集。
    「如是我聞」はひたすら志賀直哉への悪口なのに文章のセンスが良くて面白い。
    良い意味でも悪い意味でもなんとなく太宰の人柄が分かる。

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    2021年11月24日
  • 晩年(新潮文庫)

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    この時代の常識や、固有名詞などがわならなかったので少し読みづらかったです。しかし、はっと目を見開かされるような文章に感銘を受けました。憂鬱ではないのに、死の気配を感じる。そんなところでしょうか。年が明けたら再読しようと思います。

    特に猿面冠者を気に入りました。工場見学みたいな楽しさがありました。

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    2021年11月23日
  • 走れメロス

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    構成

    一文目で印象的なセリフを持って来る、という構成と言えばこれが走りと感じています。
    学校で習って読み解いた作品ではありますが、自分で読んで自分で解釈する事も大切だと改めて感じました。

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    2021年11月07日
  • 女の決闘

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    芸術家の業、罪といえば芥川の地獄変が思い起こされる。また、本作は作中作構造をとりつつ元の物語の解体・再構築を試みていて、面白い仕組みになっていると思った。

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    2021年10月19日
  • 満願

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    内容が病気に関連するものであり陰りはあるのだが、さわやかに描いている。「奥さんのさしがね」が何を指すのか、いくつか説が考えられそう。考えて読むのも一興。

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    2021年10月19日
  • 畜犬談

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    泉鏡花然り、文豪には犬が苦手な人が多い印象がある。本作はどこまで実体験に即していてどこまでフィクションなのか分からないが、読み物として面白い。

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    2021年10月19日
  • HUMAN LOST

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    精神病院を例えて「人間倉庫」と表現しているのが印象に残った。読んでいて、妻に対する怨み・怒りが痛切に感じられる。

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    2021年10月19日
  • 古典風

    ネタバレ 購入済み

    ラストの「みんな幸福に暮した。」の唐突感・尻切れトンボ感たるや。シニカルで厭世的なオチにしないであえて「めでたしめでたし」で終えたことこそがある種皮肉に満ちている。

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    2021年10月19日
  • ア、秋

    購入済み

    散文詩のような作品。「秋の蝶」の醜くもたくましい姿を書き込んだ「大へん苦しかった」のはパビナール中毒の頃か。「トンボ。スキトオル。」のフレーズが一番気に入った。

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    2021年10月16日
  • 待つ

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    何を待っているのだろう。どことなく破滅願望(死)を持っているような印象もある。何かと出会うというゴールよりも、待つという行為が語り手の生きがい(生)になっているようにも読める。そう考えると待つとは人生そのものである気もしてくる。

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    2021年10月15日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    主に小説や文学についての、鋭い意見、執念、真摯な姿勢を吐露した文章の集まり。
    著者は、あくまでも小説家としてありたいと思い、随筆や時事問題、書簡を書きたくないという気持ちがひしひしと伝わってくる。
    だからこそ、川端康成に自作を批判されると、「刺す。そうも思った。」という極端な考えに至るのだと思う。この一文は素直が過ぎていて、面白かった。
    が、それもまだ甘い方で、「如是我聞」で縷々述べられる志賀直哉への恨みつらみはもっと容赦ない。
    作家が、別の作家をちくりと刺す文章は目にすることがあっても、作品や人格、口振りや容貌、思想等、その作家を構成するあらゆることを取り上げて、全否定していく著述はこれが初

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    2021年09月23日
  • 惜別(新潮文庫)

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    吾妻鏡における鎌倉第三代将軍実朝の生涯を太宰なりに解釈し、近習に語らせる形で詳述した『右大臣実朝』は、尊敬語、謙譲語、丁寧語の文が格調高く。
    武家ながら雅な性質を帯びた実朝の行状に、やがて公暁に暗殺されるといった、危うさ、滅びを仄めかせる文章が巧み。
    魯迅の仙台留学時代を、その友人であった同窓生の回想で描く『惜別』は、太宰作品で一番好きかも。
    支那の革命のためには洋学が必要で、それを厳選して受け入れている日本に留学し、医学を身に付け、病気を治せるようにし、人民に希望を持たせ、その後に精神の教化を、と目論んでいた魯迅が、日露戦争で日本が勝ったことで変わっていく。
    明治維新の源流が国学にあり、洋学

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    2021年09月14日
  • 晩年 アニメカバー版

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    ネタバレ

    読めたことが誇らしくて仕方がないというような気持ちになっている。
    三浦哲郎はこの小説を読んで文学の道へとすすみはじめる。たしかに冒頭の「葉」からしてうわああってなったなあ。好きな人のルーツを追っていくというのはいいことなんだ、やっぱり。

    「道化の華」はもう一回読む。メモ。

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    2021年09月05日
  • 太宰治全集(8)

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    比較的有名な作品としては「パンドラの匣」「ヴィヨンの妻」などを所収。なかでも白眉は「パンドラの匣」で、療養所という特殊な環境下で描かれる独特の人間模様がじつに「楽しい」。登場人物はみな病人であるはずなのに辛気臭さが微塵もなく、ともすれば病気と無縁の生活を送っているわたしもその空間に身を置いてみたいと思った。また、わたしは昭和期の風俗が書かれている作品(広瀬正『マイナス・ゼロ』京極夏彦「百鬼夜行シリーズ」など)が好きなので、津軽に疎開してからの生活を描いた一聯の私小説も、どこまでが実話に基づいているのかわからないが、たんなる内容以外の部分も含めて興味深く読んだ。戯曲も2篇収められているが、太宰治

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    2021年08月15日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    ネタバレ

     この作品は、人間の営みや苦しみ、幸福などが理解できず、その恐怖から、自分の内心を押し殺して「道化」を演じる生き方を選んだ主人公「大庭葉蔵」が、恋愛や酒、自殺などを繰り返しながらも必死に生きる物語です。
     その中で私が最も好きな場面は、一回目の自殺を決意する場面です。最初の愛人「ツネ子」の口から「死」という言葉が出ると、葉蔵も「自分も、世の中への恐怖、煩わしさ、金、女、学業、考えると、とてもこの上こらえて生きて行けそうにもない。」と返します。そうしてその夜、2人は暗い鎌倉の海に飛び込みます。世界の全てに希望が持てず、そんな世界から抜け出す為の唯一の手段が、死ぬことしかなかった。そんな葉蔵の複雑

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    2021年08月11日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    自分しか知らないと思っていた感覚が沢山描かれていて、恥ずかしくなった。今井キラさんのイラストが可愛くてページをめくるのが楽しかった。心に残る一冊。

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    2021年07月29日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    太宰にとって、報われぬ人生こそ表現者として最も大切で、美しいものであり、それを無理やり華々しくしてしまうことは全てを汚し破壊する行為なのだろう。
    そんな太宰の価値観は己の生き様や人間性を自分で受け入れ肯定する為に生まれたのだろう。
    太宰が狂人に成り得なかったのは妻子の存在があったからこそなのであろう。
    狂人になり得ぬ表現者は時に世界一つまらぬ人間にもなってしまう。
    太宰も、きりぎりすの画家も、報いるべき存在によって狂人に成り得なかった。
    そんな自分の、表現者として必要のない、大切な人に報いる気持ちを自虐するかのように書かれているようだった。

    失敗作の人生を与えられた人間にとって、陽の光を浴び

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    2021年06月04日