太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦後の、没落貴族の母、娘、息子。
敗戦後の生活の様子や、貴族が没していく様子、そこからの自分の生き方を決めるまでが書かれています。
太宰治は人の転落を書くのがすっごく上手い。
何か本人の人格に問題があるというわけでもないのに、取り巻く環境やタイミングによってこんなに人生を左右されてしまうのかと、自分ももしかしら近い将来そうなるのかもしれないと思わされる生々しさがある。
かず子はきっと、本人は逞しく図太くなることなんて望んでいないんだろうけれど、環境がそうさせてはくれないんだろうなあ。
貴族という立場ではいられず、1人の女性として、1人の母として、どうにか生きていかなくてはいけな -
Posted by ブクログ
この小説が、普段は道化によってひた隠しにしてきた作者の内的真実を徹底的に深掘りし告白した自叙伝だからこそ、現代において違和感や生きづらさから自分を取り繕ったり、嘘を言ってしまうような読者の人に対して、その行動の裏にある意識が書き連ねられているようで、今もなお共感を得て、愛読され続けているのだなと感じた。すなわち私たちは自己分析の究極系を見せられ、その重なりに自己を投影しているのだと思う。作者と思考の深さは違えど、どこか通ったことのある道のような既視感があり、破滅に至るような凄まじい作者の人生をどこか間近で見れているような感覚がある。苦悩に対する目から鱗のような解決策を提示してくれる訳ではないけ
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Posted by ブクログ
「自分は、これまでの生涯に於いて、人に殺されたいと願望した事は幾度となくありましたが、人を殺したいと思った事は、いちどもありませんでした。」
これだけで、語り手の殆どがわかってしまう素晴らしい文章。一語一語をにらみ、じっくり読むことで見えてくると言うのではなく、すぱっと頭に入ってきたと同時に、語り手の人格が形成されていく流れを体感できる。もちろんこれまでの文章が助けに入ってくれているのだろうけども、それにしても良い。
語り手は罪人として縛られているときの方が、そうでないときよりも不安を覚えず、ほっとした気持ちになる。この描写がやけに印象深い。簡単に自らを彼に重ね合わせてはいけないような気がす -
Posted by ブクログ
太宰治作品は走れメロスしか読んだことないです。
新潮文庫の夏のプレミアム文庫で買いました。
黒カバーに金箔印刷カッコイイ
太宰治ファンに怒られるかもしれないですけど、現代のXにいるめっちゃ文章力ある妙に自虐うまいオタクくんみたいな文体でたまげた。
()で補足する文章小説あるんだ...私もよくSNS文がソレになるので、無知のリスペクト文体だったのかも⁈??????(文章力無人間、逆にそんなことを言って恥を知れではある...すみませんでした)
内容面白かったです。
面白かったって言っていいか謎だけれど...
いい感じになった女との結末を、次の行で結果書かれてるの凄い。
おい!ネタバレするなよw -
Posted by ブクログ
太宰治の作品は人並み程度にしか読めていないのですが、なかでもこれは面白かったなと思います。
太宰治といえば「人間失格」ですし、よく語られるその生い立ちの影響もあって暗く寂しい人物像を思い浮かべてしまうのですが…
決してそれだけではなく、お茶目でお人よしな面もあって、なんだか放っておけないような気がする、そんな人間味を感じられる人だなと感じました。
だからこそ、この人が最後には自ら命を絶ったんだなと思うと、なんともいえない悲しさが。
「さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」という言葉で締めくくるのが好きなんです。
最期には自死を選んだにしろ、この時の彼にとって