太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽

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    10代の時に「人間失格」を読んでから苦手意識のあった太宰。やっと読む気になり20年近くぶりに。

    ある貴族の没落を描いた作品。
    前時代の象徴たる浮世離れした上品さを持つ母の死、それにより姉弟はどのように生きることを選択するのか。
    貴族であることを捨てきれず、時代に絶望する直治、恋と革命のために生きることを誓うかず子。

    それぞれの「斜陽」へ向かう登場人物と太宰を重ね、彼の生きづらさがやっと少し分かったような気がした。

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    2025年10月08日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    富嶽百景:
    太宰自身がモデルとのことで、「私には誇るべき何もない」と言いながら「高尚な虚無の心」の記述もあり、生きにくさが垣間見える。
    富士の描写がメンタルと共に色々代わり、「いつ見ても素敵」と思う私は単純だなと思い知らされる。

    女生徒:有明淑の日記から
    ジェットコースターみたいな感情の起伏。コロコロ思考が豹変し、「とても論理的に考える良い子」かと思えば毒舌炸裂だったり、時代を超えて、みんな思い当たる不安定な時期。

    八十八夜:
    「文学は高尚」と思い、自らをがんじがらめにしていた笹井さん。結局普通の男やん!暗黒王になれたら良いね。

    きりぎりす:
    最後まで読まないとタイトルの意味は分からない

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    2025年10月07日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    予想に反して、一家が没落していくさまから目が離せず、どんどん読み進んだ。
    時代の空気が生んだ作品であり、太宰の苦悩が反映されている。おしまいがかっこよく好きだ。「しくじった。惚れちゃった。」は、オタクが沼にはまった瞬間で使えそうなフレーズ。

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    2025年10月05日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    斜陽、人間失格、どちらも10代の頃には衝撃的で、自分の価値観に大きな影響があったように思う。特に斜陽で、お母様がナイフとフォークを使う時、型にとらわれず、優雅に美味しそうに食べる様には憧れちゃって、今だに真似しようとしてる(笑)。今、もう一度読み返すと、そこまでのめり込めなくて、やはりあの頃は感受性が豊だったんだと感じた。

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    2025年09月30日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    有名なフレーズ「しくじった惚れちゃった」がどんな展開で出てくるかなと期待しながら読みました。
    鋭利な言葉回しが多く、またかず子の恋する様子がとても狂気的で面白かった。
    私は上記のフレーズよりもかず子の「戦闘、開始、恋する、すき、こいがれる、本当に恋する(略)」のが好きだ。

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    2025年09月27日
  • 太宰治短編集 走れメロス・女生徒など

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    小学生が読むには難しい言葉も多いけれど、ストーリーを理解することはできてました。
    私も読み終え、太宰治ってめんどくさそうな人だなぁと感じつつもそれはそれで面白かったです。

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    2025年09月22日
  • 斜陽

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    Audibleにて聴書。
    主人公にもその弟にも共感出来なかった。
    貴族じゃないからだろうか。
    主人公の叔父には共感できた。
    凡人だからだろうか。

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    2025年09月19日
  • 惜別(新潮文庫)

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    「右大臣実朝」と留学時代の魯迅を主人公にした「惜別」がカップリングされた文庫。
    太宰の中期の中編とのことだ。

    自分にとって何が感慨深いかというと、「右大臣実朝」を初めて最後まで読み切ったということ。
    「吾妻鑑」やら「増鏡」、「承久軍物語」がちりばめられたこの作品、読みづらいのは当たり前だが…。
    十代の頃、ちくま文庫版の全集で通読していって、実朝で挫折。
    文学部の学生となってから再チャレンジし、少しは読み進めるも、鎌倉幕府の御家人たちの人間関係が頭に入らず、挫折。
    (「鎌倉殿の十三人」でも観ていたら、また違っていただろうか?)
    四半世紀近く経っての再チャレンジで、ようやく最後のページまで到達。

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    2025年09月16日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    ずっと以前に『人間失格』を読んだきりだった。

    上品な文章。
    没落する貴族の一家、「最後の貴婦人」である母、麻薬に頼らざるを得ない弱々しい弟、直治。そして、姉のかず子だけが妙に生命力がある、というか庶民に近い、というか。一人生き残るのにも納得。

    自殺する直治は貴族にも居心地の悪さを感じ、庶民になりたい思うが庶民からはやっぱり貴族扱いされ、庶民にもなりきれず、生きる場所がなくなってしまう。

    母や姉の着物や宝石を売って遊ぶお金を調達し、お酒にかえてしまう直治。
    どうしようもない奴だと思っていたけど、自分のことがとてもよくわかっている人だったことが、遺書からわかる。

    姉のかず子は「恋と革命」に

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    2025年11月02日
  • 晩年(新潮文庫)

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    太宰治を初めて読んだ。全体に漂うノスタルジックな世界観とは裏腹に、文章自体は思いのほか平易で、読みやすさがあった。主人公の内省が率直に描かれ、情景描写はあえて抑えられているように思えた。作品の舞台や風景よりも、語り手の心の動きに焦点が置かれている点が印象的だった。

    「猿ヶ島」は、より物語性を備えた一篇で、純文学初心者としては意外性があった。島に漂着した主人公が、実は猿であり、そこが動物園だったという結末は寓話的でありながら、どこか現代的な小説らしさも感じられる。単なる童話にとどまらず、大人向けの文学として仕立てられており、猿を主人公に据えることで人間社会を風刺的に映し出しているように思えた。

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    2025年09月12日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    考えてることを全部文字に起こしたような、つらつらとした文体がずっと続くため人によっては読みにくいと思うかも。自分は他人の考えを覗けた気がして、そして少し共感できるところもあって、女生徒と呼応できた気がした。

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    2025年09月10日
  • 人間失格

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    初めてThe 文学みたいな本を読んでみました。内容としては正直分かりませんでした笑、でも何故かわからないのですが全然飽きません。体が読みたいって反応してる感じでした。

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    2025年09月06日
  • 斜陽

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    蛇にピアスのような蜃気楼のように楽しむ感じの難しい話だった。育ちの良い透き通るような儚さから段々と太宰治の書きたい生々しい気持ちが滲み出てくる。
    この本に出てくる様々文章は、わざわざ、重い腰を上げてメモを取りたくなるほど、繊細で魅力的で核心をついた芸術の様なものばかりでした。

    【メモリスト】

    - 学問とは虚栄の別名である。人間が人間でなくなろうとする努力である。
    - 人から尊敬されようと思わぬ人と仲良くしたい。けれども、そんないい人たちは、僕と遊んでくれやしない。
    - ひどくややこしい台数の因数分解か何かの答案を考えるように、思いをこらして、どこかに一箇所、ぱらぱらと綺麗に解きほぐれる糸口

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    2025年09月02日
  • 走れメロス 富嶽百景

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    走れメロスを真剣に読んだのは初めてだったかもしれない。面白かった。それ以外の収録作品は、いま一つだった。女学生の気持ちをずらずらと書いたものは本当に女学生が書いたのかもしれないと思うほど感情が入っていたけど、最後まで読むことができなかった。

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    2025年09月02日
  • 斜陽

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    時代背景によって元貴族が堕ちていく様子に斜陽という題名が付いていることに深く納得した

    25.8.28

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    2025年08月28日
  • 太宰治全集(3)

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    犬に対して凄まじいツンデレを見せたり(畜犬談)、女の子の裸を見て元気になったりしている(美少女)。
    走れメロス、面白いよなあ。邪智暴虐って言葉が大好き。

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    2025年08月27日
  • 小説 人間失格

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    山崎富栄の雨の玉川心中は読んだことがあったが、人間失格はかなり腰が重くやっと読んだ。
    思った以上に読みやすい。
    あとあれだ、太宰って本当にモテてきたんだな…

    読んでいて、結構どうしようもないなと思った。
    葉蔵は人間失格の烙印を押されるのだが、それは周りから見た葉蔵であり、本人の視点からすると異なることがわかる。

    持って生まれたものと、環境による人格形成は、それらが複雑に絡んで起きる化学反応みたいなものだと思う。
    その家に生まれたからそうなったとも言えるし、その家に生まれたから生きたともとれる。

    兄たちが最後まで見捨てなかったのは、本当の葉蔵に気づいていたからかなとも想像した。

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    2025年08月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰治が心の中に留めていたことが一部そのまま文章になった、そんなイメージ。芯のところでこの作品を理解するには直治の手紙を読んだ後、もう一度読み返す必要がありそう。四者四様の没落が丁寧に描かれておりスラスラ読める。麻薬や自殺というワードを太宰がどのように捉えていたのか。それを考えながら読むのもまたいいのかもしれない。

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    2025年08月22日
  • 人間失格

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    表紙がとある漫画家殿が描いていた•太宰治聞いたことあるな〜の軽い気持ちで読んだけど。重い、重すぎる。最後の最期まで救いようが無いなと呆れてしまう一方で、良くも悪くも人間らしくて素直にいいな〜と思いました。
    情けないところも厭らしいところも全て曝け出していく、、のは大人になればなるほど難しくて世間が求める「大人」になってしまったんだなという気づき。

    読んだのは10年前くらいになるので、再読してもう一度「しょうもないな〜」「でもそういう側面ってどこかに隠し持ってるよね」を感じたい。
    何度読んでも、新鮮な気持ちでしょうもないを味わえると思います。

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    2025年08月20日
  • 晩年 アニメカバー版

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    なんだかよく分からない
    背中がムズムズするし、笑える
    なのに、ふと寂しさみたいなものが染み込んでくる
    そんなこんなで太宰治がかなり好きになっちゃった気がする

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    2025年08月16日