太宰治のレビュー一覧

  • 斜陽

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    皆の堕ちていく様を描いているのに終始美しい。
    最初のスウプのシーンがこの作品のトーンを設定していて秀逸。その場面からすでに3人の人となりが見えてくる。誰にも共感できないのに、なぜか気持ちがわかってしまうから嫌いになれない。3人に限らず、すべての登場人物の言動やエピソードが細かく、本当にそういう人がいた、こういうことがあったかのように思えてくる。物語の没入感はどれだけ読者を信じ込ませられるかにかかっているので、これはさすがとしか言いようがない。
    太宰治の人間への解像度の高さに気付かされる作品。

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    2026年06月18日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最近たまたま短編集で読んだばかりの短編だが、表紙の人妻のエロさに惹かれて読んだ。乙女の本棚の中では、過剰なところのない画風がよかった。表情は描かず、色は淡くて、射す光がさわやか。
    「おわかれ致します。」という書き出しもやはりいい。

    貧乏な方が工夫ができて楽しくて、浮気は気にならなくて、自分じゃなきゃダメだという男に嫁ぎたい。
    う~む。太宰の理想の女性だろうか。

    芸術家だと思っていたら、成功して俗物になった夫に幻滅する妻。
    う~む。私からしたら、太宰も成功者だけど、どういう気持ちでこの話を書いたのかな?

    仰向けに寝転がって、背中の下で鳴くきりぎりすの声を背中にしまって生きようとする女。それ

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    2026年06月17日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    当たり前のように家事手伝いをこなす女生徒(゜o゜)思春期の悩み、心の葛藤、誰もが通る道…(*´ー`*)私も…いや、そんな道通ったか?(・_・;)何となく、太宰に乙女度が負けている気がする(⁠+⁠_⁠+⁠)

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    2026年06月17日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    ただただ何かを待っている話。しかし何を待っているのか、語り手にもわからない。けれど、来る日も来る日も待っている。そしてそれはやって来ない。おそらくこの先もずっと。なぜなら彼女を待ちぼうけにさせているのは、社会との隔たりを自覚するがゆえの虚しさだからだ。その虚しさを若い女性の待ちぼうけに託けた太宰の、陰鬱で美しい旋律の作品です。

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    2026年06月10日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレありです。
    貴族の終焉を母親の死として描き、新しい時代に適応しようと足掻いたが、対応できなかったことを、弟、直治の自殺として描く。
    新しい時代も、上原に描かれるようにロクなものでもなく、バラ色とは言えないが、かず子は、上原の子を身籠り、この子と一緒に生きていく覚悟を持つ。
    途中、なんでロクでもない上原の子を持つことに執着するのか、分からなかったが、ラストの力強い決意と、革命という言葉で、小説的に、なるほどと納得できました。
    最後の、ある女の人に産ませた子供のところは、分かったような、いまひとつのような気がしますが、時間をおいて、もう一度読んでみようと思う。
    決して長文ではないけど、展開

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    2026年06月07日
  • 斜陽

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    今更ながら太宰治の文章って綺麗で読みやすいなと…一つ一つの描写をどうしてこんなに豊かに描くことができるんだろう。「貴婦人らしさ」の表現が巧みで印象的。スープを食べている場面とか。

    貴族の滅亡。物語に登場する貴婦人(母)は、かぼそく今にも崩れ落ちそうな存在である一方、斜陽のような明るさだ。どことなく芯に強いものが感じられるのは、彼女が滅びることが避けがたいものとして受け入れているから。


    以下は書評にあった文章抜粋。まさにこれだよね、という感じにまとめてくれていて分かりやすかった。
    太宰治の生と文学は下降指向のそれと言ってよい。悪しき秩序、権力とたたかうためには、まず自分の中にあるそれらとた

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    2026年06月01日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    昔話太宰アレンジ短編集。各話を語る前のメタ発言が面白い。特にお伽草紙の桃太郎に対する持論に(・∀・)ニヤニヤした。自虐がすぎる。

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    2026年05月26日
  • 津軽(新潮文庫)

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    今まで読んできた太宰の小説の中で最も主人公がワクワクしているような気がする。概ね健康な印象を受けた。

    太宰の人柄……常に他者の目線を意識しており、自分に自信がない。でもキザ。不器用な人間。まあモテるだろうな、と思う。

    少年時代の描写について:
    たかが、十里(約40km)、されど十里。少年時代の小旅行は、別の惑星に行くようなものだったんだろう。私も田舎者なのでわかる。
    作中に出てくる太宰のファッションが、おそらくダサい。おのぼりさんルックという感じで愛おしい。慣れない場所に出たとき、ちょっとでもいい服を着て背伸びがしたくなるのは当然のことだ。

    大人になってからの描写について:
    太平洋戦争真

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    2026年05月29日
  • 人間失格

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    読むのは4回目。読む年齢によって感じ方が異なる不思議な本。
    暗いな。自分よりも生きづらそうなのでなんか安心してしまう。

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    2026年05月21日
  • 人間失格

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    ネタバレ

     ごつごつの文章。リズムはまずまずなので最後まで読める。

     内容は身を持ち崩した男の物語。この本はタイトルの妙と当時としては衝撃的なダークな人生の内容でつづった小説、ということか。

     このあと、同様な本は山ほど出ていて、表現や構成が「人間失格」よりずっと良いものもある、ということか。

     この本が書かれたのは戦後の1948年。読んでみた感想として明治期の本かと思っていた。

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    2026年05月13日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    学生時代、『待つ』を読んだ時に、この短い文章でこれだけ不安定な心情を表現できる文豪の才に衝撃を受けた記憶があったのと、乙女の本棚シリーズの本が欲しいなと思っていた頃にたまたま書店で見かけたので購入。

    最初の数ページは、百年前の太宰の語りと、現代調のイラストに隔たりを感じたが、しだいに、じわじわと、この作品で語られている心許なさとイラストの虚無な眼をした少女が重なってきて、何度も読み返してしまう。眺めれば眺めるほど、小説世界を深掘りしていく耽美で病みを抱えたイラスト。

    関係ないけど、ゲスの極み乙女の「id1」という曲に「ぼくらは少しだけ明日を待ちすぎてる気がする」という歌詞があるのを思い出し

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    2026年05月09日
  • ヴィヨンの妻

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    ダメな夫を支える妻の話

    ダメな夫なんだけど憎めない。妻も妻で仕方ないなーという感じで生きている。どうにか生きていく、怒っても仕方ないもの〜という雰囲気がちらほら見えていてでもそれは物分かりのいい妻ではなくて、妻は妻で夜の世界を知り、時には客と関係を持ったりしている。生きるためには強くいなくてはとその当時の生き様みたいなものが見えた。

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    2026年05月07日
  • 人間失格

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    最後の畳み掛けは圧巻でした。

    太宰治の文章にはストーリー性があって、やや難解な語を使っている所もスラスラと頭に入ってきました。多分意識されてるのかな?

    肝心の内容はここでは話しませんが、読んでいる内に感情が奥へ奥へと引き込まれていく感じで、思わず見とれてしまいました。締めは、太宰治の矜恃とも言える、圧巻の締めでした。

    読んでみてこの感覚を味わってみてください。基本的に読みやすいので、若者の方にもおすすめできます。

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    2026年05月06日
  • 人間失格

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    初めての太宰治。思ったより暗めの物語で、出口のない感じが凄かった。様々な社会問題が取り上げられており、それが今の現代人にも刺さっているのではないかと思った。「人間失格」な葉ちゃんが結局一番人間っぽいのではと感じた。

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    2026年05月06日
  • スラよみ!日本文学名作シリーズ4 富嶽百景

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    中学か高1のころ読んだのだが全く忘れている。太宰はあまり富士山を支持していないのだが富士山には月見草がよく似合うなどを残し、御坂峠の晩秋に旅館にこもったときのエッセイ小説。中学のころわかって読んでたのかな。太宰の本は読みやすかった。

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    2026年05月04日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰治晩年の短編集
    戦中の疎開中の出来事としての話しが多い
    そして晩年ということで
    なかなか苦しい生活の家庭や
    それをかえりみずに
    家に寄りつかない男の姿
    健気に子供を抱えながら支える
    妻の大変さ
    などなどまるで自分のことのようだけれど
    はたして本当に
    こんなふうだったのか
    それとも自分の不甲斐なさを
    嘆きつつそんな男ばかり
    物語上に登場させているのか
    「おさん」では
    愛人と出かけたまま帰らず
    妻は諏訪湖まで遺体を受け取りにいく
    いつしか心の中は
    こんな将来でなければならないと
    思い込んでいったかのよう

    軽快な楽しい、しかもオチがあったり
    そんな文章からは
    お茶目な一面をうかがわせるが
    本当

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    2026年05月03日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

     面白いが、誰に感情移入をすれば良いのか、何をテーマとして考えれば良いのかがわからなかった。前半は華族が徐々に困窮していく様子が描かれていたが、後半には恋愛模様が入ってくる。直治の絶望もそこまで描かれることなく、あっさり自殺してしまった。かず子の恋愛も上原に会いにいく前の心情、手紙、会っているときは面白かったが、あっさり終わってしまった印象。解説でも言われているように「膝を叩きたくなるような文章」はなかったように思える。

     解説を読んだことで『斜陽』の読み方がわかった。
     母と娘がだんだん落ちぶれていく。それと同時にかず子は思想が浅く飲んだくれの上原に惹かれていく。母が結核で死に、直治が

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    2026年04月25日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    素直な感想だと
    共感できる事はあるが、共感しきれないだった。
    主人公程、自分の気持ちを理解してそれを抑え込める程我慢強く器用じゃない。
    自分は何を求めてるのか今でも分からない。楽したいけど楽すぎても嫌やという我儘な性格なので、、、
    自分の欲そのままに生きたら人間として駄目になる、この人間は社会の中で生きる人間の事なのかなと浅はかに思いました。

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    2026年04月22日
  • 人間失格

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    人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。

    このフレーズがとても好き!
    太宰治初めて読んだけれど、こんなに読みやすいんだと驚いた!
    勝手に読書最上級者じゃないと読みづらいかなと思ってた!

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    2026年04月19日
  • 人間失格

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    短いのに、というか、短いからこそ長年棚に置かれ続けていた迷作をやっと読みました。共感できないけど、「こういう人を知っている」という感想。見た目も愛想も良く、大抵の人からは好かれ、酒癖が悪いというお茶目もあるけど、心底臆病で、その割にプライドが高く、人の優しさにつけいり、親密な関係を築かない奴。嫌いになれないんだよなぁ。1年くらい連絡をとってないけど、「失格」の烙印を押されていないことを願う。小説自体は、わかりやすく堕ちていくのが滑稽で、最後の最後のタイトル回収で拍手したくなりました。

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    2026年04月18日