太宰治のレビュー一覧

  • 富嶽百景・女生徒 他六篇

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    【女生徒】
    眼をさますときの気持ちで始まって、眠りに落ちるときの気持で終わっている。朝はくたくたで厭世的で後悔に満ちているけど、夜は客観的に遠くから自分を俯瞰して、冷静になっている感じがする。「幸福は一夜おくれて来る」という言葉に、厭世的な朝の気持ちと、希望を持ちたいと思っている夜の気持ちが、集約されている感じがした。
    日常の中の、哲学的で自分について考える時の細かい心の動きが、とても繊細に描かれていて、分かるなと感じる部分がたくさんあった。

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    2025年06月06日
  • 人間失格

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    昨夜から読んでいた『人間失格』を読み進めた。太宰治は、 小説家である前に一人の人間で、ただ自分を見つめる術として小説を書いていた。
    どの自分が本当で、どの自分が嘘なのか。いつもおどけて見せて、人を笑わせようとする。嫌われたくない、嫌われないように人に好かれるように生きることに長けている。『人間失格』は、太宰の遺書のようなもので、陰気臭さを感じるのはいうまでもない。女性と心中しようとしたがために、家族と縁を切られ、その日その日を生きながらえて行った。女性に生き、女性に死んだ人生だった。

    太宰治は、本当にモテる人だったようだが、女性が勝手に助けてくれていたようだ。というのも、女性の扱い方を心得て

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    2025年06月04日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    終戦後から自殺するまでの3年間に書かれた短編集。著者の反抗精神が随所に出てくる

    新潮文庫 太宰治 「グッド・バイ」

    最初の短編「薄明」に描かれた 敗戦直後においても「捨て切れない一縷の望み」とは、田舎臭さや乞食根性が持つ 人間の自由思想、反抗精神、高貴さのことかな、と思って読んだ

    「苦悩の年鑑」「十五年間」は、言葉のインパクトが強いが、ストレートな敗戦国民の心情を理解することができる作品だった


    「春の枯葉」の「人間は現実よりも、その現実にからまる空想のために悩まされている〜世の中は決して美しいところではないけれど、無限に醜悪なところではない」は名言


    昭和22年に書かれた「メリイ

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    2025年05月31日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    年代の違いを埋めるほどの魅力を感じる。
    もう一度改めて読みたくなる。
    ※記録「きりぎりす」、「風の便り」

    「風の便り」が特に良かった
    自分はバンドマンで、歌詞を書く。芸術家としての何たるかを知らしめられた。芸術なんてない、人生、事実、もっとリアリズムのこと。誰かの頭の中で実際に存在する。想像と現実のどちらがリアリティがあるのかなんて、なんとセンスのないこと。

    とにかくやり続ける事、辞めないっていう才能。
    努力の矛先が注ぎ込めるほどの大きな器を持っているのなら、幸せな事だと実感した。

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    2025年05月29日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    さすが、途中で人間ではないなとは気づいたが、イラストと一体化した乙女の本棚ならではのトリックとなり読んでいて、イメージが絡まり楽しかった。
    最後はなるほど!これが題材なのねと感嘆⭐︎

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    2025年05月21日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰の書く魅力あるダメな男は相変わらず良いのだが、
    女の弱いからこそのしたたかさ、強さが書かれていて良かった。
    同じような話が続くがそれぞれ楽しめる。

    母、おさんが特に好きだった。
    けして明るい気持ちにならないのに、また読みたいと思わせられる。
    文章が上手いし、根本が暗すぎて惹かれる。

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    2025年05月21日
  • パンドラの匣

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    どちらも明るく読みやすい作品だった。
    この小説を読んで知ったのだが、太宰は聖書を読んでた。
    解説にもそう載ってたし、この本の中にも時々出てくる。

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    2025年05月16日
  • 人間失格

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    徹底した自己開示と自己批判に見せかけて、
    弱い自分を全面に出してくるこの自己愛の病理こそが、
    太宰そのものなのだろうか。
    青春というよりも、
    限りなく未成熟な、
    皮膚がまだ完成していないような自我を、
    ここまで剥き出すことができるのが、
    また文学の意味でもあるか。

    いずれにせよ文学として昇華されたと見えて、
    当の本人は自殺してしまっているので、
    ただの遺書ということだ。
    そこに意味を見出して、
    未だに多くの人に読まれるわけだから、
    巡り巡って文学として成仏するのか、太宰の魂は。

    一方で大変興味深いのは、
    延々とつきまとう不安と恐れについて、
    そしてそれを防衛するための「お道化」の描写が、

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    2025年05月16日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ろまん灯籠」が読みたかった。
    個人的に、小説の中で登場人物たちがそれぞれ物語を書く、それぞれの人物に合わせてちゃんと内容に人柄が表れるよう仕上げてある、というところがおもしろかった。
    太宰治もこれを書くのはおもしろかったんじゃないかな。

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    2025年06月24日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    これは「大人の絵本」。(そのまんま笑)

    その昔深夜にやっていたそっちの意味じゃなくてね。(知らなくて興味ある方は調べてみてもいいけど、結果に責任は持ちません笑)

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    2025年05月13日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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     読み終わって、ほおっと嘆息が漏れました。

     これは、19歳で風采の上がらない貧しい画家に嫁ぎ、5年間の結婚生活を経て、夫となった男の本性が少しずつ露わになる中で、その違和感に苦しんだ挙句に、別れを告げることを決意した妻が、夫にしたためた手紙です。

     「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。」で始まる太宰独特の語り口は、淡々と、しかし、ひりひりと妻の心情を伝えます。

     本の帯に書かれた「小説としても 画集としても 楽しめる 魅惑の1冊」という言葉そのままに、しまざきジョゼさん書き下ろしのイラストは、読解を助けるとともに、作品の風情を視覚化して空気感を画にしているかのようです

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    2025年05月10日
  • 人間失格

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    子どもの頃から本心を隠し、お道化ることで他者とのコミュニケーションをとってきた主人公の葉蔵。

    相手は本心を言ってくれていると信じて他者と関わっているけれど、自分はいつでも本心を言っているのか?、そうでない時もあるなぁと思う。信じて他者と関わっていかなければ、自分を保っていけないだろうと思う。

    葉蔵の行動や心情が丁寧に描写されていて、葉蔵の考え方についてよく理解できた。

    最近は古典の名作を読みたい、読まなきゃという気持ちが強くなっているので、これから読み進めていこうと思う。

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    2025年05月04日
  • 津軽(新潮文庫)

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    津軽地方に旅に出たくなる作品でした。自分のことを素直に書いてる部分が好感持てました。『人間失格』に続いてふたつ目の太宰治作品を読んだわけだけど、やっぱりこの人は天才だと思う。

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    2025年04月25日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    途中で、あ!キリストの話かっと気付いた。何だか日本的な雰囲気が漂っていて不思議な後読感だった。
    太宰治っぽい、ネチネチ、だらだらした独白で、私は好き。

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    2025年04月23日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    好きだったなあ
    恋に溺れ、思想に殺され、道徳に苦しめられる、姉と弟、今でも、今を生きてる誰にでも、重なると思った

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    2025年04月19日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    「道徳の過渡期の犠牲者」、この言葉は刺さりました。なぜなら、現代にも当てはまると思ったからです。
    それはさておき、この本の登場人物全員がこの犠牲者に当てはまるが、私は、かず子の母だけは、犠牲者ではなかったと思います。最後まで子供たちが敬愛する貴族の母であり続けたからです。
    となると、かず子は犠牲者ではあるかもしれないがうまく時代に適応し、直治は適応できなかったのではないかとも思いました。
    「人間失格」もそうでしたが、「斜陽」もまた、自分が持つ特性(「斜陽」で言えば貴族である自分、パーソナリティとも言うのか?)を持て余し、受け入れられず、そのせいで苦しんでいる人を書いていたので、太宰もまたその違

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    2025年04月10日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    期待していたほど憂鬱な気持ちにはならなかった。
    自分のした小さな事が周りにどのように影響するのかとても不安になる気持ちに共感した。
    主人公はとても生きづらそうだと思った。

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    2025年04月08日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    多分、この人は人間を、と言うより男全般を、このような存在としてしか捉えることが出来なかったのだろうか、と何となく感じた。斜陽、ヴィヨンの妻の女性像、世の中の苦難や、時には道理を軽々と飛び越えて生きていく存在に、実は憧れて居たのだろうか。だとすれば、女性と言う存在を分かっているようでそうでなかったのか、分かっているつもりで(無意識に憧れて)書いていたのか。
    メロスにしても、実際にはこのような人間など居ないと信じた上で書いていたのかも(それでも、中盤、弱気に捕らえられたメロスの独白は、何となく人間失格等の男性の自己弁護を思わせる)。だとすれば、自己をより投影していたのは王のキャラクターかも。でも、

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    2025年03月23日
  • ヴィヨンの妻

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    死を身近に感じる話が多く、太宰治の価値観と時代変化の葛藤が伝わってきた。
    トカトントンとヴィヨンの妻が特に面白いです。

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    2025年03月19日
  • パンドラの匣

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    『正義と微笑』は日記形式、『パンドラの匣』は書簡形式で展開される。

    2作品とも太宰の作品とは思えないほどの瑞々しさを感じる青春小説だった。
    特に『正義と微笑』の青年の精神的な成長過程は、読んでいるこちらが励まされるような清々しさがあった。

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    2025年03月18日