太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヤク中になって次元上昇ラリってる描写が圧巻すぎる。
でも、狂った時点でそこに救いがある。
自己を失ったまま死に至ることができるのだから。
古屋先生が、自らの作品を批判的に評しているように、狂うことの中に救いのようなものを見たような気がした。
太宰治の小説は、あまりにも現実味がありすぎて、また、あらゆる救いを拒絶する。
正常になることもできない、かといってギリギリのところで壊れ死ぬほどの苦痛と罪の一切が霊魂を束縛し支配するのだが、それでも、あらゆる愛からの離反と世界への恐れを抱えながら、人生を放棄することもできない、
霊魂の「生殺し」が生きている限りつきまとい、そこから逃れ解放されることはな -
ドラマ&映画化作品
コンセプトがわからないという声が各所でちらほらとありますが、
BUNGO -日本文学シネマ-という題で放送されていた短期ドラマと
同シリーズで映画化された作品を集めたものです。
数年前に短期ドラマを見てそれっきりでしたが、
最近になり原作をじっくり読みたいと思い出したとき、
こういう短編集になっていると知り(紙で)購入しました。
これら全部をそれぞれに読もうとすると、
(特に短編は)ちょっと苦労するので
こんな短編集はありがたいですね。
もっと増えてほしいです。
映像の方もおすすめですので興味のある方はぜひ。 -
Posted by ブクログ
さすがは並みいる男性作家が選んだ作品集である。全部面白い。
「ちょっとちょっと…」と傍で話しかけられるような親しげな語り口と
抜群のリズム感が心地いい。特に気に入ったものを少し…。
「道化の華」
ラスト3行でいきなり視界がぱあっと広がり、ぞくっと怖くなる。
視点のトリックで読者を驚かせるのが上手い。
「彼は昔の彼ならず」
心の本質が似通った人間が近くにいると、お互いに感応してしまうのだろう。
口先三寸のペテン師のような男を非難している主人公の男もまた、
親の遺産で遊び暮らす怠け者。
才能ある芸術家のパトロンになりたいという、
彼の下心を見透かしたペテン師の作戦勝ち。 -
Posted by ブクログ
表題作の他、女生徒、ロマネスク、東京八景など10作の短編集。
太宰の短編はどれも好きだけど、特に印象的なものをメモ。
『富嶽百景』…最初は富士の一辺倒な姿を横目で見るような様子だった主人公は、茶屋の人々や彼を訪ねてきた人々との交流を通して少しづつ富士の様々な表情に触れ、心を許し始める。富士はそこにあるだけでいい。
『走れメロス』…学生の時に初めてこの作品を読んだ時はメロス身勝手、という身も蓋もない感想だったけれど、年を重ねてこの直球の友情ストーリーが沁みるようになった。
『女生徒』…思春期特有の揺れを表現する秀逸さ。この危なっかしい様がまた魅力。
井伏鱒二のあとがき…太宰とのエピソード。不思議