太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
開幕。雨の夜の玉川上水で女とウィスキーを分かち合う。
ずり落ちる瞬間、草をつかむ!
この場面だけで、ああ伊藤潤二先生わかってる! と感激してしまった。
少年時に人格を歪めてしまう下男下女による強姦。きちんと描いてくれた。
そうそう。太宰の小説はあまり言及されないように思うが、実に「散文的な性」(薄暗い畳の部屋でやむにやまれぬ行為)が、透明な糸で巧妙に織り込まれているのだ。
旧家独特の文化として「オズカス」が性的虐待を受けてもおかしくないほど軽視されていたということでもある。
「凄惨な改変」がありやなしやで評価は変わると思うが、僕はありと見た。
なぜなら葉蔵は少なからぬ人間を、「触れ合っただ -
Posted by ブクログ
とてもとても面白かった。
笑いあり、涙あり。
母の「おしっこよ」と一番最後のMC「マイコメディアン」のオチにチェーホフじゃないんかよ!!wと爆笑してしまった。
なんだかシュールで、、
母が弱っていく描写はとても泣けた。
自分の母を看病するカズコ、とても強く優しい女性だ。
私と同じ歳なので、特に共感した。
そして何よりも最後の弟の手紙に感動した。
彼は根っからの貴族なんだ。
どんなに一般人に合わせようと不良になったとしても、貴族として育てられた貴族なんだ。
凄く感動した。
最後の分の「僕は貴族です。」凄い泣けた。
弟、どうしようもない奴だとばかり思っていたが、素直でお母さん思いのい -
Posted by ブクログ
ヤク中になって次元上昇ラリってる描写が圧巻すぎる。
でも、狂った時点でそこに救いがある。
自己を失ったまま死に至ることができるのだから。
古屋先生が、自らの作品を批判的に評しているように、狂うことの中に救いのようなものを見たような気がした。
太宰治の小説は、あまりにも現実味がありすぎて、また、あらゆる救いを拒絶する。
正常になることもできない、かといってギリギリのところで壊れ死ぬほどの苦痛と罪の一切が霊魂を束縛し支配するのだが、それでも、あらゆる愛からの離反と世界への恐れを抱えながら、人生を放棄することもできない、
霊魂の「生殺し」が生きている限りつきまとい、そこから逃れ解放されることはな