太宰治のレビュー一覧

  • 女生徒

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    友達にすすめられて読みました。

    女性の独白形式による作品を集めた作品。

    うまくレビューに残せるにはまだまだ自分自身若すぎる気がするし自分の言葉で表そうとすればするほど違ったものになってしまうきがする。

    ――おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京のどこにいるか、ごぞんじですか?もう、ふたたびお目にかかりません。

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    2011年11月03日
  • 惜別(新潮文庫)

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    「右大臣実朝」を読みたくて求めた一冊だけど、表題作の「惜別」も実朝に勝るとも劣らぬ充実感、540円でこれだけのものが読める幸せ。

    どちらも第二次大戦末期の言論統制下で書かれただけあって、いかにもそれらしい表現にしばしば出会う。そこはそれとして、両作に共通するのは、太宰の実朝・魯迅への思い入れの深さ。これが読者を引き込む力になっているんだと思う。

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    2011年10月24日
  • 人間失格 3巻(完)

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    ネタバレ

    現代版人間失格、実際にいる人物をおってるようで
    見ていて、実物する人物ではないのかと思うほど

    しかし主人公の落ちて行く様子は
    馬鹿やろうと一括したくなる、
    愛する恋人である奥さんのレイプ事件を
    きっかけに現実から逃避し薬に溺れ下落していく、
    一番の悪は誰、犯した担当、見てすぐに助けず
    現実を見せつけた友人、どの配役もまた人間らしい
    心の病みだ。

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    2011年10月12日
  • 女生徒

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    ネタバレ

    幸福は一生、来ない。
    待って、待って、待ちきれなくて家を飛び出した次の夜にやってくる。一夜遅れて。
    そんなことわかっているけれど、眠りに就く前に、明日の幸福を願わずにはいられない。
    そういったいじらしさ、愚かさを、少女の成長の葛藤を交えて描いている。

    心の成長というと、スポーツや青春ものが多くヒットするような気がするけれど、これも成長の一種だと私は思う。
    むしろ、スポーツとも青春とも縁遠い中学高校時代を送った私からすれば、
    こういった、誰も答えを教えてくれない、正しい道も、抜け出す術も教えてくれない、
    ただ「大人になれば笑い話として懐かしむことができる、今はそういう時期なんだ」とだけしか助言

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    2011年09月23日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    ネタバレ

    学校の国語の試験で、作家の意図は?という問題がよくありました。
    採点結果を見ると、どうしても納得できないことがよくありました。
    本当に、作家は、それを意図したのでしょうか?
    作家の意図は単純ではないのではないでしょうか?
    走れメロスは、分かりやすいかもしれないし、太宰らしくないかもしれない。
    作品ごとに別々に読むか、作家ごとまとめて読むかは、その人の好みです。
    ただ、複数作品まとめて搭載している本を買うかどうかは、迷うかもしれません。
    富嶽百景だけでも価値はあるし、走れメロスだけでも価値はあると思います。
    両方好きになる必要はないと思いますがいかがでしょうか。

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    2011年09月22日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    含羞は、誰でも心得ています。けれども、一切に眼をつぶって、ひと思いに飛び込むところに真実の行為があるのです。できぬとならば、「薄情。」受けよ、これこそは君の冠。


    『HUMAN LOST』丸ごとスクラップしたいくらい。「くたびれたら寝ころべ!」「笑われて、笑われて、つよくなる」本当は岩波文庫がry

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    2012年05月13日
  • 地図―初期作品集―(新潮文庫)

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    太宰の初期作品集。

    やっぱり初期の作品って、多くの作家やアーティストにも言えると思いますが、荒削りの中勢いがあって攻撃的。

    「生きる為に生きて居る人間も悲惨だろうが、世間体の為に生きて居る人間は、もっと悲惨だ」「世間体の為に生きて居る人間—それは中産階級に最も多い」(『彼等と其のいとしき母』より)

    これは紛れもなく太宰の世界。

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    2011年08月24日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    太宰治というとディープな面がたまらない、という方も多いでしょうが、私はこの「富岳百景」のおちゃめさが どうしようもなく好きなのです。本人の語り口のような文体も、おしゃべりを聞いているようで楽しい。お嬢さんにカメラ撮影を頼まれて へどもどしている姿は秀逸です!

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    2011年06月27日
  • 人間失格 3巻(完)

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    古屋兎丸が誰かの日記として読んでいるというメタなところに少し救われた。原作の絶望感との間にワンクッション置いてくれた感じで。

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    2011年06月26日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    最低な男である。いつも人の顔色を伺っているくせに、自分に好意的な人の気持ちは踏みにじる。他人が自分を受け入れてくれないと傷つくのに、自分は他人を受け入れようとはしない。自分から社会に背を向けておいて、社会から拒否されたと言って嘆く。自分の感情にばかり気をとられて、他人の感情を思いやるゆとりがない。自分のことしか考えられない、情死の相手の名前すら覚えていない、そんな男。

    そんな男の告白を、他人事だと切り捨てることができないのは何故だろう。実在したらとても付き合いきれないはずのこの男に、惹かれてしまうのは何故だろう。一人の弱い男が転落していくだけの話なのに、そこに祈りを見てしまうのは何故だろう。

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    2017年09月09日
  • 人間失格 3巻(完)

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    古屋兎丸は絵がきれい。
    美術の先生だもんね。美術の先生が、ある日彫刻かなんかの授業してる時に、
    「作業終わった子はこれ読んで暇つぶしてなさい」
    みたいな感じに教室の片隅において置いてくれるなら最高。
    あたしは小説を漫画で読むなんて!って思ってる人間だけど、古屋兎丸の人間失格はオリジナルだった。
    太宰の原作を忠実にストーリー展開させながらのオリジナルさに職人の業を感じた。
    3巻中盤からの"次元上昇"が兎丸のオリジナルだし主人公の唯一の救いなのだと思う。
    でも1巻から通して読まないと本当のラストは分からないな。

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    2011年06月10日
  • 女生徒

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    太宰治を好きなったきっかけの短編集。
    女性徒で私は太宰治が好きになった。
    このひと本当は女だったの?って思っちゃうほど女の心情の描写がすごい。移り気で、ずるくて、そんな朝起きたときの気分で一日変わっちゃうような女になりきった、太宰治の中でも女性が主役の短編集。

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    2011年06月06日
  • 斜陽

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    近代文学に苦手意識があったんですが、これを読んで拍子抜けしました。
    読みやすいし面白い!
    思わず吹き出すこともあるくらい楽しくてびっくりしました。
    太宰治には鬱々としたイメージを持ってたので余計驚きでした。
    面白い小説です。

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    2011年03月08日
  • ヴィヨンの妻

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    ”トカトントン”を読みたくて購入。小説でしかなしえない表現、というものについてぼんやりと考えたくなります。

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    2011年02月17日
  • 惜別(新潮文庫)

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    『阿Q正伝』『狂人日記』を書いた魯迅が、なぜ医学から文学へと転向するに至ったか、を書いた作品。

    とりあえず阿Q正伝の読後にこれを読むことをお勧めする。理解度が全く違ってくる。

    愛国と文学について考えさせられる作品である。

    阿Q正伝を読んだ後、果たして魯迅の望んだ「文学による精神の変革」は叶ったのか?・・・いや叶ってないよな、と考えていた私が恥ずかしく思えた。

    「文章の本質は、個人および邦国の存立とは係属するところなく、実利はあらず、究理また存せず。故にその効たるや、智を増すことは史乗に如かず、人を誡むるは格言に如かず、富を致すは工商に如かず、功名を得るは卒業の券に如かざるなり。ただ世に

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    2010年10月15日
  • 女生徒

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    女の子から女に移っていく女学生の心境がたいへんよく書かれていて、面白い。
    性別の違いはあるが、私も大人へなろうとしているので、とても共感できる。短編なので読みやすい。

    「斜陽」や「人間失格」だけが太宰の書くものではない。それらを読んだ後に是非これを読んで欲しい。

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    2010年10月15日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    自分ダメなんですっていうことをモテ自慢を盛り込みながら告白する。
    イライラするけど、文豪は人の内面を表現するのがうまいんだろうなって思ってしまった作品

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    2010年08月25日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    太宰作品をちまちまと読み直し。
    やっぱり太宰はいいなあと実感したり。
    ハムレットがまんま太宰になってますね!

    私は「待つ」が好きです。
    凄く好きです。

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    2010年08月23日
  • 人間失格 壊

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    叩きつけるような凄まじい描写、怪作にして傑作。ラストは原作通りでもあり正反対にも見え、個人的には原作にない清々しい救いを感じた。

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    2010年07月24日
  • 太宰治全集(1)

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    やっぱり、太宰がいちばん愛おしくてたまらないのです。しばらくのあいだ彼から離れていても、ちょっと読みたくなってまたページをめくると、途端にその世界に引き戻されてしまう。「葉」や「道化の華」を読むと、趣味とはいえ小説を書いている身としては、彼の気持ちが痛いほどわかって、胸が苦しくなる。ほんとうに小説を愛していたのだろうなあ。個人的には、「逆行」が芥川賞を取らなかったことは、逆によかったのではと思います。

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    2010年10月19日