太宰治のレビュー一覧

  • 晩年(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    高校時代の愛読書。
    死(自殺)を予感した天才青年の「遺書」として読んだ。
    エピグラムに掲げられたヴェルレーヌの「選ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり」というセリフに、太宰の天才としての矜持と、その裏の天才なるが故に何でも見えてしまう底なしの恐怖とを感じて胸が詰まった。
    太宰は、処女作において、既に自分の最後を幻視していたとしか思えない。
    その美しくも痛ましい心の震えに感応して、読者も途轍もなく苦しくなる。
    しかし、そこには甘美さもある。
    妖しくも危うい魅力に若者はハマる。
    本書は、太宰治の魅力に満ちた初期の傑作作品集だ。

    最初に最高傑作を書いてしまった者は、悲劇的な人生を予定されてい

    0
    2025年01月30日
  • 津軽

    Posted by ブクログ

    太宰が晩年、自分のルーツとなる青森をしっかり見ておきたいという動機で足を運ぶ。それが『津軽』だ。寺社仏閣に興味がなかった小学生も大人になる頃にはその魅力に気づくのと同様に、地元の魅力を感じずに地元を離れた若者たちも、いつかは地元をゆっくり歩きたくなる日が来るのだろう。

    特に、アヤ(太宰の育ての親らしい)との再会の場面は良かった。太宰はかなり思い出補正を強め、主観的にこれまでの思い出を美化しているのだが、それで良い。美しき地元愛である。

    15歳の夏。私が読書を好きになる前のこと。夏休みの課題で読書感想文を書かねばならず、ページ数の少ない『津軽』を選んだ。

    結果的に、不真面目な私はこの『津軽

    0
    2024年07月25日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    小林広一の解説と太田治子の鑑賞が本当に素晴らしい。『人間失格』は集英社文庫で読みなさい。新潮文庫の解説も一読の価値あり。

    0
    2024年07月13日
  • 新樹の言葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昭和14年〜15年、太宰治三十〜三十一歳の時に書かれた小説、十五篇を収録。太宰治中期の作品群。
    解説は奥野健男。
    太宰治の魅力を堪能できる素晴らしい一冊でした。

    0
    2024年07月13日
  • 乙女の本棚 女生徒

    Posted by ブクログ

    どこかであらすじを見知って、ずっと読みたいと思っていた一冊。
    なぜか、女生徒と教師の恋愛話だと思っていて、期待して読み進めていったが、全然二人に大したつながりはなく、ある女生徒の思春期独特の心の内を淡々と語ってゆくだけで終わってしまった。
    あれ?と思って少しがっかりしたものの、この女生徒が抱えている生きづらさは、私自身に重なるところが多々あり、もう一度読みたい作品の一つになった。

    太宰は男であるのに、なぜ、こんなにも女の苦しみがわかるのだろう。

    「ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。」
    というフレーズがあったが、始終、自分のことを醜いと思って、汚いと思って、自分に嫌気がさして汚らわしく思う感じ

    0
    2024年07月11日
  • パンドラの匣

    Posted by ブクログ

    『パンドラの匣』については、まあ、それなりですね
    確かに、もう少し長く書かれるはずだったというのも頷けます

    『正義と微笑』については、再読となりましたが、相変わらず尊い作品です。数ある太宰の作品の中でも、間違いなく一番好きな作品と言えますし、また、そうお考えの方も多いことでしょう
    これほど爽やかに、然し、人間としての熱量や懊悩に嘘をつかずに、そして最後に、明るく未来を待ち望みたくなる、そんな美しい作品です
    今も昔も変わらずこの作品が大好きです

    0
    2024年07月08日
  • お伽草紙(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    太宰治氏によるお伽噺や古典。
    読みやすくて面白かったです。
    太宰治氏らしい登場人物や動物たちに思わず笑ってしまいました。

    0
    2024年07月08日
  • 女生徒

    匿名

    これこそ太宰の真骨頂。主人公の女の子の気持ちがコロコロ変わるのがいい。作中にでてくるロココ料理の描写が美味しそうで好き

    0
    2024年07月07日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    冒頭の話しかけるところから始まり、最後に話しかけていたのが誰か名乗って終わるというのが好きです。
    愛憎とはこのことだなと思わせてくれる話しです。
    元々、この話の内容は知っていましたが画集として挿絵があるというので購入。
    絵と内容があまり合ってるとは思えませんが、きれいな絵なので良しというか私の解釈とは違った絵なのだろうなと思い楽しんで読みました。

    0
    2024年07月01日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    階段から落ちている。落ちる時に主人公も誰かを巻き込みながら落ちているのを感じる。
    誰も落ちた後に手を握ってくれないのが寂しい。

    友達に貸したきり戻ってこない。

    0
    2024年06月26日
  • 六月十九日

    購入済み

    北見けんいち派ではなく太宰治派

    ⚫️太宰治の生誕日(6月19日)に係る随筆だ。⚫️北見けんいちの漫画に、昭和20年代の世相を明るく描く「焼けあとの元気くん」がある。この作品では、親が子供に「アンタなんかウチの子じゃありません」と言うことは、例え勢いでも冗談でも、子供を傷つけるので絶対ダメという。しかし、太宰の見方は異なる。ちなみにカピバラは、北見派ではなく太宰派だ。⚫️ところで、太宰は破滅型の天才で、どうみてもハンパなく面白い奴だが、自己評価は随分違う。「いやいやアンタは面白いよ」とツッコみたい。

    #タメになる

    0
    2024年06月20日
  • パンドラの匣

    Posted by ブクログ

    こんな本に出会うために生きているのかも知れない

    ひばりとマア坊が2人でお茶を飲む描写は、目で見ることのできない美しさをたたえているような気がした

    0
    2024年06月20日
  • 太宰治全集(5)

    Posted by ブクログ

    太宰の他の作品を読んでいれば実感しますが、『正義と微笑』の持つ意味合いは、作家としての彼を考えるに必要不可欠なものであると思います。

    0
    2024年06月19日
  • 斜陽 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    太宰の作品は初めて読んだが、とてつもない語彙力で自身の心境、思想を語っているように感じた。まるで本当に経験したかのような、読者の心を取り込む文のかき方。上品というか奇抜というか、本当に魅力的な言葉を選ぶ人だなと思った。決して読みやすくはないが、読み終えた時の満足感がすごい。本物の才能を見た。

    0
    2024年06月15日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

    Posted by ブクログ

    再読。もう一度みてみると、妹の気持ちと寿命が儚げで雪のように消えてしまいそう。姉目線だからこそ思うところはあるかもしれない。切ない恋愛モノが読みたい人に。

    0
    2024年05月29日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    太宰治の書く世界観と、ホノジロトヲジさんのイラストの世界観が合致していて、手元に置いて時々眺めたくなる本だと思いました。まるで絵本のように読み進められる点も良かったです。
    太宰治が1番好きな文豪なので、これをきっかけにもっと著書を読みたくなりました。

    0
    2024年05月28日
  • もの思う葦(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自分の過去の作品の書評とか、日々の想い事とか、ほかの作家に対する公開評論などをまとめて綴ったもの。総じて根暗でつまらない部分も多いのだが、公開であるにも関わらず、ほかの作家からの中傷にやたら過敏に反応する所の本性とかがいかにも太宰治らしく味わえる。孤高の人という使い古された言葉があるが、実際会ってみるとただ嫌味な人間でお付き合いを勘弁したくなるから、孤独いやむしろ孤低のヒトというべきで自分もそれに属するとかね。ほかに、芭蕉よりも去来の「湖の水まさりけり五月雨」という句を傑作と褒めたり。そして、芥川賞を落選させた川端康成へのコメントへの絡み、結婚を媒介した井伏鱒二の文才への激賞と釣りや旅の名人と

    0
    2024年05月26日
  • 津軽(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    太宰治の「家」を否定する作風とは異なり家や故郷を懐かしがりながら綴った旅行記という印象。
    太宰の屑っぷり(鯛のくだりとか)が随所に垣間見えるのも魅力。
    そして最後、たけに会いに行くところから急速に物語が加速していきすっきりとした読後感。

    0
    2024年05月21日
  • お伽草紙(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    第二次世界大戦中に描かれた太宰治中期の作品集。
    中国と日本の古典、お伽話をベースに太宰のユーモアと観察眼、空想力が存分に発揮された作品。

    ・感想
    先にYouTubeの朗読で全部聞いてたけど、今回は改めて朗読を聴きつつ(読むスピードに合わせたので1.5倍速だけど)本を読んでみた。
    太宰らしいユーモアが溢れつつ生真面目、ちょっと自虐的で笑えるところが多々あって面白かったw

    特に好きなのはやはりお伽草子。
    日本のお伽草子を太宰が二次創作?するにあたりキャラクター設定、舞台設定、ストーリー展開について太宰なりに肉付けしてるんだけどそれがまたとても面白い。
    こういう作品を読むと太宰の繊細

    0
    2024年05月06日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    続きが読みたい!となる作品です。
    愛人と入水自殺した太宰の最後の作品であり、「愛人との別れ方!」をテーマに描かれた作品ですが、暗い感じはなく、とてもリアルで、作品が未完に終わったことがとても残念です。

    0
    2024年05月04日