太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校時代の愛読書。
死(自殺)を予感した天才青年の「遺書」として読んだ。
エピグラムに掲げられたヴェルレーヌの「選ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり」というセリフに、太宰の天才としての矜持と、その裏の天才なるが故に何でも見えてしまう底なしの恐怖とを感じて胸が詰まった。
太宰は、処女作において、既に自分の最後を幻視していたとしか思えない。
その美しくも痛ましい心の震えに感応して、読者も途轍もなく苦しくなる。
しかし、そこには甘美さもある。
妖しくも危うい魅力に若者はハマる。
本書は、太宰治の魅力に満ちた初期の傑作作品集だ。
最初に最高傑作を書いてしまった者は、悲劇的な人生を予定されてい -
Posted by ブクログ
太宰が晩年、自分のルーツとなる青森をしっかり見ておきたいという動機で足を運ぶ。それが『津軽』だ。寺社仏閣に興味がなかった小学生も大人になる頃にはその魅力に気づくのと同様に、地元の魅力を感じずに地元を離れた若者たちも、いつかは地元をゆっくり歩きたくなる日が来るのだろう。
特に、アヤ(太宰の育ての親らしい)との再会の場面は良かった。太宰はかなり思い出補正を強め、主観的にこれまでの思い出を美化しているのだが、それで良い。美しき地元愛である。
15歳の夏。私が読書を好きになる前のこと。夏休みの課題で読書感想文を書かねばならず、ページ数の少ない『津軽』を選んだ。
結果的に、不真面目な私はこの『津軽 -
Posted by ブクログ
どこかであらすじを見知って、ずっと読みたいと思っていた一冊。
なぜか、女生徒と教師の恋愛話だと思っていて、期待して読み進めていったが、全然二人に大したつながりはなく、ある女生徒の思春期独特の心の内を淡々と語ってゆくだけで終わってしまった。
あれ?と思って少しがっかりしたものの、この女生徒が抱えている生きづらさは、私自身に重なるところが多々あり、もう一度読みたい作品の一つになった。
太宰は男であるのに、なぜ、こんなにも女の苦しみがわかるのだろう。
「ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。」
というフレーズがあったが、始終、自分のことを醜いと思って、汚いと思って、自分に嫌気がさして汚らわしく思う感じ -
Posted by ブクログ
自分の過去の作品の書評とか、日々の想い事とか、ほかの作家に対する公開評論などをまとめて綴ったもの。総じて根暗でつまらない部分も多いのだが、公開であるにも関わらず、ほかの作家からの中傷にやたら過敏に反応する所の本性とかがいかにも太宰治らしく味わえる。孤高の人という使い古された言葉があるが、実際会ってみるとただ嫌味な人間でお付き合いを勘弁したくなるから、孤独いやむしろ孤低のヒトというべきで自分もそれに属するとかね。ほかに、芭蕉よりも去来の「湖の水まさりけり五月雨」という句を傑作と褒めたり。そして、芥川賞を落選させた川端康成へのコメントへの絡み、結婚を媒介した井伏鱒二の文才への激賞と釣りや旅の名人と
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Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
第二次世界大戦中に描かれた太宰治中期の作品集。
中国と日本の古典、お伽話をベースに太宰のユーモアと観察眼、空想力が存分に発揮された作品。
・感想
先にYouTubeの朗読で全部聞いてたけど、今回は改めて朗読を聴きつつ(読むスピードに合わせたので1.5倍速だけど)本を読んでみた。
太宰らしいユーモアが溢れつつ生真面目、ちょっと自虐的で笑えるところが多々あって面白かったw
特に好きなのはやはりお伽草子。
日本のお伽草子を太宰が二次創作?するにあたりキャラクター設定、舞台設定、ストーリー展開について太宰なりに肉付けしてるんだけどそれがまたとても面白い。
こういう作品を読むと太宰の繊細