太宰治のレビュー一覧
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作品字体だけでなく、太宰治自身についても掲載されている興味深い資料となる一冊 旧字体で綴られた日本文学を読みやすく新字体に改められた版なので、非常に読みやすい。また古屋氏のマンガを読んでからというのもあるため、ストーリーがすっと入って来やすかった。実際、古屋氏のマンガの展開とその原材となった太宰治の作品とでは内容や結末が異なることを知っていて読んでいたので、どのような展開になるか楽しみながら読めた。
また桜桃、という作品も合わせて掲載されているので、人間失格以外の太宰作品を読めるのも嬉しい。
最後に寄稿されている解説は、実際の太宰治そして作品に対しての解説および太宰自身の年表も掲載されており、 -
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ネタバレ太宰は小説家というより、詩人みたいだと思う。
読んでいると、断片的な言葉がキラキラと辺りを舞うような感覚になる。
●雌に就いて
2人の人物の会話のみの形式で進んでいく。
理想の女との妄想をくりひろげるはずが、話は妙に具体的。
ずっと会話のみが続くからこそ、最後の地の文の威力、余韻がすごい。
「女は寝返りを打ったばかりに殺された。私は死に損ねた。七年たって、私は未だに生きている」
●喝采
演説形式の話。
独白体が得意な太宰の文と相性が非常に良く、好きだ。
●二十世紀旗手
正直話のすべては理解できなかったが、言葉の巧みさが伝わる。最後のパラグラフがまるごと素敵。
「それも三十にちかき荷物 -
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ネタバレ・あらすじ
「正義と微笑」
芹川進という少年の16歳から18歳までの日々を綴った日記形式の作品
「パンドラの匣」
健康道場(結核療養所)にいるひばりという渾名の男の子が友人に宛てた書簡形式の作品
・感想
どちらもYouTubeの朗読で聴いたのが初読?で、とても面白かったので活字で世界観に浸りたいと本を購入。
私の好きな朗読者の方は読み方・声・演技(私が聴いてる方はただの朗読というより若干の演技(誇張された読み手の解釈が入っている)がとても太宰作品の雰囲気に合っていてもうそのイメージが固定されてしまっている所がある。
今回はその雰囲気を保ったまま活字で読むことになったんだけど、なんだかよりこ -
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この娘は誰を待っているのだろう。明確な答えは本人にもわからない。でも、この感覚、すごくよく分かる。
誰かにかまってほしくて、誰かに見つけてもらいたくて、でも、そんなことがあったらと思うとドキドキしすぎて、白昼夢みたい、というのはその通りで…。
待っているのは、ただ、漠然と寂しいから。人間が怖いから、一人でいる時間のほうが安心するけれど、それでも自分を受け入れてくれる、温かい誰かが現れたらいいなと幻想を抱いている。そんなことをする自分を、みだらな女だと思ったり、不埒な計画が燃えていると認識していても、こんなことでしか、寂しさを紛らわせられない。こんな自分を壊してしまいたいし、誰かに救い出してほし -
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ネタバレ巻末エッセイを含め、白地の背景に焦茶色(?)の文字のページが、印刷が上手くいかなかったのか何なのか、字が少しずれてぼけて見えて、目がチカチカして気になった。せっかく可愛くて素敵で好きなのに、残念。
それはさておき、引用したくなる、線を引いて覚えておきたくなる文章だらけだった。とっても鋭い。
この『女生徒』は、わたしの鏡だ。
ふいに「お父さん」と口に出してみて気恥ずかしくなったり、「よいしょ」と掛け声をした自分に気持ち悪さを感じたり、可哀想な犬に居た堪れず敢えていじわるをしてやったり、理不尽な状況を前に結局何もできず、悔しさに「こんなくだらない事に平然となれる様に、早く強く、清く、なりたかっ -
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人間失格の太宰はキザったらしい言い回しをするメンヘラ放蕩野郎という感じがして、まったく共感できなかった。が、津軽人としての太宰はかなり好きだ。
教科書で使われてたりするので、たけとの再開にスポットが当たりがちだけど、違う、そうじゃない。
同じ津軽出身の立場としては、津軽人の人間性、郷土料理、風土、自分の思い出話などを面白おかしく書いている点がこの作品の本当の価値だと思っている。これを読むと太宰も津軽の人間であることを実感し、キザ野郎と切り捨てることができなくなる。
角川文庫版の解説は町田康氏が書いていて、それがさすが、この作品の面白さをうまいこと言語化していらっしゃるので、実はこれがおすすめポ -
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スマホを見ていたら、「正義と微笑」の勉強についての一節が出てきて、気になったので買った。
この文庫本に収録される2作品は、どちらも若者が主人公の青春小説。若い頃ならではの葛藤や希望などが表現されている⋯という言葉だけでは表せないほど絶妙なところまで書き上げていると思った。
例えば勉強についての先生のセリフを読んで、最初は感銘を受けても、実行に移すとなると難しいし、実際できない。まさに今、中学生の自分。笑
感じのいいだけの陳腐な文章じゃなくて、作者個人の、特有の思いが伝わる文章が魅力的である。
そして、この小説からは、太宰治だからこそ書ける日々の尊さ、そして生きる希望を感じられる。
(解説までち -
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乙女の本棚シリーズより、何年ぶりかに読み返した太宰の掌編「待つ」です。
すべての見開きページを飾る、今井キラさんの挿絵がぴったりすぎる。
それにしても、こんなに可愛らしくいじらしい話だったかしら?
自分がだれを、なにを待っているのかもさっぱりわからぬまま、それでもただ信じて冷たいベンチに腰かけている二十歳の少女を、期待と不安と覚悟をごちゃまぜに抱きしめながら信じるように待ちつづけている彼女を、はやく見つけてあげてほしい。
『女生徒』を彷彿とさせるような、心のうちから弾け飛ばんばかりの、行き場のない乙女の可愛らしい咆哮のようなものが好き。 -
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ネタバレ好きな作品とそうでない作品が入り乱れていた。でも、結局表題作の「グッド・バイ」で最後に盛大なコメディで締めくくられて、ああこれが太宰かと。遺作がグッド・バイで良かったなと思える、明るく軽快で未来を向いた作品だった。
もったいない、もったいない、続きが読めないなんて。でもなんだかこれを書きかけで逝ってしまうのはとても、喜劇みたいな、悲劇みたいな、人生。
戦後ずっと、世の中の変わらなさに絶望しつづけていた太宰が、この遺作でこんなことを言う。驚いた。
「けれども、それから三年経ち、何だか気持ちが変わって来た。世の中が、何かしら微妙に変わってきたせいか、...(中略)小さい家を一軒買い、田舎から女房 -
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ネタバレ太宰の随想が単行本として死後まとめられたもの。
随想ともなると作品以上に、より太宰治の直接的な思考の断片が見えるようでおもしろい。切れ味の良い言葉が沢山あった。
太宰作品をいくつか見たあとに読むととても良い。
「もの思う葦」というタイトルがあまりにしっくりくる。
「太宰治ほど生きるのに真剣でド真面目ひとはいない」というのが読み終えた今の一番の印象だ。ド真面目というか、嘘をつきたくない思いというか。
彼は、考えたことは実行し、また小説と生活は一致しなければならないという思いがとても強い。その思いの強さがある一方、圧倒的な批評能力が自分自身に向き、弱い自分とひたすらに真正面からむきあってしまうか