太宰治のレビュー一覧

  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    理想とする、人に見えない月桂樹の冠をつけたような、天使のような美しい男性に(わたしはキリストを想像しながら読んだ)、主人公がいつか出会えたらな。アリとキリギリス のキリギリスの美しさは、人には理解されづらいのかもしれないけど、わたしも信念をもった芸術家の美しさは尊いと思うので、そういう人に主人公がほんとうに出会えたらないいなと思った。

    あと主人公が貧乏暮らしを好むのは理想の男性をお支えする副産物を好むだけなのであって、夫の性格が俗にならなければ裕福な暮らしを受け入れたと思うのだけど……

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    2025年08月04日
  • 津軽(新潮文庫)

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    太宰作品の中で一番好きかも。なんかの節目で数年ぶりくらいにあった親戚のおじさんが、酒を飲みながら自分の話をしてくれる感じがして良かった。

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    2025年07月30日
  • ろまん燈籠

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    秋風記は私が人生で1番好きな小説。
    私の解釈の仕方が正しいかはわからないが、なんとなく、近くにいる人間の心に触れるのが怖いのだと思った。それでもKは太宰に生きていて欲しいし、太宰はKと一緒に死んで苦労しないで欲しい。太宰はKを愛しているが、Kにはずっと思っている、10歳になる前に見てしまった、この世で最も美しいものをまだ忘れられていない。この短い小説の中にいくつも考察の余地があり、そして本当に愛している人の心に、身近な人の心に触れられない焦ったさみたいなのが、読んでいて自分と重なって胸が苦しくなる。この小説、本当に大好きです。

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    2025年07月29日
  • 津軽(新潮文庫)

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    太宰治が愛した津軽の様子が鮮明に描かれている。故郷嫌いなのかと思いきや実は愛していた太宰治が生まれた津軽にいつか旅行に行ってみたいと思った。

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    2025年07月24日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    木綿のハンカチーフをしんみり聴きたくなる話でした。遠くで変わってしまう恋人へ変わらないでと歌う曲と、誰よりも近くで変わっていく夫に嫌いですと嘆く妻。変わった人だなあと少し思いながら読んでいましたので、私は奥様が嫌う側の人間のようです。でもね奥さん、私も人の悪口を簡単に言う人は嫌いなのですよ。

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    2025年07月22日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

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    人間の悩みのほとんどは、他人についてなのかもしれない。

    太宰治の短編集を読み、そう思う。

    以前『人間失格』を読んだときに、世間や他人に合わせた生き方ができない自分のことを「人間失格」と主人公の要蔵は言い表していた。

    そのときにふと感じた、「じゃあ何が人間の合格なんだ?」という疑問は、ずっと胸にある。

    世間に合わせ、他人にへつらい、自己を曲げて生きていくことが、人間としての正しい姿か?

    そうは思えない。

    私見だが、自分が自分らしくあることこそが生き方であると思っている。

    この短編集の中でも、そうした周囲との不調和に関する話が多くある。

    特に『東京八景』なんかは、ほぼ太宰治の自伝のようだ。

    ただ、私の太宰治へのイメージは『人間失格』から陰鬱なものだったが、この短編集の、特に『ロマネスク』や『満願』、『富嶽百景』からは、明るく爽やかな印象を受けた。

    こんなものも書けるのかと衝撃的だった。

    私はこの中でも、『女生徒』が好きだ。

    「あすもまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。」(p124 女生徒)

    こんな言葉があった。

    『女生徒』では、主人公の女生徒の内面が語られ、亡くした父への回顧、母への不満、自分の体の変化など、暗い気持ちが吐き出される。

    しかもそれはいつまで続くかも分からない。

    それでも、最後に先の言葉を言って終わるところに、希望も絶望も合わせ持った、複雑な心境を感じる。

    生きていれば楽しいことばかりではなく、辛く悲しいこともたくさんある。

    それでも、寝れば明日は来る。

    『東京八景』の中で、

    「多くの場合、人は、いつのまにか、ちがう野原を歩いている。」(p236 東京八景)

    という言葉がある。

    自分の力だけで変えられるものはそうなく、人生の多くは自分の意志とは関係なく、転がっていくものだと思う。

    だからこそ、何があっても、とにかく寝て明日を待つ。

    そうすることで、少し生きていくことに希望が持てるのだと思う。

    太宰治の作品は、人の暗い部分も明るい部分も、抉り出すような感じがある。

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    2025年07月17日
  • 人間失格

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    高校生のときに初めて読んで、この度31歳で読み直した。だいぶ印象変わった。高校生のときはなんでこの人生が人間失格なんだ?とさえ思った。女にもてて楽しそうじゃん。読み直したとき、自分を隠して生きることは辛いよなぁと思えるようになっていた。

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    2025年07月14日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    太宰治の『女生徒』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第1段2冊中の2巻です。
    14歳の女生徒の起床から就寝までが日記のような散文として綴られる小説です。
    思春期の女の子ならではの不安定な内面が描き出されています。
    その世代の女性らしく思いや考えが二転三転しますので、読者が大人の男性であると共感するのが難しいのではと思います(私がそうでした)。
    そこで驚くのが、これを書いたのが太宰治という大人の男性であることです。
    本シリーズは表紙や挿絵のイラストが秀逸で、今作は様々な情報や知識に染まりやすく安定しない年頃の女の子の儚さが表現されています。
    美しい純文学を美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。

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    2025年07月12日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    美麗イラストと文豪作品コラボの乙女の本棚シリーズ。
    短い物語の中に多くのテーマと軸があって、何処に重きを置くかで印象の変わる作品だなと驚きます。
    乙女軸らしいイラストも可愛くて、悲しさと儚さの中に夢と理想が垣間見えました。

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    2025年07月03日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    表題作のろまん燈籠は文学好きの兄弟が皆で物語を完成していく話。最初の兄弟の紹介文や祖父のメダルについてのエピソードなど、思わず「くすっ」と笑えてしまうのような太宰ならではの独特のギャグセンスが盛り込まれていた。また、物語の中で登場するラプンツェルの恋愛模様は太宰による恋愛観が盛り込まれており、語り手が太宰ではないことになっているが(兄弟による物語上で)太宰が兄弟の姿に装って書いているみたいだった。口調やスピード感も読みやすいので太宰文学の入口にもぜひ。

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    2025年06月15日
  • 人間失格 1

    購入済み

    大好きな小説

    私の大好きな小説の人間失格が伊藤潤二先生の絵で漫画になってるなんて最高すぎます!先生独特の不気味で気持ち悪い絵が人間失格にこんなにマッチするなんてとても心踊りました。

    #怖い #ダーク #深い

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    2025年06月09日
  • 津軽

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    幼少期に経験した山登りの失敗の話、自戒のため松尾芭蕉の例を何度も出すものの、その通りいかず、都合のいい解釈をして自分を納得させる場面、たけとの再会等、見どころ満載であった。

    「大人とは、裏切られた青年の姿である。」

    「さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」

    何度も繰り返し読みたい文章である。

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    2025年06月08日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    はい、45おネェはホノジロトヲジさんと抜群の相性でお馴染み『読まずにレビュー』第8弾です!(パオーン!)

    *『読まずにレビュー』とは?
    表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という傍若無人のレビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)



    はい、やっちゃいましたよ
    あれほど注意してね!って言っておいたのにやっちゃいましたよ
    アレルギーですよ
    一目見てわかりました
    アナフィラキシーショックですよ

    いやほんと笑い事じゃないのよ!!
    生命に関わるのよ!
    救急車〜救急車〜
    いやQ急車じゃなくて!(小ネタ)

    なんのアレルギーか?だって!
    そんなも見ればわかるやん!
    持ってるやん!
    ポッキーやん!
    ポッキーアレルギーやん!

    【あらすじ】
    日系三世の名探偵サム・太斎は大学時代の恩師からN県の奥地にひっそりと佇む山荘へと招かれる
    その山荘には、すなみ(清水美砂)、ちなみ(牧瀬里穂)、こなみ(中江有里)、えなみ(今村雅美)という名のポッキーを素敵な笑顔で美味しそうに食べるポッキー四姉妹が住んでおり、その山荘は全面を黒く塗りつぶされた細長い形と合わせていつしか「ポッキー館」と呼ばれるようになっていた

    そしてサムと恩師、四姉妹が夕食をとっていると、ひとりの若い男が駆込んできてなにかを訴えるのだが…

    『館シリーズ』最新作!遂に登場!!

    【感想】
    いわゆるクローズド・サークルってやつですね
    もうお決まりのように雪に閉ざされ外界と遮断されちゃうベタ展開と思わせておいて連続殺人の方法が斬新で全てアレルギーを利用してるんです
    登場人物が次々と殺害されていくんですが、それぞれどんなアレルギーを持っているのか?という謎解きも並行して進んでいて、そちらもなかなか楽しめました
    そしてもちろん犯人は四姉妹の中に…と思わせておいて、いやいやこれ以上はネタバレになりますので伏せさせてもらいますが…名探偵サムの回りくどい謎解きも含めて驚きの連続で楽しめました
    ポッキー館に隠された謎を解け!

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    2025年06月03日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    これは何とも…奥さまの心が美しすぎる。
    裕福=幸せではないこと。
    人間として忘れてはならないことがあるということ。
    奥さまの心が最後まで人間として描かれていのが何とも切ない。
    絵も儚い感じがしてとても合っている。

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    2025年05月25日
  • 人間失格

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    葉蔵の考え方や感じ方、生き方のすべてが、はじめは自分とは相容れないもののように感じました。滑稽で不安定で、まるで他人事のように思えたのです。

    けれど読み進めるうちに、彼の脆さに目が離せなくなり、嫌悪と共感が混ざり合うような、不思議な感情が心に残りました。

    気づけば、自分の中にも彼と似た弱さや恐れを見出していました。そして最後に登場するマダムの言葉に、まるで自分自身までも救われたような気がしました。

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    2025年05月24日
  • パンドラの匣

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    僕は10代なので「正義と微笑」の内容は特にドンピシャで、共感できる部分が多くあり、特に勉強の意味を語る部分は参考になりました。しかし、意外と「パンドラの匣」の方が心に響きました。この作品全体を通した、キャラクターの憎めない素直さや陽気さ、この世界は何とかなるという楽観的な雰囲気などが、僕の心を軽くしてくれました。今の世の中は先行きの見えない不安でいっぱいですが、そんな不安を消し飛ばすような、明るくて、心を強く保って笑ってる人を目指そうと思いました。

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    2025年05月20日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。このシリーズを読むのは、これで12冊目だが、今のところ乙女でない自分にとっては、これがベスト。文章と絵のバランスがいい。太宰のこの告白体は、名人芸。絵も抑制が効いている。初老にはこれくらいがいいのだが、乙女には物足りないのだろうか。

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    2025年05月17日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    太宰治の『葉桜と魔笛』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第3巻です。
    老夫人が35年前の思い出、青春を語る物語です。
    当時の夫人は厳格な父と病弱な妹との3人暮らしでした。
    妹がいよいよ駄目になってしまうことがわかり、寝たきりの状態をただ見守る日々が続きます。
    そこで妹がM・Tと名乗る男と文通をしていることがわかり、夫人はそれに介入してしまうのです。
    それを知った妹は…。
    美しい純文学を美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。

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    2025年05月12日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    1939-41年に発表された短篇から14篇を抽出。どれも文句なくおもしろい。その掴みと語りの巧さ。そして言いようのない読後の余韻。とくにユーモアとペーソスを湛えた「畜犬談」、「きりぎりす」、「佐渡」がいい。
    「佐渡」は、旧制新潟高校で学生相手に講演した翌日、単身佐渡に行く様子が描かれている。11月中旬、そぼ降る雨のなか、近づいてくる佐渡の島影の描写がみごと。(2時間45分の航程だったが、いまもカーフェリーだと同じだけの時間がかかる。雨などで天気が悪ければ、太宰の描写を追体験することができる。)

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    2025年05月08日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ、太宰治・きりぎりす。19歳の私はとある画家の作品に魅力を感じ、この画家と結婚したいという願望に溢れる。この画家は家族の評判は悪く、身内から愛想を尽かされ、酒におぼれ、展覧会に画を出さない、左翼らしい、美術学校を本当に出ているのか?私は貧乏であるが、生活を楽しめた。しかし、夫が偉く、有名になり、人の悪口を言うようになる。妻はそんな夫と別れる決意をする。この作品は太宰自身への戒めの作品なんだろう、すなわち、清貧で、憂愁で、孤高を保ちながら創作していくことへの決意だったんだろうか。⑤

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    2025年05月04日