太宰治のレビュー一覧

  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    太宰治の『葉桜と魔笛』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第3巻です。
    老夫人が35年前の思い出、青春を語る物語です。
    当時の夫人は厳格な父と病弱な妹との3人暮らしでした。
    妹がいよいよ駄目になってしまうことがわかり、寝たきりの状態をただ見守る日々が続きます。
    そこで妹がM・Tと名乗る男と文通をしていることがわかり、夫人はそれに介入してしまうのです。
    それを知った妹は…。
    美しい純文学を美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。

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    2025年05月12日
  • 人間失格

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    太宰の「斜陽」の書評で太宰の”明るさ”に触れたが、この本を読むと、それがまた屈折したものであると分かり、太宰の複雑な人格になかなか理解が追い付かないことに気づく。
    太宰の人格の複雑性の中に、普遍的な共感性があるからこそ、今でも衰えない人気があるのだろうか。
    人間、誰しも弱さがあるのだが、それを文章に表現することは難しいし、その恥じらいもある。
    太宰は、それを明晰な文章にし、そして赤裸々にできる。
    自分自身をこれまでに深く見つめ、考えられるだろうか。表面を繕うこと、社会への適用、への反動。
    彼の生い立ちにも拠るところがあると思うのだが、それが特異な才能を生んだのか。

    太宰人気の自分にとっての謎

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    2025年05月10日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    1939-41年に発表された短篇から14篇を抽出。どれも文句なくおもしろい。その掴みと語りの巧さ。そして言いようのない読後の余韻。とくにユーモアとペーソスを湛えた「畜犬談」、「きりぎりす」、「佐渡」がいい。
    「佐渡」は、旧制新潟高校で学生相手に講演した翌日、単身佐渡に行く様子が描かれている。11月中旬、そぼ降る雨のなか、近づいてくる佐渡の島影の描写がみごと。(2時間45分の航程だったが、いまもカーフェリーだと同じだけの時間がかかる。雨などで天気が悪ければ、太宰の描写を追体験することができる。)

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    2025年05月08日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ、太宰治・きりぎりす。19歳の私はとある画家の作品に魅力を感じ、この画家と結婚したいという願望に溢れる。この画家は家族の評判は悪く、身内から愛想を尽かされ、酒におぼれ、展覧会に画を出さない、左翼らしい、美術学校を本当に出ているのか?私は貧乏であるが、生活を楽しめた。しかし、夫が偉く、有名になり、人の悪口を言うようになる。妻はそんな夫と別れる決意をする。この作品は太宰自身への戒めの作品なんだろう、すなわち、清貧で、憂愁で、孤高を保ちながら創作していくことへの決意だったんだろうか。⑤

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    2025年05月04日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    「ああ、私は一体、何を待っているのでしょう」。大戦争が始まってからというもの、少女は毎日、駅の冷たいベンチで誰かを待っている。身を粉にして働くこともできず、家を出てもどこも行くところなどなくて、ベンチで人の行き交いをただ眺める。誰かを待っている、誰かに見つけられるのを待っている、世界をただみつめ夢想する。二十歳の少女は、そうやって、戦争というものをやり過ごしていたのだと思った。そんな娘が今もどこかにいるかもしれません、このひどい世界の片隅に。

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    2025年05月04日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰治特有の面白さが滲み出ていた文章で読み進む手を止められなかったが、未完なのが唯一残念。

    女たらしな男がこれからどんな風にズタボロになりながら愛人達と別れていくのか、今までも面白かったが物語はこれから…!というところで作品は終わっている。

    そこで一つ、この後の展開について私が思うことを書くことにする。
     まず、水原ケイ子の兄には絶対殴られるであろう。(太宰治の事だ、ここで殴らないで兄と仲良くする展開になるだろうか…それはきっと、ないだろう。)とメタ発言は置いておいて、あの見返りを常に求めるキヌ子が、報酬も何も提示しない状態で助けてくれる訳などまずないだろう。ケイ子を誑かしていたのはあくま

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    2025年04月25日
  • 津軽(新潮文庫)

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    戦時下の昭和19(1944)年5月 小山書店の依頼に応じて、彼は故郷の津軽へ3週間の取材旅行へ出掛けた。
    小説であるにも関わらず、この作品の主人公は、津島修治(太宰治) その人である。
    風土や歴史、自らにも流れる津軽人気質を描いた1作。
    この旅には秘められた目的があった!

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    2025年04月23日
  • 人間失格

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    初めて読みました。
    主人公の葉蔵は?私を含め、自分を道化させ生きてる人は多いのではないか?
    考えさせられる思いがします。
    後、巨匠と云われる画家の心理とか!
    短い小説ではありますが中味が濃ゆい!

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    2025年04月20日
  • 猿ヶ島

    購入済み

    疾走感と超展開の太宰ラノベ

    短編小説ながら、超展開に次ぐ超展開で、キャラも立っており、何より小ネタがとんでもなくウケる。人妻、学者、女優そして地主に対する批評眼なんて、爆笑ものだ。🐒ラストも盛り上がる。自由なき安逸への誘いを「否!」と叫んで振り払うクライマックスのその先はどこへ向かうのか。結末は太宰らしさが溢れ、スタンディングオベーションで讃えたくなる。🐒本書のスピード感と面白さは、優れたなろう小説のようである。ちなみにカピバラKSは、「なろう」や「ラノベ」という言葉に軽侮の意を込めてはいない。🐒

    #笑える

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    2025年04月15日
  • パンドラの匣

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    正義と微笑の先生の台詞はいつ読んでも名言。この1ページのためだけに買ったと言っても過言ではない。素晴らしい。
    太宰先生は前期後期のアウトサイダー的な作品に焦点が当てられがちだが、中期の作品も素晴らしく面白い。自分はかなり好き。
    正義と微笑は理想通りにならない現実との間に揺れ動く青春期を日記形式でかなりリアルに描いた傑作。
    パンドラの匣は結核持ちの青年という重たい設定でありながら、途中ニヤニヤしてしまうほどリアルで笑いどころの多い中編。
    太宰治久しぶりに読んだけどやはり抜群に面白い。右大臣実朝、惜別も読みたい。

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    2025年04月14日
  • 人間失格

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    主人公葉蔵は幼少期から「人間」というものが理解できず恐怖の対象だった。
    必死に「道化」を演じながらな何とか世間を乗り越えていくも、東京へ上京するのをキッカケに酒、女関係などに溺れていく。
    それは徐々にひどくなり、アルコール依存症、薬物中毒そしてついには「人間失格」へと成り果てる。
    死とは生とは、本音とは、人とは世とは…苦悩と葛藤を深く問いかけてくる、日本が誇る文豪「太宰治」の渾身の自伝風小説。

    太宰が死ぬ一ヶ月前に書いた「人間失格」。
    本人の経験もあり、描写が想像を絶するくらい生々しく重みがある。
    けれど、暗くて重々しい物語なのになぜだかするりと読めてしまうのは、さすが太宰の手腕としか言いよ

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    2025年04月02日
  • 津軽

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    青森を訪れてみたく思った。太宰治というよりは津島修治としての文章を親しみ深く感じた。

    元気で行こう。絶望するな。では、失敬。

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    2025年03月28日
  • 人間失格

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    今の自分と重ね合わせられるようで、共感できる部分が多くあった。太宰治も色んな悩みを抱えていて、それは今の時代でも共通だと思うと、自分だけじゃないんだと救われた気持ちになれた。

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    2025年03月28日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    私には少し難しく感じた。この本を再読して、初めに読んだときとはまた違う面白さに気づくことができた。また何年後かに読みたい作品。

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    2025年03月28日
  • 小説 人間失格

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    難しさ⭐️10!文章ではなかなか読み進めなかったので、中田敦彦YouTubeを見てなんとか読破。衝撃だった文章が「自分はことし、二十七になります。」そんな若さでこんな人生を生きたのかという。最後の写真はどこの場所で撮ったか気になる。人間失格というタイトルから、どういう意味でなぜ失格なのか。その背景がすごくしっくりくる内容。葉蔵の期待等からのすぐにくる残念感と冷静さ。その人間性が全く自分にはない価値観で、とても面白かった。少しでも太宰治の作品に触れることが出来て良かったと思った1冊。(ちなみに同じ本好きの大先輩から、今頑張って読んでると伝えると"暗くなるからやめとけ"と笑いな

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    2025年03月11日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    無邪気に転げ回る子猫のように思考が右往左往する若い女学生の日常を描いた名著。子供の世界から、大人の世界に半歩踏み込んだ自分や環境への戸惑いと嫌悪や、でもワガママなままの子供っぽさも同居する混沌とした内面の描写が素晴らしかった。

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    2025年03月01日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    ネタバレ

    これを読んで初めて『駆け込み訴え』を読んだ。
    江戸っ子版ユダの裏切りってな感じで最高に面白い。
    太宰はキリスト教のワードをよく使うところから教養深い人だったのだなぁと感じた。(彼自信は信徒ではない)
    それこそ、斜陽を読んだ時には、この蛇って原罪とかの話の蛇なのかなぁとか想像を膨らませた。

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    2025年02月28日
  • 津軽(新潮文庫)

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    昭和19年の検閲下に書かれた紀行文にしては、世相の暗さがほとんど反映してこない、明るい紀行文。蟹田で旧友に遭って蟹を食べまくりリンゴ酒も相伴にあずかる太宰治、米の凶作が常態化している年表を見て津軽人の根っこをみて、バスで外ヶ浜を北上し今別と三厩に立ち寄って竜飛岬にいく太宰治、生家のある金木に行くも心中未遂の後始末をさんざんしてもらった関係でどうにも居心地の悪い太宰治、五所川原を経て木造と鯵ヶ沢に立ち寄り北国のコモヒの趣きを再度体感した後に深浦から引き戻して小泊にいる越野たけに運動会であうことができ無邪気に子供に戻る幸せな太宰治、とにかく一貫して酒ばかり飲んでいるこんな明るい彼はほんとに何度遭遇

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    2025年09月13日
  • ヴィヨンの妻

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    後半だれたが面白かった。ヴィヨンの妻とトカトントンが個人的には面白かった。

    トカトントンの手紙をもらった太宰の返事が秀逸で、短くスパッと切れ味のいい返答ができるのはさすがだと感じた。

    気になったのはその返答の締めの部分だ。君に足りないのは勇気だと思うとし、新約聖書を引用したのち、懼れるは畏敬の意味に近いようだがこの意味がわかる頃には霹靂に感ずるだろうと締める。この意味がわからなかったので色々と調べまわったり人に聞いたりしたところ、キリスト教では畏怖と恐怖を明確に分けるそうだ。

    未だ判然とはつかないが、ニュアンス的には、どうやら恐怖の対象の違い、そして主体性があるかの違いらしく、これを勇気

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    2025年02月23日
  • ヴィヨンの妻

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    現代では考えられないほど放浪?破天荒?な夫が作った借金に振り回される妻が懸命にふるまう話。どうなるの?と不安になりながらも結末が安心できた。

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    2025年02月22日