太宰治のレビュー一覧

  • 人間失格

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    ネタバレ

    断るということをずっとしてこなかった、できなかった葉蔵。モルヒネ中毒の前後不覚の中で、自分を信じて疑わないヨシ子が再びモルヒネを差し出した時に初めて「いや、もう要らない」と、生涯で初めて人から差し出されたものを断った。自分を信じてくれる人の前に初めて毅然とした行動を取れたところが感動したなー。

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    2025年06月17日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    表題作のろまん燈籠は文学好きの兄弟が皆で物語を完成していく話。最初の兄弟の紹介文や祖父のメダルについてのエピソードなど、思わず「くすっ」と笑えてしまうのような太宰ならではの独特のギャグセンスが盛り込まれていた。また、物語の中で登場するラプンツェルの恋愛模様は太宰による恋愛観が盛り込まれており、語り手が太宰ではないことになっているが(兄弟による物語上で)太宰が兄弟の姿に装って書いているみたいだった。口調やスピード感も読みやすいので太宰文学の入口にもぜひ。

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    2025年06月15日
  • 人間失格 1

    購入済み

    大好きな小説

    私の大好きな小説の人間失格が伊藤潤二先生の絵で漫画になってるなんて最高すぎます!先生独特の不気味で気持ち悪い絵が人間失格にこんなにマッチするなんてとても心踊りました。

    #ダーク #怖い #深い

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    2025年06月09日
  • 人間失格

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    人間失格とあるが1番人間らしく生きているのではないかと思った。それゆえのベストセラー、それ故に共感する人も多いのではないかと思った。この小説のどこかでは必ず共感することがあると思う。

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    2025年06月09日
  • 津軽

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    幼少期に経験した山登りの失敗の話、自戒のため松尾芭蕉の例を何度も出すものの、その通りいかず、都合のいい解釈をして自分を納得させる場面、たけとの再会等、見どころ満載であった。

    「大人とは、裏切られた青年の姿である。」

    「さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」

    何度も繰り返し読みたい文章である。

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    2025年06月08日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    はい、45おネェはホノジロトヲジさんと抜群の相性でお馴染み『読まずにレビュー』第8弾です!(パオーン!)

    *『読まずにレビュー』とは?
    表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という傍若無人のレビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)



    はい、やっちゃいましたよ
    あれほど注意してね!って言っておいたのにやっちゃいましたよ
    アレルギーですよ
    一目見てわかりました
    アナフィラキシーショックですよ

    いやほんと笑い事じゃないのよ!!
    生命に関わるのよ!
    救急車〜救急車〜
    いやQ急車じゃなくて!(小ネタ)

    なんのアレルギーか?だって!
    そんなも見ればわかるや

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    2025年06月03日
  • 人間失格

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    何度も最初の数ページ読んでは断念して、しばらく読むことも忘れてました。
    でもやっぱり一度は読破しないと‼︎と思い直し読み切りました。
    そして太宰が人間臭くて好きになりました。

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    2025年05月27日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    これは何とも…奥さまの心が美しすぎる。
    裕福=幸せではないこと。
    人間として忘れてはならないことがあるということ。
    奥さまの心が最後まで人間として描かれていのが何とも切ない。
    絵も儚い感じがしてとても合っている。

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    2025年05月25日
  • 斜陽

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    4.5/5.0

    「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」
    自らの人生に退屈し疲弊したかず子がそう思い至り、破滅への憧れを抱く様にも確かに共感したが、自分がそれ以上に大いに共感したのは、弟の直治の方だった。
    「人間は、いや、男は(おれはすぐれている)(おれにはいいところがあるんだ)などと思わずに、生きていく事が出来ぬものか。」
    という一文に代表される男子社会の中での虚勢を張らなければならない息苦しさや、同調圧力、貴族として産まれてきたことへのコンプレックス、自らを不良として偽る様、
    「遊んでも少しも楽しくなかった」
    という遺書においての告白に非常に自分と近いものを感じた。
    そして、戦時中に綴

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    2025年05月24日
  • 人間失格

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    葉蔵の考え方や感じ方、生き方のすべてが、はじめは自分とは相容れないもののように感じました。滑稽で不安定で、まるで他人事のように思えたのです。

    けれど読み進めるうちに、彼の脆さに目が離せなくなり、嫌悪と共感が混ざり合うような、不思議な感情が心に残りました。

    気づけば、自分の中にも彼と似た弱さや恐れを見出していました。そして最後に登場するマダムの言葉に、まるで自分自身までも救われたような気がしました。

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    2025年05月24日
  • パンドラの匣

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    僕は10代なので「正義と微笑」の内容は特にドンピシャで、共感できる部分が多くあり、特に勉強の意味を語る部分は参考になりました。しかし、意外と「パンドラの匣」の方が心に響きました。この作品全体を通した、キャラクターの憎めない素直さや陽気さ、この世界は何とかなるという楽観的な雰囲気などが、僕の心を軽くしてくれました。今の世の中は先行きの見えない不安でいっぱいですが、そんな不安を消し飛ばすような、明るくて、心を強く保って笑ってる人を目指そうと思いました。

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    2025年05月20日
  • 人間失格

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    何度も読み返した本!!

    この本を読んだ時、一番最初に思ったのが「私じゃん!!」という事。
    墜落していくお話だが、どこかとても共感でき、だからこそこんなにも売れているのだと思った。葉蔵の苦悩は葉蔵だけのものでは無かったから!!

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    2025年05月19日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。このシリーズを読むのは、これで12冊目だが、今のところ乙女でない自分にとっては、これがベスト。文章と絵のバランスがいい。太宰のこの告白体は、名人芸。絵も抑制が効いている。初老にはこれくらいがいいのだが、乙女には物足りないのだろうか。

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    2025年05月17日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    太宰治の『葉桜と魔笛』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第3巻です。
    老夫人が35年前の思い出、青春を語る物語です。
    当時の夫人は厳格な父と病弱な妹との3人暮らしでした。
    妹がいよいよ駄目になってしまうことがわかり、寝たきりの状態をただ見守る日々が続きます。
    そこで妹がM・Tと名乗る男と文通をしていることがわかり、夫人はそれに介入してしまうのです。
    それを知った妹は…。
    美しい純文学を美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。

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    2025年05月12日
  • 人間失格

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    太宰の「斜陽」の書評で太宰の”明るさ”に触れたが、この本を読むと、それがまた屈折したものであると分かり、太宰の複雑な人格になかなか理解が追い付かないことに気づく。
    太宰の人格の複雑性の中に、普遍的な共感性があるからこそ、今でも衰えない人気があるのだろうか。
    人間、誰しも弱さがあるのだが、それを文章に表現することは難しいし、その恥じらいもある。
    太宰は、それを明晰な文章にし、そして赤裸々にできる。
    自分自身をこれまでに深く見つめ、考えられるだろうか。表面を繕うこと、社会への適用、への反動。
    彼の生い立ちにも拠るところがあると思うのだが、それが特異な才能を生んだのか。

    太宰人気の自分にとっての謎

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    2025年05月10日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    1939-41年に発表された短篇から14篇を抽出。どれも文句なくおもしろい。その掴みと語りの巧さ。そして言いようのない読後の余韻。とくにユーモアとペーソスを湛えた「畜犬談」、「きりぎりす」、「佐渡」がいい。
    「佐渡」は、旧制新潟高校で学生相手に講演した翌日、単身佐渡に行く様子が描かれている。11月中旬、そぼ降る雨のなか、近づいてくる佐渡の島影の描写がみごと。(2時間45分の航程だったが、いまもカーフェリーだと同じだけの時間がかかる。雨などで天気が悪ければ、太宰の描写を追体験することができる。)

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    2025年05月08日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ、太宰治・きりぎりす。19歳の私はとある画家の作品に魅力を感じ、この画家と結婚したいという願望に溢れる。この画家は家族の評判は悪く、身内から愛想を尽かされ、酒におぼれ、展覧会に画を出さない、左翼らしい、美術学校を本当に出ているのか?私は貧乏であるが、生活を楽しめた。しかし、夫が偉く、有名になり、人の悪口を言うようになる。妻はそんな夫と別れる決意をする。この作品は太宰自身への戒めの作品なんだろう、すなわち、清貧で、憂愁で、孤高を保ちながら創作していくことへの決意だったんだろうか。⑤

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    2025年05月04日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    「ああ、私は一体、何を待っているのでしょう」。大戦争が始まってからというもの、少女は毎日、駅の冷たいベンチで誰かを待っている。身を粉にして働くこともできず、家を出てもどこも行くところなどなくて、ベンチで人の行き交いをただ眺める。誰かを待っている、誰かに見つけられるのを待っている、世界をただみつめ夢想する。二十歳の少女は、そうやって、戦争というものをやり過ごしていたのだと思った。そんな娘が今もどこかにいるかもしれません、このひどい世界の片隅に。

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    2025年05月04日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰治特有の面白さが滲み出ていた文章で読み進む手を止められなかったが、未完なのが唯一残念。

    女たらしな男がこれからどんな風にズタボロになりながら愛人達と別れていくのか、今までも面白かったが物語はこれから…!というところで作品は終わっている。

    そこで一つ、この後の展開について私が思うことを書くことにする。
     まず、水原ケイ子の兄には絶対殴られるであろう。(太宰治の事だ、ここで殴らないで兄と仲良くする展開になるだろうか…それはきっと、ないだろう。)とメタ発言は置いておいて、あの見返りを常に求めるキヌ子が、報酬も何も提示しない状態で助けてくれる訳などまずないだろう。ケイ子を誑かしていたのはあくま

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    2025年04月25日
  • 津軽(新潮文庫)

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    戦時下の昭和19(1944)年5月 小山書店の依頼に応じて、彼は故郷の津軽へ3週間の取材旅行へ出掛けた。
    小説であるにも関わらず、この作品の主人公は、津島修治(太宰治) その人である。
    風土や歴史、自らにも流れる津軽人気質を描いた1作。
    この旅には秘められた目的があった!

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    2025年04月23日