太宰治のレビュー一覧

  • 津軽(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昭和19年という大戦末期に突入する時代、36歳の太宰治がこの作品を残したということに大きな意味を感じる。『お伽草紙』と同じく大戦の最中に、このように生き、文章を残すことのできたことに自分は太宰治という小説家の真価を見てしまいたくなる。クライマックスの、たけとの再会の場面は本当にぐっとくるし、解説の亀井勝一郎氏が太宰治の本質を本作に見ていることに深く、深く同意する。

    資料に詳しくあたって書かれたが故に注釈が多く読みにくかった点を除いて(それは仕方のないことではあるのから全くいいのだが)、35歳の今の自分にとって太宰治で一番好きな作品かもしれない。

    0
    2026年06月15日
  • 人間失格 3

    Posted by ブクログ

    途中から脚色が炸裂して、太宰治が伊藤潤二の作品へ昇華した。

    最近、小説を再読してたので、原作との違いが楽しめたが、こんなに凄いことになるとは。

    傑作。

    0
    2026年06月07日
  • きりぎりす(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    黄金風景
    清々しい読み物だ。「負けた」ことが、気持ちの良いものだ。

    皮膚と心
    最後「そう言われて私は、恥ずかしく思いました」が、わたしも、恥ずかしい気持ちになった。自分の頭のわるさが、わかり、また、皮膚病がサッサと治って、ばかみたいな自分を自覚した、それだけが残ったと思った。

    善蔵を思う
    丁度読んでいた時、自分は失敗したのではないかと苦しい心持ちであった。そうしたら最後、薔薇が偽物でないことが分かり、主人公の心が明るくなるにつれ、わたしの心持ちも明るくなった。「神は、在る。」と見て、ホッとした。間違いでなはないのだ、大丈夫なんだ、と思えた。心が泣いていた。

    きりぎりす
    昔から、お金を持つと人が変わったようになり、誇りを失い下らない人間になってしまうことはあるのだなと思った。妻は優秀な人だ。お金に目がくらまず、自分の誇りを大切にしている。最後、小さいきりぎりすが背骨で鳴いている気がする、ということろが優しい、寂しい、気持ちがした。

    佐渡
    クスッと笑えるところが何箇所もあった。特に、「あれは何というか島ですか」という質問くらい馬鹿げたものは無い、が面白かった。声が出た。何かあるかも、と心弾んで佐渡に行ったのに、皆白々しく、何もなく終わるところが現実帯びていて面白い。

    風の便り
    時々クスッと笑えることところがあった。太宰治はそういう作家なのか。作家同士のやりとりが興味深かった。素直な意見の交わし合いで、批評し合いながら楽しんでいて、現代にはないような交流で。素敵だなぁと思った。

    0
    2026年05月31日
  • パンドラの匣

    Posted by ブクログ

    再読しました。

    そのきっかけは現在放送中のドラマ『月夜行路』でした(小説が出てくるこのドラマ、なかなか面白い)。

    この本は、太宰治の前向きな作品です。
    肺結核の青年が療養生活を送るのですが、日々の生活を友人に綴るという内容です。療養生活を送る仲間のことや助手と呼ばれる女性のことなどなど、主人公の若さならではの見解も多々あります。

    最後には『人の生き方』について書かれています。
    絶望の中での献身のお話が印象的です。

    0
    2026年05月15日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    太宰治の文章なのか、主人公の葉ちゃんの言葉なのか、慣れるまで時間がかかったが、途中からのめり込んでいく感覚になった。
    そして、密かに、人間失格であろう葉ちゃんに恋をしてしまっているような気分にもなる。
    自分を作り上げ、人間を演じ、人間を怖がり、
    色々な人たちと出会い、それでも、やはり人間失格な葉ちゃん、に、会ってみたいとも思えた。
    太宰治自身と葉ちゃんの手記の混ぜ混ぜしたこの物語に、戸惑いつつ、最後にどう持っていくのか、すごく興味を持ち続けて読み終わりました。
    わたしは、好きな本です。

    0
    2026年05月06日
  • パンドラの匣

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結核の療養所が舞台なので、最初は暗い話だと思っていた。実際は、善人のキャラクターが数多く登場し、温かい物語であった。

    主人公は繊細さを持ちながらも、多様な人々と共同生活をしながら、制限された中でも関わり合いを通じて、世界の受け取り方が変わっていく。

    終戦直後であることも関係しているかもしれないが、療養所での生活で、1日1日を大切に生きることの意義について考えることができる1冊だと感じた。
    これから小さな出来事に幸せを感じられる人間になりたいなと思った。

    何十年後かに読んだらまた感想が変わる気がする。

    0
    2026年05月06日
  • お伽草紙(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     太宰治作品の中でもダイスキな作品です♡
    特に「カチカチ山」のうさぎさんがスキなのですが、イジワルでしょうかw

     今、NHKAMラジオ「新日曜名作座」で放送しています。
    全6回で、
    第1回 「瘤取り(こぶとり)」
    第2回 「清貧譚(せいひんたん)」
    第3回 「浦島さん」
    第4回「赤い太鼓」
    第5回「竹青(ちくせい)」
    最終回「カチカチ山」
     現在のところ第3回まで放送されています。
    放送後1週間は、らじるらじるで聴くことができます。

    【出演者】は
    竹下景子さんと段田安則さんです。

     ラジオドラマですので、原作本文を青空文庫などで参照しながら聴くと更に楽しいです♡

    【原作】
    太宰治
    【脚色】
    東多江子
    【音楽】
    和田貴史
    【芸能指導】(第1回)
    友吉鶴心
    【スタッフ】
    制作統括:桑野智宏
    技術:山田顕隆
    音響効果:菅野秀典
    演出:吉田浩樹

    【あらすじ】
    昭和十五年から二十年、日本が太平洋戦争に突き進み、終戦をむかえるまで、小説家・太宰治は、厳しい言論統制のもと、日本や中国の古典をもとに、時代や国を超えても変わらぬ人々の真心を、ユーモラスに心温まる筆致で描いた。
    日本の昔話より「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」、井原西鶴の作品より「赤い太鼓」と日本の物語にとどまらず、太宰夫人・津島美知子が愛読した中国の古典『聊斎志異』(りょうさいしい)をもとに、中国の人々にも読んでもらいたいと、「清貧譚」「竹青」を書き上げた。
    時代の波に抵抗し、太宰治は世界の平和を願い、日本人ばかりか当時敵国とされた国の人々の真心をも、愛情をこめ歌い上げたのであった。

    【NHK AM】
    2026年4月19日~5月24日 毎週日曜 午後7時25分~午後7時55分
    ★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)

    0
    2026年05月06日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    愛した人の変貌と失望。震えるほど愛していたのに、裏切られ、変わっていく寂しさが苦しい、切ないラブストーリーだった。

    0
    2026年04月29日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    ◯人への強烈な不安を描いているのでは
     3つの手記をもとに、葉蔵の人生を描いている。お道化を演じながら3人の女性と過ごし、人間への不審や戸惑いを感じながら生きる葉蔵。人間として生きることに苦しみ、最後は自分で自分に「人間失格」の烙印を押す。葉蔵の苦悩がありありと具体的に語られていて面白い。
     さて、葉蔵の苦悩は痛いほどわかるところが多くあった。例えば、地主の父親が懇意にしている政治家の演説を聞いた人たちが帰りに政治家の演説や父の悪口を言うのに、当の父の前では称賛する場面。このような、「実にあざやかな、それこそ清く明るくほがらかな不信」があることに葉蔵は嫌悪感を感じる。たしかに、まだ自分には、外面はいい顔をするのに裏では悪口をボロカスにいう人がいると苦しくなる。自分が嫌われたくないという思いをまだ捨てきれていないからだろうか。そんな、人間の影の部分にたいして、葉蔵は苦しんでいるように感じる。
     私の場合、そんな世界を受け入れるしかないとは思いつつも、傷つきたくない自分がいる。(悪口を言われて、傷ついたとして何が悪いのか)とおもうが。
     
     でも、結局は、そんな嫌な気持ちも幸せな気持ちも葉蔵の最後の言葉に収斂されていくのだろう。
    「いまは、自分には幸福も不幸とありません。ただ、一さいは過ぎて行きます。」

    0
    2026年04月26日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

    Posted by ブクログ

    東京から遠く離れた地方に住み、日頃は仕事でほとんど休みもない私。先日、東京都三鷹市を訪れ、念願だった太宰治の入水◯◯現場とお墓、文学サロンに行けました。
    サロンではボランティアの方から太宰の話をたっくさん伺い、太宰について私なりに学びを深められ、その魅力を改めて感じました。
    それで太宰を読み直すことに。
    私は、人間失格が傑作と思います。
    ダメなダメな、人間として至らない情けない自分を許してもらいたい、肯定したかったんだなぁとすごく伝わってくるからです。
    誰しも欠けたる存在ですよね。許せない面は持っています。その欠けたる部分が苦しくてたまらない時がある。
    でもこの作品の最後の場面のように、誰かにあったかくそこを受け止められたら。
    こんな自分でも、生きる価値があったと思えます。

    0
    2026年04月25日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    表題の「ろまん燈籠」
    五人の兄弟たちで書き継いでいく物語
    性格の違いからなんとも面白い
    物語となっていく
    そして祖父の評価と、勲章
    いい家族です

    そんな物語があれば
    「服装に就いて」は、太宰治の
    人となりがよくわかる
    おしゃれに目覚めて
    かっこよくすごそうとしているのに
    飲み屋のお姉さんに
    兄さん東北でしょうと言われてしまう
    すぐにすべてをかなぐり捨てる
    なんだか笑える
    洋装をして友人に笑われたり
    気に入らない着物を着てしまい
    出かけている間ずっと気になって
    まったく楽しめない
    義理の父の着物を着て出かけると
    必ず豪雨に見舞われる
    妻にまた雨に降られますよと
    言われているのにそのまま出かけて
    やはりすごい豪雨になる
    自分のせいですまないと
    友人に心の中で詫びる
    どのエピソードもなかなか楽しい
    本人としてはやるせないことも
    すべて文章に変えてしまうところは
    さすがです
    ますます親しみが湧きます
    太宰治ってかわいいと思ってしまう
    他の作品も読んでみよう!

    0
    2026年04月20日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    2026 11冊目
    なんか、自分と重なるところもあったり、昭和初期から自分のような人間がいたかと思うと感慨深く、
    文章の構成等入りずらいところもあったが、主観的に物語に入り込めスラスラ読めた。

    0
    2026年04月18日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    葉三の感覚が分からなくもない。

    人には人の苦しみがあって、他人には理解されないものだと再度認識した。

    0
    2026年04月15日
  • 晩年

    Posted by ブクログ


    _その際、ここにいう〈嘘〉が、実は小説のつむぐ、創作のメタファーでもあるという事実は重要だ。"事実"を告白するのではなく、小説家として〈荒唐無稽〉な〈嘘〉をもって世に戦いを挑み、矢折れ、刀尽き、なおかつ最後まで去勢を張り続けるダンディズムにこそ、『晩年』の真骨頂があるのである。

    ・
    作中に多くの自己言及的な嘘を忍ばせ、読者に"直接的に"、"メタに"語りかける。それが創作の"真実"のあり方になる。

    0
    2026年04月12日
  • 富嶽百景・走れメロス 他八篇

    Posted by ブクログ

    富嶽百景を読みたくて手に取る
    はじめの富士の頂角の話しから
    おもしろく、のめり込んだ
    甲府でみた富士があまりにも完璧で
    かえって好かない、まるで風呂屋のペンキ絵
    注文通りすぎて恥ずかしいとまでいっている
    確かに完璧なところで見たら
    そう思うかもと納得

    他にも短編が9篇
    ロマネスクや、女学生など
    テンポがよく、楽しくもある
    太宰治のイメージが変わる

    また東京八景は
    本人の自伝のようなもので
    太宰治の苦悩が色濃く書かれている
    なるほどこうしてこの方が
    出来上がっていたのかと
    またも納得
    太宰治の作品もっと読みたくなった
    今更だけどさっそく次の作品を探そう

    #富嶽百景、走れメロス
    #太宰治

    0
    2026年04月10日
  • 乙女の本棚 女生徒

    Posted by ブクログ

    いま、という瞬間は、面白い。いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。

    太宰治という男性が、こんな文章を編み出せることに驚いた。大学生の私もこの主人公の女の子のように、とりとめのないことを考えて自己嫌悪に陥ることは全然あって、共感したり、面白いと思ったりしながら読んだ。
    言葉遊びやリズムも面白くて、何度か読みたい作品だと思った。

    0
    2026年04月23日
  • きりぎりす(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    太宰、美しい日本の文学読んでます感があって良きです!内容は当たり外れあるかもですが、、

    最近昭和40年代の太宰本をコンプリートしましたが、多忙につきあまり読者ができておりません。

    さーて、来週のサザエさ

    0
    2026年04月06日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    太宰治という名前は知っていたが、読んだことはなかった。こんなに読みやすいのか、こんなに自分の心の中に素直な人か。と思いながら読んだ。主人公はただ生きるのに器用すぎて不器用で、でもなんとなくほっておけない、いわゆるだめんずだなあ。でも、そうでしかいられないんだよね。名著である理由がわかったし、思ったより全然読みやすい。、

    0
    2026年04月03日
  • 人間失格

    Posted by ブクログ

    何度目かの再読
    いつ読んでも不思議と新しさを感じる
    いや、ただの痴呆か
    確実なのは読んだ年齢、状況の違いで共感部分が変わること
    また読むだろう

    0
    2026年03月28日
  • 斜陽 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    言葉遣いが本当にお美しいですo̴̶̷ ̫ o̴̶̷̥᷅

    かず子はお母様に依存しているのかな、、
    アガペーではない愛のような、なにかドロドロした、何処か歪な感情を持っている感じがしました。
    生きるとは大変なこと、それでも最後に生きる道を選んだ主人公は強くて尊敬します( ⸝⸝ඉ⤚ඉ)

    大好きな本!また読みたいです。

    0
    2026年03月21日