太宰治のレビュー一覧
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ネタバレ太宰治の作品は、『走れメロス』と『人間失格』しか読んだことありません。今度青森県へ行くので縁の物をと思い、手にした次第です。
所々挟まれる古文の引用が長く、難解でその部分は心が折れそうになりました。が、N君とのやりとり、芭蕉の話、売れっ子小説家批判、鯛の切り身、頭の形などなど、思わず笑ってしまう軽妙なやり取りも多く、心に残りました。
今まで抱いていた太宰治のイメージと違う、かわいい一面を見たという感じです。
ラストの、たけとの再会場面は自然に涙が溢れました。「生れてはじめて心の平和を体験した」太宰と「強くて無遠慮な愛情」をあらわすたけが心に沁みました。
読後感が良く、手元において何度でも -
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ネタバレ葉桜と魔笛が読みたくて購入。
私は、ただ美しい物語ではないのではないかと感じた。
妹は本当に彼と付き合って、深い仲になっていた。戦時下、時代的にもしそれが世間にバレたら命を絶たなければならないほどの秘密。
姉の手紙により、姉に知られる訳にはいかず嘘をついた(予めバレた時の用意をしていたのかもしれない)
姉は姉で、妹だけ恋愛を楽しんでいた事に嫉妬心を抱いた。
魔笛を吹いたのは厳格な父親かもしれない。けどそれは妹のためというより、自分も知った事を妹に知らしめるため。
妹が急逝したのは、自ら命を絶ったから。
全て知っていた姉が、抱えきれずに晩年告白という形をとった。 -
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苦い海に浮かぶ安寧の島「津軽」
名家津島家にとっては黒い種
友人にとっては愛すべき厄介な男、薄いつながりの糸でも大きな安らぎにしてきた哀しい人
人生では自分の人生のあざなえる縄に周りをまきこんだひと
作家として私小説という泥の浮き沈みに身を任せ、女体を巻き添えにして沈んでしまった人。生きる悲しみにあふれた生き方に流されていった人。
野獣派とはそれぞれ勝手な生き方を選んだ人々。大雑把に一括りにされた作家のひとり。
「津軽」を読めば心の底に潜んでいた悲しみに気がつく。苦しみにムチ打たれ続けた日々を書いた作品は読者を傷つける。たまたま日ごろ目を背けている自分の些細な出来事が、この苦しみの根源ではな -
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ネタバレ
大好きな本。
・p13 弟と太宰は仲が悪かったが、ふたりで故郷を離れて暮らすとお互いの気性が分かってきた。弟は修治の吹き出物を心配して薬を買いにも行ってくれた
→私自身の兄弟関係にも重なるところがあると感じた。遠く離れた場所へ来ると、お互いようやく向き合う覚悟ができる。みたいなものかな。この弟は2、3年後に亡くなったとあるけど、何でも打ち明けて話せる相手がいるというのは自分で思っているより遥かに心を強くする気がする。
・p23 弘前で暮らすうちに「め組の喧嘩」の鳶の者の格好をしようとして、股引を求めて呉服屋に聞き歩いて、結局消防士用の赤線の引かれた代物を提示されて消沈して諦める
・p5 -
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人間失格は新潮文庫で3回読んでるが、帯の場面が大好きなのと他の人の解説を読みたくて購入。自分へのクリスマスプレゼント。
帯の「それは世間が許さないではない。あなたが許さないのでしょう」という場面が1番好き。ずっと心に残ってる。筑摩書房がそこに焦点を当ててくれてこの上なく嬉しい。SNS上の不毛なやり取りにも通ずるものがある。
古典の条件は時代が変わっても新しいことにあるというが、その定義でいうと人間失格は間違いなく古典。解説にもあったが、現代の問題意識に通ずるものがある。
解説も名文だったな。気軽な気持ちで読んで欲しいというのが頭に残っている。筑摩書房と太宰の関係も知れてよかった。 -
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人と関わることへの恐怖や自己否定の感情が、痛いほど率直に描かれていると感じた。
主人公は常に他人の顔色をうかがい、道化を演じることで社会に適応しようとするが、その姿は次第に自分自身を追い詰めていく。
有名なフレーズ、「恥の多い生涯」という言葉に象徴されるように、主人公が自分を許せず、社会からも切り離されていく過程は、弱さや醜さを隠さずにさらけ出す語り口でやや不快ですらあるが、その正直さゆえに強い説得力を持っており、それに惹かれ読み込んでしまう。
暗く救いのない物語でありながら、人が人として生きることの難しさを突きつける作品である。
読む側の心の状態によって、共感にも拒否にも変わる点が、何度 -
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乙女の本棚シリーズから、ねこ助さんの「ビルディング 乙女の本棚作品集」です。収録されてるのは、新見南吉『赤とんぼ』、中島敦『山月記』、太宰治『魚服記』、堀辰雄『鼠』、夢野久作『ルルとミミ』のイラストの中から、ねこ助さん自身が選んだ作品です。このほかに描き下ろしとして、夢野久作『ビルディング』が新たに収録されています。
これまでの「乙女の本棚作品集」(しきみさん、ホノジロトヲジさん)と同様、『ビルディング』以外の作品については本編を読むことはできません。イラストを眺めながら、あぁ…そうそう、こんなストーリーだったなぁ…と、思い出す感じですので、本編を読まれてからこの作品週を手にしたほうがよ -
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ネタバレ太宰治の第一創作集。
太宰治をして「私はこの本一冊を創るためにのみ生まれた」と言わしめる一冊で、初期の作品が並び、その後の太宰治の色々な作品の種になるような短編が15入っている。
この『晩年』は太宰治が27歳のときに刊行され、それぞれの短編が書かれたのは太宰治が22〜23歳頃。
そんな若者が書いたとは思えないような、人生や人間の生々しい部分がえげつなく書かれている。
でも、どこかちょっと爽やかさもある。
短編の多くは、創作の苦しみ、世間の冷たさ、無常感のようなものが描かれている。
太宰治がそれまでの人生の中で感じていたことだろう。
この本の中に「私は散りかけている花弁であった。す -
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まず、ラインナップがよかった。
太宰には名作、傑作と呼ばれる作品がたくさんあるが、本書に収められたのはその中でも選りすぐりばかりで、太宰を今まで触れてこなかったような人でも、太宰文学のエッセンスを感じ取ることができるし、太宰特有の暗さ、ニヒルを与えすぎない。
私は太宰のニヒリズム全開の小説は好きではない(むしろ嫌い)なのだが、そうしたものはこの本には入っていない。ラインナップがいい。
この中だったら、特に「斜陽」「人間失格」は本当に良いと思う。どちらも中高生の頃に読んだが、当時は全く違う読み方をしていたと言わざるを得ない。大学生になってから読んで良かった。
前に書いた太宰の新潮文庫の方にも感