太宰治のレビュー一覧
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購入済み
男
メロスという人間は,突っ込みどころ満載である。
確かに正直で誠実な男であり,絶対に真似できない。
でも,リスク管理ができていないし,常に感情の赴くまま,全部自業自得なところがある。
ラストのくだりは面白かった。
セリヌンティウスは繊細な優しさに溢れる男に違いない。 -
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ネタバレ全体的に、ものすごく前衛的で、語り手である自分に批判的で、詩的で、難解なフランス文学を思い出した。
「魚服記」は結末の意味がわからず、父親に犯されたという解釈を読んでなるほどなぁと思うと同時に何だか後味が悪かった。
「列車」は人間の心理が深く描かれている作品だなぁと感嘆した。
「地球図」はただシロオテに同情。悲しい話だった。純粋な信仰心に感動。
「猿ヶ島」は冒頭の描写にまんまと騙されて、自分が見物されている側だったというオチをまさに体験した。
「道化の華」は、一人称と三人称が交錯する型破りな形式で、こちらが恥ずかしくなるくらい己を曝け出し自己批判に終始していたが文章が美しくて惹き込まれてしま -
Posted by ブクログ
うーん、やっぱり太宰治はおもしろいなぁ。
著者中期の14の短篇を収録した本書では、どの登場人物も貧しくて自虐的な性格なため、正直読んでいてうんざりすることも少なくなかったのですが、それでも(むしろそれだからこそ?)全ての作品を楽しむことが出来ました。
とりわけ、クスッと思わず笑ってしまいつつ、最後はちょっとほっこりした「畜犬談」には著者のユーモラスな一面を感じ取れたり、「鷗」や「風の便り」といった作品からは著者の考えのようなものを学び取れたりしました。
しかし、強く印象に残ったのは最後の2編。「水仙」と「日の出前」です。どちらも後味の悪さが醍醐味かと。とりわけ後者のラストには人間の不気味さ -
購入済み
他の作家さんの漫画版「人間失格」を何作か読みましたが、これが一番面白いコミカライズだと思いました。
絵も非常に耽美で恐ろしく、太宰治の原作のまとう空気感が表現されていると感じました。
伊藤先生のさらなる日本文学のコミカライズを期待しています。
ドグラ・マグラとか? -
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『人間失格』
文章の構成がうまい。自伝的な部分はあるにしても、それだけでは単なる自意識過剰になると分かっているので、客観的な視点を持ち込み、そして、最後に一文で、人間の複雑さを表現している。
太宰治のことはそれほど好きではないけれども(行間がうるさい、というか、「俺ってすごくない?」という主張がうるさいので)、彼の文章のうまさは本物だと思う。
『グッド・バイ』
未完が惜しまれる。
10人くらいの愛人がいる田島でも、キヌ子には形なし。その喜劇性が面白い。
『如是我聞』
実際のところ、太宰治は頭の良い人だったのだろうと思う。だから、周りの人間が馬鹿に見えて仕方ない。
それに、いつの世にも、「権 -
Posted by ブクログ
ちくま文庫
太宰治 全集 昭和17年〜18年の短編集。登場人物=著者と考えるなら 様々な太宰治が読める。明るい太宰、放蕩息子の太宰、何か待っている太宰、苦しいのに平気な顔してる太宰。
中でも 印象に残ったのは
*「待つ」何かを毎日 待っている主人公。何かは 神?赦し?
*「禁酒の心」「黄村先生」明るい太宰治は 苦しさの現れか?
*「水仙」は 天才の不幸を語っている
新郎=終わりの始まり。終わりの予感の中の生
*一日一日をたっぷりと生きていくより他はない。明日のことを思い煩うな
*このごろ私は毎日、新郎の心で生きている(昭和16年12月8日之を記せり。英米と戦端ひらく)
十二月八日=戦争