太宰治のレビュー一覧

  • きりぎりす(新潮文庫)

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    28〜33歳、中期の作品集。
    自虐と自意識の強さを、笑いながら差し出せる強さが太宰にはあったのだろう。

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    2023年07月11日
  • 津軽(新潮文庫)

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    太宰治の人間くさいボヤキが好きだけど
    この作品はけっこう笑える
    旅の終わりがじんわりエモくて
    太宰作品ではわりとレアかもしれない

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    2023年07月03日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    乙女の本棚シリーズ、記念すべき第一作目。
    少女の朝目覚めてから眠るまでの一日、その心象を描いた作品。
    少女というには時間が経ちすぎたけれど、「ああこんなこと考えていたな」と懐かしく思う箇所もあれば「今もこんなことで悩んでるな」と成長してない自分に辟易したりする、それくらい人の心に丁寧で気持ちに寄り添う物語。

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    2023年06月28日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    物語の世界に没頭したい質の私はあまり短編集は好んで読む方ではない。しかし、本書は素晴らしかった。
    太宰治の執筆活動による中期に書かれた作品集なので、晩年のとことん破滅的、反逆者的な側面は少々なりを潜めており、所々普通に笑かしてくる。
    特に「風の便り」ではお笑いコントのような軽快さで偏屈な貧乏作家と毒舌なベテラン老作家の手紙のやり取りがなされていく。突然の「馬鹿野郎」は声に出して笑った。
    だからといって、やはり太宰治なので一貫して厭世的でありネガティブである。
    太宰治は「人間失格」で完成されてしまっているので、作品順に読んでいくのもまた一興。

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    2023年05月24日
  • 女生徒

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    女生徒。彼女の移り変わる躍動感たっぷりの頭の中を無遠慮に覗いてしまったような小説だ。いけない、いけない。ねえ。お父さん。

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    2023年05月21日
  • 魚服記(乙女の本棚)

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    こういうのも書いてるんだな。一度で理解した気にはなれない話だなと思った。たったひとりの友だち、という言葉が印象に残った

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    2023年05月19日
  • パンドラの匣

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    表題作「パンドラの匣」よりも、もう一編の「正義と微笑」の方が面白い。進学のため必死で勉強してきた16歳の芹川進という少年が、自分の本当にやりたいことは何なのかと自問し、演劇の道に邁進する。全編に散りばめられた聖書からの引用が胸を打つ。
    太宰治の小説「女生徒」のような瑞々しさを感じる青春小説で、帯に強調されているような「なぜ人生に勉強は必要なのか?」という問いに率直に答えてくれるような小説とは少し違うが、人生や自分の行く道を考えるヒントを与えてくれる作品と思う。それでいてテーマをやたらと重く考えず、爽快感のある読後感を得られる作品と思う。「学生時代に読みたかった…」というのはその通り。

    反対に

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    2023年05月14日
  • パンドラの匣

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    太宰治の文章は読みやすいな。
    収録されている「正義と微笑」は日記、「パンドラの匣」は手紙、と主人公視点のごく限られた情報しかない中で話が楽しめる。
    試験勉強をしながら「数学は今後の人生で役に立つの?」と思っているのや、「「助手(看護婦)の化粧が濃いから追放しよう」と大騒ぎするのは普段もてないからその仕返し」と分析されているところ。今でも通じるものがあるなと思った。私は、助手さんたちに健康道場の人たちは随分世話になっているんだから、厚化粧だろうが問題にするべきでないと思うけれど、時代的なものもあるのかな。孔雀さんが謝って丸く収まる描写は残念だった。

    「或いはね」という主人公の口癖、女性に何もし

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    2023年05月10日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    太宰治の作品のなかで最も好きな作品。

    得体の知れない何かを待っている私。
    何を待っているのか、わからないけれど、毎日何かを待ち続ける私。

    そんな私がいることを忘れないでくださいって、怖いなと思いつつ。

    人間なら誰しも、何かを待っているし、何かを待っている私に気づいてほしいっていう気持ちがあるのではないでしょうか。

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    2023年04月28日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    島根の城下町に暮らす姉妹。
    病気の妹はある秘密を抱えていた。

    姉妹の苦悩が美しく描かれていた。
    太宰の人間描写が潔癖な乙女のように清らかで憂いに満ちていた。好き。
    紗久楽さんの絵が太宰の文と絶妙に合っていて艶やかで美麗だった。

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    2023年03月23日
  • もの思う葦(新潮文庫)

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    『私の小説を、読んだところで、あなたの生活が、ちっとも楽になりません。ちっとも偉くなりません。だから、私は、あまり、おすすめできません。

    こんど、ひとつ、ただ、わけもなく面白い長編小説を書いてあげましょうね。いまの小説、みな、面白くないでしょう。
    みんな、面白くないからねえ。面白がらせようと努めて、いっこう面白くもなんともない小説は、あれは、あなた、なんだか死にたくなりますね。』


    短編小説かと思って買ったらエッセイだった。
    面白い方ですねえ。現代を生きてたらひねくれたブログとかやたら書いてそう。
    太宰治は女生徒が特に好きで、「なんで男なのに女の子の細かな心情がわかるのかしら」と思っていた

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    2023年03月14日
  • 待つ(乙女の本棚)

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    「一体、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものはない。たた、もやもやしている」
    この一文から言いようのない焦りや不安を感じて、現代人が抱えている言いようのない不安を表しているような感じがした。
    理解が難しいけれど面白い作品

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    2023年02月18日
  • 栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック

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    『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場する本の原文が集められていて、いろんな本の入り口として触れるにはとても良い本でした。

    普段詩を読まないので寺山修司や木津豊太郎の詩を読めたのと、意外と読まないシェイクスピアに触れられたのがよかったです。

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    2023年02月12日
  • お伽草紙(新潮文庫)

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    中期の名作ですね。
    学生時代(20年近く前)何度も読みました。
    今回、津軽へ年末一人旅に行こうとする後輩のために貸し出すべく再読。
    御伽草子の筆が軽く、饒舌。

    「曰く、惚れたが悪いか」

    は名言です。

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    2022年12月04日
  • 斜陽

    匿名

    購入済み

    良くも悪くも丁寧に繊細に人間が描かれていると感じました。太宰治の小説は初めて読みましたが、明るい話ではないのに、文章が美しくて何だか不思議な魅力を感じました。

    #深い

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    2022年11月11日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。

    太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました。

    個人的に良かったのは富嶽百景の一場面で、天下茶屋の2階に寄宿している主人公が店の人間とも親しくなってきた頃、店の若い女性店員が1人で客の相手をしている時に、わざわざ1階に降りて隅でお茶を飲みながら遠巻きに見守ってあげているところです。

    そんなにあからさまな優しさを出す感じの主人公じゃないんで

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    2022年10月02日
  • 人間失格 2巻

    REO

    購入済み

    こういう人間は大抵は落ちるところまで落ちてしまう。顔と若さは生きていく上で武器になるのだと実感させられる

    #ダーク

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    2022年09月08日
  • 惜別(新潮文庫)

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    魯迅の学友の立場から、魯迅と藤野先生を見ている「惜別」。何にしても大袈裟なのはキザなポオズであって、内容には共感しても興醒めで恥ずかしい、という太宰あるあるを思い出した。

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    2022年08月28日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    序盤は敗戦直後の暗く惨めな話。一方表題作の「グッド・バイ」は妙に明るく軽くユーモアに溢れている。この振れ幅がすごい短編集。戯曲も二篇含まれている。
    短い作品が多く収録されていて、非常に読み応えがある。

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    2022年08月28日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰治「人間失格」、「斜陽」に続いてこちらを読みました。「パンドラの匣」は今まで読んだ中で明るくて読みやすかった。死に対する描写が全編にあり、太宰治の死生観が感じ取れるような気がします。

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    2022年08月07日