太宰治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
男性の存在意義はなんなのだろうか。
自分にも家庭にも臆病で、自信がなくて。後ろめたいことがあると、真っ向から向き合うことに怯えて短略的に怒鳴ることしか出来ない。仕事をしてお金を家に入れることだけが役割だったのだとしたら、今は女性もお金を稼ぐ。夫にも気を遣え、子供も育てられ、配給の情報を取り生きるために食べ物や衣服を揃えることもできる万能な女性。
男性に出来ることってなんなのでしょう。
などと、男性の家庭での必要性について考えさせられるお話でした。
ふと時間を置いてみると、この作品は男性を頼りなく魅せるために、女性の忍耐美のようなものを際立たせている気もする。私が悶々と考えた、男性の家庭での -
Posted by ブクログ
ネタバレ太宰治の作品をちゃんと読んだのは、これがはじめてかもしれない。
ほぼ「走れメロス」を小学生の時に読んだきりだった。
中高6年間教わった国語の先生は、あまり太宰がお好きでなかったため、太宰に対してはネガティブな印象を持っていた。
しかし、今回、青森への旅を機に読んでみて、その印象は好ましいものへと変わった。
津軽への帰郷の旅行記という体裁をとる本書は、戦時中にもかかわらず、道中始終酒を飲み、
世の中に、酒というものさえなかったら、私は或いは聖人にでもなれたのではなかろうか
などと述懐するあたりの人間臭さがよかった。
最後に太宰が、自分の育ての親とも言うべき女性と再会する場面 -
Posted by ブクログ
すきなひとを生きる目的と、革命の源泉だと言い切る主人公。それは、妾という一般の道からは外れた形だったがその潔さと無垢な姿勢は美しさすら感じた。
主人公の弟の遺書にある生きる目的が母親しかないという部分は共感した。
自分もお酒をよく飲む。騒ぐ。女とも遊ぶ。でもそれが心の底で求め、楽しいと感じることができる時間ではないと意識の裏で思う。
主人公の弟は母親にものすごく愛されていたのだと思う。母親の大きな愛は異質ともいえる力、長く覆いかぶさるような影響力を持つ。
愛されすぎてしまった人間は他の幸福が入り込む余地がなくなり、転じて空っぽになってしまう気がする。