太宰治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今更ながら太宰治の文章って綺麗で読みやすいなと…一つ一つの描写をどうしてこんなに豊かに描くことができるんだろう。「貴婦人らしさ」の表現が巧みで印象的。スープを食べている場面とか。
貴族の滅亡。物語に登場する貴婦人(母)は、かぼそく今にも崩れ落ちそうな存在である一方、斜陽のような明るさだ。どことなく芯に強いものが感じられるのは、彼女が滅びることが避けがたいものとして受け入れているから。
以下は書評にあった文章抜粋。まさにこれだよね、という感じにまとめてくれていて分かりやすかった。
太宰治の生と文学は下降指向のそれと言ってよい。悪しき秩序、権力とたたかうためには、まず自分の中にあるそれらとた -
Posted by ブクログ
今まで読んできた太宰の小説の中で最も主人公がワクワクしているような気がする。概ね健康な印象を受けた。
太宰の人柄……常に他者の目線を意識しており、自分に自信がない。でもキザ。不器用な人間。まあモテるだろうな、と思う。
少年時代の描写について:
たかが、十里(約40km)、されど十里。少年時代の小旅行は、別の惑星に行くようなものだったんだろう。私も田舎者なのでわかる。
作中に出てくる太宰のファッションが、おそらくダサい。おのぼりさんルックという感じで愛おしい。慣れない場所に出たとき、ちょっとでもいい服を着て背伸びがしたくなるのは当然のことだ。
大人になってからの描写について:
太平洋戦争真 -
Posted by ブクログ
学生時代、『待つ』を読んだ時に、この短い文章でこれだけ不安定な心情を表現できる文豪の才に衝撃を受けた記憶があったのと、乙女の本棚シリーズの本が欲しいなと思っていた頃にたまたま書店で見かけたので購入。
最初の数ページは、百年前の太宰の語りと、現代調のイラストに隔たりを感じたが、しだいに、じわじわと、この作品で語られている心許なさとイラストの虚無な眼をした少女が重なってきて、何度も読み返してしまう。眺めれば眺めるほど、小説世界を深掘りしていく耽美で病みを抱えたイラスト。
関係ないけど、ゲスの極み乙女の「id1」という曲に「ぼくらは少しだけ明日を待ちすぎてる気がする」という歌詞があるのを思い出し -
Posted by ブクログ
太宰治晩年の短編集
戦中の疎開中の出来事としての話しが多い
そして晩年ということで
なかなか苦しい生活の家庭や
それをかえりみずに
家に寄りつかない男の姿
健気に子供を抱えながら支える
妻の大変さ
などなどまるで自分のことのようだけれど
はたして本当に
こんなふうだったのか
それとも自分の不甲斐なさを
嘆きつつそんな男ばかり
物語上に登場させているのか
「おさん」では
愛人と出かけたまま帰らず
妻は諏訪湖まで遺体を受け取りにいく
いつしか心の中は
こんな将来でなければならないと
思い込んでいったかのよう
軽快な楽しい、しかもオチがあったり
そんな文章からは
お茶目な一面をうかがわせるが
本当 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いが、誰に感情移入をすれば良いのか、何をテーマとして考えれば良いのかがわからなかった。前半は華族が徐々に困窮していく様子が描かれていたが、後半には恋愛模様が入ってくる。直治の絶望もそこまで描かれることなく、あっさり自殺してしまった。かず子の恋愛も上原に会いにいく前の心情、手紙、会っているときは面白かったが、あっさり終わってしまった印象。解説でも言われているように「膝を叩きたくなるような文章」はなかったように思える。
解説を読んだことで『斜陽』の読み方がわかった。
母と娘がだんだん落ちぶれていく。それと同時にかず子は思想が浅く飲んだくれの上原に惹かれていく。母が結核で死に、直治が