太宰治のレビュー一覧

  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    周囲の反対を押し切ってまで結ばれた、うだつのあがらない絵描きとの貧しくも幸福な結婚生活から一転、妻から夫への三下り半。
    あなたは絵が売れてお金を手にしてすっかり変わってしまったわね、と。思いがけない好転と裕福さは、彼女を怯えさせた。(寄り添うようにずっとそばにいてくれる黒猫ちゃんがめちゃ可愛い。)
    別人のようになった夫の一挙手一投足にそら恐ろしさを覚える日々にいよいよ限界がきた様子で、そのときの心情が淡々と綴られていく。

    「あなたは、気違いです。」はちょっと辛辣すぎて笑ったけど、でもとても心の綺麗な奥さん。夫よ、これは失ってから気づかせるタイプの大切さだぞ……。
    読み終え、「おわかれ致します

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    2025年07月16日
  • 斜陽

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    平等や旧来の道徳、それらをめぐる同調圧力の存在を、没落華族の視点を借りることで、より痛切に、アイロニカルに浮かび上がらせる筆致。すさまじい。まるで今の世の中にいる自分の身の周りについて指摘されているかのようで、胸がざわざわする。

    生まれながらに手にしていたステータスを剥奪され生身の人間として再出発するのには、裸を晒すかのような抵抗感を伴っただろう。
    かず子2.0。
    だからこそ、生き抜くことが革命だ。

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    2025年07月11日
  • 惜別(新潮文庫)

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    両作品とも読み切るのきつかった。これは時間に余裕のある時でなければ読めない。
    右大臣実朝の物語が頭になかなか入ってこなかったのは登場人物の数が多いのと登場人物の呼称が一貫してないためだった。wikiであらすじ、登場人物表見ながら読んだ。ここで古典の苦手意識が再起されるとは。ただたまにはこういう文章も読みたくなる。
    惜別も解説で言われていたが文章に勢いがなく読むのがキツかった。ただ一文一文は面白い。魯迅著の藤野先生、故郷を読みたい

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    2025年07月10日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    ネタバレ

    戦前戦中の価値観が、敗戦という日本人にとって大きな出来事の影響で、とてつもなく大きく変化した時代。
    これはもう、想像するしかないのだが、その時代に身をおいた人々の混乱はいかばかりか。

    太宰治のイメージは、女々しくてグダグダ考えすぎ…な部分もある、なんて若い頃は思ったけれども、歳を重ねた今読むと、また違った印象になるのかもしれない。

    上原のあのセリフはちょっとドキッとする。

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    2025年07月09日
  • 晩年

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    初めての太宰治、岩波文庫でした。
    正直な感想は言葉遣いや言葉そのものも難しく、ひとまず読み切ることを目標にしておりました。
    注釈も多くついているので、じっくり1章を読むことが必要だと感じました。
    ただ、昨今のスラーっと読める本も素晴らしいですが、後世に残っている本や語り継がれる本はこういった文学なのだと感じました。

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    2025年07月09日
  • ヴィヨンの妻

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    詩人としてそこそこ活躍しているが、酒場でツケを踏み倒して暴れる夫。そんな芸術家肌の夫に振り回される献身的な妻が主人公。献身的とはいっても自我は案外冷めていてかつ大胆だ。この掴みどころがない妻の性格が妙に魅力的に思え、太宰治の書く女性の語り口も『女生徒』同様達者だなぁと感じ入る。戦後直後の混沌としたムードも作品の世界観に存分に貢献しており、そのなかでもたくましく生きるというメッセージ性も(たぶん)ある。最後の妻のセリフ「人非人でもいいじゃない。生きていさえすればいいのよ」にすべてが込められていると思った。

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    2025年07月07日
  • 人間失格 グッド・バイ 他一篇

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    人間が好きでたまらない自分と
    人間が怖くてたまらない。何も信じられない葉蔵
    人と話すことが好きで、人は話せば分かり合えると心の奥で思っている自分との違いに驚く。
    ぐるぐるぐるぐる考え続け悩み続け深く潜っていく様が、自分の浅さを突きつけてくるように感じた。

    人生を深く味わいたいと思っている中で、この本を読めたことは、意味があると思う。

    噛んで噛んで深く味わえるものかもしれない。本棚に置いておくことにする。

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    2025年08月14日
  • 人間失格

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    一人の人生を読んだ。正直、重いし薄いし楽しくはないけれど、案外そんなものなのか、と思う。
    どこか安堵。

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    2025年07月02日
  • 走れメロス・東京八景 他五篇

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    「駈込み訴え」「走れメロス」を読み終えての感想。
    太宰治を初めて読んだのは中学の国語の授業。担当の先生が太宰治は嫌いと言いながら教えられたこともあってか苦手に感じておりそれ以来読んだことはなかった。しかし、そんな国語の先生の影響で読まないなんてもったいなくない?とふと思い十数年ぶりに手に取った。授業では嫌いだったけれど、おいメロス!と心の中でツッコミながら自分のペースで読むメロスはなんて面白いんだ。テンポも早く、苦手と思っていたのにこんな読みやすいなんて。今まで避けてきた分もこれからどんどん読んでいきたい。嫌いと言っていてごめんなさい、太宰さん。

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    2026年01月11日
  • 斜陽

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    とりあえず『斜陽』という題名の素晴らしさに感じ入った。斜陽という美しくも悲しい響きと、生活能力のない元貴族が落ちぶれていく様がリンクしていた。貴族なんて縁のない私でも、要所要所で共感しましたよ。親を失う恐怖、些細なきっかけでズブズブはまる恋、生きていたって何になる、という投げやりな気持ち。心の機微が文章に乗っていてふと、泣きそうにすらなってしまった。『人間失格』ほどではないが暗い気持ちになったので次はユーモアのある太宰治の本を選びたい。

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    2025年06月30日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    はい、というわけで47オネェは治ちゃんの『きりぎりす』ですよ

    これで『乙女の本棚』は既刊全部読んで追いついちゃったのかな?
    作品集はあるけど、それはまぁ読む(見る?)気は今のところありません

    はいはい、治ちゃんね

    これはね〜
    なんか非常にすっとした
    清貧のこころよね
    ひと言で言うと

    成功してなんか卑しくなっちゃった夫に、こんなはずじゃあとがっかりした妻が別れの決意表明!というお話です

    俗に言う「がっかりこん」ですな(初耳!)

    いやでも、うんうん治ちゃん分かるわ〜となりました

    『乙女の本棚』なので、絵にも触れたい
    絵のタッチとしては非常に好み!なんだけど、切り取り方がね
    うーん、そ

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    2025年06月29日
  • 晩年 アニメカバー版

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    初期の太宰治作品で、その多くが太宰自身の実体験に基づいて書かれた小説。作中に、小説を書いた際の心情や苦悩などが詰まっており、太宰がどんな思いで綴ったのかを文章から想像できる。

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    2025年06月28日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    戯曲もおもしろかった

    現代でもおもしろい、表現や着地がすごい

    グッド•バイも完結してほしかった

    あの時代で書くことへの執念がすごい

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    2025年06月21日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    太宰治文学忌、桜桃忌
    1935年 昭和10年の作品

    1896年ロンドン
    はるばると海を超えてこの島に着いた私
    不安の中島を巡り歩く
    島は孤島ではなく動物園らしき内側
    孤独〜不安〜島での安寧を知るも
    好奇の目はある、自由はない
    太宰治、まさかの叙述トリック

    すり餌さんの和風の色合いデザインが素敵
    まさかの描出トリック?
    太宰治と一緒に騙してくれます
    さて、束縛の安寧か
    不穏な自由か

    ロンドン博物館附属動物園で2匹の猿の逃走から
    の着想

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    2025年06月19日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    独白。女々しくなくさっぱりしてた。
    素敵な女性だなぁと思った。
    男性一人称のはかなり女々しく感じるけど、女性一人称のは相手の男性が悪く見える。やはり太宰治の作品の男性登場人物はクズっぽい。

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    2025年06月15日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    今井キラの絵が少女の目が無感情で、原文通りなのに、違った印象を与えてくれる。名作短編というのはこういうことができるから、いいよな。

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    2025年06月14日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    うん、これは確かに乙女の本棚だ。絵も内容にふさわしい。
    今の乙女も共感できるのではないか。いや、自分は乙女ではないので、実際のところはわからないのだけれども。少なくとも初老の男にそう思わせるだけの「女生徒」が、そこにはいたね。
    スマホなどの、今の女生徒に欠かせないアイテムが出てこないことだけが、現役作家との違いかな。
    今だったら、芥川賞を受賞できるかもね。

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    2025年06月14日
  • ヴィヨンの妻

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    4.0/5.0

    「戦後」「家庭」「浮気」…
    この時期の世の中の情勢と太宰個人の環境がそのまま太宰治の作品のテーマになっていると感じた。
    その中でも特に『トカトントン』に感銘を受けた。
    戦争と軍国主義が砕け散った後のニヒリズムが繊細に描かれている。
    日中戦争、太平洋戦争、そして戦後…激動の時代の中で作家として数多くの作品を残した太宰治の変わらぬ絶望感を感じた。

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    2025年06月13日
  • 文豪死す

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    文豪たちの遺作を集めた本。
    太宰治のグッドバイ、初めて読んだけど続きがめちゃくちゃ気になる…!!!

    各作家の作品のあらすじ紹介がわかりやすくて、面白そうで、読んでみたいのをたくさん見つけられた。
    名作系にハードルの高さを感じていたけど、作家のあらすじや経歴をみて、だいぶハードルが下がった。

    夢野久作知らなかった!女坑主は読み終えたあと「あの時のあのセリフはどういう意味?」ってなって読み返してしまった。

    読んでみて良かった。自分の読める小説が広がりそう。

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    2025年06月15日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    太宰治の凄さかな。今読んでも古びれず。清貧な心と愛情深い人。価値観の相違は、如何ともし難いか。夫婦間で、この真逆もありかも。それは、見合いでは、見抜け辛いであろう。いやはや…。

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    2025年06月11日