太宰治のレビュー一覧

  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    独白。女々しくなくさっぱりしてた。
    素敵な女性だなぁと思った。
    男性一人称のはかなり女々しく感じるけど、女性一人称のは相手の男性が悪く見える。やはり太宰治の作品の男性登場人物はクズっぽい。

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    2025年06月15日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    今井キラの絵が少女の目が無感情で、原文通りなのに、違った印象を与えてくれる。名作短編というのはこういうことができるから、いいよな。

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    2025年06月14日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    うん、これは確かに乙女の本棚だ。絵も内容にふさわしい。
    今の乙女も共感できるのではないか。いや、自分は乙女ではないので、実際のところはわからないのだけれども。少なくとも初老の男にそう思わせるだけの「女生徒」が、そこにはいたね。
    スマホなどの、今の女生徒に欠かせないアイテムが出てこないことだけが、現役作家との違いかな。
    今だったら、芥川賞を受賞できるかもね。

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    2025年06月14日
  • ヴィヨンの妻

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    4.0/5.0

    「戦後」「家庭」「浮気」…
    この時期の世の中の情勢と太宰個人の環境がそのまま太宰治の作品のテーマになっていると感じた。
    その中でも特に『トカトントン』に感銘を受けた。
    戦争と軍国主義が砕け散った後のニヒリズムが繊細に描かれている。
    日中戦争、太平洋戦争、そして戦後…激動の時代の中で作家として数多くの作品を残した太宰治の変わらぬ絶望感を感じた。

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    2025年06月13日
  • 文豪死す

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    文豪たちの遺作を集めた本。
    太宰治のグッドバイ、初めて読んだけど続きがめちゃくちゃ気になる…!!!

    各作家の作品のあらすじ紹介がわかりやすくて、面白そうで、読んでみたいのをたくさん見つけられた。
    名作系にハードルの高さを感じていたけど、作家のあらすじや経歴をみて、だいぶハードルが下がった。

    夢野久作知らなかった!女坑主は読み終えたあと「あの時のあのセリフはどういう意味?」ってなって読み返してしまった。

    読んでみて良かった。自分の読める小説が広がりそう。

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    2025年06月15日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    太宰治の凄さかな。今読んでも古びれず。清貧な心と愛情深い人。価値観の相違は、如何ともし難いか。夫婦間で、この真逆もありかも。それは、見合いでは、見抜け辛いであろう。いやはや…。

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    2025年06月11日
  • 富嶽百景・女生徒 他六篇

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    ネタバレ

    【女生徒】
    眼をさますときの気持ちで始まって、眠りに落ちるときの気持で終わっている。朝はくたくたで厭世的で後悔に満ちているけど、夜は客観的に遠くから自分を俯瞰して、冷静になっている感じがする。「幸福は一夜おくれて来る」という言葉に、厭世的な朝の気持ちと、希望を持ちたいと思っている夜の気持ちが、集約されている感じがした。
    日常の中の、哲学的で自分について考える時の細かい心の動きが、とても繊細に描かれていて、分かるなと感じる部分がたくさんあった。

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    2025年06月06日
  • 人間失格

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    昨夜から読んでいた『人間失格』を読み進めた。太宰治は、 小説家である前に一人の人間で、ただ自分を見つめる術として小説を書いていた。
    どの自分が本当で、どの自分が嘘なのか。いつもおどけて見せて、人を笑わせようとする。嫌われたくない、嫌われないように人に好かれるように生きることに長けている。『人間失格』は、太宰の遺書のようなもので、陰気臭さを感じるのはいうまでもない。女性と心中しようとしたがために、家族と縁を切られ、その日その日を生きながらえて行った。女性に生き、女性に死んだ人生だった。

    太宰治は、本当にモテる人だったようだが、女性が勝手に助けてくれていたようだ。というのも、女性の扱い方を心得て

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    2025年06月04日
  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    終戦後から自殺するまでの3年間に書かれた短編集。著者の反抗精神が随所に出てくる

    新潮文庫 太宰治 「グッド・バイ」

    最初の短編「薄明」に描かれた 敗戦直後においても「捨て切れない一縷の望み」とは、田舎臭さや乞食根性が持つ 人間の自由思想、反抗精神、高貴さのことかな、と思って読んだ

    「苦悩の年鑑」「十五年間」は、言葉のインパクトが強いが、ストレートな敗戦国民の心情を理解することができる作品だった


    「春の枯葉」の「人間は現実よりも、その現実にからまる空想のために悩まされている〜世の中は決して美しいところではないけれど、無限に醜悪なところではない」は名言


    昭和22年に書かれた「メリイ

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    2025年05月31日
  • きりぎりす(新潮文庫)

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    年代の違いを埋めるほどの魅力を感じる。
    もう一度改めて読みたくなる。
    ※記録「きりぎりす」、「風の便り」

    「風の便り」が特に良かった
    自分はバンドマンで、歌詞を書く。芸術家としての何たるかを知らしめられた。芸術なんてない、人生、事実、もっとリアリズムのこと。誰かの頭の中で実際に存在する。想像と現実のどちらがリアリティがあるのかなんて、なんとセンスのないこと。

    とにかくやり続ける事、辞めないっていう才能。
    努力の矛先が注ぎ込めるほどの大きな器を持っているのなら、幸せな事だと実感した。

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    2025年05月29日
  • 斜陽

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    解説の中に「太宰は明るさと暗さを対立的にとらえるのではなく、暗さの中に明るさを、明るさの中に暗さをみる眼をもっていた。」とあり、とても腑に落ちた。人生がガラガラと崩れていくかず子の中にも強さだったり明るさがあった気がする。だからこそ、最後まで読めたと思う。


    待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり憎んだり、色々の感情があるけれども、けれどそれは人間のほんの一パーセントを占めているだけの感情で、あとの九十九パーセントは、ただ待って暮しているのではないでしょうか。幸福の足音が、廊下に聞こえるのを今か今かと胸のつぶれる思いで待って、からっぽ。ああ、人間の生活って、あんまりみじめ。生

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    2025年05月23日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    さすが、途中で人間ではないなとは気づいたが、イラストと一体化した乙女の本棚ならではのトリックとなり読んでいて、イメージが絡まり楽しかった。
    最後はなるほど!これが題材なのねと感嘆⭐︎

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    2025年05月21日
  • ヴィヨンの妻

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    太宰の書く魅力あるダメな男は相変わらず良いのだが、
    女の弱いからこそのしたたかさ、強さが書かれていて良かった。
    同じような話が続くがそれぞれ楽しめる。

    母、おさんが特に好きだった。
    けして明るい気持ちにならないのに、また読みたいと思わせられる。
    文章が上手いし、根本が暗すぎて惹かれる。

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    2025年05月21日
  • パンドラの匣

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    どちらも明るく読みやすい作品だった。
    この小説を読んで知ったのだが、太宰は聖書を読んでた。
    解説にもそう載ってたし、この本の中にも時々出てくる。

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    2025年05月16日
  • 人間失格

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    徹底した自己開示と自己批判に見せかけて、
    弱い自分を全面に出してくるこの自己愛の病理こそが、
    太宰そのものなのだろうか。
    青春というよりも、
    限りなく未成熟な、
    皮膚がまだ完成していないような自我を、
    ここまで剥き出すことができるのが、
    また文学の意味でもあるか。

    いずれにせよ文学として昇華されたと見えて、
    当の本人は自殺してしまっているので、
    ただの遺書ということだ。
    そこに意味を見出して、
    未だに多くの人に読まれるわけだから、
    巡り巡って文学として成仏するのか、太宰の魂は。

    一方で大変興味深いのは、
    延々とつきまとう不安と恐れについて、
    そしてそれを防衛するための「お道化」の描写が、

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    2025年05月16日
  • ろまん燈籠(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ろまん灯籠」が読みたかった。
    個人的に、小説の中で登場人物たちがそれぞれ物語を書く、それぞれの人物に合わせてちゃんと内容に人柄が表れるよう仕上げてある、というところがおもしろかった。
    太宰治もこれを書くのはおもしろかったんじゃないかな。

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    2025年06月24日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    これは「大人の絵本」。(そのまんま笑)

    その昔深夜にやっていたそっちの意味じゃなくてね。(知らなくて興味ある方は調べてみてもいいけど、結果に責任は持ちません笑)

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    2025年05月13日
  • 斜陽

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    人から勧められて読みました!

    何となくですが、太宰治は直治に自分を投影していた気がします。自分の死生観や世間に対する考えを彼を通して叫んでいた、そんな気がしました。

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    2025年05月10日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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     読み終わって、ほおっと嘆息が漏れました。

     これは、19歳で風采の上がらない貧しい画家に嫁ぎ、5年間の結婚生活を経て、夫となった男の本性が少しずつ露わになる中で、その違和感に苦しんだ挙句に、別れを告げることを決意した妻が、夫にしたためた手紙です。

     「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。」で始まる太宰独特の語り口は、淡々と、しかし、ひりひりと妻の心情を伝えます。

     本の帯に書かれた「小説としても 画集としても 楽しめる 魅惑の1冊」という言葉そのままに、しまざきジョゼさん書き下ろしのイラストは、読解を助けるとともに、作品の風情を視覚化して空気感を画にしているかのようです

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    2025年05月10日
  • 斜陽

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    かず子も直治も、心底真面目な人なんじゃないかと思った。根が真面目なあまり羽目を外しきれないし、終戦で世の中が根底から変わったことに対応できなかったのでは?それは本人達のせいではなく、「華族とはこうあるべき」のような教育やモノの見方がされてきたからだろうと感じました。結局、市井の人への憧れが上原であったり、上原の妻であったりしたのかもしれない。
    しかし、やっぱりこの太宰治という人は天才だと強く感じました。

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    2025年05月06日