太宰治のレビュー一覧

  • 人間失格

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    私個人の身の回りで、「楽観的に、人生を謳歌し、苦痛のない人」は一人としていない。
    皆心のうちに悩みを抱えている。今ではなく、その時々のライフステージにおいて付き纏う。

    大変恵まれた門出の主人公もそんな一人。
    自らを偽り道化として振る舞い、周囲の大人の信頼を得て、簡単に女を手に入れる。どこで道を誤ったのか。
    酒に溺れ、金に苦心し、手に職をつけられる根気は養われず、薬物中毒者として世間より隔離された。

    人間らしい、それでいて分岐点が無数にある人生の選択を悉く誤ったものを失格者と呼び捨てるのは、太宰治自身の人生の後悔を表しているのだろう。

    二つの道の選択がある時に、「より困難な道を選ぶ。そうす

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    2026年07月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    太宰治は本作においても自身の経験▪️思想を元にした生きづらさを描いており、かつそれが非常に切実であると感じた。
    本作では主人公やその家族が生の理不尽に直面するが、それぞれの登場人物が感情の非合理によってそれに対応する様が大変生々しかった。

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    2026年07月25日
  • 晩年(新潮文庫)

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    やっぱり太宰治の作品は、私自身にとても刺さる。

    人間的に弱くて、けれど自分ではそこそこのプライドを持っていて、そういう人物がたまらなく面白い。

    道化の華という短編、本筋自体は普通なのだが、太宰自身が介入することで面白さを倍増させている。

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    2026年07月22日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    『斜陽』は、日が傾き、沈みかけている状態。
    その様子に重ねて、勢いが衰えていくことを表す。

    この作品は、貴族の没落を描いている。

    本文中に、
    「けれども私たちは、古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生きるつもりです。」
    という一説があるが、太陽について述べているのはここだけだと思う。

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    2026年07月20日
  • 猿ヶ島(乙女の本棚)

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    捕らえられ、動物園の檻に入れられ、見せ物にされた猿たちが状況を把握し、己の尊厳を守るため最終的に脱走する話。
    現代の我々に当てはめるなら、知らないうちに管理社会に取り込まれ、自由は制限されるが食べるに困ることもないといつの間にか支配されることさえ迎合してしまうか、己の尊厳のために戦い支配を打ち破るか。
    そんな教訓を感じた物語であった。
    太宰にしては人権的で真っ当なストーリーだけど、同時に太宰節っぽい内省的過激さも感じられて面白かった。

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    2026年07月13日
  • 人間失格

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    ずっと暗くなりそうで読んでいなかった作品。
    太宰の人生に準えるようなあらすじで、徐々に荒廃して行く様がありありと伝わる。
    蘇我太宰の作品も読んでみたいと思った。

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    2026年07月08日
  • 晩年(新潮文庫)

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    この短編集は遺書のつもりのようだけれど
    なかなか遺書にしては
    面白いものも多い
    たとえば小説を書きながら、
    自らの心の声まで加えてしまう
    突然小説の中に自らが現れて
    なんだか愚痴をつぶやく
    小説の内容に自らが照れているかのようで
    かわいい感じもする
    これは読者への罠なのかも‥

    「道化の華」の締めくくり方もまたいい
    『‥そして、否、それだけのことである』
    太宰治らしく感じる

    もうひとつ
    「陰火」の中の「紙の鶴」の最後の一文がかわいい
    『‥まずこの紙を対角線に沿うて二つに折って、
    それをまた二つに畳んで、こうやって袋を作って、それから、こちらの端を折って、
    これは翼、こちらの端を折って、これは

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    2026年07月05日
  • ヴィヨンの妻

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    特に印象に残ったのは『ヴィヨンの妻』『おさん』
    破滅的な生活をする夫との家庭が、妻目線で語られています。
    これを太宰治が著しているというのが、余計になんとも言えない気持ちになりました。

    特に『おさん』のラスト。
    この妻の心情を綴っておきながらの、太宰の現実。
    重いし、切ないです。

    『親友交歓』は、呆れつつもクスっと笑えるおかしみがありました。

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    2026年07月05日
  • 津軽(新潮文庫)

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    この作品もすごく良かったです。ほのぼのとしていて、故郷である青森に帰った太宰治が思い出の 逢いたかった人 に逢えるまでの紀行文です。太宰さんの友達やその人達との会話や食事、こんな生活を送っていたのだなと知ることができます。特に太宰治さんが気になるけど、どんな特徴があるのか分からないよという人におすすめです。ただ、読み方や意味が分からない漢字が出てきたりなどと読むのに少し苦戦しました。
    ご興味あればご一読くださいね。

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    2026年07月05日
  • 二十世紀旗手(新潮文庫)

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    太宰治27才、28才の頃の作品
    晩年を発表したあとの
    一番やさぐれでいた頃というか
    まともな精神状態ではいられなかった頃
    とのこと
    病気のために使用した鎮痛剤が
    中毒となりさらにひどい状態に
    周りをヤキモキさせていたようです
    この中のどの作品も
    まるで自分を卑下しているかのような
    すべてをさらけ出しているような
    おかしな小説ばかり
    自分宛の手紙を並べただけの小説もある
    が、それもこれも
    すべて計算ずくできっと
    本当の小説なんだろうと言われている
    どこまでが本当でどこまでが創作なのか‥
    すべてひっくるめて
    太宰治の作品なのでしょう
    そう思うと
    なかなかの作品ばかり
    一捻りも二捻りもしてあり
    さぞ

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    2026年07月02日
  • 斜陽

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    人間は、恋と革命のために生まれてきたのだ。

    このセリフに触れたいがために読んだ。
    太宰が何を伝えたいかあまりわからなかった。
    病的なほどの愛をか?
    きっとこの先読み返すことになる作品なのだとは思う。

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    2026年06月29日
  • 斜陽

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    ネタバレ

    太宰治作品初読です。全体的に決して明るくはないが、良い意味で淡々としていて、それでいて穏やかさの中にどことなく不安感を感じる、不思議な文章だなぁと思いました。雰囲気がとても好き。

    同じ家族といえど、母は最後の本物の貴族として、弟は崩壊した社会に馴染めなかった元貴族として、自身は貴族としての傲慢さは捨てずに変わっていく社会に挑んでいく元貴族の革命家として三者三様に描かれていて、この対比構造が綺麗でした。

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    2026年06月29日
  • 斜陽

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    かず子と直治の対照的な結末が印象的。

    かず子の上原への一直線なアプローチ。
    狂気すら感じる一方で、その逞しさにも惹きつけられました。

    時間を置いて読み返すと、また違った感想が出てきそうです。

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    2026年06月28日
  • ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。夢野久作のビルディングが収載された、ねこ助さんの作品集です。

    ビルディングは、とっても短いストーリーですが夢野久作らしさが全開。ねこ助さんのイラストが、より一層作品にパワーを与えていました。最後のシーンの可愛らしさと不気味さの混じった様子が印象的でした。

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    2026年06月25日
  • ヴィヨンの妻

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    おさん、ヴィヨンの妻、家庭の幸福、桜桃と篇を追うごとに作品が暗さを増していく。
    特に家庭の幸福で書いてあった役人への不満は圧巻だった。
    東大という、国内で一番役人や政治家、経済に明るい人たちを輩出する学校に通っていた人間が、ここまで税金や政府の発言を忌み嫌う言葉を紡ぐ様子はさすが太宰治だと思った。

    生きることへの絶望、自殺への執着心がありありと感じられる作品だった。
    だいぶ病んでいるけど、アフォリズムが散りばめられているので現代人にも共鳴できる部分がある。

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    2026年06月25日
  • 斜陽 アニメカバー版

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    面白かった。文章綺麗だね。教養がないと難しいなぁ。ゲーテとかさなんかこの辺の時代背景関連なんも知らんし

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    2026年06月22日
  • 人間失格

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    幼い頃から人間という存在を恐れ、道化でごまかしてきた主人公。人間である以上逃れない「人間の条件」から逃げ続けた末に、やがて破滅へと至る過程がとてもドライに描かれている。

    自分にとって苦手なことや、時には恐ろしいと感じることは、人生の中でいつかは決着をつけなければならない。そんなことは誰にもいくつかはあるはずだし、だからこそ誰もが何らかの歪みを内に秘めているのだと思う。主人公の惨めな生き方に腹が立つと同時に、心情的に妙に共感できる部分があるのも多分それが理由だろう。

    読み終えたとき、とても暗い気分になり、このストーリーをどう受け止めれば良いのか混乱したが、自分の内面を映す鏡として機能している

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    2026年06月22日
  • 晩年 アニメカバー版

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    「思い出」が一番好き。
    太宰治はよく、「この感情に共感できるのは私だけなのでは…」と多くの思春期自意識バリバリの少年少女を勘違いさせてくれるが、それを全て煮詰めて短編にしてくれた感じ。
    本当に上手いなぁ…

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    2026年06月22日
  • 人間失格

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    恥の多い生涯を送ってきました。
    どんな人にも言える言葉ではないだろうか。

    他人を信用出来ず道化に徹する葉蔵。
    誰もが社会で生きていくにあたりその時々の仮面をつけている。職場、友人、家族……環境によって自分を演じ分けるのは皆そうではないだろうか。

    特に刺さったのは堀木と母親の場面。
    堀木は世渡り上手で人間的な人物として描かれていると思った。葉蔵がやや軽蔑していた堀木が、家ではしっかりしていてお母さんを敬い別人のよう。自分と同類、あるいは下に見ていた人間が実は内と外の顔を持っていて、世界にずっと適応していた、自分とは真逆の存在だったと突き落とされる。
    この子はこちら側だと思っていたのに、と勝手

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    2026年06月19日
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛

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    姉妹(もしかしたら父親も)の愛情のある絆が感じられるお話。
    イラストも可愛らしく、マッチしている。
    9頁目のイラストがきれい。

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    2026年06月19日