太宰治のレビュー一覧

  • グッド・バイ(新潮文庫)

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    愛人との別れのセリフが「グッド・バイ」だってぇ。キザなやつ!!!!そんな色男気取ったいけ好かない男が主人公のこの作品。ちょっと今までの太宰作品とは毛色が違う。私は音読して読んでいるのだが、太宰史上一番読みやすかった。そして青空文庫で読んだのでこの作品が未完なのを知らなかったのだ。さあこれから!と興が乗ってきたところでブッツリ終了。息を吸ったまましばし呆然。文章もセリフもテンポが良く、主人公のキャラもヒロイン?のキャラもぶっ飛んでいてとても面白かったのに。あああ残念。

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    2025年10月30日
  • 津軽(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太宰治の作品をちゃんと読んだのは、これがはじめてかもしれない。
     ほぼ「走れメロス」を小学生の時に読んだきりだった。

     中高6年間教わった国語の先生は、あまり太宰がお好きでなかったため、太宰に対してはネガティブな印象を持っていた。
     しかし、今回、青森への旅を機に読んでみて、その印象は好ましいものへと変わった。
     津軽への帰郷の旅行記という体裁をとる本書は、戦時中にもかかわらず、道中始終酒を飲み、

    世の中に、酒というものさえなかったら、私は或いは聖人にでもなれたのではなかろうか

    などと述懐するあたりの人間臭さがよかった。

     最後に太宰が、自分の育ての親とも言うべき女性と再会する場面

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    2025年10月18日
  • 斜陽

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    すきなひとを生きる目的と、革命の源泉だと言い切る主人公。それは、妾という一般の道からは外れた形だったがその潔さと無垢な姿勢は美しさすら感じた。

    主人公の弟の遺書にある生きる目的が母親しかないという部分は共感した。
    自分もお酒をよく飲む。騒ぐ。女とも遊ぶ。でもそれが心の底で求め、楽しいと感じることができる時間ではないと意識の裏で思う。
    主人公の弟は母親にものすごく愛されていたのだと思う。母親の大きな愛は異質ともいえる力、長く覆いかぶさるような影響力を持つ。
    愛されすぎてしまった人間は他の幸福が入り込む余地がなくなり、転じて空っぽになってしまう気がする。

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    2025年10月10日
  • パンドラの匣

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    正義と微笑
    自分にできることから、前向きに始めていこうと思えた。

    パンドラの匣
    何かを思って本当の気持ちを隠したり、言いたいことが言えなかったり。それはよくあることだと思う。
    ひばりの言う通り、飾らずに在ることで、自分らしさというものが見えてくるような気がする。

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    2025年10月09日
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇

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    斜陽、人間失格、どちらも10代の頃には衝撃的で、自分の価値観に大きな影響があったように思う。特に斜陽で、お母様がナイフとフォークを使う時、型にとらわれず、優雅に美味しそうに食べる様には憧れちゃって、今だに真似しようとしてる(笑)。今、もう一度読み返すと、そこまでのめり込めなくて、やはりあの頃は感受性が豊だったんだと感じた。

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    2025年09月30日
  • 太宰治短編集 走れメロス・女生徒など

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    小学生が読むには難しい言葉も多いけれど、ストーリーを理解することはできてました。
    私も読み終え、太宰治ってめんどくさそうな人だなぁと感じつつもそれはそれで面白かったです。

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    2025年09月22日
  • 惜別(新潮文庫)

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    「右大臣実朝」と留学時代の魯迅を主人公にした「惜別」がカップリングされた文庫。
    太宰の中期の中編とのことだ。

    自分にとって何が感慨深いかというと、「右大臣実朝」を初めて最後まで読み切ったということ。
    「吾妻鑑」やら「増鏡」、「承久軍物語」がちりばめられたこの作品、読みづらいのは当たり前だが…。
    十代の頃、ちくま文庫版の全集で通読していって、実朝で挫折。
    文学部の学生となってから再チャレンジし、少しは読み進めるも、鎌倉幕府の御家人たちの人間関係が頭に入らず、挫折。
    (「鎌倉殿の十三人」でも観ていたら、また違っていただろうか?)
    四半世紀近く経っての再チャレンジで、ようやく最後のページまで到達。

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    2025年09月16日
  • 人間失格

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    ネタバレ

    恥の多い生涯を送ってきましたと冒頭に書かれていた。読み終わったあと、結局葉蔵(太宰治)は、何が恥だったんだろうと思った。

    毎日酒に溺れていたこと?生活がだらけていたこと?女に夢中になっていたこと?浮気されたこと?ピエロのように演じ続けたこと?

    葉蔵は人生を通して、ありのままの自分を曝け出すことができていなくて生涯ずっと演じ続けていた。
    それは現代でいう生きづらさに通ずるものがあると感じた。どこかしら共感している自分がいました。

    太宰治に比べたらまだまだ人生捨てたもんじゃないと思ってしまった。
    人間の弱さや本質を垣間見ることができる作品。

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    2026年08月08日
  • 晩年(新潮文庫)

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    太宰治を初めて読んだ。全体に漂うノスタルジックな世界観とは裏腹に、文章自体は思いのほか平易で、読みやすさがあった。主人公の内省が率直に描かれ、情景描写はあえて抑えられているように思えた。作品の舞台や風景よりも、語り手の心の動きに焦点が置かれている点が印象的だった。

    「猿ヶ島」は、より物語性を備えた一篇で、純文学初心者としては意外性があった。島に漂着した主人公が、実は猿であり、そこが動物園だったという結末は寓話的でありながら、どこか現代的な小説らしさも感じられる。単なる童話にとどまらず、大人向けの文学として仕立てられており、猿を主人公に据えることで人間社会を風刺的に映し出しているように思えた。

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    2025年09月12日
  • 乙女の本棚 女生徒

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    考えてることを全部文字に起こしたような、つらつらとした文体がずっと続くため人によっては読みにくいと思うかも。自分は他人の考えを覗けた気がして、そして少し共感できるところもあって、女生徒と呼応できた気がした。

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    2025年09月10日
  • 走れメロス 富嶽百景

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    走れメロスを真剣に読んだのは初めてだったかもしれない。面白かった。それ以外の収録作品は、いま一つだった。女学生の気持ちをずらずらと書いたものは本当に女学生が書いたのかもしれないと思うほど感情が入っていたけど、最後まで読むことができなかった。

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    2025年09月02日
  • 太宰治全集(3)

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    犬に対して凄まじいツンデレを見せたり(畜犬談)、女の子の裸を見て元気になったりしている(美少女)。
    走れメロス、面白いよなあ。邪智暴虐って言葉が大好き。

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    2025年08月27日
  • 小説 人間失格

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    山崎富栄の雨の玉川心中は読んだことがあったが、人間失格はかなり腰が重くやっと読んだ。
    思った以上に読みやすい。
    あとあれだ、太宰って本当にモテてきたんだな…

    読んでいて、結構どうしようもないなと思った。
    葉蔵は人間失格の烙印を押されるのだが、それは周りから見た葉蔵であり、本人の視点からすると異なることがわかる。

    持って生まれたものと、環境による人格形成は、それらが複雑に絡んで起きる化学反応みたいなものだと思う。
    その家に生まれたからそうなったとも言えるし、その家に生まれたから生きたともとれる。

    兄たちが最後まで見捨てなかったのは、本当の葉蔵に気づいていたからかなとも想像した。

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    2025年08月25日
  • 人間失格

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    表紙がとある漫画家殿が描いていた•太宰治聞いたことあるな〜の軽い気持ちで読んだけど。重い、重すぎる。最後の最期まで救いようが無いなと呆れてしまう一方で、良くも悪くも人間らしくて素直にいいな〜と思いました。
    情けないところも厭らしいところも全て曝け出していく、、のは大人になればなるほど難しくて世間が求める「大人」になってしまったんだなという気づき。

    読んだのは10年前くらいになるので、再読してもう一度「しょうもないな〜」「でもそういう側面ってどこかに隠し持ってるよね」を感じたい。
    何度読んでも、新鮮な気持ちでしょうもないを味わえると思います。

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    2025年08月20日
  • 晩年 アニメカバー版

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    なんだかよく分からない
    背中がムズムズするし、笑える
    なのに、ふと寂しさみたいなものが染み込んでくる
    そんなこんなで太宰治がかなり好きになっちゃった気がする

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    2025年08月16日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても豪華な1冊。
    求めていた文豪の短編がビッシリ詰まっていて、不気味!耽美!最高!
    夏目漱石、夢野久作、江戸川乱歩、太宰治が入っていてとても嬉しい。
    どれも面白くて良い。

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    2025年08月14日
  • 人間失格

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    別に大して読みたかったわけでもない。
    なんでこの本を買ったかというと、デスノートを買おうと本屋に寄ると、たまたま夏休みキャンペーンだかなんだか知らないが、小畑健が表紙の絵を描いていたのである。
    買っちゃったよね。
    そんでたまたま、カラマーゾフの兄弟を読んでいる時期でした。宗教に深く関連づけられたテーマ、教育の重要性を常々考えている性質から、最近は日本の文化についてよく考えていたため、昭和初期くらいを生きた、それも危ない感じで生きた人の言葉に触れてみたかったってのも、まぁ、後からつけた理由だ。
    太宰治が何回も自殺を試みたうえ失敗し、最後に自殺したってことは有名な話だもんね。
    しかも妻だけじゃなく

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    2025年08月15日
  • ヴィヨンの妻

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    ネタバレ

    新潮社の太宰治の『ヴィヨンの妻』。最晩年の作品群です。太宰治の作品はいろんな出版社から出されているのですが、落ち着きのある体裁の新潮社を選んでみました。

    「親友交歓」
    昭和21年9月初め、疎開先の津軽で静かに過ごしていた「私」のもとへ、突然、小学校時代の同級生・平田と名乗る男が訪れてきます。顔にかすかな記憶はあったものの、ほとんど面識のない相手でした。 平田は小学校の「クラス会」開催の相談と称して、酒や金を要求します。最初は好意的に迎え入れた「私」ですが、平田の傍若無人な振る舞い、軽薄な自慢話、不愉快な態度に徐々に苛立ちを覚えていきます。 何時間も酒を飲み、妻にも無遠慮にちょっかいをかけ

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    2025年08月13日
  • 津軽

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    ・「大人とは、裏切られた青年の姿である。」
    ・「一生だめかもしれない。ひびのはいった茶碗は、どう仕様もない。どうしたって、もとのとおりにはならない。津軽人は特に、心のひびを忘れない種族である。」
    ・「人からおだてられて得た自信なんてなんにもならない。知らん振りして、信じて、しばらく努力を続けて行こうではないか。」

    ・正直いうと、津軽の土地だったり、歴史が書かれている部分は退屈だった。次回は読み込みたい
    ・特に「三 外ヶ浜」「四 津軽平野」「五 西海岸」が面白い。外ヶ浜は友人と太宰がまるで学生のような言動をしているので笑ってしまった。津軽平野と西海岸は感動した。いままでは友人との楽しい旅だった

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    2025年07月19日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    周囲の反対を押し切ってまで結ばれた、うだつのあがらない絵描きとの貧しくも幸福な結婚生活から一転、妻から夫への三下り半。
    あなたは絵が売れてお金を手にしてすっかり変わってしまったわね、と。思いがけない好転と裕福さは、彼女を怯えさせた。(寄り添うようにずっとそばにいてくれる黒猫ちゃんがめちゃ可愛い。)
    別人のようになった夫の一挙手一投足にそら恐ろしさを覚える日々にいよいよ限界がきた様子で、そのときの心情が淡々と綴られていく。

    「あなたは、気違いです。」はちょっと辛辣すぎて笑ったけど、でもとても心の綺麗な奥さん。夫よ、これは失ってから気づかせるタイプの大切さだぞ……。
    読み終え、「おわかれ致します

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    2025年07月16日