真下みことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫版になって初めてこの本のことを知りました。
「これが最後の仕事になる」という一行の後は、各作家独自の世界が広がっています。
1編6ページなのでスキマ時間に読みやすく、飽きたらブックマークして、他のことをしながら読み進めることができます。飛ばし読み・つまみ食い読みもできます。
わたしは、病院の待合室で読んでいましたw
文章構成のお手本としてもオススメです。
オチがある作品は落ち着きます。オチだけにw
〔作品紹介・あらすじ〕
最初の1行は全員一緒。
1編6ページ、24種の「最後の仕事」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
著者一覧(掲載順)
小川哲
五十嵐律人
秋吉理香子
呉勝浩
宮内悠介
河村拓哉
桃野雑派
須藤古都離
方丈貴恵
白井智之
潮谷験
多崎礼
真下みこと
献鹿狸太朗
岸田奈美
夕木春央
柿原朋哉
真梨幸子
一穂ミチ
三上幸四郎
高田崇史
金子玲介
麻見和史
米澤穂信
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。 -
Posted by ブクログ
母親が結婚した年齢になった娘は、婚活を始めてみた。
主人公は化学メーカーの研究員。アプリで婚活を始めたばかり。論理的に自己分析しているのになかなか上手く行かない。
令和でも男性に無意識に残る母性信仰、公平と平等を履き違えた家計折半希望。
主人公の奥底に残る忙しい母親の姿。
二章、家計折半男の話。「出産の痛みは僕には関係ないので出産費用は自分で出して下さい」と言える男のどこが駄目なのか気づいてからの主人公がとても良い。
共働き家事家計折半の自立した女性を求める男性の本音は、自立しているから世話をしてやらなくても済んで、かつ女性には母性があるはずなので子どもや親や自分の世話をしてくれるだろうという無責任幼児思考で気持ち悪い。
この物語に出てくるのは男女共に高学歴で高収入。『高学歴男子を育てたのは専業主婦』で、『高学歴女子を育てたのはバリキャリ』考えてみれば、ひと昔前の専業主婦は娘の学歴には否定的だったし、バリキャリだと息子は寂しさでグレそう。
ちゃんと良い方向に向かうから、婚活に悩む女性は安心して読んでほしい。
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Posted by ブクログ
1話目で、20年専業主婦をしていた女性がある日思い立って仕事を探すけど、なかなか見つからない。
専業主婦は無職と同じなの?
転職じゃなくて、就職なの?
SNSの厳しい言葉にも打ちのめされる。
でも、「強みを活かしなよ」という息子の言葉で、とあるスーパーマーケットの『おしゃべりレジ』に採用される。
明るくて前向きでおしゃべり好きな彼女にピッタリのお仕事。
2話目以降は、日々に行き詰まりややるせなさを感じている主人公たちが、1話目の主人公のおしゃべりレジによって、少しずつ変わっていく連作短編。
ラストに、1話目の主人公の『楽しそう』だけどそうでもない理由が明らかになる。
面白かった。
どれもありそうな悩み、誰でもどこかしら思い当たる部分があるんじゃないかな?
ただ。私も専業主婦だけどやっぱり専業主婦は『無職』なんじゃないかなと思う。20年専業主婦をやっていたら、外で働くのも働き口を見つけるのも、簡単じゃないだろうなと思った。
それでも、めげずに頑張る主人公がステキだと思ったし、彼女が頑張りたい理由もステキだった。
真下みことさん作品、初めて読んだけどとても良かったので、他作品も読みたい
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Posted by ブクログ
ネタバレかなり面白かった
「新しい法律ができた」と言う話を軸に
・AIに絡んだ近未来
・全く関係ない未来
・過去から法律ができたことにより、現代になる
・新しくできた法律の内容が分からない
といった様々な進め方を楽しめた
舞台装置としてのAIの便利さ(我々に身近だが未知のもの)と、法律はルールの為それによって話の土台を作れる万能さに驚いた
〜特にお気に入り〜
矢野帰子先生→おとなも英語を学ばせる話。「英語介護」という考え方が面白かった
潮谷験先生→人々は、作品を楽しむときに作品の裏にいる作者と交流している。AIが作った作品だとその交流ができなくて孤独を感じる。新しい視点だな。オチも良かった。
大沼紀子先生→一番好きだった。人を殺したらokな国(=SFちっく)が、人を殺しちゃ駄目になる(=現代)という逆転の流れ。斬新な視点から、現代を揶揄してて面白すぎた。
五十嵐律人先生→過去から現代に。当たり前だけど憲法も作られたときがあったんだよなぁと。
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Posted by ブクログ
「やさしさには温度の違いがある」
特別な誰かと仲良くならないことで、みんなに同じようにやさしくできる「冷たいやさしさ」と、
逆にみんなを受け入れる「温かいやさしさ」
の二種類、、
この表現に心の殻から何かが生まれ出たような腹落ちする理解が出来た。
5つの物語の主人公はみんな小学生だ、
彼ら(彼女ら)が日々の日常の中で友達から、大人から何を感じて成長していくのか?
その背景に「やさしさ」があることを作者の真下さんは強く信じている。
だからこそ物語の中の子供達の心情や成長が生き生きと際立っているように思える。
友達からの言葉そして態度、大人からの言葉そして態度、これらを積み重ねて優しい人間が育っていくんだな、、とページを捲りながら感じた。
真下さんの作風が大きく変わったな、、と思える大切な一冊だと思えた。 -
Posted by ブクログ
とある小学校の3年2組の5人の子どもたち。それぞれが主人公となる連作短編集。
小学3年生って、まだまだ子供。「やさしい」って漢字だって習っていない。なのに、頭の中ではいろいろいっぱい考えている。それでいて、どんな子もみんな母親が好き。なのに、夜遅くまで1人で留守番させたり、自分の気に入らないことがあるとすぐに怒り出したり、自分勝手で第三者から見たら許せない母親たちだから、なんかやるせなくなる。
小中学生(特に女子)は、他人と同じじゃないと「ちょっと変」と仲間はずれになる。発達障害の子もそうなる。でも、そういう子ほど、一つのことに集中して、大人になった時大きく羽ばたいたりするんだよね。
上の子が小学3年生の時、仕事を始めて留守番させることが多くなった。あの時、全然平気そうな顔をしてたけど、きっと頑張ってたんだろうなぁと、いろいろ思い出した。
朝の出欠確認。「はい、元気です」って、地元あるあるすぎて、真下さんの出身県を調べたら、地元でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじとかは見ずに読んだ。真下さんの作品はちょっと不穏なものが多い印象なんだけど、それは多分一番最初に読んだ作品のせい。
今作は理系大学に通う順子と女子大に通う紗奈の二人の物語。実は同じ高校出身の二人だが、可愛くて所謂一軍女子の紗奈とメイクもせずおしゃれに興味のない順子は同じクラスながら話したこともなかった。そんな二人が大学生になり、紗奈はインカレサークルで順子の通う大学にやってきて二人は知り合うようになる。最初はあまりに考えが違うし、同じ理系大学の男子学生がインカレサークルの女子は頭が悪いと話しており、順子もそれを鵜呑みにしていた。彼女がどんなことを学んで何を考えているかも知らずに。そんな折、紗奈がインカレサークルの先輩から性被害を受ける。順子は被害にあった紗奈を支えながら、お互いが第三者から仲良くならないように印象操作されていることを知る。紗奈と同様の被害を起こさないため、順子は復讐を始める。
と言っても復讐は過激なものではなく、順子にできる精一杯だと思うし、これで良い。何よりも第三者から勝手にこの子はこんな子だと印象を植え付けられるのはよくあることで、でもやっぱり自分で判断しなければわからないなと思った。順子と紗奈は一見正反対で仲良くなれなさそうだけど、そんなことはなかった。二人の関係性がすごく良かった。違うからこそ気づけることもきっとあるし、この二人の関係がずっと続いてほしいなと思った。