真下みことのレビュー一覧
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「やさしさには温度の違いがある」
特別な誰かと仲良くならないことで、みんなに同じようにやさしくできる「冷たいやさしさ」と、
逆にみんなを受け入れる「温かいやさしさ」
の二種類、、
この表現に心の殻から何かが生まれ出たような腹落ちする理解が出来た。
5つの物語の主人公はみんな小学生だ、
彼ら(彼女ら)が日々の日常の中で友達から、大人から何を感じて成長していくのか?
その背景に「やさしさ」があることを作者の真下さんは強く信じている。
だからこそ物語の中の子供達の心情や成長が生き生きと際立っているように思える。
友達からの言葉そして態度、大人からの言葉そして態度、これらを積み重ねて優しい人間が育っ -
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とある小学校の3年2組の5人の子どもたち。それぞれが主人公となる連作短編集。
小学3年生って、まだまだ子供。「やさしい」って漢字だって習っていない。なのに、頭の中ではいろいろいっぱい考えている。それでいて、どんな子もみんな母親が好き。なのに、夜遅くまで1人で留守番させたり、自分の気に入らないことがあるとすぐに怒り出したり、自分勝手で第三者から見たら許せない母親たちだから、なんかやるせなくなる。
小中学生(特に女子)は、他人と同じじゃないと「ちょっと変」と仲間はずれになる。発達障害の子もそうなる。でも、そういう子ほど、一つのことに集中して、大人になった時大きく羽ばたいたりするんだよね。
上 -
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25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
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ネタバレあらすじとかは見ずに読んだ。真下さんの作品はちょっと不穏なものが多い印象なんだけど、それは多分一番最初に読んだ作品のせい。
今作は理系大学に通う順子と女子大に通う紗奈の二人の物語。実は同じ高校出身の二人だが、可愛くて所謂一軍女子の紗奈とメイクもせずおしゃれに興味のない順子は同じクラスながら話したこともなかった。そんな二人が大学生になり、紗奈はインカレサークルで順子の通う大学にやってきて二人は知り合うようになる。最初はあまりに考えが違うし、同じ理系大学の男子学生がインカレサークルの女子は頭が悪いと話しており、順子もそれを鵜呑みにしていた。彼女がどんなことを学んで何を考えているかも知らずに。そんな -
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面白かったー!連作というより一話の主人公が働いているレジに2話以降のキャラがほんのちょっとだけ関わっていく短編小説。挨拶やなんでもない雑談って軽視されがちだけど本当に大事、うちも人付き合い苦手だったけど趣味の登山を初めて見知らぬ人と会話するようになって、ご近所さんとも話せるようになってすごく楽しくなった。ついさっきスーパーのリサイクルシステムがよくわからなくて首を傾げていたら見知らぬおばちゃんに突然話しかけられやり方を教えてもらって、ああいうおせっかいおじちゃんに私もなりたい、この小説のように日々にこやかに生活してそれだけで誰かを救えていれば日日是好日である。エピローグのどんでん返し(?)でび
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