あらすじ
「いいなあ、幸せそうで」
スーパーを訪れる5編の「生活」。
寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。
(「おしゃべりなレジ係」)
小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。
(「小さな左手」)
元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。
(「気をつけてください!」)
友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。
(「なわとびの入り方」)
IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。
(「不機嫌おじさん」)
「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
1話目で、20年専業主婦をしていた女性がある日思い立って仕事を探すけど、なかなか見つからない。
専業主婦は無職と同じなの?
転職じゃなくて、就職なの?
SNSの厳しい言葉にも打ちのめされる。
でも、「強みを活かしなよ」という息子の言葉で、とあるスーパーマーケットの『おしゃべりレジ』に採用される。
明るくて前向きでおしゃべり好きな彼女にピッタリのお仕事。
2話目以降は、日々に行き詰まりややるせなさを感じている主人公たちが、1話目の主人公のおしゃべりレジによって、少しずつ変わっていく連作短編。
ラストに、1話目の主人公の『楽しそう』だけどそうでもない理由が明らかになる。
面白かった。
どれもありそうな悩み、誰でもどこかしら思い当たる部分があるんじゃないかな?
ただ。私も専業主婦だけどやっぱり専業主婦は『無職』なんじゃないかなと思う。20年専業主婦をやっていたら、外で働くのも働き口を見つけるのも、簡単じゃないだろうなと思った。
それでも、めげずに頑張る主人公がステキだと思ったし、彼女が頑張りたい理由もステキだった。
真下みことさん作品、初めて読んだけどとても良かったので、他作品も読みたい
Posted by ブクログ
読んだあとにとても前向きになれるお話でした。
ちょっと辛いことがあって落ち込んでたけど何事も変えたいと思って前に進むために勇気を出すことが必要なんですね。
この作者さんはこんな感じの物語も書くのかともっと好きになりました。
Posted by ブクログ
おしゃべりレジとその周囲の人々の物語。
こんなレジのニーズはもっと増えそうな予感。特にスタバは以前、カップへのメニュー記載を手書きから自動にした時に多少の反発があった。手書きの文字で書いてくれるコミュニケーションがとても大きな価値があったから。
介護の現場でも、「何が人がやるべき仕事で、何が機械化すべき仕事か」の議論があるらしい。いくらロボットが自然と喋れても、人とのコミュニケーションには価値があるらしい。
そう考えていくと、この本の登場人物たちはみんな、コミュニケーションに難を抱えていたみたいだ。人と人との関わりって複雑で難しい。
Posted by ブクログ
普通の専業主婦が仕事を探す所から始まる短編集。
もちろん現実は厳しいけれど、自分に合った仕事を見つける事ができない訳じゃない。
回り回ってそれが誰かの人生をちょっとだけ変えたりするかもしれない。
ラストには驚くかも知れないけれど、希望はあると思えたので良かった。
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登場人物のキャラが全員濃い。第1章で健気な専業主婦だと思っていた主人公が、エピローグで息子がニートになって3年経つとの設定だったことに驚き。家庭の状況は表面上の様子だけでは分からないものだ…
Posted by ブクログ
おしゃべりレジが舞台の本。
誰かと話したい一人暮らしの人や高齢者の見守りという点でも実際に導入されても良さそうなものだと思った。
レジに来た人のそれぞれの物語が描かれ、最後にエピローグで拓実についての記述をみてびっくりした。
だから、木本さんが幸せそうねと言った時も何か引っかかりがありそうな反応だったのかと納得した。
人ってそれぞれいろんな思いを抱えながら生きているんだなと実感させられた本だった。
Posted by ブクログ
多くの人をその笑顔で救った最初の主人公。
幸せそうでいいわね
という言葉をまっすぐ受け止められていない気がして不思議に思いながら読み進めたけどそういうことだったんだ。
何事も順風満帆です!なんて人はいないよね。みんな大小様々何かを抱えて生きてる。
哲郎の変わり身の速さはちょっとだけ違和感だったけど、
みんな良いように進むのなら良いや!って思える読後感。
Posted by ブクログ
外から見るだけじゃわからない、そして、他人の少しのゆとりが連鎖して、連鎖して、
一人じゃなくて、繋がってるんですよね。
と実感する。
そんなパートそのうち本当にありそうな、なさそうな、朗らかな読み終え
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人とのコミュニケーションをとることを諦めかけていた人達が、小さな触れ合いに心を動かされて、少しずつ顔を上げて生きていこうとする短編集。スーパーのカゴの中って、生活が露わされていると改めて思った。初めての作家さんだったが、視線に優しさが溢れている。
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初読みの作家さん。表紙が日常すぎて興味がわいて手に取った。専業主婦から思い切ってパートに出た北川さんの優しい心遣いがにじみ出たお仕事ぶりは買い物に来るお客さんの人生をも動かす。コミュニケーションって大切やなぁ。
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おしゃべりレジというレジ打ちをしながら話しかけてくれるサービスを利用する人達のエピソード集。昨今セルフレジや食券機の普及で人との関わりが減りつつある。しかし人は誰かと話すことで悩みが解決したり気が紛れたりするので話をすることは大事だと改めて感じた。学校、職場で話せる人は良いが、定年後の老人、専業主婦の方はこういったサービスがありがたいのだろう。人それぞれ悩みはあると思うが一人で抱え込まず誰かに相談した方が心の健康に繋がると思った。
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「おしゃべりなレジ係り」「ちいさな左手」「気をつけてください!」「なわとびの入り方」「不機嫌おじさん」5話の連作短編集。どこもかしこもセルフレジが増えてしまったけど、おしゃべりレジみたいなのも需要はあるのかも。個人的には「不機嫌おじさん」が好きです。
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初読みの作家さんだが、とても面白かった。
5話からなる短編集。第1話の専業主婦がやっと見つけた職場、そこを訪れる人それぞれの物語。
表紙はとても穏やかでのほほんとしたイラスト、しかしこれに騙されてはいけない。
不穏とまでは言わないが、これがなかなか、、、?!
誰しも人には言えない悩みや苦労があるのだが、それを口に出せる場所って大切なのかもしれない。しかもそれは知人や関係者じゃなく、単なるスーパーの店員だと。
全くの他人だからこそ、愚痴ってみたくなるのはわかる気がする。
中でも私は「なわとびの入り方」のこの続きがとても気になる。夫婦の関係も友情も。
「不機嫌おじさん」も、こういうおじさん、よくいるよな〜
どれも身近にいそうな人たちでありそうな話である。
気軽にさくさく読めるのでぜひおすすめ!
Posted by ブクログ
読みやすくて、日常生活上誰にも起こり得る話で、明るい美奈子がスーパーのおしゃべりレジで働く姿が目に浮かんだ
おしゃべりレジ、全国に普及するといいな
子どもが手を離れ、何の用事もない一日、誰とも会話らしい会話をしない日もリアルにあって、仕事、家族、働く場所や世話をする人がいるって幸せなことだと気付く
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1997年生まれの作家さん。すごい。
帯になっている町田そのこさんの言葉「いくつもの小さなふれあいが、人生には必要なのだと教えてくれる」その通りの一冊。
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地域密着型のスーパーであるフューチャーマートの「おしゃべりレジ」を舞台に様々な境遇の男女5人を描く連作短編集。摂食障害、マッチングアプリでのいざこざ、結婚生活や妊活、早期退職、引きこもりなどの抱える問題はそれぞれ異なり、それは買い物かごからも生活の様子が想像できた。食料品はその人の生活が見えるものだから、身近に感じながらサラッと読めた。
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スーパーのレジ打ちパートを始めた女性と、彼女の前にかごを持ってきたお客さん達の話。
コロナ禍、コロナ後の「あの時の空気感」をかなり感じられる。
「パートさんから見たお客さん」と「実際のお客さん」には齟齬があって、誰も彼もがままならない日常を生きている。
だけどそんな彼らに、パートさんが何気なくかけた一言が思いの外深く心に響いたりもする。その交流のささやかさ、作品の根底に流れる「他人のことを完全に分かることはできない」という考え方が私好みだった。
Posted by ブクログ
誰かに認められたい気持ちが歪んで、頑固に受け入れなかったり或いは流されてしまい、結局自分の好きな自分でいられなくなる…ほんのちょっとした言葉を起点に変わってゆく人達の連作短編集。優しい物語だけどすこしピリッと。自分の行動を反省…
Posted by ブクログ
現代の色々な社会問題を題材にした内容でした。引きこもり、マッチングアプリ、いじめによる拒食症、リストラ、不妊症など。ただすべてにおいて最後は前向きです。温かい気持ちになります。人を思いやる事の大切さ、話を聞いてあげる事の大切さが改めて分かる良作だと思います。とても読みやすかったです。
Posted by ブクログ
レジ係の人とおしゃべりができる「おしゃべりレジ」で働く美奈子。
専業主婦から久しぶりのパート勤務。
前半のひたすらお祈りされ続ける日々はちょっと身につまされたけど、パートが始まってからは面白かった。
子どもが幼児期に誰も知らない土地に引越をしてきて、ちょっとした事を誰かと話したい!と思っていたあの頃を思い出した。
こんなレジあればよかったなぁ。
Posted by ブクログ
やっぱり連作小説だった。初読みの作家さんだけど読みやすくて良かった。各々の主人公がなにをかごに入れたのか気になって間に入る表紙のイラストをよく見た。なんだか楽しい。いろいろある食品の中で何を選ぶのか生活を垣間見れる気がして。
哲郎はザ昭和クソ親父って感じだけど反省して変わるまでが早くてびっくりするこんな人稀だろうなと思うけど。。主人公は明るくて強くて良い人だったな。この人のおかげでこの本が明るさが底上げされてると思う。
Posted by ブクログ
とても読みやすかった。他人と関わるのが少ない現代、こういうおしゃべりレジみたいなのもいいかもね。私は今の歳なら使いたいとは思わないけど、もっと高齢になった時に誰かとこうやって気軽に話せるのは良いことなんじゃないかな。