寺地はるなのレビュー一覧

  • ビオレタ

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     「いつも心に棺桶を」
     「松竹梅で言えば蓼」
     風変わりなフレーズが要所で登場する、一風変わった作品というのが第1印象でした。

     登場人物もしかり。浮き世離れした人々が次々と出てきます。
     テンポといい醸し出される空気といい、川上弘美ワールドかと見紛うよう。これが寺地はるなさんのデビュー作とは驚きでした。

     それにしても登場人物が皆、キャラが立っていていい。特に菫さんが強烈です。
     菫さんは妙のいびつと言ってもいい不器用さを叱咤するのですが、菫さん自身もなかなかに不器用です。なのに偉そうなのです。
     そしてそこがまた魅力的なのでした。 ( いちばん気に入ったのは妙の父親ですが。)

     で

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    2022年04月01日
  • 大人は泣かないと思っていた

    購入済み

    大好きな作家さんです

    寺地はるなさんの小説が好きでこちらも購入しました。
    全て繋がった物語ですが、短編集のような形になっておりサクサク読み進めることが出来ました。
    たくさんの人の目線で書かれており、それぞれの人生や価値観を考えては泣き、を繰り返していたのでとても読み応えを感じました。
    寺地はるなさんの暖かいお話が大好きです。

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    2022年02月28日
  • 月のぶどう

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    不覚にも結婚式シーンは泣いてしまった。
    寺地さんは個人個人をすごく丁寧に描く作家さん。
    わかるわ~、って頷くことばかり。

    そして国産ワイン。
    私も好きです。
    こんなご苦労がたくさんあったとは知りませんでした。
    やっすい輸入ワインに走ることもあるけど、心して国産ワインを大切に飲もうと思います。
    グラスにも凝りたいけど、なかなか難しいかなー(笑)

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    2022年02月24日
  • ほたるいしマジカルランド

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     大阪北部の遊園地を舞台にした、7編からなる群像劇で、描かれるのは日曜日のイルミネーションイベントに向けた1週間です。


     訪れる人が笑顔になるのが遊園地というものだけれど、従業員にはそれぞれ抱える事情があり、性格があり、人生観があります。
     彼らのそんな姿が、寺地はるなさんらしい丁寧なタッチで紡がれていました。共感と希望を心に残してくれるストーリー展開も相変わらず見事です。

     感心するのは、各話の脇で登場する人物にまで十分な存在感を与えるキャラ設定をしているところです。
     佑や「木曜日」の照代さんはともかくとして、「水曜日」の野上さんや「金曜日」のあおいさんにまできちんとした背景を用意し

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    2024年10月22日
  • みちづれはいても、ひとり

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    本を読みなさい。きっとあなたを遠くに連れて行ってくれる。
    自分がやってない何かをやっている人に「フッ、よくやるわ」という視線を向けて何者かになったような気分になるのは、あさましい。
    他人から際限なく引き出せる優しさなんてない。
    興味のない話に興味深げに相槌を打つ技術を、今日人至るまで会得することができないまま中年になった。
    自分が正しくも美しくもなく生きていることを知っている私はせめて、他人が心から欲するものを価値がないと嗤ったり否定したりはすまい、と誓う。

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    2021年09月05日
  • みちづれはいても、ひとり

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    おしゃれなカフェに置いてあったので、試し読みしたところ面白そうなので購入した

    はじめ、都会在住の社会や男に疲れたアラフォー独身女性が自然いっぱいの島に滞在し、大切なものを見つけ直す、やり直すぞー!って感じの爽やかな内容かと思っていたが
    実際は、人の醜い部分だったり、命ある限り、生きていかねばならないという決心だったり、題名の通り、結局は1人なんだと感じさせる部分だったり
    読む前には気づかなかったが深みのある物語だった

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    2021年08月18日
  • 月のぶどう

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    しっかり者で責任感が強い光実と、中途半端な歩の2人の物語は、歩の立場に共感しながらでした。若いうちは、いつか天職が見つかると根拠も無しに思っていましたが、そんなものはやはり無い。だからといって、頑張らなくていい理由にはならない。この世の仕事はすべて必要で重要。自分に言い聞かせるように読みました。読後感もとてもよく、心地のいいものでした。とても面白かったです。

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    2021年07月05日
  • 月のぶどう

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    世の中にあるたいていのモノは、全て誰かの地味な作業によって生み出されている。
    必要のない仕事は、この世の中に存在しない。必要出なかった、もうとっくに無くなっている。
    情熱とは、仕事を続けていく上で徐々に喜びとか、面白さがわかってきて、その上で段々育っていく

    就きたかった職業でなくても、真摯に、一途に、日々取り組んでいるとしたら、それはとても美しい生き方。
    共感なんてもんは、何の役に立たない。ただ誰にでもいろいろあるということを理解するだけでいい。それが他人を尊重するということ。
    うまくいかないことがあっても俺が悪いとは思わない。俺のやり方が悪かったと考え他のやり方を試してみる。

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    2021年05月22日
  • 月のぶどう

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    すごく良かった。ラストの少し前にある出来事には、感動して陽の光やワインの煌めきがありありと目に浮かんで、泣いてしまった。
    寺地さんの本は、悪人がギャフンと言わされることもないし「間違った」行動や言動が猛省される描写もないんだけど、伝えたい人にはちゃんと伝える、そこがいい。登場人物みんなが生きている、生きていく感じ。

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    2021年04月25日
  • 夜更けのおつまみ

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    このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
    どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
    あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
    人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
    さらに、一編ずつが短いのもポイント。
    ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰

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    2020年07月14日
  • 月のぶどう

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    双子の光実と歩
    家業を継ぐ光実と何をしても飽きてしまう歩
    優等生で美人の光実。
    何をやってもうまくいかない歩。

    母親が急死し、家業をやることになった歩。
    ワイン作りはわからないことだらけ。少ない従業員とも上手くいかず…。

    母親である人物や家族へのそれぞれの思いやコンプレックス。
    特に母親の死に対しては家族もどこかギクシャクしている空気も伝わってくる気がした。

    でも、心に残るような文章やはっとさせられる言葉があちらこちらにちりばめられていて、励まされた。
    仕事のこと、家族のこと、色々なことが作品に溢れていて素敵な作品でした。

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    2019年11月30日
  • 雨夜の星たち

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    ネタバレ

    最近はお見舞いに行きたくても距離や仕事など様々な事情で行けない家族が増えている。お見舞い代行とは面白い着想だと感じた。病床にあって、医療者が提供しがたいもの。そして、患者さんが希求するもの。それは人間的ななんでもない、温かい交流である。
    少数派、個性派の雨音の感性から紡がれる等身大の心情の数々は、言い得て妙である。寺地さんは、みんなが当たり前にできることができない、その代わりにみんなができないことを難なくできてしまう、などという登場人物の世界線を描くのが、ピカイチ上手だと感じる作家さんである。

    少数派だからこそ得た葛藤と、その中に散りばめられた愛しい要素を拾い上げた小説だった。

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    2026年03月23日
  • 正しい愛と理想の息子

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    ネタバレ

    ハセと沖は女を騙してお金を稼ぐ詐欺師だ。悪いヤツに違いないけど憎めない。騙されても仕方ない女たちなら許せるくらいだ。応援したくなってしまう。後半の老人を騙すのはさすがに賛成できないけれど。極悪人でない二人は結局いい人を騙すことはできないだろう、、
    ハセの生い立ち、境遇には同情するけどハセが思ってるようにどうしたらよかったのかと問われると答えられない。確かに生きていくだけで精一杯だったと思う。
    沖の生い立ちにも複雑な心境となる。両親が教師、よくあるかもしれないけど勉強が嫌い、こちらも辛い幼少時代だったと想像できる。長い間絶縁状態だった母親と再会するも認知症となっていた、、感情が揺れるのは当たり前

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    2026年03月22日
  • 水を縫う

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    これまた寺地はるなさんファンになった作品。
    大きなスケールの作品ではないが(毎回)、家族の感じや出て来る人がいい味出てるな〜

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    2026年03月21日
  • 世界はきみが思うより

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    綺麗さに取り憑かれた紗里の物語が自分と重なる部分が多くて響いた。
    誰かと同じものを美味しく食べることの喜びと美しさがとっても身に染みた。
    苦痛と感じることは共有しなくていいし合わない人と無理に合わせる必要はないけれど、共有することの喜びを知らずに死ぬのは勿体ない。
    誰かと何かを一緒に分かち合う、そんなものが見つけられたら豊かな人生の後押しとなるだろう。
    この作品を読んで寺地はるなさんの生み出す世界ではありのままの私で息ができると気付いた。
    大袈裟だけれど世界中の人がこんなふうにくつろげる場所を見つけてほしいと願った。

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    2026年03月21日
  • 世界はきみが思うより

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    今どきの悩みや固定観念に寄り添った作品。
    表面的には見えない悩みと向き合い、他者の力を借りながら自分なりに咀嚼して前を向いていく登場人物たちに、前向きな温かい気持ちになった。
    私は人の力を借りるのが苦手であるが、こういう作品を読むと、他者の力を思い切って借りたら違う世界が見えるのかなとも思う。

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    2026年03月20日
  • いつか月夜

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    もやもやを遠ざけるため、ひたすら歩きたくなる気持ちわかります。
    夜になんとなく集って歩くことになった5人。
    それぞれが譲れないこと、日常には抱えるものがあり、歩いて話して心通わせ、人に話せば心が軽くなるのだと伝わります。語らいのなかで、現状に向かっていきます。相手に踏み込んでいかない関係性が良かった。
    言葉のやり取りが、優しいのに、ずきっと胸にきます。みけねこ洋菓子店が出てきたところでほっとしました。
    塩田さんの存在は貴重で、ありがたい出会いです。
    どうかしてもらおうとかでなく、自分をみつけてくれる、それだけでよかった、すごくわかる。
    もっちゃんのエピソードもう少しほしかった。
    大きな出来事で

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    2026年03月20日
  • ぬすびと

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    子どもの気持ち
    子どもを思う大人の気持ち
    どちらも大袈裟じゃなく、愛情深い。

    親子の関係性、愛情や友情を描くとなると、寺地はるな先生は1番なんじゃないかと思ってます。
    先生の作品はいつも適度な距離で子供と向き合う大人が描かれ、自分もこうありたいと思わせてくれます。

    ストーリーは明るく楽しい内容ではありません。厳しい現実、恵まれない家族環境、それぞれに抱え悩みながらも最後は糸口を見つけ希望が見える。

    主人公鳴海の芯のある性格や、彌栄子さんのやわらかさ、栄輝のやんちゃぶりが、本当によくわかり共感しました。最後のほうは…涙が堪えきれません。
    (唯一、暖…格好良すぎるのでは…)

    とても素敵な

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    2026年03月20日
  • ほたるいしマジカルランド

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    どこか不器用な登場人物たちに感情移入しやすく、それぞれが抱えている悩みもリアルで身近に感じられた。大きな出来事ではなく、日々のちょっとした出来事や気づきが何かを変えるきっかけに。目の前にあることをとりあえず今は頑張ってみようと前向きな気持ちになれる一冊。

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    2026年03月20日
  • カレーの時間

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    カレーは好きだが甘口は嫌いです。
    カレーのどんな話かと読み始めたけれど、小山田義景をはじめ登場人物が全て愛おしく不器用。
    桐矢が「いいな、葉月さんっていいな」と思うように桐矢はいいな。
    弱そうで強く優しい。
    生まれた日にお祖父ちゃんが念じた通り。
    キャベツとツナのカレー、作ってみよう。

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    2026年03月18日