寺地はるなのレビュー一覧
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購入済み
ああ、タイトル回収、、、母の「女/男はこうあるべき」「(これといった要求はないと言いつつ)子供にはこうなってほしい」等といった固定観念が強くて読んでて息苦しいところはあったけど、清澄のまっすぐさと素直さに助けられた。水青も弟にウェディングドレスを仕立ててもらったことで、自分のなかにあった固いものや思い込みが少しは丸くなったのではないか。美しい1冊でした。
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今年読んだ中で一番好きな本に出会えて幸せ。そのくらい好き。主人公はすごく面倒くさい性格なのだが、自分自身とすこし似ているところもあって共感できる。いろんな人と出会い、いろんな価値観に触れ、そのなかで自分が大切にしたい生き方を知る。それを他人に強制しない。
『人はひとりでは生きていけない、なんて言うけど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣を歩いている人を信じる。自分の足でしっかり立つ。そのことを忘れないようにしよう。』
やわらかい砂の上を歩くのは大変だけど、自分に自信を持とう!と思える一冊。 -
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世の中には泣いてる子供の親に攻撃的な輩が必ず存在する。黙らせろと詰める輩は絶対に間違えた人間で存在で大きく言うとお前がいなければいいだけ.政子さんがいつまでじろじろ見てんだよ、子供は泣くもんだと言ってやった言葉が正解なんだよね。ミステリアスな麦生の本当はただの阿呆な男とか、どんな存在と思った三崎が父親の女で親子対面する大義を掲げて接近したとかでの千尋の一言一言→みんながどうしてきたかは私には関係ないの返しがグッと来た。寺地はるなさんのビオレタとか今回の民宿とベビーシッター屋と初めて目にするのを忘れるくらい自然ですんなり受け入れた、肌に合うってことなのかなぁ
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寺地はるなさんの本は15冊目。
久しぶりに自分の中ではヒットしました。
自分が思う寺地さんの好きな部分が今作でも見られました。
・人と人との些細なズレを的確に描写するけれど大げさに取り扱わない
・劇的に解決するフィクション的終わりにしない
それに加えて、本作の主人公希和の願望というのか。
自分の声に耳をすます姿勢は、ずっと自分が課題として取り組んでいることだったので希和に共感できました。
最近はSNSで手っ取り早く他人の感想をコピーできます。
一昔前、大学のレポートをコピーする人がいて驚きましたが、それとは違う恐ろしさがあると思っています。大学のレポートも自分の意見を発表する場ではありますが、それは対外的なもので、まだ自分への浸食が少ないかな、と。
それに対して今は、本来自分から湧き上がる自分だけの感情であるべきものを、他人が形つくったものを尺度にしてしまい、それに当てはめるような事態になっていたり、自分の感情に見合う言葉を探す行為を放棄して他人が作ったものに乗っかるとか。
ちょっと理解が難しい映画や本の感想を解説動画で補完する行為も、それに近いと思っています。
自分の頭で考える訓練を怠っていると。
この微妙なニュアンスを、フィクション小説で真摯に書いているところがとても好感もてました。
希和は優しいなと思います。突き放さず見捨てず見下さず。
自分の声を大事にする姿勢は似ていると思ったけれど自分が傲慢になっていたように思えたので希和のフラットな姿勢を見習いたいと思えました。
多くの人がこの本を手に取り、ひとりひとり自分の心の声に耳を澄ます人が増えていくと良いなと思います。
正解とか、世間が出す答えがとかではなく、貴方はどう思うの?と。 -
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ネタバレ税理士事務所で事務として働いている万智子が、顧問先のドレスクチュールでも働くことになり、歳の離れた友人ができたり、なりたい自分について考えるようになるお話。
優しい気持ちになるのに、自立したいなと前向きになれる一冊だった。
読みたかった寺地作品だー!という印象。
タイトルは、理想の地を指しているのかと思っていたけど、早々に不安定な足場のことを指していることが分かって、その時点でもう面白くなる予感しかしなかった。
登場人物が多くて混乱した部分もあったけど、万智子の持っている偏った考えを、過去もしくは今の私も持っていることに気付いてハッとさせられた。
了さんたちみたいな友人素敵だなあ。
早田さんのことも私だったら理解しようとせずに去っていってしまうかもしれない。
早田さんと同じ方向を見て歩いていこうとしながらも、それを恋愛として捉えてるわけじゃないのもいい終わり方だったなあ。
でも今回一番素敵だったのは、万智子の父。
亡くなった妻を自身の半身と感じて、娘が泣いているかもと鳥取から大阪に来てくれる。娘の職場で「ほんとうにいい子なんです」と言われて「存じております」と返す父。素敵。 -
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場所は九州北部にある星母島。
母小岩が近年パワースポット。
民宿「えとう」と託児所を営む、「モライゴ」の千尋。
千尋のことを大切に思う麦生。
育ててくれた政子。
政子の娘、亜由美。
孫のまつりには、10代で産んだ息子の陽太がいる。
民宿を訪れる人達が、母小岩を目指して訪れる。
それぞれが親子関係、人との繋がりに悩みをもっている。淡々と接する千尋や麦生。
人は、それぞれが大変に思うこと、葛藤、嫉妬、孤独などがある。それを他人から意見されることにより、何かの気づきを得ることがある。そんなことをこの島を訪れた人が経験し、また生活をしていくであろう、そんな物語のように私は思えた。千尋自身も、色々な人と接して本当の自分の思いや、島の人の思いを知り、最後に月の見えかたは自分の心が反映されていることに気づく。誰もが月を眺めた時、のんきそうに見える日が多ければ、いいなと思った。
第1章 あなたのほんとうの願いは
第2章 彼女が天使でなくなる日
第3章 誰も信頼してはならない
第4章 子どもが子どもを育てるつもりかい
第5章 虹
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ソノガラス工房で働く兄と妹、道と羽衣子の 20年にわたる物語。同じ時期の出来事と思いが道と羽衣子、それぞれの立場から語られる。
多分発達障がいであろう道の特別感を羨む羽衣子の気持ちが、共に仕事をするようになってから起きる出来事で変わっていく。道は、具体的に言われないとわからない自分から少しずつ変わっていく。
2人の祖父の死でお互いの気持ちをぶつけ合ったところから徐々にお互いを認めあうようになるのだが、大切な人の死を受けいれていくのに、頑張って前を向く必要はないという言葉。力をもらえた。「泣かないでとか、いつまでも泣くなとか言うのは弱いから。泣いているのを受け止める体力がないから。」道の言葉がとても響いた。誰1人として同じ人はいないのだから、普通とか特別とかはないという道の言葉もすとんと心に入っていった。
大切な人の死を経験して、初めてわかることは本当に多い。それぞれのやり方で自分を慰めればいいと言ってもらえた気がした。ガラスの骨壺は、とても素敵だと思う。忘れたくなくても忘れてしまうのが人なのだけれど、忘れたくないという思いを大切に生きていきたいなと思った。 -
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ネタバレ九州にある星母島。託児所付きの民宿が舞台。
そこに泊まりに来る客たち。皆んな事情は違えども「子供」との関係に悩んでいる。
夜寝ない、育てにくい子、敏感な子、癇癪、喋らない…などなど
子供を自分の天使のように思い過ぎる毒親…
現在3歳1歳子育て中の私は、出てくる親たちに何度も共感し、痛いほどわかる苦しみに少し泣きました。
「親になったからって急に別人になれるわけじゃない」
「板の間で良いから大の字で1時間寝たい」
「子供が嫌いなわけじゃない。可愛くて仕方がない。この感情に名前はつけられない。だって子供を産むまで知らなかった感情だから」
あーーーわかる。泣
民宿の千尋、麦生、政子さんがあまりにも大きな器で子供を包んでくれるから、一瞬自分がダメに感じてしまいそうになるけれど、
この本のすごいところは、綺麗事はひとつもないところ。
なんというか、民宿の全員のことを信用できてしまう。本当にこの民宿があったら、私も絶対行きたい!そう思ってしまうほど、読み終わる頃には皆んなのことが好きになっています。
「子供を産んでも産まなくてもその人の価値は変わらない。やったことがないからわからないでしょ?という人は嫌い。」
「みんなの話は聞いてません。私とは違う」
そう言い放った千尋はかっこよかった。
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ネタバレどうしよう。すごく良いお話を読んでしまいました。
読み終わりたくなかった。居心地が良すぎて、まだ浸っていたかった。
妙ちゃんが癒されて前を向いていくお話ですね。その過程がすごく素敵。
菫さんも千歳さんも蓮太郎くんも、みんな素敵かよ。
庭にスミレ植えるの断固拒否な菫さん可愛いし、千歳さんホワホワしてそうでなんとも可愛らしいし、蓮太郎くんのピュアさと健全さは愛おしくてたまらない。超かわいい。
人生には痛いこともたくさんあるけど、棘はいつしか風化して少しずつ丸くなっていくのかな、などと考えました。
途中クスリとできたり、素敵な言葉があったり、やはり寺地さんの小説は好きだなぁとしみじみ思いました。
心が疲れてる時期に読めてよかった。