寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ人はみんな目に見える情報を第一にする
例えば「あの人は優しそうだから」「しっかりしてるから」そんな見かけから受け取る情報をすべてだと思ってしまう。
でもどんな人にだって暗い一面はある
優しいと思っていた人はNoが言えずためこんでしまう人だったり、しっかりしてそうな人はそのイメージを崩さないように無理して頑張っていたり
そして誰もがそんな本当の自分に気づいて欲しくて、手を差し伸べてほしくて足掻いている
※
※
あかつきマーケットのあかつきんが失踪して神出鬼没に現れ、人助けをしていく
あかつきんが人助けをするのは心に何かを抱えている人がほとんどだ
誰もが心の内側に人には見せられない弱さを抱え -
Posted by ブクログ
祖父のガラス工芸工房を引き継いだ兄妹の10年間を描く。3つの章と序章・終章の計5章からなる。
* * * * *
生きにくさ。
グレーゾーンを含め発達障害の要素を持つ人にとっては、日常的に感じていることではないでしょうか。
幼い頃から自閉スペクトラムの特徴が濃く表れていた道もその1人だと思います。
「みんな」と同じことが自分1人だけできずに、周囲からは疎まれ、侮られる日々。さぞかししんどかったであろうことは想像に難くありません。
けれど道は自分の特性をきちんと理解し、他人との違いを受け入れた上で羨望や嫉妬を感じることなく生きてきたのです。
自分にできることに注 -
Posted by ブクログ
どんな人にも、ぱっと見ではわからない一面があり、
深みがあり、感情があり、ドラマがある。
その一つ一つを丁寧に掬い上げて、
人のあたたかさを、手ずから渡すように
ぬくもりや、やわらかさを
そっと崩れないように渡された。
そんな読後感。
どれも、あぁそんな感情あるな、と
胸の奥で共鳴したり、あまりの教官に
涙ぐんでしまったり。
どのお話もとてもよかった。
過ぎていく日々が、とても嬉しく
ありがたく愛しくなるような短編集。
>>備忘録として
P263
生きているあいだに誰かをじゅうぶん大事にしたと、だから別れは辛くないと、そんなふうに言える人はすくないと思う。そこまでの覚悟を持 -
-
Posted by ブクログ
途中漫画とPMSを挟んだから読むのに時間がかかってしまった。もう一度集中して読まないと感想が纏まらない。
ハセの声、津田健次郎さんで再生された。
寺地はるなさんの本は初めて読んだが、描写が素晴らしいと思った。キャラクターの気持ちや情景をすんなり想像することが出来た。
最終章の「こいつは俺の大嫌いな職業で、だから、俺にはできないことができる」という言葉が印象に残った。
嫌いな人とも補い合って生きている。それぞれに名前と人生があり、みんな繋がっている と改めて気付かせてくれる。自分がもし小説を書くとしたら、こんな作品を書けたら良いなと思った。
時間がある時に一気読みで再読したい。
追記
民恵とい -
Posted by ブクログ
あかつきマーケットを中心にした町で暮らす人々を描く群像劇。
3章仕立てで、第1章はプロローグを含めて9つの短編、第2章は5つの短編で構成され、第3章のみ単独でエンディングとなっている。
* * * * *
閉店決定的のマーケットや、起死回生策として作られたゆるキャラ「あかつきん」のイマイチのイメージによくマッチした、垢抜けない町の垢抜けない住民たち。
その1人ひとりに温かな光を当て丹念に描いた、いかにも寺地はるなさんらしい作品だったと思います。
また、各話の主人公がリレー形式でつながっていくのもよかったけれど、章題がシャレていて感心しました。
住民たちの悩みや困 -
Posted by ブクログ
「いつも心に棺桶を」
「松竹梅で言えば蓼」
風変わりなフレーズが要所で登場する、一風変わった作品というのが第1印象でした。
登場人物もしかり。浮き世離れした人々が次々と出てきます。
テンポといい醸し出される空気といい、川上弘美ワールドかと見紛うよう。これが寺地はるなさんのデビュー作とは驚きでした。
それにしても登場人物が皆、キャラが立っていていい。特に菫さんが強烈です。
菫さんは妙のいびつと言ってもいい不器用さを叱咤するのですが、菫さん自身もなかなかに不器用です。なのに偉そうなのです。
そしてそこがまた魅力的なのでした。 ( いちばん気に入ったのは妙の父親ですが。)
で -
購入済み
大好きな作家さんです
寺地はるなさんの小説が好きでこちらも購入しました。
全て繋がった物語ですが、短編集のような形になっておりサクサク読み進めることが出来ました。
たくさんの人の目線で書かれており、それぞれの人生や価値観を考えては泣き、を繰り返していたのでとても読み応えを感じました。
寺地はるなさんの暖かいお話が大好きです。 -
Posted by ブクログ
大阪北部の遊園地を舞台にした、7編からなる群像劇で、描かれるのは日曜日のイルミネーションイベントに向けた1週間です。
訪れる人が笑顔になるのが遊園地というものだけれど、従業員にはそれぞれ抱える事情があり、性格があり、人生観があります。
彼らのそんな姿が、寺地はるなさんらしい丁寧なタッチで紡がれていました。共感と希望を心に残してくれるストーリー展開も相変わらず見事です。
感心するのは、各話の脇で登場する人物にまで十分な存在感を与えるキャラ設定をしているところです。
佑や「木曜日」の照代さんはともかくとして、「水曜日」の野上さんや「金曜日」のあおいさんにまできちんとした背景を用意し -
Posted by ブクログ
世の中にあるたいていのモノは、全て誰かの地味な作業によって生み出されている。
必要のない仕事は、この世の中に存在しない。必要出なかった、もうとっくに無くなっている。
情熱とは、仕事を続けていく上で徐々に喜びとか、面白さがわかってきて、その上で段々育っていく
就きたかった職業でなくても、真摯に、一途に、日々取り組んでいるとしたら、それはとても美しい生き方。
共感なんてもんは、何の役に立たない。ただ誰にでもいろいろあるということを理解するだけでいい。それが他人を尊重するということ。
うまくいかないことがあっても俺が悪いとは思わない。俺のやり方が悪かったと考え他のやり方を試してみる。
-
Posted by ブクログ
このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
さらに、一編ずつが短いのもポイント。
ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの作品を初めて読んだ。
いい読書時間を過ごせた。
本屋大賞っぽい内容なので、多くの人が読むといいなと思う。(詳しくは書けないけれど)
印象に残ったところ二つ
純文学とは「人間の愚かさ、欲望、闇、本質を問う」ものだから、愚かで欲望に屈しやすい父が自分を肯定してもらえるから好きなんだなというくだり、ドキッとした笑
子どもの存在を唯一の生きがいにしたら、なんか子どもがしんどくなるやろなという香川さんの言葉。
あっという間の子育ての時間。めっちゃ愛を与えて、あとは子どもが自分より大事な人を見つけて歩き出す背中を見つめる母たちの姿は,今の自分にはなかなか沁みました。
(こうやって要約