あらすじ
実家である天瀬ワイナリーを営み発展させてきた母が、突然倒れ、かえらぬ人となった。優秀で美しい母を目指して生きてきた双子の姉・光実(みつみ)と、二十六歳になっても逃げることばかり考えている弟・歩(あゆむ)は、自分たちを支えてくれていた母を失い、家業を継ぐ決意をする。 デビュー作『ビオレタ』で高い評価を集めた期待の新鋭による、優しい涙がこみあげる感動作。
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Posted by ブクログ
はじめに
寺地はるなさんの小説『月のぶどう』を読み終えた。
ページを閉じた瞬間、胸の奥に小さな灯りがともるような温かさが広がった。
これは、夢を追いかけることの美しさだけでなく、夢を持てなかった人、夢に破れた人、そして「何者かになりたい」と願いながら何者にもなれなかったすべての人へ向けられた、優しくも力強いエールの物語だ。
物語の舞台と登場人物
物語の中心にいるのは、双子の姉弟──姉の光実と弟の歩。
二人が生まれ育ったのは、家族経営の『天瀬ワイナリー』。
代表を務める母、経理を担当する父。ワイナリーは二人にとって生活の場であると同時に、それぞれの人生を形づくる大切な舞台でもあった。
物語は、母の葬儀という静かで重い場面から幕を開ける。
突然の別れ。残された家族。これから始まる新しい生活の気配──読者は冒頭から、登場人物たちの人生の転換点に立ち会うことになる。
「できる姉」と「できない弟」という呪縛
幼い頃から「母のようになりたい」と憧れ、迷いなく家業を継ぐ道を選んだ光実。
彼女には明確な目標があり、進むべき道が見えていた。
一方の歩は、自分が何をしたいのか、どこへ向かうべきなのか分からないまま大人になっていく。
「よくできる姉」と「できの悪い弟」。
そんな言葉とともに育ってきた歩にとって、母の死は人生の大きな転機となる。
この単純な二分法は、彼だけの苦しみではない。
兄弟間の比較、親の期待、そして自分自身への失望──多くの人が経験する痛みがそこにはある。
歩が抱える葛藤は決して特別ではない。だからこそ、読者は彼に自分自身を重ね、その成長を見守りたくなるのだ。
ワイナリーでの日々──仕事を通じた成長
母の死をきっかけに、歩も光実とともに『天瀬ワイナリー』で働くことになる。
望んだわけではない仕事。「やりたいこと」ではなかった選択。
けれど、そこで出会う人々やワイン造りという仕事を通して、歩は少しずつ、しかし確かに変わっていく。
働くことの意味とは何か。
人との関わり方とは何か。
この世の仕事はすべて必要で尊いものだということ。
たとえ望んだ仕事でなくても、夢見た仕事でなくても、目の前のことに真摯に向き合うことはできる──歩が学んでいくこれらの真実は、現代を生きる私たちにも深く響く。
「天職」を待ち続けることの危うさ
「いつか天職が見つかるはず」
「何かになりたい」
──そう思いながら、結局何者にもなれなかった。
そんな経験をした人は、きっと少なくない。
やりたかったことではなかったからといって、適当にやればいいわけではない。
欠点から目を逸らさず、否定していじけるのでもなく、きちんと向き合うことの大切さ。
つらさの度合いを他人と比較することの無意味さ。
作品が静かに、しかし力強く語りかけてくるメッセージは、読者の心に確かな手応えを残す。
「自分のいるべきところは、別にあるはずだ」
そう思っていた歩は、ワイナリーでの日々の中で気づいていく。
自分の作ったものが誰かを笑顔にし、おいしいと言ってもらえることに、価値を感じられるのだと。
天職は“探す”ものではなく、目の前の仕事の中から“育っていく”ものなのかもしれない。
涙を誘うラストシーン──人と人とのつながり
ラストシーンは、歩の友人・広田と光実の結婚式だ。
私はこの場面で、思わず涙した。
ドレスを用意し、化粧を施し、ウェディングケーキを作った友人たち。
祝福の声に包まれる光実の姿を見た瞬間、人と人が結び合う温度のようなものが胸に刺さり、涙がこぼれた。
人は、こんなにも多くの人たちに支えられて生きている──
その当たり前だけれど忘れがちな真実が、静かに描かれている。
入院中で出席できなかった祖父は、ボイスレコーダーで二人にエールを送る。
「結婚したら良いことばかりではない。嫌なことから逃げ続けることはできない。
受け止めることを怖がって目を逸らしたらいけない。
しっかり目を開けて、全体をいろんな角度からよく見ること」
結婚に向けられた言葉であると同時に、人生そのものに通じる普遍的な知恵だ。
二人はこの言葉をどう受け取ったのか──読者である私たちは、どう受け取るべきなのか。
終わりに──さわやかな希望の物語
『月のぶどう』は、さわやかな読後感を与えてくれる作品だった。
それは単なる「ハッピーエンド」だからではない。
登場人物たちが逃げずに、向き合い、少しずつ成長していく姿が丁寧に描かれているからこそ、希望が灯るのだ。
華々しい成功物語でも、劇的な逆転劇でもない。
日々の小さな積み重ねの中に、確かな価値を見出していく人々の物語。
「何者にもなれなかった」と感じているすべての人へ。
この作品は、優しく、しかし確かに語りかけてくる。
あなたは今、いるべき場所にいる。
目の前のことに真摯に向き合うことで、あなた自身の価値は育っていくのだ、と。
いつか漫画家になりたいと思いながら、何者にもなれなかった私にとっても、この物語は胸に迫るものがあった。
読み終えて、机の上に開いたままのノートをそっと手に取った。
「何者かにならなければ」と焦るのではなく、今日できる小さなことに静かに手を伸ばしてみようと思えた。
Posted by ブクログ
かなり好きでした。
あずみちゃんの母への想い、歩との関係性、互いに紡ぐ言葉、自分を見てるようで、苦しくなった
登場する人物みんなが、それぞれ良い変化をしていく
最期を描かないあたりもとても良い
みんなが幸せになりますように
Posted by ブクログ
天瀬ワイナリーが舞台。
ワイン造りを学ぶ歩と双子の姉の光実、周りの人たちとのかかわりで2人が人として成長していく。
そのままドラマになりそうな感じ。
普段はイタズラ好きの祖父が、時たま発する言葉に重みがあった。
平気で弱みをみせられる人がほんとうに強い人だ、という言葉や、結婚する光実への言葉は、とてもよかった。結婚生活が長い人にも響くと思う。
デザートワインが出来上がる頃、歩とあずみが笑顔でまた会えますように。
Posted by ブクログ
真ん中あたりからググッと引き込む展開はさすが。
今回一番ハッとしたフレーズは、
「『ぜんぶ理解できんでもええんや。親族とはいえ、他人なんやから。共感もするな。共感なんてもんは、なんの役にも立たん』
ただお前は、誰にでもいろいろある、ということを理解するだけでええと思う。それが、他人を尊重する、ということや。」
これは寺地さんの作品を読むようになって、私がたどり着いた境地のようなもの。
私自身は姉妹で比べられたという気はしていないけれど、双子の姉たちは常に感じていたかもしれず、特に自己肯定感が低いと最近になって私に話してくれた下の姉に読んでもらいたいと思います。
Posted by ブクログ
不覚にも結婚式シーンは泣いてしまった。
寺地さんは個人個人をすごく丁寧に描く作家さん。
わかるわ~、って頷くことばかり。
そして国産ワイン。
私も好きです。
こんなご苦労がたくさんあったとは知りませんでした。
やっすい輸入ワインに走ることもあるけど、心して国産ワインを大切に飲もうと思います。
グラスにも凝りたいけど、なかなか難しいかなー(笑)
Posted by ブクログ
双子の光実と歩
家業を継ぐ光実と何をしても飽きてしまう歩
優等生で美人の光実。
何をやってもうまくいかない歩。
母親が急死し、家業をやることになった歩。
ワイン作りはわからないことだらけ。少ない従業員とも上手くいかず…。
母親である人物や家族へのそれぞれの思いやコンプレックス。
特に母親の死に対しては家族もどこかギクシャクしている空気も伝わってくる気がした。
でも、心に残るような文章やはっとさせられる言葉があちらこちらにちりばめられていて、励まされた。
仕事のこと、家族のこと、色々なことが作品に溢れていて素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
農作物を育てその原材料をもとにそれぞれの楽しみ方を提供できるワインを作る、地味で根気のいる仕事を通して、誰もが成長できるチャンスがある、ということを大阪南東部の葡萄畑を舞台に物語は進む。娘は式をあげなかったので祖父の言葉がやけに身に沁みました♪
Posted by ブクログ
姉弟共に貼られたレッテルや、慣習に抗いなから前に進んで行く姿から目が離せませんでした。
嫌なことや面倒なことからも逃げ出さないという二人の気持ちにも共感しました。
Posted by ブクログ
優秀な光実と「出来の悪い方」な歩の双子の姉弟が亡くなった母の跡を継いでワイナリーで働くお話。
私も「出来の悪い」側の人間だと思い込んで生きてきたので、自分を卑下してはふてくされながら大人になった。だから歩の気持ちがよく分かったし、歩に対する周りの言葉がグサグサと刺さる。
ページをめくるハッとする言葉に出会う。歩以外にも光実やワイナリーで働く人々、友達…周りの人たち皆それぞれに共感できる部分があって、ぐんぐんと物語に惹き込まれ一気に読み切った。
1歩ずつ前に進む皆を見て、私も今から変われるかなぁなんて思った。
●ちょっとだけ期待をしていた、というようなことを歩は言った。新しいことをはじめるたびに、いつも期待をするのだと。自分にはなにかがあるんじゃないかと。他人より抜き んでた部分が、周囲も自分自身も今まで気がつかなかった素晴らしい能力が、その新しい なにかをはじめたことで目覚める、そんなことが起こりはしないかと。(中略)
「そういうのはさ、なんの努力もしたくない人が見るタイプの夢やと思う」
●「ぜんぶ理解できんでもええんや。親族とはいえ、他人なんやから。共感もするな。共感なんてもんは、なんの役にも立たん。ただお前は、誰にでもいろいろある、ということを理解するだけでええと思う。それが、他人を尊重する、ということや。」
●天職ではなかった。昔から夢見ていた仕事でもなかった。
それでも仕事にちゃんと向き合うことはできると思った。
Posted by ブクログ
なんかこう、逃げてばかりいてなかなか向き合わない歩に最初はイライラさせられるけど、着実に成長して、それを周りが認めていくのがいいなあ。でもそれを和葉さんが悲しむのはよくわかる。
あとは、冨美雄さんの「うまくいかないことがあったらやり方が悪かったと考えてやり方を変える、自分を嫌いな人に好かれようと頑張らないっていう考え方は、正にそのとおり!!
それから、光実の結婚式でのおじいちゃんの言葉にもやっぱりそのとおり!!
Posted by ブクログ
寺地はるなさんらしい、一人ひとりの人生が伝わってくる内容だった
・光実の由来が素敵
・おじいちゃんもちゃんと光実のことを認めてた
・母に憧れながらも、自分らしく
最後歩が受け取った手紙の内容が気になるけど、きっと生き生きと仕事をしてる歓びを綴ったものではないのかな
Posted by ブクログ
偉大な存在だった母が亡くなった。
母の跡を継ぐよくできる姉、そして姉よりできないという思いがありつつ、戻ってきてワイン作りを手伝う弟。2人のそれぞれのありそうな生きづらさや、その中で重ねていく日々に思いを重ねながら読んだ。
Posted by ブクログ
何やっても上手くいかない歩と出来のいい方の双子の姉光実。歩は姉に引け目を感じて実家から離れて生活をしてきたが、母親が亡くなり、家業のワイナリーを手伝うことになる。不器用ながら少しずつ葡萄づくりやワインづくりをしていく歩に好感が持てる。出来の悪い弟を助けようとしている光実は心の奥底では歩のことを蔑んでいるようなところがある。ワイナリーの職人(上司)は初心者の歩に対してちょっと冷淡かなって思える。
少しづつ成長していく歩、人間的にも一番かなって思える。
Posted by ブクログ
双子の姉弟が家業のワイナリーを亡き母の後に継ぐために試行錯誤する。
二人の考え方、性格の違いが引き寄せあったり反発したりする。周囲の人達の優しさに支えてもらいながらお互いの目指すところがはっきりとしてくる。
頑張れ!と応援したくなる。
Posted by ブクログ
寺地はるなさん…双子の成長物語です。
こう言うの書かせたら間違いないですね〜
ちょっと読むのに時間かかりました。
わたしの姉妹達(三姉妹です)と両親との思い出が
作品と似ていたから(u_u)
兄弟姉妹って最初のライバルかもしれませんね。
「出来のわるいほう」歩の気持ちが良くわかります笑
父親、祖父、友人達…理解のある人達に囲まれて
二人が成長し素敵なワインを作り出す日を楽しみに待ちたいとそんな気持ちになりました(^ ^)
Posted by ブクログ
「ワインの製造」と言った場合の工程範囲の広さに改めて驚きつつ、面白く読ませて頂きました。中心人物達の年齢設定が、自分の直感より上で最後まで馴染めなかったが、自分自身の同年齢の頃の事やら、段々と実質的な大人と言える状態迄に必要な期間が長くなって来ていると言う話を思い出したり。何れにせよ、幼少期からの自身への刷り込みの影響力の強さに思いを馳せた。
Posted by ブクログ
急死した母の後を継いで、ワインづくりに奮闘する双子の姉弟の成長と自立を描くお仕事ヒューマンドラマ。
* * * * *
大阪南部の山間にあるワイナリー。そこで醸造家を目指して修業中の姉弟には、双子ならではの苦悩があります。
何かと比較されることの多いのがきょうだいというもの。ましてやそれが双子ならなおさらでしょう。出来の良し悪しに関わらず、周りの評価が本人たちの縛りとなるのはよくあることです。
その葛藤と呪縛からの脱却を、寺地さんらしい丁寧なタッチで描かれていました。
何でもソツなくこなす姉の弱さ。
逃げ癖のある弟の強さ。
表裏一体の双子の自覚と覚悟。クライマックスの人前結婚式のシーンは素晴らしいの一言です。
ところで、エピローグの最初に出てくるあずみからの手紙って……。
長い手紙であり、すぐに返事を書けないような内容のように思われます。
ああ気になる、その内容。もちろん、あえて明かさないことは重々承知しています。それでも知りたくて仕方ありません。どんな物語を歩のために用意するのかを。
これはもう意地悪だよ、寺地さん。
だから☆1つ減点です。続編で描いてくれるなら、そのときは満点に訂正します。
また本作ではワイン造りの工程も興味深く描かれており、お仕事小説としてもよくできていることを付け加えておきます。
Posted by ブクログ
描写が細かくて引き込まれました。亡くなってしまったお母さんが子供達を想う気持ちがよく伝わった。その想いが、実は上手く伝わっていなかったり、誤解されていたり…なるほどなぁと思いながら読み終えました。なんだか足りないものを自然に補いながら、頼り頼れるのも兄妹ならはで温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
ワイナリーを営む家の中心だった母が突然亡くなる。双子の姉、光実を手伝う事になった弟の歩は、出来の悪い方だと思っていた…。なんだろう、この作者の作品は、じわじわ心に刺さる、泣きそうになる。自分の事ばかり考えちゃうが、みんな誰かに支えられている。自分の方が上だと思うとホッとしてしまう心理や成長の様子が刺さる、ほんと。
Posted by ブクログ
ワイナリーが家業の男女の双子のお話。
お酒はなんでも好きだけどワインは敷居が高いイメージがあって…でも歩がいるワイナリーに行ってみたい。
ワインができるまでの工程を季節の移ろいとともに描写されていて興味深かった。
美晴が意外にハマった。
Posted by ブクログ
歩のひたむきな姿が良かった。
母から逃げ、ダメな子で過ごしていたが、母の死をきっかけにワイナリーに戻ってきた。
ここでやっていくしかない、っていう覚悟で、必死に勉強し続ける歩。
不器用だけど、少しづつ成長していくお話。
他の家族もみんないろいろあって、何かを抱えていて、でも、良い方向に向かってくれて、心温まる一冊でした。
Posted by ブクログ
「ダメな子」がいつの間にか、すごく味のある人間に成長している、という寺地ワールドの真骨頂のような作品でした。
ラストのボイスレコーダーでの挨拶を始め、祖父の台詞が素晴らしい。
他の登場人物も名言が多く、父と光実の次の言葉が印象深かった。
P87 父の台詞
「大切やない、必要のない仕事はない。必要でなかったら、それは職業として成立せんからな」
P127 光実の気持ち
誰かが大切に持っている夢は、その人自身がそっと手を開いて見せてくれるまで、軽々しく触れてはならないと思う。
Posted by ブクログ
関西のとあるワイナリーのおはなし。
寺地さんの本は2冊目だけど、ひとつの家族を長期的に書くのが好きなのかな。
つとつとと、3年間くらいの話が書かれているので、途中、ちょっと長いな…と思ったところもあり。
じーんとくるいくつかのシーンがあったな。
Posted by ブクログ
出来のいい光実と出来の悪い歩。二卵性双生児の二人が母の死をきっかけに家業のワイナリーで一緒に働くことに。
周りの双子を思い出しても、なぜだか対照的な性格なことが多い気がする。この二人も相手を羨ましく感じたりコンプレックスを抱えているのだけど、ワイン作りを通して徐々に解き放たれていく様が心地よかった。
そして、祖父がいい味を出している!結婚式の言葉がよかった。
Posted by ブクログ
展開が気になって一気に読んでしまった。双子の主人公のどちらも生きることに不器用さを抱えていて読んでいてしんどくなる部分もあった。でも、そのひたむきさから、良いワインがいつかできるだろうと思わせる明るい未来でお話が終わって救われた。
Posted by ブクログ
ワイン造りのお仕事小説。
性格の異なる二人の双子主人公。それぞれの視点で仕事に対して向き合っていく様は前向きな気持ちになれる。
小説だと感情が高まったシーンで少しだけ現実外れした台詞が出てくるように思うが、本作はギリギリ現実的な範囲の言動であるように思う。一番フィクション味があるのはお祖父さんがイタズラ好き設定であることなのではないか。
視点の切り替えが多いのだが、行アキのあとにどっちになってるが毎回わかりにくくて少し読み辛い。仕事の描写がしっかりしている分、少々長く感じてしまった。気分と合っていなかったのかも。
Posted by ブクログ
実家である天瀬ワイナリーの中心だった母が、突然かえらぬ人となった。優秀で美しい母を目指して生きてきた双子の姉・光実(みつみ)と、二十六歳になっても逃げることばかり考えている弟・歩(あゆむ)。家業を継ぐ決意をする歩むと光実の物語。
ワイナリーで働く人や出会った人とのお話だが物語は淡々とすすむ。家族だからわからないこともあるし、家族だから支えられることもある。「血のつながり」がしんどいなと思わせる描写もあったが、読み終えた。
本文でいいなと思った言葉。
****************
「大切やない、必要のない仕事はない。必要でなかったら、それは職業としてせんからな。」この世の仕事はすべて必要で重要。
Posted by ブクログ
ワインができるまで。そして、歩くんと光実ちゃんの成長のおはなしでした。
あずみちゃん、いいですね。
短編でいいから、3年後くらいの2人が見たいな。
赤ちゃんがいたり、従業員がふえてたり、あずみちゃんが帰ってきたりしてたら楽しいだろうな。
この方の本は、優しかったり柔らかだったりするのに、どうしてこんなに人の痛みや弱さが鋭く描かれるんでしょうね。
本当にすごいと思います。