寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
寺地さんの作品は、盛り上がるようなストーリーではないけれど、心の奥に染み渡るような読後感です。
心地よく、優しい、穏やかな気持ちになります。
兄弟って難しいですね。
同じように育てたよ
って親は言うけど絶対違うよね。
って思うことはいっぱいあるし
母も一生懸命子育てしていたんだろうし
私も母となりいろいろ考えたり
反省したりいろいろあります。
子供は子供なりに感じたり思うこともあって
葛藤もあります。
どうやっても
お互いに言い分もあるし、
張り合う気持ちや、劣等感
嫉妬してしまうこともあるけど
心も身体も少しずつ育っていく
道 羽衣子も少しずつ大人になって認め合えるようになっていく姿が微笑ましい。
道の気持ちも羽衣子の気持ちも
かわいいし、温かい。
この話好きだなぁ。と何度も思いながら読みました。 -
Posted by ブクログ
積読を抱えるもの泣かせ。といった読後感。
ほたるいしマジカルランドで働く人たちを、月曜日から日曜日まで追っていく。
最初は登場人物の多さに「誰だっけ?」となりながら読んでいたのに、曜日が進むにつれて一人ひとりに個性が生まれ、それぞれの家族の形や仕事への向き合い方、好き嫌いまでが見えてくる。
そして別の日には脇にいた人が、この日はこんなことを考えていたのか、と一週間を階段を上るように少しずつ知っていくのが心地いい。
だからこそ読み終えると、また月曜日に戻りたくなる。 この日に彼彼女がこう思っていたことを、あの日にはどう思っていたっけ。この登場人物、確かあの日にも出てたよな、と。
一度読んで星4。 でも繰り返し読むことで、たぶん自分の中では満点になっていく作品なんだろうなと思う。
積読はたくさんある。 なのに、もう一度マジカルランドに行きたい。 困った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレみんな何かを抱えていて、それの傷の舐め合いでもなく、ただ歩く。しかし最終的には自分がどうしたいか、おかしい方に流されてそれが楽だと思わないようにすることが大切だと感じた。
もう二度とフルメンバーの散歩は実現しないのだろうけれど、それぞれが1人でも正しいと思うほうに歩いていくのだろうと、そう思った。
個人的に気になったのが、自分がこの本を手に取ったのがあらすじで面白そうと思ったからであるが、思ったような話じゃなかったなと感じた。モヤヤンの登場が少なく、人間模様が丁寧に書かれていたが、得体の知れないもの、モヤヤンに苦悩する様と自分を照らし合わせたいと思っていたので、少し驚いた。(それが悪いという訳では無い) -
Posted by ブクログ
連作短編集。寺地はるなさんの「水を縫う」「世界はきみが思うより」に続いて京阪沿線っぽいところが舞台。ひらかたパークがモデルになっています。
ほたるいしマジカルランドの社長の名物社長が病気になり、社長と祐の関係には少し無理が…と思いつつも、働いて人々がそれぞれの悩みを持ちつつ、目の前の仕事をコツコツとする姿は等身大の人々でした。
好きだったのは火曜日の村瀬草。
村瀬のイケていないのにプライドが高いところ、人を妬んだり、人に助けを求められなかったり…私もそんなところあります。素直なところもある村瀬が憎めなくて、面白かった。ちなみに串から直接食べる派です。
男の子の母としては、水曜日の篠塚八重子系のお話に弱い。
家事ってつらい。子育てってうまくいかない。それを立て直すのって一人では難しい。負のループに入ってしまう。
それでも母を恋しく思ってくれる子どもにありがとうって言いたい。
遊園地の経営としはてありえない体制だけれども、それはファンタジー。楽しく読めました。 -
Posted by ブクログ
雨が降ったら。
傘をさす?ささない?
レインコートを着る?
レインシューズを履く?
雨が降るかも。
傘は持ち歩く?持たない?
折りたたみ傘を持ってく?長い傘を持ち歩く?
人生自分では選択出来なかったこともたくさんある。選択できた事もたくさんある。
悲しい時にさしたい色の傘は何色?
嬉しい時に着たいレインコートはどんな柄?
傘を選ぶように自分の好きに向かって進んでいけたらいいのに。いや、進んで行っていいのだと、ちょっと背中を押される。
雨ってちょっと憂鬱だけど、お気に入りの傘1つ欲しいかも。選ぶときワクワクするから。
さす時もワクワクするから。
-
Posted by ブクログ
表題の遊園地で働く人々の悲喜こもごも
面白かったです。連作のかたちでそれぞれの皆さんの抱えたあれこれが紐解かれ、少しの救いが与えられるような。遊園地が舞台と言ってもお仕事小説ではなく、あくまで個々の生き方を重くならないレベルで掘り下げる感じです。
軽い、と言ってしまうとそれまでですが、むしろその軽さが寺地はるな作品の良さだよなあ、と改めて思いました。心情的に共感する部分を多々感じさせながら、そこまで深く入り込むこともなく、激情なくふんわりとよかったなあ、と思わせてくれるという。
ラスト、無理に登場人物同士をくっつけた話にせずそれぞれのエピローグとしたのも、無理な構成にならなくてよかったと思います。気持ち良い読後感でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の晩餐がテーマの7編からなるアンソロージ。
好きな作家さんばかりが、異なる切り口で書いた物語、一つ一つがとても面白かった。
人生の最後に何を食べるのか?なかなか悩ましい、重いような軽いような命題。
最後の食事は、何を食べるか、どういうシチュエーションで食べるか、誰と食べるか、一人なのか、一人の人生が表されているようで、様々な想像が生まれる。
意識をしていても本当に食べれるかどうかも分からないけれど、考えるだけで、酒盛りのネタに十分になりそうで、でも実は色々考えさせられる。
個性あふれる作家さんの物語は、色々な観点で描かれていて、其々の文体があり、あっという間に読んでしまった。
個人的には、角田光代さんの『最後の鰻』が笑えて、ほろっときて、沢山の家族に看取られて、あるあるって感じもして、大往生で好きだった。
藤野千代さんの『もうひとりのねえちゃん』は、家族が身近にいなくても、誰かがいてくれるってのも幸せの一つだと思えた。TVで『団地のふたり」が放送されているので、ノエチとなっちゃんの関係が思い浮かんだ。
寺地はるなさんの『小曽根幸子の送別会』は、小曽根さんがかっこいい。主役がいない送別会のシーンはスカッとするものがあった。
江國香織さんの「コインランドリーの夜」は、コインランドリーという場が秀逸。機械が回る音、無機質な感じが上手く描写されていて、流石って感じだった。
原田ひ香さんの『最後に何を食べたの?』は、ちょとミステリーがあって、最後にあーちゃんが恭一によって、救われるのがホッとさせられた。
しかし、このメンバーの食べ物の描写は流石上手いなぁと改めて思った。