寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ水青は、過去の経験から「かわいい」を生活から削ぎ落とす。
そんなことで、って言われるのが怖い。
あなたが悪い、って言われる恐怖から、かわいいを遠ざける。
でも、その中でも紺野さんとの結婚で気づいたこと。
「かわいい」は、「好き」ってこと。
全の世界観はとっても素敵。
でも共同生活には向かないってこと、そうそう!って思いながら読んだ。
さつ子の「精一杯」と、もっとやれたんじゃないかという後悔。
普通、から外れるのを嫌う。それは、傷ついてほしくないから。
「わかるよ」の共鳴以外が怖い、そんなさつ子。
男と女、比べちゃならぬと心に決めている段階で、
その思想は消えてはくれない。
男と女で分けられ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読んで、まず心に残ったのは
「誰かと一緒にご飯食べて楽しかったとか美味しかったとか、そういう記意ってずっと残るから、食べてもなくならないよ。記憶が残るなら、それはご飯も残ってるってことだよ。という言葉。
気づかないうちに “なくなること” を惜しんでいたけど、なくなるのは形だけで、感じたあたたかさは残り続ける。それに気づけた瞬間、日々の食事にも少しだけやさしい光が差した気がしました。
もう一つ深く刺さったのが
「自分の居場所があらかじめ用意されてる人なんていないから。いるように見えたとしたら、それはきっとその人が自分の居場所を手に入れた経緯なり何なりを、見てないだけ」という言葉。
居 -
Posted by ブクログ
83歳の祖父は絵に描いたような男尊女卑、高圧的で頑固で粗暴で、不器用。
そんな祖父を苦手に思う25歳の孫 桐矢は潔癖気味、神経質で優柔不断、そして不器用。
性格も価値観も全く異なる二人の同居生活が始まる。
初っ端の祖父 義景さんの登場があまりにも強烈すぎてダメージを食らい心折れそうになったけど、戦中から戦後と激動の昭和を生き抜いてきた背景を知ると印象が変わった。口は悪いしデリカシーもないけど、どこか憎めない。対する孫の桐矢は現代的というか押しに弱くどこか頼りないけど、思慮深くて芯が強い。
義景さんの過去パートは時代背景のせいか割とシリアスめ、対する現代の桐矢視点は真反対のおじいちゃんとの生活