こまどりたちが歌うなら

こまどりたちが歌うなら

小説・文芸
1,870円 (税込)

9pt

前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。
父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。
それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくが――。
一人一人違う〈私たち〉が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編!

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こまどりたちが歌うなら のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    はとこの『伸吾』に乞われ、彼が父親から社長を引き継いだ製菓会社に転職した『茉子』。そこはあまりにも古い体質のルールがまかり通り、疑問を唱える茉子は周囲から煙たがられてしまう。

    かわいらしい和菓子の表紙、きっとほっこりしたお話なんだろうと予想して読み始めたのだけど、これがなかなか。
    主人公の『茉子』は以前の勤め先で後輩を見捨てたような形になったことを気に病んでいて、こちらでは当たり前のことを言っているつもりが『コネの子』と煙たがられる。ものの考え方とか、本当に親に愛されて育ったんだろうなと感じられる。現社長の『伸吾』は、もめ事が嫌なんだろうしとても優しいんだろうとは思うけど、確かに上に立つには頼りないかな。不愛想なパートの『亀田』はすべて諦めてしまうほど本当に大変だったんだろうな。その息子の『善哉』は苦労はしてきてもこちらも愛情を受けてきたのだろうと思える。不安定な『美智花』や生真面目な『千葉』、たくさんの人物がでてくるけど、悪いだけ・良いところばかりの人はいない。それぞれに生きてきた環境があり、それぞれの問題を抱え、それぞれの正しさを持っている。持っていても生きるために曲げなくてはいけないこともある。でもだからこそコマドリの鳴き声のように「ここにいる」と叫ぶように声をあげる強さを持ちたいと願う茉子を好ましく感じる。
    なんだかとぼけた顔をした『こまどりのうた』が食べたくなる。きっと優しい味なんだろうな。

    0
    2026年10月12日

    Posted by ブクログ

    人間関係や職場環境の悩みは尽きないんじゃないかな。「涙はしょっぱい、お菓子は甘い。」甘いの苦手だけど、出てくる和菓子は美味しそう。

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

    コネ入社した茉子には前職で後悔があった。いびられる後輩に「見て見ぬふり」をしてしまった事だ。2度と後悔しない様、吉成製菓では自分の意見をどんどん口にする。当然、反発もされる。社長の幼馴染の伸吾もその1人だが、彼は一方で茉子の発言力を評価している。今時の考えと相容れない老舗企業の文化…一方的に改善する、とかはなくて少しずつ少しずつ周りが変わっていくのがリアル

    0
    2026年06月15日

    Posted by ブクログ

    なんや、神経質で繊細な子やなぁと思った。

    小松茉子は今日から6-7歳年上の従兄の伸吾を社長と呼ばねばならない。亀田さんは特別なパートさんだから会話に気をつけるように言われる。伸吾の父が心臓を患って引退して、社長職を継ぐ。事務の子が辞めるからと伸吾に誘われた。

    家に帰ると満智花が両親と映画を見ていた。菜の花の辛子和えは満智花が作ったらしい。満智花は同じマンションに住む看護師。最近ちょっと茉子の家に入り込み過ぎているのではないかと思っている。

    二ヶ月たった。亀田とは親しくしていない。亀田は以前、こまどり庵で勤めていたが、結婚出産後復帰して事務のパートに回っているらしい。江島さんのパワハラチックなところが茉子にはダメだ。

    満智花がこまどり庵に就職した。正置さんが江島さんに背中を叩かれて階段を落ちて骨折。正置は工場に戻ることを希望する。

    0
    2026年06月10日

    Posted by ブクログ

    未だに暗黙のルールとか、昭和の頃のままの理不尽なルールが横行している会社はたくさんある。どうせ変わらないと思って、黙々と働くしかない人が多い中で、茉子さんのような存在はありがたい存在だなと思った。少しずつ会社の仕組みが変わっていく様子が本当に嬉しくて、登場人物たちを頑張れ!と応援したくなった。

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    表現が丁寧で、綺麗な言葉が随所随所に散りばめられていた。特に各章の終わりの言葉が綺麗で書き残している。
    27歳というまだ若さが残る主人公の心の中の気づきや、主人公の周りの人の言葉に私もはっとさせられた。
    主人公の心の中の関西特有なツッコミにも何度も笑されたし、和菓子屋が舞台だからこそ季節を感じながら読み進められるのが気持ち良くて、温かく感じた。読んだ後、すっきりと、ほっこりとなるそんな感覚だった。

    0
    2026年05月31日

    Posted by ブクログ

    たった一人でも「きみは大丈夫。」って心にスタンプを押してくれる人の存在は大きい。
    皆にも、そんな人が一人でもいますように。

    “だいじょうぶ”の話は、聞くにしても答えるにしてもホンマに気をつけよう。
    誰かが「人は大丈夫?って聞かれると反射的に大丈夫って答えてしまうから。」って言ってて「せやねん、せやねん。」って思ったのを思い出した。

    「少しずつ少しずつでも、大丈夫。」って言ってもらえてる気がする一冊やったなぁ。

    ☆第一章 春の風
    ☆第二章 香る雨
    ☆第三章 夏の雪
    ☆第四章 秋の夢
    ☆第五章 冬の花
    ☆第六章 空と羽

    0
    2026年05月15日

    Posted by ブクログ

    親戚が営む製菓会社に27才で転職した主人公(茉子)は古い就業規則に反発するも生意気だと言われながら奮闘する物語。
    小さい会社にありそうな問題がてんこ盛りでどれも面白かった。
    話の中に美味しそうな和菓子の説明を差し込んでくるので和菓子が食べたくなりました。

    0
    2026年10月25日

    Posted by ブクログ

    中小企業あるある。
    そこに、和菓子で彩りを添えた作品。

    結局、言いたいことがあるなら、ちゃんと言わなきゃわからない。
    さもないと、声の大きい人に流される。
    ただ、声が大きいだけで、正解ではないのだよ。。

    昨今、ナントカハラスメントを警戒して、プライバシーの侵害が、なんか過剰に意識されている気がする。
    なので、話してみると、想像してるより、意外と何もない、かもしれない。
    本人のことは、本人に聞くのが正解。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    労基法違反、パワハラ、問題から目を逸らす社員たち……問題だらけの中で、それでももがき、改善していこうとする所謂「融通の利かない」主人公の姿が描かれる。個人的には「悪人にも事情がある」というようなオチは好まないが、しかし現代社会では個々人が色々な事情を抱えて生きているのだということを丁寧に描いている点には好感が持てた。今回も中小企業の解像度が高く、筆者の観察眼あるいはリサーチ力想像力に脱帽。

    0
    2026年09月23日

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