寺地はるなのレビュー一覧
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寺地はるなさんの作品は、生きづらさを生きづらさとして認めてくれる感じが心地よい。ひとと違うことで嫌な気持ちになったり、つらくなったりすることがあっても、それをそれとして受け止めてもらえる。
高校生のぼくと、20代前半のわたしが語り手となって、家族との関係、友人との接し方、恋人との付き合い方などを描く。痛みやつらさを知っているからこそ、安易な発言や共感はしない。相手を思いやると、言葉が出てこなくてぎこちない雰囲気になってしまうこともある。でもその思いやりはちゃんと相手に伝わっている。
そういう、優しい作品だった。
日々の困難や厄介ごとを、「おかずシェアの会」みたいに分け合って、みんなで解決で -
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ネタバレ私の祖父は、桐矢の祖父と違い、「みんなそれぞれ考え方があって受け入れる性格まるっこいじいちゃん」だったので、最初読んでて桐矢の祖父の横暴さや「典型的なステレオタイプの昭和の頑固迷惑爺」がしんどかったし、そんな祖父と生活しなきゃいけなくなった桐矢に同情しかなかった。そんな正直鼻つまみ者な祖父と祖父が若かりし頃営業を頑張ってたレトルトカレーでちょっとずつ距離が近づいていくところをみて「人情は多少あるんだけどね…」って感じだった。
桐矢の祖父は家族の愛情を知らずに育って食べ物にも苦労したから、家族を持つことに戸惑いもあったし、食べ物の恩のこともあって必死だったこと。そういう面を知ると仕方ない部分もあ -
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寺地はるな、『水を縫う』。
寺地はるな作品初読み。
松岡清澄、手芸好きな高校1年生。手芸好きをからかわれ、クラスでは浮いている。幼いころに父と母が離婚し、今は祖母・文枝、母・さつ子、姉・水青との3人で暮らしている。
かわいいものが苦手な、結婚を控えた水青のために、清澄は、ウェディングドレスを手作りすることに。
家族でありながら、自分たちの想いをなかなかうまく伝えられない松岡家。
水青は、過去の忌まわしい記憶から、かわいいものが苦手であるが、それをうまく伝えられない…
水青のためにウェディングドレスを作ろうとする清澄も水青の想いを汲み取れず、自分の想いを伝えられない…
さつ子も手芸好きな清 -
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寺地はるなさんの作品はいくつか読んでいるが、
エッセイは初!表紙もほんわかして可愛らしい!
私と同世代なので、感覚が近い所がいくつもあり、何度も励まされたり、笑わせてもらった。
そして、ふいに勇気づけられたり元気ももらえた。
一つ一つのコラムから溢れるメッセージというより、まぁ同じ時代に生きとる者同士、ぼちぼちいきましょう〜という感覚の、肩の力をそっとほどいてくれるような作品だった。
リヴァー・フェニックス、私も好きだったなぁ。
久しぶりに当時の胸キュンを思い出させてくれた寺地さんに感謝。
小説では分からない、寺地さんの心に少しだけ近づけた気がして、親近感がわいた。
今後も作品を読ん -
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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
いろんな世界があるということを感じさせてくれるお話でした。
いろいろなものが認められていくと、少数であっても差別されないという世界に近づいていくんでしょう。
人生をどう謳歌していくか、
人に迷惑をかけていないか、
何かの役にたっているのか、
大切なのはそんなところでしょうか。
人への興味が薄れていって、差別することもなくなるかもしれないですが、この先の時代はどうなっていくんでしょうね。
自分をもって深掘りして見つめていくことが何よりも大切だと感じる、今日この頃ですが、この作品を読んで、尚のこと、どう生きていくべきか、と、考えさ -
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とても好きなお話でした。
とある出来事から他人が作ったものが食べられなくなり「世界への信用をな」くした高校生の冬馬と、美しいものが好きで太ることを恐怖する会社員の紗里。二人の話が交互に語られていきます。
「世界への信用がない」冬馬は同級生の時枝くんと仲良くなっていく中で世界への信用を少しずつ取り戻していき、紗里はマッチングアプリで出会った水田さんと過ごす日々に癒しを感じ愛情を抱くようになる。
自然体でいられる相手と出会えて、お互いに気持ちが通じ合う幸せ。
この世界は辛いことも多い。けれど、自分のことを理解し愛してくれる人たちが近くにいるだけで世界はずっと素晴らしい場所になるのだろうな、と思い