寺地はるなのレビュー一覧

  • 月のぶどう

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    世の中にあるたいていのモノは、全て誰かの地味な作業によって生み出されている。
    必要のない仕事は、この世の中に存在しない。必要出なかった、もうとっくに無くなっている。
    情熱とは、仕事を続けていく上で徐々に喜びとか、面白さがわかってきて、その上で段々育っていく

    就きたかった職業でなくても、真摯に、一途に、日々取り組んでいるとしたら、それはとても美しい生き方。
    共感なんてもんは、何の役に立たない。ただ誰にでもいろいろあるということを理解するだけでいい。それが他人を尊重するということ。
    うまくいかないことがあっても俺が悪いとは思わない。俺のやり方が悪かったと考え他のやり方を試してみる。

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    2021年05月22日
  • 月のぶどう

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    すごく良かった。ラストの少し前にある出来事には、感動して陽の光やワインの煌めきがありありと目に浮かんで、泣いてしまった。
    寺地さんの本は、悪人がギャフンと言わされることもないし「間違った」行動や言動が猛省される描写もないんだけど、伝えたい人にはちゃんと伝える、そこがいい。登場人物みんなが生きている、生きていく感じ。

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    2021年04月25日
  • 夜更けのおつまみ

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    このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
    どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
    あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
    人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
    さらに、一編ずつが短いのもポイント。
    ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰

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    2020年07月14日
  • 月のぶどう

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    双子の光実と歩
    家業を継ぐ光実と何をしても飽きてしまう歩
    優等生で美人の光実。
    何をやってもうまくいかない歩。

    母親が急死し、家業をやることになった歩。
    ワイン作りはわからないことだらけ。少ない従業員とも上手くいかず…。

    母親である人物や家族へのそれぞれの思いやコンプレックス。
    特に母親の死に対しては家族もどこかギクシャクしている空気も伝わってくる気がした。

    でも、心に残るような文章やはっとさせられる言葉があちらこちらにちりばめられていて、励まされた。
    仕事のこと、家族のこと、色々なことが作品に溢れていて素敵な作品でした。

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    2019年11月30日
  • 世界はきみが思うより

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    じんわりとあったまるお話しだった。
    優しい世界ってあるんだなって。
    彼らの未来が明るいものであるように、願わずにいられないなと思った。

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    2026年05月24日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    私は小さい頃から、思いやりを大切にしなさいとよく言われて育ってきました。

    なのに清瀬になったつもりでこの本の中で人生を生きていたら、ここは腹立つなぁとか障害を知った途端に、見る目が変わる部分があることを私も知ってしまいました。

    寄り添うことは得意なはずだけど、実際しっかりただただその人と向き合ってちゃんと話して理解出来ているのだろうか?と思いました。

    ただの薄っぺらい思いやりじゃなくて、その人自身をしっかり見ていこうと思いました。

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    2026年05月24日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    2人の合わない兄妹がそれぞれ苦悩を抱えてガラス工房とお互いと向き合っていく。道と羽衣子の
    それぞれの視点で物語が進んで行くのが良かった。
    舞台となった空掘商店街のガラス工房も見てみたい。

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    2026年05月24日
  • 川のほとりに立つ者は

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    目に見えてるものだけが全てじゃない一方で目に見えてるものだけで判断しないといけないという葛藤を感じた。難しい

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    2026年05月23日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    ネタバレ

    前向きで純粋な碧ちゃんに元気を貰った。
    蜜場が荒らされて蜜蜂が女王蜂を守ろうとして
    死んでいるところは切なかった。

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    2026年05月22日
  • こまどりたちが歌うなら

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    ネタバレ

    茉子は反論をすぐに出せる反射をもっているからこそ、周りには冷酷で反感を買うことが多い。(私は茉子のことが嫌だなと思った。もしかしたら私の欠点に似ているからかもしれない。正論を正しく言うことが良い訳じゃない)

    玉置さんと江島さんは、パワハラと部下に見えるが、玉置さんは営業に向いてないと分かっていて、江島さんは家族の問題やバックグラウンドの自己承認についての悩みを抱えている。

    亀田さんは仕事ができて、周りの気持ちを察せられるからこそ意見を飲み込むようになってしまった。

    こまどりの「ここにいる」と主張する姿のように、みんな意見を我慢してはいけない、でも勝手に決めつけて言い過ぎるのも違う。登場人

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    2026年05月22日
  • 白ゆき紅ばら

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    ネタバレ

    この方の本を読むのは初めてになります。
    みんな基本はやっぱり自分がかわいくて、かわいそうで、必要とされたい。存在意義を見出したい。

    生活環境が安定してれば視野も広がり自分で処理できるし、自分のことを自分で幸せにしてあげられる自立した人と認識してもらえる。けれどその土壌が不安定になると隠すべき感情が露呈してしまう。人を使って満たされない穴を埋めようとしてひとりで気持ちよくなってしまう。
    やらない善よりやる偽善という言葉があるしわりとその考え方に同意なのだが、そもそも人が人に善を与える(助ける)シーンにおいては立場の差が生じている。何かしらの理由でそれができないからできる人が手助けする。そこに可

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    2026年05月21日
  • ガラスの海を渡る舟

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    発達障害と思われる兄の道とその妹の羽衣子、そして親や親類との関わり合い、ガラス工房を訪れる人々との交流が細やかに描かれ、読み終えてじんわり沁みるような小説だった。

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    2026年05月20日
  • 世界はきみが思うより

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    毒親というほどじゃないけど、子供が子供でいられる時間を奪うような親が出てきて、うっすら嫌な気持ちになった。特に主人公の父親は本当に気持ち悪い。
    心を許せる人を見つけるのは大変だけど、世界は自分で思うより優しいのかも。

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    2026年05月20日
  • ぬすびと

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    寺地はるなさん、楽しみにしていた新刊ながら、
    タイトルと概要を読んで、どうかなと思ったけれど・・・
    やっぱり寺地さん。
    おもしろく、またイマドキの感覚に、昭和女は我が身を重ねながら読みました。
    今まで流されていたこと、当たり前だと思っていた価値観が
    正しいのか、いつも考えさせられる、寺地作品。

    今回は、高級スポーツクラブで清掃を担当するパート従業員が主人公。
    夫も正社員ではなくて・・・世間的な価値観からいったら、疑問符?
    ある日、ほんの少しだけかつて子守をしていた男の子、長じて
    今は26歳の社長、から連絡があって・・・
    彼に「盗んだんでしょ?母の大事なものを・・・」と言われることから
    過去と

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    2026年05月20日
  • 世界はきみが思うより

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    とても優しい物語だった。
    けっこーハチャメチャな登場人物で、一筋縄ではいかない恋愛や結婚ばかりだけど、冬真の静かな優しさが、物語の全体を落ち着いた雰囲気にしてる。
    ちょっとした仕草や会話や行動の間の、描き方がとても自然で、相手への慈しみを間接的に表現するのとか、うまいなぁと思う。

    身近な家族への不信から、人との距離感がつかめなかったけど、いろんな人に出会って、少しずつ自分を認めて、他者、世界との関係を広げていける…一貫して前向きなメッセージ。
    他人からどう思われるかより、自分はどうしたいか。模索しながら進んでいく若者を、親目線で後ろから応援してるカンジで、とてもあたたかい気持ちになった。

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    2026年05月20日
  • 最後の晩餐

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    作家のメンツがよかったからもちろん期待してたつもりだけど、アンソロという詰め合わせの性質上すべてのお話が自分に合うわけでもないと思っているので、百パーセント期待していたわけでもない気がする。だけど、これは個人的によかった〜!作家によってアプローチが違うのも面白かったし、なにより全員すごく読みやすかった。すんなり入ってくる感じで、一冊のアンソロとして温度感?みたいなものが揃っていてよかった(語彙力)
    わたしは江國香織だいすきマンなので江國香織のお話がいちばん読みたかったしいちばんすきだったけど、井上荒野もよかったなあ。あの短いお話のなかにオチまでつけてくるのってすごい。

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    2026年05月19日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    私は、物語の進むスピード感が好きだった。
    無駄にダラダラとしてなく、展開が速すぎるわけでもなく丁度良かった!
    最初は希望のいろんな一面がもっと極端なものだと思っていたけど、現実にもこんな人いるんだろうなぁとミステリーというよりヒューマンドラマのような感じ。誠実が希望に対して最終的に兄として向き合って関わったような家族の絆みたいなのが感じとれて好きな物語だった!

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    2026年05月18日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    羽衣子にはなかなか共感できずにいたが、砂村かいりさんの解説を読んで、少し理解できたような気がした。
    『普通』という言葉はよく使うけれど、それは『正しくて優れているもの』なのだろうか。

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    2026年05月18日
  • 水を縫う

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    かわいいに対する登場人物の価値観と、家族に対するそれぞれの想いが、時にすれ違い、時に交差しながら、美しく繊細な刺繍のように、しあわせが確かな形になっていく素敵な物語だった。性被害の経験や、女性を守ると見せかけて抑圧してきた時代に生きた葛藤が描かれていたり、ちょっと暗い部分もあったけど、最後にはその霧が晴れたような、女性の輝きが描かれていて、本当に美しかった。
    個人的には、祖母の、年齢やこれまでの女性はこうあるべきという価値観といったしがらみを取っ払って、自分の好きなことに飛び込んでいく姿が印象的だった。

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    2026年05月18日
  • 水を縫う

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    ネタバレ

    読後感がやさしくて、やわらかくてガーゼ生地のようだった。なんて気持ちのいい小説なのか。
    自分も刺繍をするので、男子高校生が刺繍する話かぁ、と数ページ読んでから暫く放置。
    再開したのはしばらく後だったが、単なる学生ものではないのに気づき、一気に読み終わった。

    登場人物はみな、誰もにありがちな傷つきをうまく越えられずにもっており、そして少しずつ不器用だ。
    それが各話ごとに解されていく。
    人生に対して、押し付けられる様々な不自由さ。
    それを、1家族とその周辺人物で、入れ代わり立ち代わり綴られていく。
    そこには相性の良し悪し、すれちがい、気まずさ、願い、現実にありがちなひっかかる言葉たち。
    どこか生

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    2026年05月17日