寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで大好きな寺地はるなさんの小説を読んでいたが、どんな人なのかは想像したことがなかった。
読んでみると、とても気さくな方で私とそこまで変わらない主婦なんだと思うとすごく親近感がわいてきた。
そこかしこに溢れている寺地さんの面白さが好きだ。クスっと笑えるところも寺地さんの作品を読んでいて「あーこの人好きだな〜」と思わせてくれる。
ただ、この中にある、ある男性から寺地さんに言った「主婦は家族を養う責任もないから気楽でいいですよね」という言葉にはカチンときた。
この男性に寺地さんの作品を読んでからそれを言えと言ってやりたい。
寺地さんの作品がどれほど素晴らしいか、どれほど心に響くか、どれほど優しさの溢れる言葉がたくさん出てくるか、これほどまでに人の心を揺さぶる小説を書ける人はいないのに!!
主婦をしながらこれだけの素晴らしい作品を作ることがどれほど大変なことかおまえはわかるのか!!
と言ってやりたいです。 -
Posted by ブクログ
大切に心にしまっておきたい言葉が、たくさん散りばめられた作品だった。
とりわけ兄の道が語る言葉は、たいへん印象深い。
物語の背景にはずっと死と悲しみがあり、美しい吹きガラスの骨壷がその想いをやさしく包む。
誰かの死や癒えない悲しみに何度となく触れながら、相容れなかった兄妹は少しずつ互いを理解していく。
妹を傷つけた相手に怒る兄、兄を傷つけた相手に怒る妹の、それぞれに思いがけない言動は切ないながらもホッと胸があたたまった。
妹の羽衣子は、“特別になれない自分”と“特別な兄”を比べては嫉妬に苛まれ、それでも懸命に「わたしだけの何か」を模索していく。
その姿に、どこか自分の若い頃が重なり胸がギュッとなった。
それにしても家族というのは、なんて苦しく、なんてままならないのだろう。
この兄妹をとりまく家族の存在はやさしくもあり、とにかく苦しい。
一点だけ気になったことがある。
兄の道は発達障害の特性を持つ人物として描かれているが、他者の心理や自身の感情を驚くほど明晰に分析する場面が少なくない。
もちろん発達障害の特性は人それぞれだが、個人的には少しだけ違和感が残った。
もっとも、この作品が描こうとしているのは障害のリアリティではなく、人と人との理解や悲しみとの向き合い方なのだけれど……。 -
Posted by ブクログ
「どうして私はあの子じゃないの」
という気持ち、誰しもが思ったことがあるのでは?
そこまでいかなくても、「あの子になりたい」とかならもっとたくさんの人が感じたことがあるのでは?
「あなたはあなたにしかなれないのよ。どこにいたって」これは100点満点の回答だと思う。私は私、あなたはあなた。でもそういうことじゃないと思う。言葉を選ばずに言うと、そんなのは綺麗事だ。
自分のことを「可哀想」と思い、周りの人みんなを「嫌なやつ」と思うのは確かに快感で、自分中心に世界を回すのは実に気持ちがいいかもしれない。
結局、ここではないどこかに行きたい気持ちや
この場所から抜け出したら変われるかも……!という思いがあっても、私は私であなたはあなた。
隣の芝生は青く見えるという言葉があるけれど、まさしくその通りなんだと思う。環境を変えれば変わる人も中にはいるけど、そんなのは少数派な気も。ずるくないやつなんていない。どんなに周りが羨ましくたって、私は私として生きていくしかないのだ。
個人的に私は解説が好きです。笑 -
Posted by ブクログ
タイトルだけ見てもどんな話かよく分からなかったけど、読み終わってみると、とても深く心に刺さるタイトルだった。泣けるお話ではないけれど、人はそれぞれ抱えているものが違うし、表面だけで判断するのは違うよなあ、と感じさせられた。
単純な自分の思い込みだけで理解したような気になるのも、良かれと思ってやったことも、「受け入れられるべき」と感じている自分がいたと気づいて反省した。そういう「分かりやすい」物語を好んでいるのは間違いないけれど、手を差し伸べられた側が必ずしも「受け入れなければならない」ことはないいんだよなあ。なんだか、スッキリするようなものではないけれど、人はそれぞれ。それを突きつけられて、驚いた。こんな形の小説もあるのだなあ。本屋対象ノミネート作品だけど、やはり、書店員さんが選ぶだけあって、新たな視点の物語が発掘できて、良かった。
主人公の清瀬とその元恋人(?)の松木が中心のお話。松木の誠実さと優しさがある人間性が好きになった。色々嫌な感じの登場人物も出てくるけど、それも含めて、とても尊いお話でした。良書。また読み返したい。 -
Posted by ブクログ
実際に鈴菜の様な妹がいると大変だと思うけど、それ以上に蒴が可愛い。
姉妹で勘違いは良くあると思う。
私も妹と互いに親が自分には関心ないと思っていた。
椿の葛藤は子育てに悩みお母さんにもきっと共感されると思う。
うちの母は3人産んでフルタイムで働いていたから本当にほったらかしだったけど、多少の不満はあれどよく働くなあと感心と感謝しかなかった。
時代は変わり大らかに育児をするのが大変な時代になったとも思います。
少子化が進む中、誰の子に対しても優しいおばさんでありたい。
子供はいるだけで癒される。だけどその子育てをする人はそれだけではない。
実際、産休明けの先輩が仕事の方が楽と言っていた。勿論その人、その人で環境が違うから一概にみんなには当てはまらないと思うけど。
それにしても椿は結婚するのか、それが知りたかった。