寺地はるなのレビュー一覧

  • 水を縫う

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    初の寺地はるなさん作品、とても良かった。

    ゆるゆるとなんの変哲もなく動き出した物語が、読み進めていくうちにぐんぐんとスピードを上げて、しずかに熱量も高まっていき、気づくと夢中になって読んでいた。

    章ごとに変わる語り手に、深く感情移入して胸にグッとくるシーンや、クスッと思わず笑ってしまう言葉がたくさん散りばめられていた。

    私が特に好きなのは、黒田さんが語り手の「しずかな湖畔の」。
    語り手が息子、姉、母、祖母…ときて、次が父ではなく、黒田さんというところが意外だったが、この章で一気に本作が立体的に見えてきた。


    最近では「女らしく」「男らしく」なんてあからさまに言われることはほぼなくなった

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    2025年12月17日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにした短編集。年齢のせいか、成人と結婚の話は微笑ましかった。
    祭りには儚さを、葬式には哀しさを覚える。
    人生の節目がぎゅっと凝縮された物語を読むと、自分の来し方を振り返って身が引き締まる。
    今、出会えてよかった。

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    2025年12月16日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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     閉鎖的な村社会から飛び出して十数年、久しぶりに集まって会うことになった三人の幼馴染の、悩みや葛藤、その先に踏み出す未来を描いた物語です。

     メインの主人公は、高校を卒業すると同時に家出して十数年、まったく地元に寄りつかなかった作家志望の天。この先も喧嘩別れした家族の元には戻る予定がなかったのだが、ある日幼馴染のミナから幼馴染で当時よく一緒にいた三人で会おう、という連絡をもらう。中学を卒業した時に、お互いに宛てて書いた手紙が見つかったのだという。三人でそろって開封しようと言われたが、その手紙に書いた文章を思い返すうち、彼女の中に当時の記憶が蘇ってきて――。

     このお話は、何人もの目線から多

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    2025年12月16日
  • ガラスの海を渡る舟

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    p91
    他人は、自分の言ってほしいことを言わせるための装置じゃない。
    p250
    茂木くんは人に気を遣わせない言葉をたくさん知っているのだなと感心せずにはいられない。

    印象に残った。

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    2025年12月15日
  • ガラスの海を渡る舟

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    私の好きな寺地はるなさんの本。
    やっぱりいい。繊細で透明感があって心に染み入る。
    祖父の残したガラス工房を継ぐ兄妹、道と羽衣子のお話。仲がいいとは言えないふたり。発達障害と思われる道は普通のことが上手くこなせない。羽衣子は平凡でない特別を求めているけどなかなか上手くいかない。お互いが理解できないし苦手なふたり。
    羽衣子のしんどさを想った。しょうもないと思っている兄にはガラス作りの特別な能力がある。母はいつも兄を見ている。自分は何者にもなれないのではないか、そんな焦りと葛藤の日々。
    道は道でしんどかったね。みんなが普通にできることができない自分を持て余して、苦しかった。

    十年の年月の中でのいく

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    2025年12月15日
  • カレーの時間

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    表紙が可愛らしくて手に取った本。
    「令和男子」と「昭和の頑固オヤジ」、2人の共通点は血の繋がり以外ほとんど無くて、性格はほとんど真反対。そんなふたりが一緒に暮らす話。

    どうしても相容れない人がいる。苦手な人がいる。そんな人達の人としての輪郭が浮き彫りになっていくような話。表面と内面、今と過去、当たり前に全ての人たちが併せ持つそれらを改めて意識できる素敵な一冊だった。

    良い意味での表紙とタイトル詐欺。

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    2025年12月14日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    夜が暗いとは限らないし、必ずしも朝が明るいとも限らない。
    今の私は努力をしている訳でもなく、ただ毎日を淡々と生きている。何も変わらず、何も成長していない。周りのみんなはずっと日々を生きていて、成長していて好きなことを見つけて、毎日楽しく過ごしているんだと思ってた。でもそうじゃないのかもしれない。もしかしたらいつも笑顔の人も家で泣いているのかもしれないし、優しい人は実は影で苦しんでいるのかもしれない。でも、それを無理に知ろうとは思わない。そこは他人が入り込むべきではないから、それぞれがそれぞれの思いを抱えて生きていくのがいいと思った。
    この本は、こうしなさいとかああしなさいとか読者に言っている訳

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    2025年12月13日
  • 水を縫う

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    「女らしさ」「男らしさ」「母親だから/父親だから」等といった社会や文化からの役割の押付けに傷ついた経験を持っていたり、抗ったりしている家族のお話。

    私は「傘の下で」に感銘を受けた。
    「あなたが原因だ」と言われないように、自分の行動や感情を制限して人生を抑え込んできたけど、怒っていいんだって気づかせてもらえた。

    社会は男性優位で女性は「優しい」「配慮ある」とかの役割を押し付けられるけど、そんなのは受入れなくていい。

    清澄も「手芸が好きと言ったらどうせ気持ち悪がられる」と思っていたけど、宮田は違った。

    社会や文化からの役割の押付けはあって、「皆がそうなのではないか」「外れてる自分は変なのか

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    2025年12月13日
  • カレーの時間

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    寺地はるなさんの作品は久しぶりでした。
    固定概念の塊のような祖父と真逆の孫を中心に進んでいくお話。
    多様性って何だろ?
    あらためて色々考えさせられる作品でした。
    色んな人がいる。
    強い、弱い。新しい、古い。速い、遅い。
    色々あるけどそれは『いい、悪い』だけではないんよなあって感じました。
    そしてそんな色んな人(具材)に優しさ(スパイス)が加わって素敵な世界(美味しいカレー)になればいいなって思いました。

    あと読み終わったあとの自分の感情もぐちゃぐちゃで、そんなところも何かカレーみたいやったなあって感じました。
    ありがとうございました!

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    2025年12月12日
  • やわらかい砂のうえ

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    寺地さんの本にハマり中の私が以前から読みたかった本の一つで楽しみにしていました。

    真面目でいい子なんだけど、
    めんどくさい女の子万智子が、
    かっこいいけど、
    いまいち女の子のことをわかっていない
    実はダサい早田くんとの恋に悩み
    いろいろな世代のいろいろな人に関わることで、
    まっすぐしか見えなかったり
    ぐずぐず落ち込みがちな性格が
    少しづつかわっていく物語です

    なんとなく読みながら、
    私も、実はめんどくさい人間で
    すぐモヤモヤしちゃうので
    人との距離を一定にあけて
    楽に過ごしたいなぁって思いがちな人なので
    真智子のモヤモヤになんとなく共感するところもあり、
    了さん、美華さん、冬さんていう

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    2025年12月07日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    寺地はるなさんは「水を縫う」に続いて2作目でした。不思議な力のあるお話だと感じました。
    登場人物それぞれの人生が何処か力が抜けたような語り口で描かれていますが、ところどころですっと腹落ちして前向きになれるフレーズがあったり、分かってはいるんたけど中々言えないようなフレーズがあったり、自分もこんな考え方してしまうことってあるなと思ったり、不思議なお話でした。
    相手の視点を考えつつも、自分らしさは持っていたい、そんな思いを持ちました。

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    2025年12月07日
  • いつか月夜

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    生きづらい
    家族 職場でも
    主人公は父から言われた
    善く生きるを忘れずにいる
    皆んなの明日が良くなればいいと思う
    一気に読みました
    次に読むのは
    九月姫とウグイスです

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    2025年12月04日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地の従業員達の日常、人生を描いた作品でした。働くことに臆病になっている自分に勇気をくれる作品でした。

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    2025年12月03日
  • 川のほとりに立つ者は

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    カフェの若き店長・原田清瀬は、
    ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
    松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、
    恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに。

    乱暴な言い方をすれば、誇大妄想に近い勘違いとすれ違いの話。
    正直、登場する人物の大半に感情移入できない。
    それはきっと自分の中で勝手に「正解」を決めてしまっているからだ。
    その自分の中で勝手に決めた「正解」にどの人物も当てはまらない。
    だから、感情移入することができないのであろう。
    つまり、それだけ自分が誰かを知らずに傷つけているということだ。

    ある一点の見方も角度を変えれば

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    2026年03月18日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    ある家族の祖父祖母父母姉弟それぞれの立場での感情を極々自然に流れるような文章でまとめ上げている
    起伏はないが、そこが逆にリアルで共感させられる部分が多かった

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    2025年11月28日
  • やわらかい砂のうえ

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    24歳の駒田万智子さんの成長物語
    彼女に手を差し伸べる
    70代の了さん
    50代の美華さんと冬さんとの年齢差を超えた
    友情のような関係がとても良かった!

    自分たちが通って来たからこそみえる
    若さゆえの未熟さ 純粋さ 潔癖さ 傲慢さ

    個性と生き方に裏打ちされた了さんたちの言葉は
    絶妙なタイミングで
    万智子さんの元へ届き
    一歩を踏み出す原動力になっていきます
    人生の先輩たち
    素敵だった!

    鳥取生まれの万智子さんは
    生まれ育った場所から離れて
    一人で暮らしていくことが
    やわらかい砂の上を歩いているようだと言います

    とても寂しく不安で
    足が地面に着いていないような不安定さ

    でも私には物語を通し

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    2025年11月27日
  • こまどりたちが歌うなら

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    関西の街の小さな製菓会社を舞台にしたお仕事小説。
    春に始まって春に終わる物語。
    社長の親戚で入って来た主人公が、会社の昔からの慣習を変えていこうとするが、何でも新しいから便利だからって変える事が正しいのか?波風を立てずにただ会社に言われるがままの条件を受け入れて働く亀田さんのような働き方が良いのか?自分も働いていて同じような事を考えるし、小さい会社なりの暗黙のルールとか敢えて言わない風潮とかわかるなー。と思いながら読みました。
    仕事に行き詰まった時に、思い出しそうな本でした。

    表紙もそうですが、和菓が美味しそうでこまどり庵に行ってみたいと思いました。

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    2025年11月25日
  • わたしたちに翼はいらない

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    どの主人公園田、莉子、朱音境遇も信条も異なる3人の誰しもに共感できる部分がある、
    不思議な惹き込まれるストーリーと心理描写。

    最後の友達じゃなくても相手を思うことができる
    皆んながそうあって欲しいように空気を読んで行動する
    学生時代のあるあるな雰囲気
    「王様」の大樹
    負けたくない…でも何と戦ってるの?



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    2025年11月21日
  • こまどりたちが歌うなら

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    和菓子屋さんのお仕事と
    マコさんの周りの人間関係が
    なかなかリアルでした
    現実にありそうで赤裸々な話
    ただ、マコさんに共感出来なかった〜
    きっとマコさんと私は合わないんでしょうね笑

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    2025年11月20日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    碧が安西に依存しているように感じて、そわそわした。安西は甘やかされすぎて、影の部分を知らないで大人になってしまった。あなたが好きなことをできていたのは周りのおかげなんだよ、って安西に言いたい。

    ご飯を食べるって体にも心にも元気と栄養を与えるのもなのだということを感じた。ご飯を食べることはとても楽しい。誰かと食べるともっと楽しい。
    食べたものは無くなるけれど、思い出としてずっと自分の中に残り続けるという雰囲気の言葉があった。今まで気づいていなかったけど、多分わたしが食べることが好きなのは、誰かと食べたご飯はとってもおいしく感じるから、思い出になるからなのだと思った。

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    2025年11月19日