寺地はるなのレビュー一覧

  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    兄妹それぞれが抱えていた複雑な思いは、色んな人との出会いや骨壺作りを通して、互いにコミニュケーションを取ることで緩和されているようで安心した。ニュアンスで分かっている雰囲気を醸し出すのは、日本人特有の良さでもあるけど、大切なことは、言葉を紡いで伝える必要がある。
    死は、みな経験したことがないことでどうしても恐怖を感じるが、それが悪いことだとは思わず毎日をコツコツ積み上げていこう。

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    2026年06月19日
  • ナモナキ生活はつづく

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    今まで大好きな寺地はるなさんの小説を読んでいたが、どんな人なのかは想像したことがなかった。
    読んでみると、とても気さくな方で私とそこまで変わらない主婦なんだと思うとすごく親近感がわいてきた。
    そこかしこに溢れている寺地さんの面白さが好きだ。クスっと笑えるところも寺地さんの作品を読んでいて「あーこの人好きだな〜」と思わせてくれる。
    ただ、この中にある、ある男性から寺地さんに言った「主婦は家族を養う責任もないから気楽でいいですよね」という言葉にはカチンときた。
    この男性に寺地さんの作品を読んでからそれを言えと言ってやりたい。
    寺地さんの作品がどれほど素晴らしいか、どれほど心に響くか、どれほど優しさの溢れる言葉がたくさん出てくるか、これほどまでに人の心を揺さぶる小説を書ける人はいないのに!!
    主婦をしながらこれだけの素晴らしい作品を作ることがどれほど大変なことかおまえはわかるのか!!
    と言ってやりたいです。

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    2026年06月17日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    ネタバレ

    気になってた作品が多い寺地はるなさん、初読み!
    予約ですぐ順番回ってきてよかった!

    私が好きな連作短編集で読みやすかった!
    田舎独特の人間模様に地元を思い出しながら読んでた。田舎の噂話って広まるの早いよね。

    子どもの頃は大人になるってもっとしっかりした大きな存在になれるものだと思ってたけど、いざ大人になると思ったよりしっかりしてないし意外と泣いちゃうよね。
    これからもいろんなことがあるだろうけど、遠くを見すぎず目の前にあるものをないがしろにしないように私も生きていこう、と思わせてくれた!

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    2026年06月16日
  • ガラスの海を渡る舟

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    大切に心にしまっておきたい言葉が、たくさん散りばめられた作品だった。
    とりわけ兄の道が語る言葉は、たいへん印象深い。

    物語の背景にはずっと死と悲しみがあり、美しい吹きガラスの骨壷がその想いをやさしく包む。

    誰かの死や癒えない悲しみに何度となく触れながら、相容れなかった兄妹は少しずつ互いを理解していく。

    妹を傷つけた相手に怒る兄、兄を傷つけた相手に怒る妹の、それぞれに思いがけない言動は切ないながらもホッと胸があたたまった。

    妹の羽衣子は、“特別になれない自分”と“特別な兄”を比べては嫉妬に苛まれ、それでも懸命に「わたしだけの何か」を模索していく。
    その姿に、どこか自分の若い頃が重なり胸がギュッとなった。

    それにしても家族というのは、なんて苦しく、なんてままならないのだろう。
    この兄妹をとりまく家族の存在はやさしくもあり、とにかく苦しい。

    一点だけ気になったことがある。

    兄の道は発達障害の特性を持つ人物として描かれているが、他者の心理や自身の感情を驚くほど明晰に分析する場面が少なくない。
    もちろん発達障害の特性は人それぞれだが、個人的には少しだけ違和感が残った。

    もっとも、この作品が描こうとしているのは障害のリアリティではなく、人と人との理解や悲しみとの向き合い方なのだけれど……。

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    2026年06月12日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ひとりひとり違う人間でみんなに個性がある。
    そんな社会で大事なことはどちらかが片方合わせるのではなく、共に歩み寄ること。

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    2026年06月11日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    ネタバレ

    人間模様を丁寧に描いた短編集です。
    世間体や、周りの目を気にして泣けない大人も、人目のつかないところで泣いていたりするものです。
    そんな情景が伝わりやすく、しっかり読者を心を揺らしてくる作品で、読んでいて心が温まり、そして共感できる内容でした。
    田舎という閉鎖的な環境で生きづらさを感じながらも、その中にある優しさが溢れていて、一気に読み切りました。

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    2026年06月11日
  • やわらかい砂のうえ

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    万智子の、他人から見たら面倒くさいと言われるような思考に共感しまくりだった。ありのままの自分を見て欲しいと思ってるときは、自分のことで精一杯で、自分も相手の素を見ようとしていないのかもと感じた。でも、自分が素敵だと思って履いたスカートに対してあのような反応されたら傷つくし、モヤモヤする。かっこいい年上の女友達ほしい。

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    2026年06月08日
  • みちづれはいても、ひとり

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    2026.06.08

    タイトルと装丁に惹かれて手にした。
    2人の中年女性のさっぱりとした関係の中に、
    ところどころクスッと笑える箇所もあり、さらさらと読めてしまう。

    寺地はるなさんがまたさらに好きになった作品。
    お気に入りの本が増えて嬉しい。

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    2026年06月08日
  • 水を縫う

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    第一人称を変えて話が進む、6章からなる短編連続小説です。
    最初の嫌な感じから、最後の感動までのもっていき方が素晴らしかったです。
    刺繍が好きな高校男子とそれを心配する母、可愛いものが苦手な姉、縫い物を教える祖母、あらゆる視点から物語が進んでいくので、主観と客観で物語を読める楽しさがありました。
    「◯◯らしさ」にこだわる必要なんてないし、寄せる必要もないと改めて感じました。

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    2026年06月08日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ガラス職人だった祖父の跡を継いだ兄妹のお話。

    家族というのは複雑で、一番近いけどお互いが完全に理解し合えるわけではない。
    兄妹だからこそもつ嫉妬。
    心理描写がとても丁寧にかかれており、自分自身も思いあたる想いがいくつもあった。

    ガラスの骨壺に手元供養。
    お墓にいれるだけではない弔い方。
    大切な人とのお別れの受け入れ方もまた人それぞれなんだな。

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    2026年06月08日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    信じられるものを信じていく強さ、その強さをどこで手に入れるのか、どこで培うのか、私にもそんな強さが欲しいと思いました。面白かったです。

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    2026年06月07日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    「どうして私はあの子じゃないの」
    という気持ち、誰しもが思ったことがあるのでは?
    そこまでいかなくても、「あの子になりたい」とかならもっとたくさんの人が感じたことがあるのでは?
    「あなたはあなたにしかなれないのよ。どこにいたって」これは100点満点の回答だと思う。私は私、あなたはあなた。でもそういうことじゃないと思う。言葉を選ばずに言うと、そんなのは綺麗事だ。
    自分のことを「可哀想」と思い、周りの人みんなを「嫌なやつ」と思うのは確かに快感で、自分中心に世界を回すのは実に気持ちがいいかもしれない。
    結局、ここではないどこかに行きたい気持ちや
    この場所から抜け出したら変われるかも……!という思いがあっても、私は私であなたはあなた。
    隣の芝生は青く見えるという言葉があるけれど、まさしくその通りなんだと思う。環境を変えれば変わる人も中にはいるけど、そんなのは少数派な気も。ずるくないやつなんていない。どんなに周りが羨ましくたって、私は私として生きていくしかないのだ。

    個人的に私は解説が好きです。笑

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    2026年06月07日
  • 川のほとりに立つ者は

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    タイトルだけ見てもどんな話かよく分からなかったけど、読み終わってみると、とても深く心に刺さるタイトルだった。泣けるお話ではないけれど、人はそれぞれ抱えているものが違うし、表面だけで判断するのは違うよなあ、と感じさせられた。

    単純な自分の思い込みだけで理解したような気になるのも、良かれと思ってやったことも、「受け入れられるべき」と感じている自分がいたと気づいて反省した。そういう「分かりやすい」物語を好んでいるのは間違いないけれど、手を差し伸べられた側が必ずしも「受け入れなければならない」ことはないいんだよなあ。なんだか、スッキリするようなものではないけれど、人はそれぞれ。それを突きつけられて、驚いた。こんな形の小説もあるのだなあ。本屋対象ノミネート作品だけど、やはり、書店員さんが選ぶだけあって、新たな視点の物語が発掘できて、良かった。

    主人公の清瀬とその元恋人(?)の松木が中心のお話。松木の誠実さと優しさがある人間性が好きになった。色々嫌な感じの登場人物も出てくるけど、それも含めて、とても尊いお話でした。良書。また読み返したい。

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    2026年06月07日
  • ガラスの海を渡る舟

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    登場人物がすれ違いながらも少しずつ成長していく姿が印象深かった。
    決してずっとハッピーな物語ではないけれど、物語の空気や言葉の端々に優しさを感じられた。

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    2026年06月07日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    希望の失踪を追った兄の誠実。弟の人間関係をたどることで誠実自身にも向き合っていくのがよかった。
    それにしても、これにでてくる母親、父親が怖い考えを持った人ばかりで気分が悪かった。
    希望と誠実、どちらも幸せになってほしいなぁ。

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    2026年06月06日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    登場人物が多くて、ちょっと読む期間が空いてしまうと、誰だったかな?ってなってしまうけど、共感できるお話もあって、心に沁みました。
    また少し疲れたときとかに読み直したい本。

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    2026年06月05日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    この物語に脇役はいない。という解説の言葉に激しく同意する。
    人それぞれの環境や価値観を否定も肯定もしない文章が心地よかった。

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    2026年06月04日
  • わたしの良い子

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    実際に鈴菜の様な妹がいると大変だと思うけど、それ以上に蒴が可愛い。
    姉妹で勘違いは良くあると思う。
    私も妹と互いに親が自分には関心ないと思っていた。
    椿の葛藤は子育てに悩みお母さんにもきっと共感されると思う。
    うちの母は3人産んでフルタイムで働いていたから本当にほったらかしだったけど、多少の不満はあれどよく働くなあと感心と感謝しかなかった。
    時代は変わり大らかに育児をするのが大変な時代になったとも思います。
    少子化が進む中、誰の子に対しても優しいおばさんでありたい。
    子供はいるだけで癒される。だけどその子育てをする人はそれだけではない。
    実際、産休明けの先輩が仕事の方が楽と言っていた。勿論その人、その人で環境が違うから一概にみんなには当てはまらないと思うけど。

    それにしても椿は結婚するのか、それが知りたかった。

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    2026年06月04日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    「朝が明るいとはかぎらない」
    「昼の月」
    「夜が暗いとはかぎらない」
    の3部構成。

    タイトルからわかる通り、
    “普通”“常識”“一般論”の文脈から
    「いいこと」「幸せ」とされるところの暗い面。
    「悪いこと」「不幸せ」とされるところの明るい面。

    ものごとを一面だけ見ても何も理解できない、という
    ある意味では当然のことを改めて掘り下げてくれる1冊。

    ラベルは理解の一助にはなるけれど、誤解の始まりでもある。

    リレー形式で語られる中に物語の縦軸はあるのだけれど、
    そこが少し弱くて読み進める引力には欠けていた印象。

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    2026年05月31日
  • 白ゆき紅ばら

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    可愛い表紙が目に止まりジャケ買い。御伽話のような小説かなと勝手に思っていたけどそんなきれいな話ではなかった。紘果と祐希の絆の深さが印象的で2人の幸せを願わずにはいられなかった。

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    2026年05月31日