寺地はるなのレビュー一覧

  • 最後の晩餐

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    角田作以外は「ランティエ」掲載の短編集。
    最後の晩餐の為にどう生きるか?と言うより、既に故人となった回顧録風なストーリー多数。
    結果的に「あれが最後の晩餐だった」はあっても「これが人生最後の晩餐だ」などと意識して前もって準備するなど無いのだから自分は毎食これが人生最後の食事かも?と意識はする様にしている。

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    2026年07月27日
  • 雨が降ったら

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    わかば洋傘店を取り巻く女性たちの物語。離婚してぴかぴかの一人暮らしを手に入れた初佳。お一人様USJを満喫する杏子。しっかり者のお姉ちゃんを止められないみつほ。大きなリュックを手放せない苑美。母の死から踏み出せない美禰子。

    初佳が浮気して離婚を申し出る夫をあっけらかんと放り出したことにびっくり。夫の「きみたちは悪くない」と言う常套句に「わたしが悪くないのは知っている」と返すのがカッコいい。これ以上に反論できない言葉があるだろうか。そして家も彼女にとっては不要なものなので捨てる。初佳に拍手。
    杏子は、元カレの「若返ったかも」などと言うセリフに「あなたは老けました」と返す。そこで引こうとしない元カレが怖い。
    みつほがマモヤンに送った傘の花のエピソードがとても素敵だ。きっとマモヤンの生涯の宝物だ。
    苑美が輝美に見出された才能を生かして大阪支店で働く日が来ることを願う。苑美にターコイズブルーの傘をプレゼントした輝美にも拍手。
    現状が大きく変わることはなくても、前を向く彼女たちが、しなやかで美しい。
    そして「雨が降ったら傘をさせ」わかば洋傘店のスノさんと太一親子がとても良い。傘屋さん、がんばって。

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    2026年07月26日
  • 最後の晩餐

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    色んなタイプの最後の晩餐。
    みんないい。
    金原瞳さんのみたいな仲間も羨ましいし、原田ひ香さんにはハラハラしたし。
    1番リアルで笑ったのは、角田光代さんかな。
    人生後半、そして最後に食べるもの。心豊かに過ごすには何がいるか。考えちゃいますね

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    2026年07月26日
  • 雨夜の星たち

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    200ページ超えだったが、スラスラと読めた。
    人に深く干渉しないのは生きやすそうで、良いな、と思う反面、人と深く付き合えないのが弊害としてあるんだなって感じた小説。
    周りのお節介も、結局は自分がどう生きるか。わざわざ恋愛ごとにする周りも、「こうすべきでしょ」という周りも、必要でないなら深く関わらない。
    刺さる部分もあり読み応えがあった!

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    2026年07月22日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    想像豊かな人はその分傷つくことが多いし、自分が想像して傷ついただけで何も変えられないことが世の中には沢山あるけど、それでも色んな視点を想像して、知ろうとできる人でいたいなー!と思ったけど、最近の私は子どもが入院生活送ってたり、亡くなったり、海外で貧しい生活をしてる子どもと出会ったりしても、休みの日にはふつうに笑って生活できる自分を知って悲しくなったり、でも悲しんでも何も変わりはしないし、それなら休日は思いっきり自分のために生きて、安全な看護できた方がいいしーーとかも思ったり、、まぁどんな自分も受け入れていくしかない!となったのと、品川さんは、これまでに周りの人が当たり前に受け入れていたら最初から自分のこと伝えられてたのかなーって思った、、結論、想像する!でも自分が傷つきすぎない、でも、周りの人は傷つけないよう想像する、!ただ、想像してもどうしようもないこともいっぱいあるんだよなーーでも出来るだけ多くの人がいい日になりますよーに!

    がんばり屋。それは清瀬の長所だ。でもたまにその長所はそのまま、他人への狭量さという短所に変わってしまう。

    そういうのを浅はかやとか努力が足りんとか言う人は、その状況におらんかった人や。俺はそういう批判はしたくない。「その場を乗り切る」を繰り返して生きてる人っていっぱいおるやんか。

    蝉の死骸など目にとめることなく歩けるほうが、あるいは目にとまっても別段心を動かされぬ人間のほうが、人生はたぶんずっと容易い。それでも清瀬は、これからも蝉の死骸に気づく人間でありたい。願わくば岩井さんのように、自分以外の存在の悲しみに思いを馳せられる人間になりたいとも。無神経に他者を踏みにじるよりはずっといいはずだ。

    清瀬が「そんな人間」にならずに済んだのは清瀬自身が努力したからではない。恵まれていただけだ。

    これまで、鍵多の美しい物語を読んできた。傷ついた人びとが他者に救われ、再生する物語に、幾度も涙を流してきた。物語の中の人びとは、差し出された手を振り払わない。途中までは主人公に反発していても、最終話までには心を開いて相手に感謝する。読んでいるあいだ、清瀬はそれを然るべき展開だと感じ、本を閉じた後もずっと疑ったことがなかった。それこそがいちばんの罪かもしれないと、清瀬は今ようやく思い知る。手を差し伸べられた人間はすべからく感謝し、他人の支援を、配慮を、素直に受け入れるべきだと決めつけていた。

    できることが増えるのは、ええことかもしれんけど。あれでよかったんかな、と今でも思う。なんやろ、努力ってたしかに尊いけど、努力だけが正解なんかな。近眼の人はメガネをかける。努力して視力あげなさいなんて誰も言わん。足怪我したら、杖使う。でもいっちゃんは『努力』を求められる。

    川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。でも清瀬は水底の石がそれぞれ違うことを知っている。川自身も知らない石が沈んでいることも。あるものは尖り、あるものはなめらかに丸く、またあるものは結晶を宿して淡く光る。人は石を様々な名で呼びわける。怒り。痛み。慈しみ。あるいは、希望。


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    2026年07月25日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    解説のこの物語には脇役がいないというところがまさにその通りだと思いました
    ひとりひとりが人生の主役!と表現するよりも脇役がいないと表現する方がこの物語にぴったりに感じます
    自分の周りにもあるような固定概念などが頭ごなしに否定されるというよりは、こうなった方がステキじゃない?みたいな伝えてること自体は違う意見だけどなんとなく柔らかい、嫌な気持ちにならない小説だなと思います
    寺地はるなさんの作品を読んだのは二作目ですがどちらもとても素敵!

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    2026年07月22日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    今の私に刺さる言葉がいくつもあった。
    フェミではないけど本文中に出て来るような女性軽視する男性が大っ嫌い。自分のことは自分でやってほしい。
    広海さんのように道を切り拓いていかなきゃね。

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    2026年07月22日
  • 川のほとりに立つ者は

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    自分が見ている世界はほんの一部で、無意識の偏見や思い込みで誰かを傷つけているかもしれない、そんなハッとさせられる気付きをくれる作品でした。
    「分かったつもりになること」の怖さと、相手を知ろうと言葉を重ねる大切さが静かに胸に迫ります。登場人物たちの不器用ながらも真摯な姿に、自分自身の他者との向き合い方を見つめ直したくなる一冊です。

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    2026年07月21日
  • いつか月夜

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    眠れない夜に、不安な夜にひたすら歩く。いつしか一緒に歩いてるメンバー。誰もが不安をかかえて、何かしら感じるものがあって歩いている。實也はその不安をモモヤンと呼んでいる。面白い表現で不安に名前がつくとより具体的になる。實也の言葉がとてもいいなあと思う。丁寧な作品。

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    2026年07月20日
  • 最後の晩餐

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    このテーマでどうしてここまで個性溢れる作品が集まったのか不思議な程だ。大好きな江國氏と井上荒野氏は言うまでもなく、どれも愛おしい程、何度も読み返したい位だった。なかでも私が好きだったのは「最後の鰻」
    病室の様子が目に浮かんでツボった。

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    2026年07月20日
  • 川のほとりに立つ者は

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    怪我をして意識不明になった恋人の傷害事件の真相を探る話

    なんと寺地さんのミステリー!自分は恋人の何を知っていたのだろう。周りの情報と松木パートの不一致で分かる認識の難しさ。誰かを慮る心を育むのもまた"育成ゲーム"光あるラストがさすがです

    寺地さんは静かに絶望で囲むのが上手い。でもけして読者をそこに置き去りにしない。この絶望知ったなら引き換えにこんな希望を得られるのだと引き上げてくれる。もう虜である

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    2026年07月18日
  • 水を縫う

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    書店でこの本を見かけたとき、まずタイトルと表紙に強く目を奪われた。「水を縫う」とは、一体どういうことなのだろう。その不思議な言葉に惹かれ、私は吸い込まれるようにこの本を手に取り、物語の世界へと入り込んでいった。

    ページをめくると、そこに描かれていたのは、世間の言う「普通」から少しはみ出した個性を持つ、愛おしい登場人物たちだった。刺繍を心から愛する男子高校生の清澄(きよすみ)、「可愛いもの」を頑なに避けて生きる姉の水青(みお)、そして、不器用ながらも子どもたちを愛するがゆえに、その思いが時に歪んだ形で伝わってしまう母親のさつ子。それぞれが「男らしさ」「女らしさ」「親らしさ」といった世間の価値観に戸惑い、葛藤しながらも、自分らしい生き方を模索している。その姿は、「普通」とは誰が決めるものなのか、そして「自分らしさ」とは何なのかを、静かに問いかけてくるようだった。

    登場人物たちのやり取りの中で、私の胸に最も深く刺さり、本を閉じた今も忘れられない言葉がある。それは、「失敗する権利」という言葉だ。

    これまで私は、親とは子どもがつらい思いをしそうになったら、先回りして障害物を取り除き、失敗を回避させてあげるのが当然の役割だと思っていた。傷つかないように、苦しまないように、安全な道を用意してあげることこそが愛情だと信じて疑わなかった。しかし、この作品の中で「失敗する権利」という言葉に出会った瞬間、その考えは大きく揺さぶられた。

    失敗を先回りして奪うことは、子どもが自ら考え、悩み、傷つき、そこから学び直す機会まで奪ってしまうことなのかもしれない。失敗する権利とは、決して子どもを突き放すことではない。転んでも、その子が自分の力で立ち上がることを信じ、必要なときにはそっと寄り添いながら見守るという、もう一つの深い愛情の形なのだと気づかされた。

    また、この作品を読み終えたとき、改めてタイトルの「水を縫う」という言葉について考えた。水は形を持たず、縫い合わせることもできない。だからこそ、「水を縫う」とは、本来は形にできないものを無理に形づくろうとする行為の象徴なのではないだろうか。子どもの個性や価値観、生き方もまた、水のように自由で移ろいやすいものである。それを「普通」という枠に当てはめようとするのではなく、その人らしさをそのまま受け止め、流れる水のように見守ることの大切さを、この作品は教えてくれたように思う。

    『水を縫う』は、性別や家族のあり方について描いた物語であると同時に、「自分らしく生きるとは何か」「人をありのまま受け入れるとはどういうことか」を静かに問いかけた。

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    2026年07月17日
  • 川のほとりに立つ者は

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    登場人物全員に対して、いい事言うなぁ…って言う箇所が多々ありながらも、一方でイラっとする点も多々あり、何だか現実世界!というような話だった。菅井天音は私は許せないけれど、そう思うのは恵まれた側だからなのか。頑固な自分はラストを見届けてもなお、いやでも許せないけど?と、まだ思っています。そのほかの登場人物の行動やセリフにも、読後すごくすごく考えさせられる話でした。

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    2026年07月14日
  • 白ゆき紅ばら

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    ハラハラドキドキ、最後までどうなるかわからない展開にぐいぐい引き込まれました。

    誰かを搾取までしてしまっていないか、思わずわが身を振り返ってしまう物語でした。

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    2026年07月13日
  • 水を縫う

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    清澄とその家族の視点で語られる。姉の水青のパートが印象的で、父親である全の同僚の黒田さんのパートでうるっときてしまった。

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    2026年07月12日
  • いつか月夜

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    父が亡くなり、読書から少し離れていたところ、寺地さんのこの本になにか共感するものがあるかも、と思い手に取りました。

    實成は父が亡くなったあと『モヤヤン』を時々みるようになる。ただただ、夜の散歩でひたすら歩く。そんな時、いろんな不安、境遇をかかえたメンバーが集まってきた。余計なことは言わずに歩く。
    言葉にしたくない、次どうやって進んだらいいのかわからない。そんな人達が少しずつ前に進んでいく。
    實成の善く生きるとは。静かですがジワジワくる優しいお話でした。

    散歩って前を向いて歩いているので、話しやすい。

    私が印象に残ったのは、實成のお母さんが『わたしのさみしさはわたしのもんや。娘や息子ごときがどうこうできる問題やない』ときっぱり言った言葉です。
    勝手にわかった風に言わないで欲しいし、自分で解決したいし、私はそんなに弱くない。私の何がわかるんだ!ってめちゃくちゃ共感しました!


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    2026年07月12日
  • 白ゆき紅ばら

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    寺地さんの作品であることを忘れるくらい重たい話だった。
    どこからズレてしまったのかわからない。人の人生はちょっとずつ良い方向にも悪い方向にもズレていくんだと思う。
    でも子どもの頃に人生を修正していくには限界があって、結局大人の手を借りるしかない。良い大人と出会って、チャンスを掴むのは自分自身だから、主体性がないと行動にも起こせない。
    主体性を奪われた子どもが自ら修正していくのは本当に難しい。
    だけど子どもだけでなく、大人の人生も軌道修正していくには、気力と体力が必要。
    いろいろ考えさせられる小説だった。

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    2026年07月11日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    どんな状況、居場所であってもそこでどう生きていくのかちゃんと考え、目の前のことを全うする主人公の碧が素晴らしくかっこよかった

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    2026年07月10日
  • ほたるいしマジカルランド

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    心温まるお話だった。
    誰かひとりが欠けただけで仕事がまわらなくなるのは会社てして健全ではない、代わりがいくらでもいる。その上で全員が自分にはちゃんと戻ってくる場所があると安心して休める、そういう職場をつくりたいという言葉には感動したな。
    こんな上司だったら良かったなと思うと同時に、代わりがいくらでもいるのだと思うようにしたいと思った。

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    2026年07月08日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    本の表紙が美味しそうなものだと買ってしまう。
    客観的に最低な彼氏。でも主人公は周りの評価ではなくその人を純粋に好きなんだろう、というのが伝わつてきてよかった。報われるわけではないが、主人公の行動力と自然の美しさに触れて強いくなっていく様が良かった。美味しいご飯を取るのは大事だね。

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    2026年07月08日