寺地はるなのレビュー一覧
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ネタバレ嶋津輝「漂泊の道」
葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。
町田そのこ「六年目の弔い」
哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
というところ、が身にしみる。
亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない -
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ほたるいしマジカルランドはひらパー、社長はアパホテルの社長のイメージを頭に浮かべながら読んだ。
1週間日替わりで、主人公となる従業員が変わっていく。寺地さん、ちょっと影がある普通の人を書くのがやっぱり上手いなと思う。
楽しい遊園地が舞台だけど、読んでいる間は遊園地自体に気を取られることなく、「人」に意識が向いていた。働く人の目線で描かれ、あくまでそこは職場という風に映っていたからかな。
こういうバックヤード側からの見せ方が面白いなと思った。
登場人物それぞれの日常や心の内を、ちょっと覗き見したような気分。
そこで働く人のタイプはバラバラなんだけど、気がついたらみんな一生懸命仕事をしているし、同 -
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寺地はるなさんの本を読むのは初めてです。
最初はあまり面白くないかなと思いましたが、話が進むにつれて、淡々とした話の中にも主人公の変化が少しずつあり、読み終えたときは面白かったと感じました。
相手の気持ちを考えて発言・行動する、空気を読む…当たり前のように求められているけれど、主人公のような考え方もあっていいのだと目から鱗でした。
「一度わかった気になると、それ以上のことをわかろうとしなくなる。だから相手がどうしてほしいとか、どう思っているかとか、決めつけるのは嫌だ」
わたしも相手の言葉の裏を読んでしまうことが多いのだけれど、素直に受け止める強さもほしいと思いました。
次は「ほたるいしマ -
Posted by ブクログ
身勝手な大人達ばかりの中で子供達は現実にしっかり向き合っている…
そんなお話です。
主人公の男の子は理不尽な事ばかりがおきている中でなんとかしようとする優しさに、周りの大人が甘えているように思えて腹ただしさを感じます。
そんな主人公が大人になりまた彼の優しさに甘えようとした相手に、自分を見くびる事に対して怒りを表します。
頼る方は優しさに甘えているつもりかもしれないけれど、これは甘えではなく優しさを利用しているのではと思えてしまいました。
色んな理不尽な事に合ってきたのにそれでも彼は大切な人へ優しさと守ろうとする気持ちは変わらず持っている事に優しさだけではなく強さも持っているのだと気付かされま