寺地はるなのレビュー一覧

  • ほたるいしマジカルランド

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    非日常の場である遊園地で働く様々な人たち。曜日ごとに登場人物が代わり、全体に話が繋がっていく。
    働く人の人生感や悲喜交々。
    社長の市子さん、息子の左門、息子のような佑。
    どうやって市子さんが社長になったのか、とか、カップルのゆくえとかまだ読みたかった。
    清掃パートさんの三角おにぎりがよかった。

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    2024年09月19日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    寺地さんの作品本当に好きだな〜。
    あかつき商店街とそこにいるひとたちの連作短編。
    仕事とかで疲れまくってて、集中力足りず入り込みきれなかったから途中誰が誰か分かんなくなったので星は4つ。

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    2024年09月14日
  • 声の在りか

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    自分が育った小さな町で小学四年の息子を育てる主人公希和。
    息子の学校の保護者達とはあまり上手く付き合えない。
    夫にも不満はあるのに声に出せない。
    自分の言いたい事が言えない。
    そんな中で民間の託児所で働くことになり、少し浮世離れした感じのオーナーの要と出会う。


    希和の真面目で正直な感じに好感が持てた。
    生きづらいだろうな、とも、
    潔くてカッコいいな、とも、思った。
    長いものに巻かれがちな保護者同士の関係に、巻かれることなく1人でいることは容易なことではないと思うから。
    思えば、子供達が小学生の時が1番大変だったような気がする。
    物理的な時間は全然ないし、子供達の変化も激しい、子供同士のいざ

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    2024年09月08日
  • わたしたちに翼はいらない

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    地元にいると、いつまで経っても同級生。良くも悪くも離れられない。常に昔に戻される。戻りたくないのに、まとわりつく。
    人にジャッジをしてしまう、何気ない、いつもの“ノリ”。
    自分の自信は、評価する方に立ち位置を持ってくることで存在意義をもたせる。それは大人になっても立ち位置は変わらず…変わらないはずと思い込みたい。自分を守るため、抜け出せない。
    同級生。ママ友。嫁。夫。姑。自分。
    虐めた側、虐められた側。
    殺したい程の苦しさ。
    どうしようもない囲いを破りたい。

    私だって!!苦しかった。
    わかってよ。
    自分の為に一歩踏み出す勇気はいつ出せるのか。
    その一言が自分を救う。

    今迄読んだ本より、広が

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    2024年09月05日
  • 雨夜の星たち

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    ネタバレ

    主人公の三葉は勤めていた会社を辞めて、現在は病院の付き添いやお見舞いなどを家族などに代わって行う『しごと』をしている。
    三葉が淡々としていて冷たい印象に感じることもあったし、はっきりとしているところには憧れた。この本を読んで感じたのは、人の気持ちを感じ取るのって難しすぎるし、やらなくてもいいのかも。もっと正直に生きよう!だった。三葉は『しごと』を通して、頑固なお爺さんやおしゃべりな女性たちと出会い、変わっていないけどきっと変わってる。普段は『言われたことはやりますが、必要がないことはやらないし、やりたくないこともやりません』という雰囲気の三葉が、家族との思い出の遊園地に行きたいという頑固爺さん

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    2024年09月03日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    9月初日の朝、今回もべそかきながら読み終えた。
    寺地さんの小説は読むタイプのサプリ。いつも読み終わって本を閉じると少しだけ心が軽くなっている。

    「けむり」「はこぶね」「グラニュー糖はきらきらひかる」「生きる私たちのためのスープ」が好き。
    「はこぶね」の千みたいな女性に私はずっと憧れている。

    登場人物が多くて「誰やっけ…!」となりつつ、前のお話との繋がりを見つける度に嬉しくなった。
    めちゃくちゃ嫌な奴だなこいつと思った人物が、次のお話で実は色々葛藤していたり、良い所もあったり。
    みんな色々ある。見えているのなんてほんの一部なんだよな。

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    2024年09月01日
  • わたしの良い子

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    椿さんみたいな人がみんな周りに居たら良いのに…
    逃げられるなら逃げるのだって手だし、
    嫌なことをしてくる人の悪口も言えないようにするのが良いことってわけでもないよなあ。

    どんな形でも子どもと向き合っているならいいんだよと肯定してくれるような話だった。

    子どもが大人になるまで居心地のいい場所を作りたいという思いはみんな共通で持っているだろうけど、"普通"になろうとがんじがらめになっていることは自分も周りもあるだろうな。
    どんなことがあっても我が子は自分にとっての良い子という意識、忘れずにいたいなと思わされた。

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    2024年08月29日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    優秀な光実と「出来の悪い方」な歩の双子の姉弟が亡くなった母の跡を継いでワイナリーで働くお話。
    私も「出来の悪い」側の人間だと思い込んで生きてきたので、自分を卑下してはふてくされながら大人になった。だから歩の気持ちがよく分かったし、歩に対する周りの言葉がグサグサと刺さる。
    ページをめくるハッとする言葉に出会う。歩以外にも光実やワイナリーで働く人々、友達…周りの人たち皆それぞれに共感できる部分があって、ぐんぐんと物語に惹き込まれ一気に読み切った。
    1歩ずつ前に進む皆を見て、私も今から変われるかなぁなんて思った。


    ●ちょっとだけ期待をしていた、というようなことを歩は言った。新しいことをはじめるた

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    2024年08月28日
  • 白ゆき紅ばら

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    行き場のない母子を救う家、そこは汚れていて曇っていて息苦しい。
    終わりになるにつれて、真相が見えるにつれて、その息苦しさというか曇りが晴れていくのにも関わらず眉根による皺は増える。

    祐希は紘果のめに、紘果も祐希のために。
    お互いが希望だった。

    これまでされてきた記憶は一生残るかもしれないけれど、どうか今まで以上に幸せであることを願う。

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    2024年08月25日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地を舞台にしたお仕事小説です。
    微笑ましいエピソードもあれば、ホロリと涙を誘われる話もありました。
    思い出の一冊になりました!

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    2024年08月25日
  • 雨夜の星たち

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    生きづらさをもつ主人公の考え方、何故か親近感がわいたけど、親の立場で見れば心配でもあり。誰の視点で読むかで感情が揺さぶられる場面が変わるが、ここまで正直に人間の有り様を書いてもらえると自分の異常性も当たり前に感じられた。

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    2024年08月20日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    これはタイトルが好きすぎて。
    誰でもこの気持ちになったことがあるんじゃないかな。
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    羨み、傷つき
    心揺れる10代。
    そして年月を経て踏み出す
    大人たちの新たな一歩。

    万人向けに量産された
    「大丈夫」ではなく、
    自分の人生にとって必要な
    「大丈夫」を与えてくれる――
    (伊藤朱里)
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    中学の同級生、天、ミナ、藤生。
    天は家庭に違和感を覚え、閉塞感のある田舎から脱出したい。
    ミナは、藤生のことが好きだが、藤生の気持ちを知って言えない。
    藤生は天が気になって仕方ない、一緒にいたいと思っていたのに。

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    2024年08月16日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにしたオムニバス。冠が成人式を、祭が先祖の霊をまつる祭事を指すとは分かってなかった。
    飛鳥井千砂、寺地はるな、雪舟えま、嶋津輝、畠山羽根子、町田そのこのうち3人は初読み。飛鳥井千砂と町田そのこの作品が良かった。

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    2024年08月12日
  • 白ゆき紅ばら

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    ネタバレ

    行き場のない母子を引き取り共同生活をする場「のばらのいえ」、理想郷に思えるこの家に澱み沈殿しているヤングケアと未成年少女に対するハラスメント。

    どうしようもない絶望感が終始溢れていて読み進めるのが辛い。ここを脱出したらしい主人公祐希は、何故またこの地獄に戻ってきたのか?

    志道というサイテイ最悪の男が出てくる。根拠のない自信と捻じれた自己嫌悪と浅薄な差別意識をもつ男が、不労所得を得て成長を拒んだ時、弱くて恐ろしいモンスターが生まれるわけか…。

    最後に希望があってよかった。祐希たちだけでなく、保も英輔も、これからはできるだけ幸せに、哀しみはあっても絶望だけはないように生きて行って欲しい。

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    2024年07月30日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    全体的にうっすらとした暗さを孕んでいたけど、だからこそ夜寝る前に読むのにぴったりな小説だった。
    そして、影があるから光もあるのだなと。

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    2024年07月27日
  • わたしの良い子

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    この本を見て驚いたこと
    寺地はるなさんの名前、ずっと寺池だと思ってた
    戯言は無視して、進めます。

    主人公は、甥っ子の朔を育てている椿。妹の鈴菜が、朔を産み、家を出て行ったことで、姉の椿が朔を育てることになります。
    朔に対しての悩みを抱えながらも、大事に育てている椿さんに感服しました。あと、こちらも戯言なんですが、静原の妻の娘を叱る口調が、わたしの母と似ていてちょっと草でした。

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    2024年07月15日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    寺地はるなさんと町田そのこさんの短編が読みたくて。
    お二人の短編は安定の面白さ。特に町田そのこさんのお話は号泣。登場人物の二人と一緒に、ゆっくり時間をかけながらいろんな感情を落とし込んで読み終えた感じ。ラストは切な過ぎる。

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    2024年07月03日
  • わたしの良い子

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    朔はASDか?と思うけどその言葉をあえて使わずに書いているのがまた良い。鈴菜もそれか?と思わせる部分がある。椿の淡々とした感じが、いい意味で親子じゃない距離感による冷静さを保てて好き。

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    2024年06月30日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    田舎が嫌で仕方がない天、東京からやってきたミナは藤生好き、だけど藤生は天の事が好き。閉鎖的な田舎まちで生きること。そしてそこから出ること。
    30歳になった三人はそれぞれに宛てた手紙を読む為に集まる。


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    2024年06月25日
  • ビオレタ

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    前半は主人公のことも菫さんのことも、よくわからず、感情移入もできず、何を読まされているんだろうと思っていたけれど、
    中盤に主人公が「誰かに必要とされたかった」と、気づいたところから、いろいろなことに気づき、前向きになっていくところが良かった。

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    2024年06月16日