寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
淡々とした文体で季節感の表現もなく、實成を苗字と思わなくて、亜子の年齢も全然わからないし、読みづらかった。生きづらさを表現するため、敢えて登場人物を徐々にぼんやりと見えてくるように描いているのだろうかと、悶々としながら読み進める感じ。
最後まで亜子の年齢はわからず、突然のもっちゃんのラストに一体どんなメッセージを送ったんだろうと気になったが、冬至の真っ直ぐな真面目さが伝わったんだろうと推測するしかない。
誰もが生きづらさを抱えながらも、前を向いて生きていくしかないということは、共感できる。
一番好きなところは、冬至の母が言った『わたしのさびしさは、わたしのもんや』。凄く良い。 -
Posted by ブクログ
おばあさんが葬儀でバタバタして落ち着いた後にいただいた和菓子を食べて、とてもおいしいと感じる話が印象的だった。
忙しい生活の中で、やっと自分の時間を持てた時に食べる繊細な和菓子に癒される気持ちはとても想像できる。
誰かを励ましたい時、気にかけている時に甘いものを贈る話にも確かに!と思って、お菓子のもつ癒しパワーを改めて感じた。
古い体質の会社の「見えないルール」問題は、きっと全国にたくさんあると思う。
吉成製菓は茉子のように発言できる人がいて、社長の伸吾が聞く耳を持っているからいずれ改善できるはず。
私の会社は無理だな、、、羨ましい。
人それぞれのスタンスの違いがあって難しい人間関係など、リア -
Posted by ブクログ
希望はどこに行ってしまったのだろう
製菓会社に勤めている誠実は弟の希望が突然失踪したと母から伝えられる
希望を知ってる人たちから少しずつ話を聞いて弟は、希望はどういう人物だったのか少しずつ紐解いていこうとする物語
大体、この人はこんな人だなんてはっきり断定出来る人の方が少ないんじゃないかと思う
どんな嫌な人にも柔らかい部分はあるだろうし、優しい人にも意地悪な部分もある
人の中にはグラデーションみたいに色んな部分が折り重なってその人を作っているんだと思う
だから、希望についてそれぞれ語られる希望の一部分はさまざまだ
ラストの光の章で、希望がこれからの人生を健やかに生きるために自分を持とうと