寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰もが一度は妄想したことのある
「人生の最後に何を食べたいか」という問い…
一線で活躍する7人の作家たちが紡ぎ出す答えは
決して豪華絢爛なご馳走ばかりではなく
日常の片隅にあるささやかな味や
記憶の底に眠る思い出の味が
それぞれの登場人物の人生の愛おしさと共に
鮮やかに描き出されます
江國さんの淡い情緒
金原さんのひりつくような熱量
寺地さんの静かな優しさ…
一話一話の味わいが全く異なり
まるで極上のフルコースを少しずつ
味わっているかのような贅沢な読書時間でした♡
漆黒の背景に浮かび上がる
このミステリアスで耽美な表紙に一目惚れ!!
「食べる」という営みは、私たちが生きる -
Posted by ブクログ
善意の皮をかぶった支配と、無意識的な女性蔑視
主人公の祐希は、施設「のばらのいえ」を運営する実奈子の親族の娘であり、志道と実奈子の夫婦の養子だ。
祐希が幼い頃に施設にやってきた、親のいない同い年の紘果と、その兄の保。
祐希と紘果はとても仲が良かったが、18歳のときに祐希は施設から逃げ出し、紘果は残った。
そして10年が経ち、今は28歳。
祐希のアパートが火事で焼けてしまったところに、かつての支配者である志道が迎えにやってきて、施設に戻ることになるところから物語は始まる。
とにかく胸糞の悪い物語である。
本作は「のばらのいえ」の運営側の子どもである祐希の視点から語られる。
読み始めると -
Posted by ブクログ
大きな事件が起こるというよりは、日常の中で誰もが抱えるモヤモヤや悩みにそっと寄り添ってくれるような作品だった。短編集でありながら、それぞれの話がゆるやかにつながっていて、一冊を通してテーマに一貫性があったように感じる。
おそらくこの本のテーマの一つは「自立」と「人を頼ること」なのだと思う。私はこれまで、自立とは人に頼らず一人で何でもできるようになることだと思っていた。しかし、この作品を読んで、自立とは誰の力も借りずに生きることではなく、必要な時には周囲の人を頼りながら、自分らしく生きていくことなのだと感じた。
人を頼ることは弱さではなく、自分にできないことを認めることでもある。それは簡単な -
Posted by ブクログ
五人の中年女性たちの再出発を、「わかば洋傘店」の傘が受け止めてくれているような印象の短編集。
女性が「ひとりで生きる」ことを全肯定してくれていた。さまざま呪縛を脱ぎ捨て、自分の足で新たに歩み出そうとする登場人物たちの姿はとても晴れやかだった。
読み終えると、むしょうに傘を新調したくなる。傘はわりとお気に入りのものを長く使うタイプなので、今も使っている折りたたみ傘はもう十年ものとなって撥水効果が薄れている。もうどれほどの雨を凌いできてくれたんだろうな。
雨を降らせないことはできないけれど、傘をはじめレインブーツやレインコートなど好きなものを選んで身に付けて、気持ちを明るくすることはできる。
雨の