寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
Audibleで。
寺地さんらしい。
職場の人間関係。
そして、マンションが同じ幼なじみ。
確かに「強くていいな」と思われている主人公には過去があり「見てみないふりしてたやん」と言われたことにつきまとわれる。
「大丈夫?」と声をかける人は「大丈夫」しか期待していないと言うことに愕然とする。
自分の正義は他人の正義でもない。
痛いほど、人はそれぞれだと言うことがこの物語にはある。
それに、何回となく直面して主人公は省み成長する。
同じように読み手の私も省みる、そんなお話。読後、優しい。
とりあえず、本人の居ないところでの憶測のプライベートは語らず居よう。
と、最後に私は和菓子派
全部食べてみたい -
Posted by ブクログ
祖父から引き継いだガラス工房で
「ガラスの骨壷」を作る兄の道と妹の羽衣子。
兄の道は少し発達障がいがある描写がされていて
人間関係を築くのが苦手だけれど、
吹きガラスの才能がある。
一方の妹の羽衣子は、人との関わり方は
上手にできるが兄と比較して
自分には特別な才能がないのではと悩む。
そんな2人の10年間が描かれている作品。
道と羽衣子はお互いのことを苦手に思っているけれど、吹きガラスを通して少しずつお互いのことを
理解していく。
ガラスの骨壷を欲しいという人たちとの話の中では
「人の死」について繊細に書かれていて
病によって早く亡くなった娘や愛犬の死、不倫していた夫の死、事故によっ -
Posted by ブクログ
寺地はるなさん5作目。
子どもがいないときに、育児中の人に「子どもはいいよ〜かわいいよ!幸せだよ!」と何度か言われたことがある。その時は「それはあなたの考えであって、こちらには押し付けないでほしい」と思った…し、今でも思ってる。けれど、その人も育児していて可愛い・幸せ以外にも、きっとたくさんの思いを抱いていたのだろうな…と、本作を読んで改めて思った。
P.207 「親になってみないとわからないという言葉、わたしは嫌いです。わからないからなんなんですか。わかったらどうなるんって言うんですか。親の気持ちを知ってるあなたやわたしの父だっていうその人は、わたしと違う素晴らしい境地に達しているんです