寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
☆3.8
物語としてスッキリしていて読み易かった。
自分はどちらかというと朱音や園田の側だと思う。
この2人の心境に共感すると共に、莉子のような人たちの心境に触れることができたことは私にとって大きい。
地元に残った人たちがあの頃のままキラキラしているように見える時もあれば幼く見える理由もよくわかった。
人生のピークは人それぞれ違くて、人はそのピークに縋りたくなるのだろう。
学生時代を引き合いに出すのは幼稚と言いつつ、朱音も園田もそこに囚われている。
そこから断ち切ろうと思うのか埋もれてもいいと思うのかの違いが大人なのかなと思う。
読み始めた時は莉子みたいな女に嫌悪感を抱いていたが、最後には莉子の成長に感動していた。
自分と向き合って過去を断ち切ることで人は前に進めるのだなと思った。
必ず皆どこかで繋がっているという事実が人を強く自立させるのだと思った。 -
Posted by ブクログ
誰かの日常が誰かの人生に繋がっていると感じる物語。ひとりひとりの抱えている課題や感情に何かしらの共感を抱く。人って自分のことしか見れていなくて、自分のフィルターでしか人を判断できなくて、それが″思い込み″という厄介な判断軸になってしまう。
個人的に、本書に出てくる小さな子どもが昔の自分みたいで微笑ましさと同時に目が潤む。他の子どもたちと同じように出来ない自分。幼いながらに自分は自分で悩んでいたけれど、同時に両親には心配をかけていたんだなぁ。
今の自分は不器用ながら何とか楽しく生きている。それは自分が誰かの日常と混ざり合いながら、少しずつ変化してきた証だと感じた。
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Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった!
めっちゃ好きな終わり方!
まずはそんな心の叫びで。
色々な人が登場します。
そしてゆるゆると繋がります。
このパターン、好物です。
そして安直な方向に行かないあたり、リアリティがありぐっときます。
ラストシーン、大好きです。
良い人ばかり出てくる訳ではありません。
うんざりするお母さんや夫に自分の身上を重ねる事もしばしば。
でも不思議とスッキリしました。
着ぐるみの「あかつきん」はずっと出てはくるものの、あかつきんが主役という訳ではなく、結局は各々が各々で主役なんだと思います。
ティッシュ配りの男の子のお姉さん、幸せになって欲しい。 -
Posted by ブクログ
どう見られているかとか、コミュニティの中での立ち位置とかにとらわれそうな時に読み返したいかも。
よく、学生時代は人間関係しんどかったな…って思うけど、
しんどい人間関係は、職場でも、保護者間でも、旧友でも、学生時代に限らず起きるんだよな、と気付かされた。
誰かと関わるとき、相手の評価を自分の価値だと思うと、誰かに寄りかからないと立てなくなっちゃう。
「え、わたしたち友だちじゃないよ」
「うん、友だちではない」
っていう関係性の方が、相手のことをしっかり見れているのかもってなった。
どう見られているか、相手によく思われるにはどうしたらいいかばかり気にしてしまうので、朱音の考え方や他者との距離の取り方は、
ぐらぐら〜っとしそうな自分を、そっとまっすぐに立たせてくれるような感じだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直中だるみ感というか、途中で少し退屈に感じる部分もあった。
でも最後、くみ子の章は胸にズーンと来て、読み返した。
何より心に残ったのはくみ子と希望の別れのシーン。大切な家族が亡くなった日のことを思い出し、胸がギュッとなった。
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「くみ子さん、お元気で」
どうかお元気でと背を向けた柳瀬の姿が遠ざかっていく。どのホームに向かうのかだけでもせめて見届けようと首を伸ばした次の瞬間に、もう姿を見失った。
そしてひとりになった。
どこに行こうと思ったあと、どこにでも行けるのだと気づいた。もうひとりでどこにでも行ける。人混みの中に一歩踏み出したら頬をぬるいものが伝った。かなしくはないのに、あとからあとから涙が溢れ出る。
ひとりになった。柳瀬はいなくなった。その事実だけが身体中を巡った。けがひとつ負っていないのに、なぜか胸の奥や指先や頬までちくちくと痛んだ。
とてもきれいだったなんて、生まれてはじめて言われた。こんな自分にもそんなことを言ってくれる人がいた。柳瀬の言葉を、表情を、さっき触れた指の感触を、空っぽの箱に大切にしまった。大切な記憶が増えるたびに、ここに重ねていこうと思った。いつしかこの箱の中には記憶の層ができる。そこにはいくつもの美しい化石が埋まっているに違いない。
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好きなシーン長すぎる。笑笑
でもこの1セットで尊いのです。句読点ひとつであろうと抜くことなどできない、ちゃんとそのままを残したいのです。
私が本が好きな理由はいろんな人生いろんな気持ちいろんな知識を知れるから。
そこに、大切な気持ちを思い出せるから。という理由が加わりました。あの日の大切な気持ちを思い出させてくれてありがとうね。
そんな本です(^^) -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。
何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。
冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。
寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。