寺地はるなのレビュー一覧

  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。幸せなお話が多いかと思いきや、じとっとした暗さを孕んだお話が多い。お気に入りは、死んだ夫の娘が訪ねてくるお話、町田そのこ「六年目の弔い」。

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    2025年05月08日
  • みちづれはいても、ひとり

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    登場人物が少なくシンプルな物語。賃貸に暮らす弓子と楓は隣同士に住む。上手いこといかないことの多い40代の二人は休息を兼ねて旅に出る。お互いの足りないところをカバーしあいながら自由に過ごす。親友でも親子でも夫婦でも二人は一つになれない。ひとりはひとり。

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    2025年05月08日
  • わたしたちに翼はいらない

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    ☆3.8
    物語としてスッキリしていて読み易かった。
    自分はどちらかというと朱音や園田の側だと思う。
    この2人の心境に共感すると共に、莉子のような人たちの心境に触れることができたことは私にとって大きい。
    地元に残った人たちがあの頃のままキラキラしているように見える時もあれば幼く見える理由もよくわかった。
    人生のピークは人それぞれ違くて、人はそのピークに縋りたくなるのだろう。
    学生時代を引き合いに出すのは幼稚と言いつつ、朱音も園田もそこに囚われている。
    そこから断ち切ろうと思うのか埋もれてもいいと思うのかの違いが大人なのかなと思う。
    読み始めた時は莉子みたいな女に嫌悪感を抱いていたが、最後には莉子の成長に感動していた。
    自分と向き合って過去を断ち切ることで人は前に進めるのだなと思った。
    必ず皆どこかで繋がっているという事実が人を強く自立させるのだと思った。

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    2025年05月07日
  • ビオレタ

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    ネタバレ

    心が温まる物語だった。
    千歳さんの人柄について優しさではなく、諦めなのではと書いてある描写があり、心がキュッとなった。
    自分が1人で考えている中でこうなのではないかと漠然と思った事が言葉として書かれていて、自分の考え方の言語化に役に立った。
    的確で、優しさもある言葉を紡いでいる寺地はるな先生の作品にハマりそう。

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    2025年05月06日
  • 雨夜の星たち

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    ちょくちょく読みで完読!
    ハチミツ以来の寺地さん〜
    寺地さんの作品の主人公は一見愛想が良いわけではないけど 冷静で自立してる女子っていうイメージがあって、読んでてかっこいいなと思う!

    解説の中でもあったけど
    「他人に関心がないのは、相手のことをわかった気になりたくないからじゃない?」
    作中に登場する、この言葉が印象に残ったな

    他人のことを羨んでしまうときも
    悪く思ってしまうときも 
    その人のこれまでの過程とか背景を見てないってことは頭の隅に置いておこうと改めて思えた!

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    2025年05月02日
  • わたしの良い子

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    妹・鈴奈の子ども、朔とともに暮らす椿。心に刺さるなぁ〜と思う場面がたくさんあった。私は椿みたいに強くないけれど、朔のことを一人の人間として真正面から向き合う椿の姿が格好いいなと思った。きっと椿にも、鈴奈にも朔にも、明るい未来が待っていると信じたい。心に残る言葉たちがたくさんあって、特に椿がサンタクロースについて話すシーンが印象に残った。

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    2025年05月02日
  • みちづれはいても、ひとり

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    ・私はいつも正しいわけではない。私の生きかたはきっと美しくはない。何度も間違え、何度も他人を傷つけ、罪と穢れを炎にくべて赦されようとする。でも、自分が正しくも美しくもなく生きていることを知っている私はせめて、他人が心から欲するものを価値がないと嗤ったり否定したりはすまい
    ・人間の思考ってそんなに整理されてないし、めちゃくちゃなのがむしろ基本設定なのかも

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    2025年04月28日
  • わたしの良い子

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    自分の子供に当て嵌めて読んだ。
    出来ない事や、感情のコントロールが難しい事など、どうしてと思う時は沢山あった。
    この頃友達に認められる事があって自信がついたようだ。
    この物語と同じで、難しいけれど信じて待つという事は大事だと気付かされました。

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    2025年04月27日
  • ビオレタ

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    人それぞれ。
    人って自分が思ってるより色んなことを考えてるし、
    色んなことを心に抱えてる。

    私が最近より強く思ったことであり、
    このビオレタを読んで、さらにそう感じた。

    妙、菫さん、千歳さん、皆の世界が広がりますように。
    少し幸せになれますように。

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    2025年04月25日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    兄の誠実(まさみ)が、失踪した弟の希望(のぞむ)を探す旅。誠実と希望の母親、希望と一緒に逃げるくみ子の父親、希望の保育園の先生で実花子の母親である敦子も、揃いも揃って近づきたくない人々。でもそのひとつくらいは自分に当てはまりそうで、見たくない気持ちになる。
    寺地はるなの作品は、私にとってはなんとも心がえぐれる。

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    2025年04月23日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    学生時代に抱いたことのある"どうしてわたしはあの子じゃないの"のタイトルに惹かれ読み始めたけど、登場人物3人それぞれの葛藤と苦しみの中には、確かにそこに私もいて、この物語に出会って、少しあの頃の私が救われた気持ちになった。

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    2025年04月14日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    生きづらさを抱えた人達を描いた短編集。年齢も性別の違うそれぞれの孤独に寄り添い、足元を照らしてくれるような7つの物語。
    リバー・フェニックスに憧れる少女が主人公の「深く息を吸って、」がよかった。

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    2025年04月06日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    誰かの日常が誰かの人生に繋がっていると感じる物語。ひとりひとりの抱えている課題や感情に何かしらの共感を抱く。人って自分のことしか見れていなくて、自分のフィルターでしか人を判断できなくて、それが″思い込み″という厄介な判断軸になってしまう。
    個人的に、本書に出てくる小さな子どもが昔の自分みたいで微笑ましさと同時に目が潤む。他の子どもたちと同じように出来ない自分。幼いながらに自分は自分で悩んでいたけれど、同時に両親には心配をかけていたんだなぁ。
    今の自分は不器用ながら何とか楽しく生きている。それは自分が誰かの日常と混ざり合いながら、少しずつ変化してきた証だと感じた。

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    2025年04月05日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    めっちゃ面白かった!
    めっちゃ好きな終わり方!

    まずはそんな心の叫びで。

    色々な人が登場します。
    そしてゆるゆると繋がります。
    このパターン、好物です。
    そして安直な方向に行かないあたり、リアリティがありぐっときます。
    ラストシーン、大好きです。
    良い人ばかり出てくる訳ではありません。
    うんざりするお母さんや夫に自分の身上を重ねる事もしばしば。
    でも不思議とスッキリしました。
    着ぐるみの「あかつきん」はずっと出てはくるものの、あかつきんが主役という訳ではなく、結局は各々が各々で主役なんだと思います。

    ティッシュ配りの男の子のお姉さん、幸せになって欲しい。

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    2025年03月30日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    ネタバレ

    殺し屋の設定、博物館、ケンカの仲裁役、旦那のSF小説に出てきた絶世の美女、雑誌、口笛、街で嫌われている叔父。
    どれもが主人公にとっての拠り所になっている。
    でもそのままでは最後の部分で救われきることができない。支えられながら、一歩だけ、あるいは半歩でも踏み出すことで世界がほんの少し変わる。シンデレラほどは変えられなくても、明日を迎えてみようと思えれば、それで十分だと思う。一人で歩き始められれば見える景色が増えるのかも。

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    2025年03月21日
  • わたしの良い子

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    ネタバレ

    正しくなくてもいいから生きていてほしい がじんわりときた。作者の作風や文体とあいまってこころがほぐれるのを感じた。 

    朔くんが最後に一人で集団登校に向かうシーンで
    いつか椿さんと離れるときを想像して寂しくなった。

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    2025年03月19日
  • わたしたちに翼はいらない

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    どう見られているかとか、コミュニティの中での立ち位置とかにとらわれそうな時に読み返したいかも。

    よく、学生時代は人間関係しんどかったな…って思うけど、
    しんどい人間関係は、職場でも、保護者間でも、旧友でも、学生時代に限らず起きるんだよな、と気付かされた。

    誰かと関わるとき、相手の評価を自分の価値だと思うと、誰かに寄りかからないと立てなくなっちゃう。

    「え、わたしたち友だちじゃないよ」
    「うん、友だちではない」
    っていう関係性の方が、相手のことをしっかり見れているのかもってなった。

    どう見られているか、相手によく思われるにはどうしたらいいかばかり気にしてしまうので、朱音の考え方や他者との距離の取り方は、
    ぐらぐら〜っとしそうな自分を、そっとまっすぐに立たせてくれるような感じだった。

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    2025年03月09日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    正直中だるみ感というか、途中で少し退屈に感じる部分もあった。
    でも最後、くみ子の章は胸にズーンと来て、読み返した。
    何より心に残ったのはくみ子と希望の別れのシーン。大切な家族が亡くなった日のことを思い出し、胸がギュッとなった。
    〜〜〜〜
    「くみ子さん、お元気で」
    どうかお元気でと背を向けた柳瀬の姿が遠ざかっていく。どのホームに向かうのかだけでもせめて見届けようと首を伸ばした次の瞬間に、もう姿を見失った。
    そしてひとりになった。
    どこに行こうと思ったあと、どこにでも行けるのだと気づいた。もうひとりでどこにでも行ける。人混みの中に一歩踏み出したら頬をぬるいものが伝った。かなしくはないのに、あとからあとから涙が溢れ出る。
    ひとりになった。柳瀬はいなくなった。その事実だけが身体中を巡った。けがひとつ負っていないのに、なぜか胸の奥や指先や頬までちくちくと痛んだ。
    とてもきれいだったなんて、生まれてはじめて言われた。こんな自分にもそんなことを言ってくれる人がいた。柳瀬の言葉を、表情を、さっき触れた指の感触を、空っぽの箱に大切にしまった。大切な記憶が増えるたびに、ここに重ねていこうと思った。いつしかこの箱の中には記憶の層ができる。そこにはいくつもの美しい化石が埋まっているに違いない。
    〜〜〜〜
    好きなシーン長すぎる。笑笑
    でもこの1セットで尊いのです。句読点ひとつであろうと抜くことなどできない、ちゃんとそのままを残したいのです。

    私が本が好きな理由はいろんな人生いろんな気持ちいろんな知識を知れるから。
    そこに、大切な気持ちを思い出せるから。という理由が加わりました。あの日の大切な気持ちを思い出させてくれてありがとうね。
    そんな本です(^^)

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    2025年03月07日
  • 声の在りか

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    日常で感じる小さなモヤモヤを言語化してくれた小説。私は子どもがいないので親の立場はわからないけれど、それでも「あ〜これ、会話を終えたあとで言いたいことが言語化される時あるよな」と共感する場面がたくさんあった。自分の感情を抑えてしまうと言葉を放出させることが難しくなってしまう。自分の声を発すること、そして声に気付くことが大事であると教えてくれた。

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    2025年03月01日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。

    何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
    設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。

    冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。

    寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。

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    2025年03月01日