寺地はるなのレビュー一覧
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九州の北部に位置する小さな星母(ほしも)島で、託児所を併設した民宿「えとう」を営む千尋…彼女は一度島を出ているが、大阪で知り合った麦生とともに1年前に戻ってきていた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、悩みを抱えた人々が御利益を求めて訪れるようになっていた…。彼女の出自は複雑ではあったが、親戚筋にあたる政子さんが引き取り育てられ、島の子「モライゴ」として育てられた過去があり、「えとう」も政子さんから引き継いでいた…。星母島の「えとう」で繰り広げられる、家族の物語…。
千尋の周りには本当にいい人ばかりで、本当に救われました!千尋だってちょっと間違えたら今の生活は送れてないんじゃないかな… -
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人口三百人ほどの小さな島で託児所を併設した民宿を営む千尋。そこに育児や子どものことに悩んでる親がやってくる。こうしなきゃ、ああしなきゃ、という周りの声とのギャップ。みんなはとか普通はとかの枠に当てはめて言われること。無意識のうちに自分もそっち側にいるんじゃないかとハッとさせられる文章がたくさんある。人それぞれなはずが子育てには色々と簡単に同じを求められる。そんな苦しみに綺麗事ではなく、淡々と話す千尋に救われる人たち。それで全てが解決しなくてもそこにいてくれるということが何よりの救いになっている。当たり前とか普通とか言われていることに、そうじゃないと、悩むのはおかしいことじゃないと教えてくれるよ
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素敵なお話でした。
双子の光実と歩が亡き母のワイン作りの後を継ぎながら成長していくお話です。
読みながら、光実の気持ちも歩の気持ちも
本当に痛いほどわかる気がしました。
兄弟や双子というと
つい比べられたり、自分でも勝手に比べて落ち込んだり仲がいいんだけどどこか複雑な気持ちもあったリ…
寺地さんの作品はどれも私の中にある誰にも見せていないような自分でも気づいていないような
感情に出会えるそんな気持ちになります。
ワイン作りの奥深さに感動しつつ、
光実や歩の周りの人たちの厳しい中に温かく見守る姿や言葉がけが本当に素敵で私も頑張ろうと
元気が出るお話でした。 -
ネタバレ 購入済み
主人公は強い。。
主人公が強い人だなぁと思いつつ、逆境に立ち向かって行くとこがすごいです。
ただ、ハッピーエンドが好きな方には向いていないお話かと思います。。 -
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寺地はるな著書を読むのは2冊目。徹底的に等身大の人物を、大きなドラマを設定することなく描く人なんだろうな、と思う。
アラフォー女性2人。
弓子は小さいときから母親による衝動的な暴力を受けていたけど、「今は虫が悪いんだな」と冷静に捉える感性と忍耐力を持っていた。それが優しい夫のある行動を耐え忍ぶ事に繋がってしまう。ただ今別居中。そして夫、失踪中。
楓は弓子と正反対の奔放な性格のようで、男は選んで付き合ってる。この前ヒラツカさんに振られた。同時に会社社長のセクハラがあまりにも酷くて会社も辞めた。その社長がストーカー行為を始めたので、弓子に「夫を探してけりをつける旅に出よう」と誘う。
弓子も楓 -
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曾祖父が興した会社「天瀬ワイナリー」の代表者であった母を突然失くした双子の姉弟、光実と歩。
姉の光実はできのいい子で、18歳の頃からずっと家業を手伝っていて、弟の歩は特にやりたいこともなく、アルバイトで日々を過ごしている。
性格も対照的な二人だけれど、歩は強引に光実に会社を手伝わされることになる。
大阪の架空の町が舞台の物語である。
ワインのもととなる葡萄の栽培、醸造、販売等々、人が一本のワインを購入し口にするまでにどれだけの時間と工程を経てつくられているか、家業を継ぐと一言でいうけれど、そうそう容易いことであるはずもなく、この物語を通してとても尊いものを見せられたような気がします。
地味 -
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大阪近郊に位置する暁町にある「あかつきマーケット」が物語の舞台…様々な店舗が軒を連ねて営業していたが、時代の波に飲み込まれる形で閉店することとなる…。「あかつきマーケット」のマスコット的存在の「あかつきん」はイベント途中に失踪(!?)するも、その後町の至る所に出没し困った人を助けていた…さらに「あかつきん」のしっぽをお守りにする人も多数現れたが…。
「あかつきん」だけにしぼったストーリーかと思いきや、実際は「あかつきマーケット」で働く人々やその近隣に住む住民やその家族など、様々な年代の人たちが主人公となる短編集でしたね…。日々の生活の中でどんな人とつながり、どんなことを思い、今後どう生きてい -
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星は4.8ぐらい。
タイトルに惹かれ、また、なんともいえない愛嬌のある表紙のマスコットに心を癒やされる気持ちで読み始めたら、この表紙の「あかつきん」が重要でした。
登場人物が多い、と書かれている方がいますが、一つ一つ独立した話としても十分で、私にとっては一冊でとても得した気分になれました。
とはいえ読後、改めて登場人物の相関関係を図にしてしまいましたが。
最初は子どもを持つ母親の気持ちに深く共感し、その後、父親の立場で書かれたものを読んで少し自分の態度を反省。
寺地さんの本は2冊目ですが、立場の違う登場人物がとても丁寧に書かれていて、私は好きです。