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婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。 そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。 何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。 人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心のすきまにしみこむ温かな物語。 選考委員の満場一致で選ばれた、第四回ポプラ社小説新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
「いつも心に棺桶を」
「松竹梅で言えば蓼」
風変わりなフレーズが要所で登場する、一風変わった作品というのが第1印象でした。
登場人物もしかり。浮き世離れした人々が次々と出てきます。
テンポといい醸し出される空気といい、川上弘美ワールドかと見紛うよう。これが寺地はるなさんのデビュー作とは驚きでした。
それにしても登場人物が皆、キャラが立っていていい。特に菫さんが強烈です。
菫さんは妙のいびつと言ってもいい不器用さを叱咤するのですが、菫さん自身もなかなかに不器用です。なのに偉そうなのです。
そしてそこがまた魅力的なのでした。 ( いちばん気に入ったのは妙の父親ですが。)
でも私たちにとって生きる指針になりそうなフレーズ (「余白は大切」「寂しいは人間の標準仕様」「強いは弱いの対極じゃなく、弱さから目をそらさないのが強いってこと」等 ) が多く出てきていることや、主人公が少しずつ自分の殻を破っていくさまが描かれている ( 妙の場合はかなりヘンだが ) ことなどから、やはり寺地ワールドなのだとニヤついてしまいました。
寺地はるなさん、最初からいい作家さんだったのですね。
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