【感想・ネタバレ】彼女が天使でなくなる日のレビュー

あらすじ

九州北部にある人口三百人ほどの星母島。子どもについての願い事なら何でも叶えてくれるという「母子岩」があり、近年有名になっている。そこで〝モライゴ〟として育てられた千尋は、一年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。子どもにまつわる様々な悩みを抱え、母子岩のご利益を頼りやってきた宿泊客に、千尋は淡々と為すべきことを為し、言うべきことを言う……。簡単な癒しではない、でも大切なことに気づかせてくれる、宝物のような小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

世の中には泣いてる子供の親に攻撃的な輩が必ず存在する。黙らせろと詰める輩は絶対に間違えた人間で存在で大きく言うとお前がいなければいいだけ.政子さんがいつまでじろじろ見てんだよ、子供は泣くもんだと言ってやった言葉が正解なんだよね。ミステリアスな麦生の本当はただの阿呆な男とか、どんな存在と思った三崎が父親の女で親子対面する大義を掲げて接近したとかでの千尋の一言一言→みんながどうしてきたかは私には関係ないの返しがグッと来た。寺地はるなさんのビオレタとか今回の民宿とベビーシッター屋と初めて目にするのを忘れるくらい自然ですんなり受け入れた、肌に合うってことなのかなぁ

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2024年09月10日

Posted by ブクログ

213ページの最後〜声出してぐふぐふ笑っちゃった。
ライトなテーマじゃないのに主人公の思考とか語彙が面白くて笑っちゃう。すごい好き。
寺地はるなさんの描く主人公まじで好きすぎる。
クロエの蜂蜜が出てきたのもすごい嬉しかった。

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

場所は九州北部にある星母島。
母小岩が近年パワースポット。
民宿「えとう」と託児所を営む、「モライゴ」の千尋。
千尋のことを大切に思う麦生。
育ててくれた政子。
政子の娘、亜由美。
孫のまつりには、10代で産んだ息子の陽太がいる。

民宿を訪れる人達が、母小岩を目指して訪れる。
それぞれが親子関係、人との繋がりに悩みをもっている。淡々と接する千尋や麦生。

人は、それぞれが大変に思うこと、葛藤、嫉妬、孤独などがある。それを他人から意見されることにより、何かの気づきを得ることがある。そんなことをこの島を訪れた人が経験し、また生活をしていくであろう、そんな物語のように私は思えた。千尋自身も、色々な人と接して本当の自分の思いや、島の人の思いを知り、最後に月の見えかたは自分の心が反映されていることに気づく。誰もが月を眺めた時、のんきそうに見える日が多ければ、いいなと思った。

第1章 あなたのほんとうの願いは
第2章 彼女が天使でなくなる日
第3章 誰も信頼してはならない
第4章 子どもが子どもを育てるつもりかい
第5章 虹

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

九州にある星母島。託児所付きの民宿が舞台。

そこに泊まりに来る客たち。皆んな事情は違えども「子供」との関係に悩んでいる。

夜寝ない、育てにくい子、敏感な子、癇癪、喋らない…などなど
子供を自分の天使のように思い過ぎる毒親…

現在3歳1歳子育て中の私は、出てくる親たちに何度も共感し、痛いほどわかる苦しみに少し泣きました。
「親になったからって急に別人になれるわけじゃない」
「板の間で良いから大の字で1時間寝たい」
「子供が嫌いなわけじゃない。可愛くて仕方がない。この感情に名前はつけられない。だって子供を産むまで知らなかった感情だから」

あーーーわかる。泣

民宿の千尋、麦生、政子さんがあまりにも大きな器で子供を包んでくれるから、一瞬自分がダメに感じてしまいそうになるけれど、
この本のすごいところは、綺麗事はひとつもないところ。

なんというか、民宿の全員のことを信用できてしまう。本当にこの民宿があったら、私も絶対行きたい!そう思ってしまうほど、読み終わる頃には皆んなのことが好きになっています。

「子供を産んでも産まなくてもその人の価値は変わらない。やったことがないからわからないでしょ?という人は嫌い。」
「みんなの話は聞いてません。私とは違う」
そう言い放った千尋はかっこよかった。

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2023年07月04日

Posted by ブクログ

誰もが未成熟で歪なので心を抱えている。
自分だってそうだ、歪の極みなのだ、とわかっている。

みんなの普通が自分の普通では無い時、
人は。

自分のやるべきことを淡々とこなしていく千尋。
一つ一つの言葉に重みがありました。
子育てに悩んでいる人も読んでみてもいいかも。

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2023年04月03日

Posted by ブクログ

寺地はるなさんの世界にどっぷり浸れます!
主人公の千尋に深い愛情を注ぐ人たちが好き。
そして、クロエの蜂蜜の一瞬の登場に、寺地さんファンは心ときめくはず…だと思う…

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2023年03月24日

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千尋のようなしっかりとした『自分軸』を持った人になりたいと思う。媚びることなく同調するでもなく、「自分以外の人間の気持ちなんかわからない」と言いきりながらも相手の気持ちに寄り添うことが出来る。上部だけの優しさではななく、言うべきことをしっかり言える。カッコいい!そんな人になりたいけどたぶん一生なれない…

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作短編集のタイトルでもある「彼女が天使でなくなる日」。
彼女というのが宿泊客だったのが違和感だったけど、ラストで「神は絶対であり、その神に仕える天使は善であり、対抗しうる力を持つものは悪とされる」ということを踏まえて「天使になどならせてはいけない。誰ひとり」になるんだな。すごい仕掛けだ。
理津子が民宿えとうみたいな場所を作る話も読みたいな。

途中で出てきた蜂蜜は「今日のハチミツ、あしたの私」の蜂蜜かな?他は気付けなかったけど、こんな仕掛けがあるなら理津子さんの話もある気がしてしまう。

「倦怠期真っ最中の恋人に抱かれながら昔の恋人を想う女のように、からあげを咀嚼しながら寿司と刺身のことを考え続ける。からあげのことは好きだし長い付き合いだが、今いちばん会いたいのは寿司と刺身なのだ」
やはり寺地さんの文章は素晴らしい。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

寺地はるなさん3作目。
その中で1番良かった。 

ずけずけ常識や普通に異を唱える千尋の心に刺さる言葉や、見事だなと思う表現がいくつもあった。
特に心に残ったのは
「多くの人は友達を良いものだと思い過ぎなんじゃないでしょうか。そうでもないことをあなたが身をもって証明してくれています。」
私も破綻したけど、ずっと引っかかる友達関係があって、麻奈のようにその子を親友と思い続けてきた長い期間が過去にあったからすごくモヤモヤしていたが、それを客観的な視点で見れてなんだか少しスッキリした。
もう一つは、
「願うだけなら誰でもできる。願いは全ての種子だ。種子がなければそこから芽を伸ばし、葉を広げることもできない。枝を沿うようにして、世界は広がっていく。そこでふたたび蒔かれた種子が、また新たな誰かの世界を広げていく。」
という表現。

タイトルの意味について考察してみた。私なりの解釈では、千尋が言っている彼女が天使でなくなるというのは、子供が自分で自分のためになる道を考え、その考えを行動に移して自立することではないかと思う。

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2024年02月13日

Posted by ブクログ

忙しさを理由に伝えないことか積み重ならないように。
相手の感情は相手のもの、私の感情は私のもの。
それぞれの感情をどのように受け止めるのかはそれぞれのもの。
それぞれに伝えるしかない。

辛い時、心を遠くに飛ばす…など、傷つかないように蓋をしている感情やもやもやして表せなかったことを言葉にして寄り添ってもらえてる感覚にしてくれる作家さん。

下記は心に響いた箇所。

『自分の都合の良い素敵な人生の物語の展開を夢見るのは自由だけど、感情も事情もある他人に都合の良い役柄を押しつける人は、僕は大嫌いだな』

『多くの人は「友達」を良いものだと思いすぎなんじゃないでしょうか』

『励ましのつもりでそう言ったのかもしれないけど、誰かのたった一言が引き金になって取り返しがつかないことがおこることだってあるんだよ』

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2023年12月29日

Posted by ブクログ

いろんな人がいて、いろんな人と出会っていろんな気持ちになる。もし、人から見た自分の人生が辛くて暗いものだったとしても気にしちゃダメだ!

大切な人に言った一言で、その人の人生を救えることは少なくても、大切な人に大切だよ!大好きだよ!っていうことは大事なこと。

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2023年07月30日

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誰かのためではなく、自分のための一歩
天使である必要はない、もっと自分を大切に‥
寺地さんの作品は読んだ後にいろんな感情を抱かせてくれる。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

天使になどならせてはいけない、誰ひとり

この世の中を、地に足つけながら自分の足で生きていきたい、と思える本

誰かの都合に振り回されないしなやかな心をもち続けられますように

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2023年06月20日

Posted by ブクログ

この作品もかなり心強い応援メッセージが込められているように思いました。

物語の舞台は、九州北部の星母島。
その島には子供についての願い事なら何でも叶えてくれるという母子岩があり、ちょっとしたパワースボットになっている。
そして、そこで民宿兼託児所を営んでいる千尋という女性が主人公。

子どものことを願いに様々な人が訪れます。
本当に様々で、共感できる人もあれば、この人可怪しいんじゃない?と思える人も登場します。
また、千尋の生い立ちからこれまでを文章にしたいと島にやって来たライターの女性。もう、本当に自分のことしか考えてなくて読んでいてムチャクチャ腹がたった。
私自身が今、同じような人から身を守るために必死になっているから、余計にそう感じたのかもしれませんが。

様々な登場人物が現れる中で、
自分を大切にね
自分と向き合ってね
という思いが込められているように感じました。
優しいけれど力強い応援でした。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

☆4

寺地はるなさんらしい作品でした!

今も子育てをしている真っ最中なのですが、子供が作中に出てくる陽太やひかるの年齢(1~2歳)の頃は、気持ちにも心にも全く余裕がなくなって、毎日が辛くて苦しかったことを思い出しました。
そんな時に千尋の民宿(兼託児所)のような場所があったら、どんなに救われたことだろうと思えました。

寺地さんの作品を読むといつも思うのですが、今作でも心に刺さる言葉がたくさん出てきました。
またしんどくなった時、辛くなった時に読み返したいと思える作品です。

政子さんがとっても素敵でした❁⃘*.゚

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

初寺地はるなさん。なんてまた深いとこの心情をえぐり出すように書いてくれるんだろう。

どこかニヒルなベビーシッター(保育士)千尋に、寄り添うようにして一緒にいる麦生の存在に救われる。高校生で赤ちゃんを産んだまつりはなんて幼稚なんだろう、と思ったけど、そういうことだったのかと腑に落ちた。それを見抜く麦生すごい。

でもタイトルにもなってる「彼女が天使でなくなる日」の話。なかなか強烈だった。娘を天使に仕立てあげることが本当に残酷だった。「天使のままでいいんですか?!」と千尋が叫ぶほど、痛ましいものだった。

完璧な娘ってなんだし。赤ちゃん産めばいいってのかおおおん????と小一時間問い詰めても無駄だと思う。

世間とか身内とか、そんな目を気にしないで生きていられれば。と思ってしまった。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ


天使って天の「使い」って書くのか、とはっとさせられた。
同じ経験をしても見えるものは違うし、そもそも自分以外の人間の気持ちなんてわからない。しっかり言葉を交わして、気持ちを聞きたいし伝えたいな、と思う。

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

 九州の北部に位置する小さな星母(ほしも)島で、託児所を併設した民宿「えとう」を営む千尋…彼女は一度島を出ているが、大阪で知り合った麦生とともに1年前に戻ってきていた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、悩みを抱えた人々が御利益を求めて訪れるようになっていた…。彼女の出自は複雑ではあったが、親戚筋にあたる政子さんが引き取り育てられ、島の子「モライゴ」として育てられた過去があり、「えとう」も政子さんから引き継いでいた…。星母島の「えとう」で繰り広げられる、家族の物語…。

 千尋の周りには本当にいい人ばかりで、本当に救われました!千尋だってちょっと間違えたら今の生活は送れてないんじゃないかな…って感じました。そして、子供が小さい頃の事を思い出しましたね、小さい頃は可愛いっ!けど、ホント親の理解を超えた行動をとりますよねぇ(ウチの子だけ??)…。そんなとき、「えとう」のような場所があるといいなぁ…そんなときに行きたかったなぁ~!それと、麦生くんが素敵すぎるっ(*^^*)。子供は成長して、様々なことを理解できるようになったとき、そこにちゃんと愛があったかを感じられることが心の成長にもつながるのかなって、天使のままでは生きるのが辛くなるからと…そんなことを感じました。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

p85「なにかの経験をした人が、その経験がない人に「あなたには私の気持ちが分からない」という行為、私は嫌いです。」
「だって同じ経験をしても、見えるもの感じるものは違うはずですから。どんな経験があろうとなかろうと、そもそも自分以外の人間の気持ちなんか分かりません。」

寺地はるなさんの本を読むことで、「人の気持ちはわからない。だからこそ尊重し、大切に扱おう」と思えます!!いつもありがとうございます。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

本屋にて、題名に惹かれ手に取った
"子育て"について、疑問や不安を持つ機会が少なくはない
子と親だけでない、登場人物一人ひとりの背景に色があり、それぞれの人生から、現実を優しく突き付けられたような感じ
同時に、幸せになるヒントを沢山もらった。幸せにする方法も学んだ
相手のことを想い、大切にすることはさほど難しくないのかもしれない

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

人口三百人ほどの小さな島で託児所を併設した民宿を営む千尋。そこに育児や子どものことに悩んでる親がやってくる。こうしなきゃ、ああしなきゃ、という周りの声とのギャップ。みんなはとか普通はとかの枠に当てはめて言われること。無意識のうちに自分もそっち側にいるんじゃないかとハッとさせられる文章がたくさんある。人それぞれなはずが子育てには色々と簡単に同じを求められる。そんな苦しみに綺麗事ではなく、淡々と話す千尋に救われる人たち。それで全てが解決しなくてもそこにいてくれるということが何よりの救いになっている。当たり前とか普通とか言われていることに、そうじゃないと、悩むのはおかしいことじゃないと教えてくれるような、自分だけじゃないという安堵が感じられる。

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2023年03月24日

Posted by ブクログ

天使でなくなる日、て素敵なタイトルだね。

他の方の感想なんだけど、ああいいなと思ったので記録がてら引用。
『媚びることなく同調するでもなく「自分以外の人間の気持ちなんかわからない」と言いきりながらも相手の気持ちに寄り添うことが出来る。上部だけの優しさではななく、言うべきことをしっかり言える。』

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

寺地はるなさん5作目。

子どもがいないときに、育児中の人に「子どもはいいよ〜かわいいよ!幸せだよ!」と何度か言われたことがある。その時は「それはあなたの考えであって、こちらには押し付けないでほしい」と思った…し、今でも思ってる。けれど、その人も育児していて可愛い・幸せ以外にも、きっとたくさんの思いを抱いていたのだろうな…と、本作を読んで改めて思った。

P.207 「親になってみないとわからないという言葉、わたしは嫌いです。わからないからなんなんですか。わかったらどうなるんって言うんですか。親の気持ちを知ってるあなたやわたしの父だっていうその人は、わたしと違う素晴らしい境地に達しているんですか」

親になったら親の気持ちがわかるって、周りの年配者たちに散々言われてきた。でももうすぐ育児1年経つけれど、気持ちがわかったところで何?って思ってたので、このフレーズとても腑に落ちた!
育児を通じて新しくわかったことはたくさんある。だからといって「自分が偉い」と思うこともない。むしろ人間として未熟だった部分を多く痛感した…。
何より、親に感謝するとかでなく、私が子どもに感謝するべきだと思ってる。
…と、いろんな気持ちがズルズル引っ張り出された。笑

寺地さんの作品は、決めつけられた価値観をぶん殴ってくれるよう!そんなところがとても好き!

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

劇的でも誇張されたわけでもなく、リアルな人間関係が丁寧に描かれていたのがとても印象的でした。

当事者の気持ちに寄り添わず、生い立ちや立場だけを見て一方的に「かわいそう」と声をかけるような人間にはなりたくないと強く思いました。

また、その人の一部分だけを見て「良い人」「悪い人」のように決めつけることはしたくないなと。
誰しもがさまざまな側面を持っているからこそ、誰かを理解しようとする時には、その人が抱えている背景や思い、日々の言動の奥にあるものなど、いろんな点に目を向けていたいです。

簡単な言葉や印象だけで人を判断せず、丁寧に関わっていける人間でありたいと改めて思わせてくれました。

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2025年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

親としての在り方、子どもとの関わり方は十人十色だけど、「子どもを大切にする」という気持ちは絶対に忘れずにいたいな〜と思った。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

島で“モライゴ”として育てられた千尋が営む託児所兼民宿を訪れるのは、子どもにまつわる様々な悩みを抱えた人たち。
いつの間にか捕らわれてしまう「みんな」や「ふつうは」の固定観念。千尋や麦生を通して届く寺地さんの甘くない言葉はそれに息ができないでいる人たちへのエールに思える。
第二章の伊岡母の毒親っぷりは怖すぎた。子どもを守りたいという同じ気持ちからの愛情なのに、どうして政子さんとこんなに違ってしまうのだろう。子どもを天使と見てしまうか、一人の人間として見るかの差なのかな。愛花が天使でなくなる日を願ってやまない。

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

星母島で民宿を開く千尋は、「モライゴ」として育てられた。
子どもについての願い事を叶えてくれる「母子岩」というスポットが近年有名になり、そこに訪れた人々と千尋とのショートストーリーが5話収まっている。

親子と言っても実に様々だ。
親に捨てられた子供、自分の望みを子供で果たそうとする親、若くして母親になった子供など。
人の事情はそれぞれだ。

明るく朗らか、来てくれた人々に何かを導いて、少しその人たちが前向きなる、という話ではない。
千尋自体が淡々と、どこか世間から一歩引いて見ているような女性で、同調するよりは自分が相手を縛りつけたくないような思いがあちらこちらで見て取れる。

嫌なことは嫌だと言うし、自分の考えることを相手に押し付けるわけでもない。
それは彼女の生い立ちにも関係がありそうだけれど、自分自身の考えのもとで自分の足で歩かなければ、という意識が実にさっぱりした印象だ。

幸せな姿は一人一人違ってそれでいいし、その姿は自分にしか見えないもんだな。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

タイトルから抱いていた想像とは違う内容で切なくなりましたが、願うものでした。
いい子になりすぎなくていい、そんなメッセージが素敵でしたがモヤモヤする内容もあり読後は少し微妙な気分になりました。

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2023年06月14日

Posted by ブクログ

九州北部の星母島に「母子岩」がある
子供に関するご利益があって有名
「千尋」には両親がいない
島の子として「政子」はじめ島民に大切にされる
一度本土に行って「麦生」と託児所兼民宿を営む
訪れる宿泊客と千尋達の物語

一癖あり、悩ましい登場人物達
読んでいて心の傷に苦しくなる

『はじめの一歩を踏み出せた人は
次の一歩を踏み出せるよ』
他、胸にしみたり、はっとさせられる言葉がたくさんある

当たり前のこと
本当に当たり前なのか
大切にするってどういうことなのか
たくさん問われて
私も少し母として今ある状況を客観的にみれた

子供も母も天使にならなくていい
悩みながらもがきながら
少しずつ歩けばいい
笑われても後ろ指さされても
自分が信じる方向へ進めばいい
(罪を犯さない、自分を傷つけない前提で)

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

自分のことを「モライゴ」という周りの人。
自分のことを面倒な子と思っていた母。
自分のことを捨てた父。
またみんなきっといなくなる。そう思って自分が傷付かないように周りに期待しないように強く生きそうとしている姿が痛々しくもあり、勇敢にも見えた。

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2023年03月28日

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