あらすじ
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったい、なぜ――? だが、その行動は、いつしか町の人たちを少しずつ変えていく。 さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
登場人物が多く、それぞれが交錯するので、相関図が必要になったが
どのキャラクターも愛おしく、幸せを願わずにはいられない。
「描写が巧い」というより、「作者の中で実際に存在している」という印象を受けた
Posted by ブクログ
思った以上に一つ一つが短い連作短編集のため、次々と登場人物が出てくる。
他の方の感想でも見たが、メモや相関図を書きながら読んだ方が、より楽しめそう。あの時の人が今はこうなって…など、新たな気づきもありそうで、再読したい一冊。
寺地さんが描く登場人物は、普段実は思っているが、人には言いづらい自分の暗い部分を、同じように考えていたり、もやもや悩んでいたりするので、とても共感できる。
私だけじゃない、同じように迷いながら生きている人はいっぱいいるよ、と言ってもらえているようで元気が出る。
Posted by ブクログ
2回読んだ。
1回目は何日もかけて、ちょっとづつ
寝る前に。
3分の2を過ぎると終わらないで
続いて欲しいと思いながら読んでいて、
終わってしまったのでまた最初から読んだ。
2回目はあかつきんの中から見るように
柊の気持ちを想像した。
色んな日常があるし、色んな人の事情が
あるあるでどれも沁みる話だった。
Posted by ブクログ
閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんと街に暮らす人ちのお話。
13話の中にきっと自分と似た欠片を持つ人がいると思う。
P322「もしかしたら俺だけじゃなく、多くの人が見えない着ぐるみを着て生きているのかもしれない。弱さや あさましい気持ちや泣きごとや嫉妬を内側に隠して、他人には笑顔を見せている」
Posted by ブクログ
人はみんな目に見える情報を第一にする
例えば「あの人は優しそうだから」「しっかりしてるから」そんな見かけから受け取る情報をすべてだと思ってしまう。
でもどんな人にだって暗い一面はある
優しいと思っていた人はNoが言えずためこんでしまう人だったり、しっかりしてそうな人はそのイメージを崩さないように無理して頑張っていたり
そして誰もがそんな本当の自分に気づいて欲しくて、手を差し伸べてほしくて足掻いている
※
※
あかつきマーケットのあかつきんが失踪して神出鬼没に現れ、人助けをしていく
あかつきんが人助けをするのは心に何かを抱えている人がほとんどだ
誰もが心の内側に人には見せられない弱さを抱えているからこそ、そんな弱い部分を助けてくれるあかつきんに自然と共感し優しい気持ちになってしまいました。
“夜が暗いとは限らない”
このタイトルにはそんな目に見えるものだけが全てじゃない、人知れず皆色んな物を抱えている
そんなメッセージがあるのかと思いました。
Posted by ブクログ
とある町にある、あかつきマーケットを舞台としたお話で、あかつきマーケットのキャラクターのあかつきんが疾走した事により、物語が進んでいく。
名前を覚えるのが苦手なわたしはオーバーヒート起こすくらい沢山の人物と名前が出てきて大変でした笑
とは言っても、短編があかつきマーケット、ちらつくあかつきんが関わりながらも、その人の人生が描かれていて良かったです。
そんな長く色んな人の傍にあって、見守り続けてきたあかつきマーケット。
沢山の思い出や色んな時間が詰まってるなぁと。
素敵な言葉が
死んだ人間は、天国にもどこにも行かん。死んだら小さい、たくさんのかけらになって散らばって、たくさんの人間に吸収される。生きてる人間の一部になる。とどまり続ける。
あたたかい言葉だなぁと思いました。
あと、あかつきんは可愛いですね!
Posted by ブクログ
誰かの日常が誰かの人生に繋がっていると感じる物語。ひとりひとりの抱えている課題や感情に何かしらの共感を抱く。人って自分のことしか見れていなくて、自分のフィルターでしか人を判断できなくて、それが″思い込み″という厄介な判断軸になってしまう。
個人的に、本書に出てくる小さな子どもが昔の自分みたいで微笑ましさと同時に目が潤む。他の子どもたちと同じように出来ない自分。幼いながらに自分は自分で悩んでいたけれど、同時に両親には心配をかけていたんだなぁ。
今の自分は不器用ながら何とか楽しく生きている。それは自分が誰かの日常と混ざり合いながら、少しずつ変化してきた証だと感じた。
Posted by ブクログ
寺地さんの作品本当に好きだな〜。
あかつき商店街とそこにいるひとたちの連作短編。
仕事とかで疲れまくってて、集中力足りず入り込みきれなかったから途中誰が誰か分かんなくなったので星は4つ。
Posted by ブクログ
生きていたら必ずしも感じるだろう感情が綺麗にえがかれてる一冊、すてき
人にはそれぞれ、言葉にしてることの裏にいーっぱい考えていることがあって、表面的にでてきているのはその一部なんだろうなあ
「よく気づくけど行動力がない人はつかれる」ってささったな、行動力
Posted by ブクログ
閉鎖が決まっている商店街のキャラクターの着ぐるみを中心にそれぞれの暮らしが綴られたヒューマンドラマ
楽器店に勤める旦那さんの話が良かった
その頑張りはどこかで誰かが見てくれてるのかもしれない
Posted by ブクログ
あかつきんちゃんという被り物キャラを軸とした人間関係のお話の短編集?というか、繋がっているんだけど1つ1つ独立したお話でありながら登場人物はスライドしていく。
身につまされるエピソード多くて、ちょっと説教ぽくて
苦しくなったりもしたけど
根本に弱いものの味方だし
最終的に救われる感じでまとめてくれてるから
読みやすくて良かった
気を張って義理の母の前でうっかり涙が出てしまう若い母の話とか、私もうっかり泣いちゃった
今まで生きてきた中で、経験あるような細かなエピソード
普通というけど普通の基準とは何?普通から外れたらとたんに大勢から非難されてみたり
勝手な印象で人をカテゴリわけしてたり、されたり
日本の人間社会はなんて面倒なのかと思い知らされる本でもあった。
とここで皆さんの感想を読んで、やっぱり登場人物多いよねと。あかつきんちゃんが時々出てきて人に親切にしてる描写は良かったけども、最後になぜ親切にしていたのか?などの話、もう少し掘り下げてほしかったなあと思いました。
Posted by ブクログ
あかつきマーケットのゆるキャラ「あかつきん」が結ぶ人と人とのつながりの物語。
たくさん出てくる登場人物の関係性をしっかり確認したくてページを行きつ戻りつ読んでいたが、そんなことにとらわれなくても一つ一つの物語が心に沁みるエピソードばかりなので、それぞれ短編集として味わってもいいと思う。
「死んだ人間は、天国にもどこにも行かん。死んだら小さい、たくさんのかけらになって散らばって、たくさんの人間に吸収される。生きてる人間の一部になる。とどまり続ける。」
だから「生きてる自分を大事にするのがいちばんの供養」というじいちゃんの言葉が心に残った。
誰もが自信を持って前向きに生きているわけではなく、何らかの悩みや苦しみを抱えて生きている。それを少しでも軽くしてくれる人が周りにいることに気付けたり、大切に思ってくれる家族がいることに感謝できるようになりたいと改めて思えた。
Posted by ブクログ
閉店が決まったあかつきマーケットが舞台。行方不明になったゆるキャラのあかつきんを軸に、町の人それぞれにスポットライトが当たって行く短編集。
物語が繋がっているから、前の話でチラッと出てきた人が主人公になるんだけど、ガラッと印象が変わる。
なんてやつだ!と思っている人の背景を知って、切なくなった。
誰かのことをちゃんと知るって難しいんだな。
自分にも同じような後悔ある物語を読んで、前向きなって救われ気持ちになったり、自分もこんな風に考えたいってなったり。
気持ちがじわじわとあったかくなって前向きになる本だった^^
自分を大切にする。
まだ幼い女の子にが言われた「他人の期待に応えるために生まれてきたわけやない。他人に渡したらあかん」とか、
亡くなった人への「自分を大事にするのが一番の供養」とか、いろんな大事の仕方がある。
Posted by ブクログ
短編で少しずつ繋がっている登場人物たち、多分見落としている関わりもあると思う。
人とのかかわりは簡単に上手くいかないけど、それぞれの物語がほんのり前に進む描き方は柔らかく、ふんわりとした読後感だった。
悩みのない人はいなくて、簡単に生きている人は居なくて、つい誰かに嫉妬したりうらやましく思ったり、疎ましく思ったり、してしまう時、自分の殻に篭もりすぎないように、この気持ちを思い出したいと思った。
Posted by ブクログ
1つひとつの話の中で大きな出来事が起きるわけではないんだけど、日常の小さな変化によって考え方や今まで抱いていた印象が変わっていく様子がおもしろかった。
こんなふうに小さな選択の繰り返しで人生は進んでいくんだなあと、大袈裟にいうとそんな感じ。
Posted by ブクログ
閉店が決まった「あかつきマーケット」を舞台にしたお話。
マスコットキャラクターのあかつきんが失踪して、色んなところに現れる。
各話のどこかにあかつきんの描写があって、なかなかに面白かった。
ほっこりもさせてくれるので、読んでいて気持ちよくなる。
なぜ、あかつきんは、あちこちに現れるのか。
その中身は?え?中身なんていませんよ。
あかつきんはちゃんといるんですから。
Posted by ブクログ
朝が明るいとはかぎらない
八波来人
いつも明るい男。
由奈
同じフラワーショップで働く。
あかつきん
あかつきマーケットのマスコット。
芦田
十年前、あかつきマーケットでパートをはじめた。
柊
芦田の息子。
八波
現商店街会長。八波クリーニング。
白川
薄化粧の下に疲労が滲んでいる。
白川結
娘。
リヴァプール、夜明けまえ
ひろふみ
結と同じ三歳児クラスの子。
サエキ
ひろふみの母。リヴァプールへ引っ越した。
白川
清水
蝶を放つ
葉山ひかり
経理部。
時枝
里中
経理部。
白川
真奈美
時枝の妻。
沢田
経理部長。
恵吾
葉山の彼氏。
けむり
恵吾
ティッシュくばり。
真人
恵吾が居候している。
赤い魚逃げた
真人
節子
真人の姉。
雪野
葬儀社。
吉井
声の色
雪野礼司
葬儀社。
山口
宅配便の営業所。
浦上
宅配便のドライバー。
ひなぎく
笛木
スイミングスクールに勤めている。
アキコ
夫はインドから来た人。カレー屋。
浦上聡也
葉山ひかり
山口
遠くに住んでいる恋人がいる。たくさんの嘘をつく。
長崎
笛木が一時片思いしていたフラワーショップの女の子の友だち。
消滅した王国
玲実
自宅マンションの一室で個人ピアノ教室をはじめた。
由奈
花屋で働いている。
長崎めい
ちょっとだけ浦上とつきあった。
浦上
白川結
ピアノ教室の生徒。
美麗
レッスンに来なくなった生徒。
マサキ
玲実の夫。
文乃
はこぶね
千ちゃん
売れない作家。
聡美
みれの母。
あしだ
花屋の店員。
みれ
ピアノ教室をサボり続けている。
昼の月
由奈
来人
柊
芦田
柊の母。フラワーショップに勤めている。
玲実
真人
恵吾
グラニュー糖はきらきらひかる
美麗
颯真
亜子
颯真の母。
青いハワイ
柳田
課長。トキワサイクルの上のアパートに住んでいる。
瑛子
時枝
淳之介
瑛子の弟。
バビルサの船出
和樹
じいちゃん
トキワサイクル。
大沢
和樹の中学の同級生で無免許で乗り回していたバイクで事故を起こして死んだらしい。
淳
和樹と同じ高校。
生きる私たたのためのスープ
私
駅の構内のジューススタンドに勤めている。
夫
ヤシマという楽器メーカー勤務。市内の楽器店に出向。
清水
ジューススタンドの同僚。
野島
夫の同僚だった人。今はヤシマ本社にいる。
玲実
カズキ
ジュン
夜が暗いとはかぎらない
八波
芦田
柊
来人
ヒロフミ
サエキ
笛木
千ちゃん
れみ
Posted by ブクログ
同じ町に住む、いろんな人間の視点から成されるひとつの作品。それぞれを短編と捉えることも出来るかもしれないほどに、だれもが複雑な何かを抱えている。それを持った人間たちが人間関係という形で繋がり合い、絡み合っている。
全編通してなんとなく仄暗い、リアルでビターな雰囲気。でもふんわりあたたかい。
強いメッセージで背中を押してもらえる!というよりは、わたしたちに寄り添いながら気づかせてくれるような作品。
Posted by ブクログ
これから生きていこうとするそれぞれの主人公達。
エンドは何かそよ風が吹くような終わり方で嫌いじゃない。
短いストーリーだけれど、同じキャラクターが出て来たりだとか
色々な人の目線を知れることに面白みを感じた。
Posted by ブクログ
なんか前を向いて、ちょっと顔を上げて歩いていけそうな気持ちにさせてくれるお話ばっかりやった!
でも、人数多すぎて『この人誰やっけ?』となってしまった。。
もっかい改めて読まねばならんな。。
Posted by ブクログ
大阪市近郊の暁町。
閉店近い創業60年を超えるあかつきマーケット。
人気のゆるキャラ“あかつきん”が突然失踪のあと、町のあちこちに出没。なんだか人助けをしているようだが。
マーケットを中心に その町に住む母親・父親・娘に息子。13の連作ショートで多くの物語を連ねていきます。
「ただの朝と夜」を過ごしている住人達の 心がざわつく悩みや葛藤。一つの町を俯瞰しているようです。
奇跡は起きないけれど、それでも明日のために。
優しすぎない、踏み込みすぎない、そんな住民達の現実的な距離感。
みーんな何かしら心配事があるんだなって、なんだか安心したりした。
Posted by ブクログ
登場人物が多くて混乱した部分はあるけど、見えないところで頑張っていると見てくれている人は必ずいいる!というのが、この作者の作品の共通するところかなと思う。
『生きる私たちのためのスープ』が一番好きだった。
しんどいと感じる相手への心情を「卒業」すると表現したり、「めんどくさくない距離」を保つことはとても大切。
「わたしの人生はわたしのもの。それ以外のことはたぶんあとからついてくるから、大丈夫。」
Posted by ブクログ
読んでいる時の私の中の環境も関係してくるかもしれませんが、今回は残念ながら入り込めませんでした
登場人物の相関図を書きながら読んでいたのですが、なんとまあ多い、40人くらいはいました
町の住人が少しずつ繋がっていて、人が多くてあまり集中して読めませんでした
結局繋がりが把握できていなくても、読めてしまう話だったのですが。。。
物語としては、各々が人生色々ありという感じで、大きな変化はありませんでしたが、最後の『夜が暗いとはかぎらない』で母と息子の関係が少し進展したのは、なかなか感慨深いものがありました
少し間をおいて読んだら、また違った感想が出てくるかもしれませんね
Posted by ブクログ
素敵な言葉がたくさん散りばめられた作品だった。ひとつひとつの短編がどれも暖かくて、優しい気持ちになれる本。
「わたしの人生はわたしのもの。胸をはってみれがそう言えるんやったら、もうそれだけでじゅうぶん」
「私たちは、そこにあるものがいつかなくなってしまうという可能性を、いつだって忘れがちだ。なくなってしまう可能性にいつもおびえて生きていくのもまた、健全なことではないけれども。」
「『ずっと』は、はじめからそこに存在するわけじゃない。一瞬一瞬を積み重ねてつくっていくものなのだと、とつぜん気がつく。」
個々の人生が繋がっていき、それがどんどん増えることによって世の中が形成される。当たり前かもしれないけれど、それをこの本によって改めて気付かされる。
繋がりって、こんなにも暖かいものなんだな。
Posted by ブクログ
いろんな人のレビューにあるように登場人物が多いです。読んでいくうちに何度かこの人誰?となって、前に戻って確認するのが手間でした。
読後感は良いものの心に残る話がなくて……私の感性の問題かな?
「朝が明るいとは限らない」「明るいことに良い意味も、暗いことに悪い意味も含まれていない」という言葉が力強く感じられたのは良かった。
Posted by ブクログ
あかつきマーケットのあかつきんがキーワードのように見えてそうでもない、リレー形式で進む最近好きな形態
素朴な人生があるという当たり前のことに気づかされる
素朴な人生にもドラマがあり、そういう表情で進んでいく物語