寺地はるなのレビュー一覧
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仕事がメインの寺地はるなさん作品読んだの、初めて。寺地さんの目線で書くと、こうなるよね。
やさしい文章だし、お話もやさしいんだけど、かなり重ためのテーマもガッツリ差し込んでくる。寺地さんのそういうところが、現実っぽい。
主人公が自分かと思ったという人、意外といて安心した。
「傷ついたり迷ったりするのは弱い人間だけだとでも思っているのか」って、別の寺地作品のセリフを思い出すシーンが度々あった。
自分の意見をはっきり言うの、少なくとも私は「自分の意見を聞いてくれる環境があったから」ではない。「その言葉に従っていたら自分が壊される」という確信があって、そんなことされない権利が自分にあると信じるため -
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妹の子である朔と2人で暮らす椿とその周りの人たちの物語。
椿は空気を読めなかったり読まなかったりして、一見、確かに実際にいたら個性的に見えそう。でも色んな人とのやりとりの中で椿の考えることや迷いに共感できるところがたくさんあった。
寺地さんのお話で好きなところは、人と違ったり当たり前のように言われている価値観だったり無意識のモノサシに疑問を持つこと、勝手に判断しないというか判断してしまったとしてそれを流さないところ、それっていいの?と主人公や登場人物が考えて考えさせてくれる。
穂積や高雄、真弓さんもみんなそれぞれの魅力があって、椿との関係性もとてもよかった。
同期の杉尾に椿が言った言葉 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの本を読むのは2冊目。
前回の「水を縫う」でも感じだけど、本作でも登場人物たちが誰も“善悪”で描かれていないことに感心した。
誰かの生き方を絶賛するでもなく、誰かの価値観を否定するでもなく、「その人はそう生きている」という事実として丁寧に描かれている。
最初は「嫌な人だな」と思う登場人物でも、読み進めるうちに「ああ、私の中にもこういう感情があるな」と気づかされる。
そして、そんな自分の中の不器用で複雑な部分までやさしく掬い上げて、「それも人間らしさだよ」と受け止めてくれるような温かさがある。
「違いがあるまま、そこにいる」ことの尊さを感じさせてくれる物語だった。
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人に感情移入しない、はっきり出来ないことはできない。という女性がお見舞い代行というしごとをする事によっての移り変わりを見れました。
自分の気持ちを素直に出す、それで生きていくってかなり素敵な事であり、なかなかできない事ですよね。
生きづらいだろうなって思ってもそれを三葉はそう思わせない、そんな人からは変わってるとか、面倒と言われるけど、貫き通せる、わたしは素敵だなぁと思いました。
大人になると裏を読んだり気を遣ったりで人間関係が本当に疲れるけど、ここまで素直だと気持ちがいいです。
「他人に関心がないのは、相手のことをわかった気になりたくないからじゃない?」
この言葉は本当に響きました。 -
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じわじわ沁みてくるタイプの小説でわりとよかった。
中年になり我が身の衰えを自覚したり、親の老いた姿に心がしんどくなっている今は特に響いた。
「変えることって勇気がいるよね。
でも生きてるって変わっていくってことなんやで」
生きていけば、守られる側から守る側に変わり、歳をとったり病気になったりして変わっていくこともあるけど、それも全て生きているということ。
ネガティブに思える変化さえも、生きている証として受け入れていけばいいのだという前向きなメッセージをもらえた。
ジュエリーの知識はないけど、石留めの種類や、形の意味を知れておもしろい。
雫の形はかわいくて元から好きだし、意味を知るとより好 -
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みんなみんな1人で、でも繋がっている。
寺地はるな先生が紡ぐ夜は、
ほんのりあたたかくて心地いい。
夜っていいな、1人じゃないっていいな…
じんわり染み入る、ひととひととの物語。
實成冬至には、父が亡くなってから「モヤヤン」という何かにつきまとわれている。そいつから逃げるように、實成は夜を歩く。そこで出会う様々な人もみな、何かを抱えている。複雑な家庭環境だったり、上手く恋愛できなかったり…そんな何か引っかかる気持ちを、ただただ夜が、一緒に歩くメンバーたちが、軽く柔らかくしていく。
最後にみんなが選ぶ未来や冬至が導く答えは、リアルで決してキレイなものじゃないかもしれない。それでもそのリアルさが -
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タイトルがかわいいので読んでみた。
読んだら季節ごとに相応しい和菓子を食べたくなった。
実は比較的強い人目線からのお話だなと思った
困ってる人に気をかけて、ズバズバものを言える茉子の気持ちもわかるし、伸吾や満智花みたいに自分だけ我慢してやり過ごしたり、何かを選べなかったりする気持ちも共感できた。茉子自身は自分が強いなんて思ってないし、迷いながら意思決定をしていた。強い人もたくさん悩むんだなと思った。
人は場面や場所によって強い人にも弱い人にもなれるんだと思う。
茉子が「私は人を一側面だけで見るのが得意だ…」みたいなことを考えてて、私もそうだなって思う。粗暴な態度な人、時間にルーズな人を見る -
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ネタバレ初めて寺地はるなさんの作品を読みました。書店で、表紙と帯のコメントに惹かれて手に取った一冊です。
タイトルが、「いつか月夜」ですが、「いつか」月夜であって良いけど、「いつも」月夜であってはいけないという意味が込められていると感じました。
月夜のように、何かに照らされて、その明かりを頼りに生きるときがたまにはあっても良いかもしれないけれど、その心地良さに甘んじてはいけない。何に照らされなくても、自分の意思で歩かなければいけないときもあるということです。
話の内容としては、様々な事情を抱えた登場人物が、主人公と共に散歩会をするのですが、その抱えている事情や複雑な人間関係がだんだんと分かってきて -
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ネタバレお祖父ちゃん、生きたまま終わって、桐矢の人生をもう少し見ていて欲しかった。けど、本の通りの方が現実的なんだろなと思いました。
ご都合主義な展開にならず、どれもそうだよなという受け止め方や流れになって、けど登場人物たちの考えや受け止め方は、どれもピリリと刺激されるものになっていて、最終盤のセリフは誰のどのものでも印象に残りました。
新谷さんの、やりがいに関する話。桐矢の傷つく権利の話。守りたい、弱いから守るべきものと思うこと。みんな自分の芯があって、そこから必然に感じること、ちょっと危うくても変えることは出来なくて、でもそれがあるから何とか生きてけるんだよな、と思いました。