寺地はるなのレビュー一覧
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これはタイトルが好きすぎて。
誰でもこの気持ちになったことがあるんじゃないかな。
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羨み、傷つき
心揺れる10代。
そして年月を経て踏み出す
大人たちの新たな一歩。
万人向けに量産された
「大丈夫」ではなく、
自分の人生にとって必要な
「大丈夫」を与えてくれる――
(伊藤朱里)
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中学の同級生、天、ミナ、藤生。
天は家庭に違和感を覚え、閉塞感のある田舎から脱出したい。
ミナは、藤生のことが好きだが、藤生の気持ちを知って言えない。
藤生は天が気になって仕方ない、一緒にいたいと思っていたのに。
そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ行き場のない母子を引き取り共同生活をする場「のばらのいえ」、理想郷に思えるこの家に澱み沈殿しているヤングケアと未成年少女に対するハラスメント。
どうしようもない絶望感が終始溢れていて読み進めるのが辛い。ここを脱出したらしい主人公祐希は、何故またこの地獄に戻ってきたのか?
志道というサイテイ最悪の男が出てくる。根拠のない自信と捻じれた自己嫌悪と浅薄な差別意識をもつ男が、不労所得を得て成長を拒んだ時、弱くて恐ろしいモンスターが生まれるわけか…。
最後に希望があってよかった。祐希たちだけでなく、保も英輔も、これからはできるだけ幸せに、哀しみはあっても絶望だけはないように生きて行って欲しい。 -
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Posted by ブクログ
もう何とも言えない気持ち悪さが終始ついて回る。慈善事業というものは決して『心の綺麗な強く優しい人』が、これまた『心の綺麗な困っている弱者』を救済し、感謝に涙を流すといった童話のようなものではない。それをまざまざと見せつけられたように思う。介護や福祉の体制が中々完全に整わないのは仕事の大変さや賃金の問題もあるが、この助ける側と助けられる側の意識の乖離が大きいような気がする。
志道も実奈子も、『偽善者』というのがピッタリの人間だけど、この物語に出てくる全ての人が多かれ少なかれこれにあてはまる。祐希を助けてくれた人達も皆どこか完全ではない。
読後は完全にスッキリとはしないが、少しの希望が救われる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ寺地さんの小説で、初めて暴力的なシーンや詐欺という反社会的な描写に出会った。暗くて救いようのない主人公かと思いきや、最後は大切なことに気づかせてくれる、やっぱり寺地さんの小説だと思った。
幼い頃から貧困にあえぎ、10代で詐欺に手を染め、お金のためなら他者への共感力や思いやりとは無縁になってしまえた青年が、相棒やその認知書の母を通して、慈しみの情が芽生えていたことに気づいてゆく。
こどもをないがしろにして他者へ貢献してしまう母親、理想を押し付けてしまう母親。こどもは親の関心が得られない寂しさや、呪縛から逃れられず大人になってから苦しむ。
誰かに見守られながら泣きたい日もある。解説の原田ひか -
Posted by ブクログ
自分 「川のほとりに立つ者は」が面白くて他の作品もと手に取りました。人間の一筋縄ではいかない難しさや優しさを表現しているなってこの作品でも思いました。
自分らしく自分の人生を生きることは難しいと思います。誰かの影響を受け誰かに頼り生きているのが人生のように思います。
「大人は泣かないと思っていた」は短編集ですが、つながったお話です。最後のお話「君のために生まれてきたわけじゃない」、父への思い、母への思い、元カノへの思い、親友への思い、恋人への思い、色々な思いがあふれていて、そうやって生きている人間の美しさや強さなんかが感じられました。良い作品でした。ありがとうございました。