寺地はるなのレビュー一覧

  • こまどりたちが歌うなら

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    ネタバレ

    人間関係に疲れて退職した茉子が、親戚の社長に誘われ、経営する小さな和菓子会社「吉成製菓」に転職する。会社にはパワハラやサービス残業などの理不尽な社内ルールが存在し、その改善を目指す中で、茉子と同僚たちも変化し、働くことや生きることを見出していく。グラデーションをつけてゆっくり変化していく様子は会社が積み重ねた古き悪しき伝統の歴史の長さを感じられた。おいしそうな和菓子がたくさん出てくるが、内容自体は甘すぎない分、「吉成製菓」の和菓子と相性が良さそう。

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    2026年01月21日
  • ナモナキ生活はつづく

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    数年前に寺地はるなさんのお話を聞く機会があった。その時、自然体な方だなという印象を持ったのだけど、このエッセイもそのまんま。
    飾ることなく、日々の何気ない日常が綴られていて、さらに親近感を持ってしまった。
    私もそうだけど、人は歳を重ねるごとに周りの目が気にならなくなって、自然体でいられるのかも。
    人を不快にしないように節度は守りつつ、無駄に取り繕ったりしないところがいいなと思った。
    家事のやる気がおきない話は、ただただ共感。
    私もやる気が出ない時は「エネルギッシュ敏子さん」を呼ぼう。

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    2026年01月21日
  • わたしの良い子

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    気にする人の気持ちはわからないが、わからないからこそ、ないがしろにしてはいけない。
    責任を果たす、って具体的にどうやるの。
    他人の思う正解に添うようにわたしは生きてかなきゃならないのかな。
    いっぺんに考えるからだよ。いっぺんに考えたら、誰だって、どんな内容だって、混乱するよ。
    自分が納得できる理由がある場合はわたしも言葉を尽くして説得するが、「なんとなくそういうことになっているから」という理由で強制することはできない。
    自分でもなにがどう嫌なのか、はっきりわかってないのかもしれない。
    生きていくって、すっきり、きっぱり解決しない物事と、うまくつきあっていくことなんだろう。
    思ったことをぜんぶ言う必要はない。言葉は刃で、鈍器だから。
    他人から言われることを、いちいちまともに受け止めていたら、きりがない。聞き流すほうがいい時もいっぱいある。澱のように溜まっていくし、なにかささいなきっかけで湧き上がってきて、心を苦しめられる。
    他人の失敗を横目に「わたしはまだあそこまでじゃないから」と胸をなでおろす行為は卑しい。
    守るべき優先順位を間違えないこと。
    大人なんだから、好きにすればいい。いたくない場所に我慢して居続けるのも、それが本人の選択ならしかたない。
    怒っていいんだよ。おかしくない時に笑う必要なんかないんだって。平気じゃないのに平気だって言うのはやめようよ。

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    2026年01月20日
  • 雫

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    ジュエリー会社で地道に働く職人とデザイナー、上手く生きられない人たちのもどかしさを年代を遡っていく。胸に留めておきたい言葉が幾つかあった。

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    2026年01月18日
  • こまどりたちが歌うなら

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    1人の働く人間として、とても考えさせられる話だった。他者との関わりの中で、どうしても様々な顔を持たないといけないことがある。そんな中で一環とした態度を貫き、自分の思いを伝える主人公には、凄いなと思いつつ、生きづらさは多少なりとも感じた。見て見ぬふりをする方が生きやすいのでは?と思う亀田の気持ちは分かる。
    数ヶ月前前例のないことと向き合う時があり、もしかしたら未来の誰かの役に立ったのかな?と感じた。この件のお陰で、自分の立場が危ういのだが、他人の反応や期待は置いておいて、自分で自分を認めて過ごしていこうかなと思いました。

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    2026年01月15日
  • 雫

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    中学の同級生4人が卒業制作で出会った「雫」をモチーフに、30年間の人生の「終わり」から「はじまり」へと時間を遡り、物や人とのつながり、そして再生を描く感動のヒューマンドラマです。人生のままならなさや不器用さに寄り添いながら、ジュエリーのリフォームを通して「永遠」の意味を探求し、新たな一歩を踏み出す大人たちの姿を描いた作品です

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    2026年01月14日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    表紙に惹かれて買いました。
    着ぐるみが盗まれた!って、あんな大きな物を?と思ったのだけど、ところどころ活躍するあかつきんと、なぜあかつきんは盗まれたのか?という人の気持ちと、ささやかなことで日々は続いていて、
    私とか私の横の人とかの話が、暗く、時にほっこりとしつつ、しみじみと続いていきます。

    ミステリーなのかな?と思って読んだので、ちょっとだけ違ったなぁって思いました。

    どんな人の人生にも波があって、ストーリーがあるんだよって、そんな感じの作品。
    深いです。

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    2026年01月10日
  • 雫

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    ジュエリーデザイナーの主人公と周りの人たちの30年に渡る物語。年代が徐々に遡っていく構成で、するすると一気読み。
    人生のいいことも悪いことも、ただただ流れながら変化しながらずっと続いていく。

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    2026年01月07日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    推しの俳優さんがオススメしていたので購入。

    兄の「人と合わせられない」という悩みも、妹の「個性がなくて困っている」という悩みも、どっちも分かるから結末にすごく感動した。

    『前を向かなければいけないと言われても前を向けないというのなら、それはまだ前を向く時ではないです。準備が整っていないのに前を向くのは間違っています。向き合うべきものに背を向ける行為です。』
    ▶︎本文では大切な人の死について言われている台詞だけど、これって人生の色んな辛いことに言えるな、と思って大事な言葉としてメモしました。

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    2026年01月05日
  • こまどりたちが歌うなら

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    2024年出版。226ページ。関西の小規模な和菓子の会社と、販売店舗が舞台のお話。筆者の文体と軽めの関西弁が良い感じのリズムで、幾分か重い展開になった時も悲壮感が過ぎない。和菓子も必然的に多く登場するので、甘味好きな自分としてはとても嬉しい作品。
    登場人物同士、互いになかなか理解し合えないが、共通しているのは生きる事に一生懸命な点、かな。特に中心人物は、過去に言葉や思考を怠った事で悩みを抱え続け。だからこそ、言葉を繋ごうとする。周囲の者もそれぞれに言葉を発し...。「こまどりが歌う」事でお互いの物語が紡がれていく。
    良い作品でした。

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    2026年01月04日
  • こまどりたちが歌うなら

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    自分が見ているものは、視点を変えたら少しだけ違って見えるのかもしれない。社会で生きてると理不尽なことはあるけど、自分がどうしたいかを知るのが一番大事だと思った。

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    2026年01月03日
  • いつか月夜

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    学校に行かない熊さんがいう。「なにか理由がないと、泣いたらあかんの?」「すごい説明してほしがる。私を理解しようとする。でも頼んでないし。」
    「納得させてくれな承知せえへんでって」

    實成が、なるべく人と関わらないでいこうとしていたけれど、夜の散歩の人数がふえてくる。
    松江さんや、伊吹さん、塩田さん、みんな深く人と関わることを避けてきたように思う。
    そしてみんな、ちょっとしたことでも考えて、言葉を返している。相手に不用意に踏み込まない。
    周りには、悪い人ではないけれど、普通を押し付ける人たちや、ちょっと言葉を悪くする人が、やっぱりいて。

    夜の散歩の人たちには、ほっとさせられました。
    最後の方、隣の人の正体が幽霊ではなかったことなどにちょっと驚きました。
    いつも月夜ではなく、それぞれがいつか月夜。それでいいなと。

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    2025年12月28日
  • ガラスの海を渡る舟

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    発達障害のある兄の言動は、小説なので、かなり話の流れに合わせて作られている感じがあり、少し無理があるなと感じたが、全体として気持ち良く読めていい小説だった

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    2025年12月27日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    ネタバレ

    大切にしたい言葉がたくさんあって、一気読みしたが、結末がどうしても受け入れられない。そこやっぱりくっつくのね。最後の方はくっつかないでと願いながら読んでいました。

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    2026年09月05日
  • やわらかい砂のうえ

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    なんとも、まぁ色々と考えすぎなメンドクサイ主人公でしたwww
    かっこよくなくっても、めんどくさくっても完璧じゃなくても、いいじゃない。
    誰かに「大丈夫よ。」って言ってもらいたい。
    そんな日も、あるある。大丈夫。
    Un nouveau pas.
    新たな一歩がふみだせますように。

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    2025年12月21日
  • そういえば最近

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    評価はあまりよくないけど、私にとっては久しぶりに寺地さんらしい、という気持ちになった作品でした。自分自身がちょっと疲れていても、読んでいてなんとなく温かい気持ちになれる、ような。決して幸せいっぱいな話ではないのですが。

    「ハッピーエンドって作中人物が幸せになるっていう意味じゃないんですよ、本を閉じた読者が「ああおもしろかった、また明日からも頑張ろう」とか、そんなふうに思える結末のことなんです。」

    一気読みではなく、毎日少しずつ読んだので、最後に「おもしろかった」と思うというより、なんとなく1日の疲れとかもやもやを忘れさせてくれた感じでした。

    「あたしね、本ってドアなんだと思ったの。自分が今いる場所と違う世界が繋がってるドア。本の数だけ世界があって、誰かが開けてくれるのを何日だって、何十年だって待っていてくれるのよ。」

    だからこれからも本を読み続けます。

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    2025年12月20日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    支えだけど、あったかいいろんな人たちの話が詰まった1冊。そうちゃんとおばあちゃんの話が泣かせてくれた。自転車のじいちゃんが、引き取る間に、ばあちゃんを十分に大事にしたから、全然泣かなかった。別れは辛くない。

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    2025年12月17日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにした短編集。年齢のせいか、成人と結婚の話は微笑ましかった。
    祭りには儚さを、葬式には哀しさを覚える。
    人生の節目がぎゅっと凝縮された物語を読むと、自分の来し方を振り返って身が引き締まる。
    今、出会えてよかった。

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    2025年12月16日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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     閉鎖的な村社会から飛び出して十数年、久しぶりに集まって会うことになった三人の幼馴染の、悩みや葛藤、その先に踏み出す未来を描いた物語です。

     メインの主人公は、高校を卒業すると同時に家出して十数年、まったく地元に寄りつかなかった作家志望の天。この先も喧嘩別れした家族の元には戻る予定がなかったのだが、ある日幼馴染のミナから幼馴染で当時よく一緒にいた三人で会おう、という連絡をもらう。中学を卒業した時に、お互いに宛てて書いた手紙が見つかったのだという。三人でそろって開封しようと言われたが、その手紙に書いた文章を思い返すうち、彼女の中に当時の記憶が蘇ってきて――。

     このお話は、何人もの目線から多角的に物語が進むオムニバス形式になっています。視点が違えば、同じ物事でも捉え方が違う。こんなにも人は見事にすれ違っていくことができるのか、と思う部分もあれば、ああ私もこんなこと考えてた時期があったかも、と共感できることもあり、この作者さまは本当にもやもやとして捉えどころのない感情の動きを落とし込むのが上手いなあと感じます。十代の正しい感情に上手く置き換えることができないもどかしさや、もやもやとしてすっきりとしない、あの感覚。するりと読めるのに色々と考えさせられる内容でした。
     自分が羨んでいる『誰か』は、自分が思うほど自分の優位に立っているわけじゃなく、自分も全く気付かないうちに誰かにとっては羨ましく思われる部分があるのかもしれない。けれど、結局自分には他人から見た自分のことは見えないし、自分が自分であることしかわからない。だからこそ、この答えのない物語が心の中に沈んでいくのかもしれない。そんなことを考えながらラストまで読み切らせて頂きました。
     多角的に物事を捉えること、理解しようとすることは難しいことだと思うけれど、自分が見えるものが全てではないと知っているだけで、人は少しだけ周りとのすれ違いにも寛容になれるのかもしれません。私も、そうありたいと思います。

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    2025年12月16日
  • ガラスの海を渡る舟

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    p91
    他人は、自分の言ってほしいことを言わせるための装置じゃない。
    p250
    茂木くんは人に気を遣わせない言葉をたくさん知っているのだなと感心せずにはいられない。

    印象に残った。

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    2025年12月15日